PowerAppsとは?特徴やメリットを初心者向けに解説!

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PowerAppsとは、マイクロソフト社が提供するローコードプラットフォームのことです。

近年、企業のシステム開発の現場では、従来のエンジニアによるプログラミングコードの記述による開発から、PowerAppsを用いたローコード開発が行われるケースが増えています。

PowerAppsを用いてシステム開発を行うことにどのようなメリットがあるのか、具体的にどんなアプリケーションが開発できるのか気になる方も多いでしょう。

この記事では、ノーコード・ローコード開発に特化したシステム開発サービスを運営し、数多くのシステム開発を成功させてきたBOLTが、ローコードプラットフォームのPowerAppsについて、特徴やメリット、活用例まで徹底解説します。

PowerAppsの導入を検討されている企業のご担当者様はぜひご覧ください。

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目次

PowerAppsとは

PowerAppsとは

PowerAppsは、システムエンジニアがコーディングをせずとも、最小限のコード記述のみでアプリケーションを開発できます。

例えば、日々の業務で利用しているExcelの関数やPowerPointで資料を作成するのと同じような操作感でさまざまなアプリケーションやシステムを開発できます。

PowerAppsを提供するのは、WindowsやOfficeで有名なMicrosoft社です。同社では、2016年10月からPowerAppsの提供を開始しており、現在では世界中の企業に利用されています。

ここでは、PowerAppsの特徴と従来の開発方法との違いを解説します。

PowerAppsの特徴

PowerAppsの特徴は大きく分けて次の3つが挙げられます。

  1. エンジニアでなくてもシステム開発ができる
  2. 200種類以上の外部サービスと簡単に連携できる
  3. クロスプラットフォーム対応のシステムが開発できる

それぞれの特徴について詳しく解説します。

エンジニアでなくてもシステム開発ができる

PowerAppsの開発方法はコーディングではなく、専用の開発環境でドラッグ&ドロップ操作を行い、システム開発を行います。

開発画面説明
画像参照元:PowerApps

従来の開発方法では、エンジニアによるプログラミングコードの記述(コーディング)が必要不可欠でした。一方、PowerAppsの場合は、Excelの関数機能やPowerPointで資料を作成するのと同じ要領でシステムを開発できます。

システム開発をする上で必要な機能はパーツとして提供されているので、それらを必要な箇所にドラッグ&ドロップをしながら組み合わせることで、システムに機能が実装されていきます。

コーディング不要なので、プログラミングの知識や経験を持たない非エンジニアの方でも、Microsoft365の利用経験さえあれば、誰でもシステム開発ができます。

テンプレート説明
画像参照元:PowerApps

PowerAppsの開発環境には、業務や用途別にあらかじめテンプレートが用意されているので、これらを呼び出すことで、開発の手間を省くことが可能です。

例えば、基本的なシステムの土台部分に関してはテンプレートを活用し、独自機能だけを別途追加実装することで開発に掛かる工数を大きく削減できます。

200種類以上の外部サービスと簡単に連携できる

PowerAppsでは、外部サービスと連携するための機能として「コネクタ」が用意されています。

コネクタ説明
画像参照元:PowerApps

一般的に、開発システムと外部サービスを連携させるためには、データを繋ぐための開発や連携先の仕様調査などが必要です。

この外部サービスとの連携には多くの手間と時間がかかり、何より専門知識を持つエンジニアでないと対応できない領域なのです。

しかし、PowerAppsの場合は、連携させたい外部サービスの「コネクタ」を選択するだけでデータ連携が実装できるので、簡単にデータ連携機能を持つシステムを開発できます。

PowerAppsのコネクタの数は200種類以上あるため、連携先のコネクタがなくて困るというケースがほとんど起こりません。

もし、コネクタがない場合は「カスタムコネクタ」を独自に作成することでデータ連携が実現するので、あらゆるサービスと連携することができます。

クロスプラットフォーム対応のシステムが開発できる

PowerAppsで開発したシステムはOS(オペレーティングシステム)やブラウザに関わらず、どの環境でも利用できるクロスプラットフォーム対応システムとなります。

従来のシステム開発では、システムを稼働するOSやブラウザごとにシステムの仕様変更が必要です。仮に利用するブラウザがChromeとSafariの両方の場合、2つのブラウザ仕様のシステムを開発する必要があるため、開発工数が増加します。

しかし、PowerAppsで開発するシステムはクロスプラットフォーム対応となるので、OSやブラウザごとにシステムを開発する必要はありません。より自由度の高いシステムを最小の工数で開発できます。

従来の開発方法との違い

PowerAppsでは、既にあるものを再利用してシステムを開発する新しい開発手法です。これまでエンジニアがシステム開発の度に、同じような機能をイチから開発していた開発方法を根底から覆すものです。

例えば、ログイン機能や入力フォーム、データ連携機能など、開発する内容は違えど、これまでは多くのエンジニアがシステム開発の度に時間をかけて作成していました。

PowerAppsは、システム開発で利用される頻度の多い機能やデータ連携先の接続機能を、あらかじめ再利用できる機能として提供し、それらをエンジニアでない方でも簡単に利用できる環境を提供しています。

つまり、これまではエンジニアがいなければシステム開発ができなかったものが、アイディアさえあれば、誰でも簡単に業務効率化のためのシステムを用意できるようになるのです。

PowerAppsを活用するメリット

PowerAppsを活用するメリット

PowerAppsを利用してシステム開発を行った場合、企業は多くのメリットを享受できます。

ここでは企業がPowerAppsをシステム開発に利用した場合に得られる、3つのメリットを紹介していきます。

システム開発コストを削減できる

PowerAppsを利用すると、システム開発コストを大幅に削減することが可能です。

通常のシステム開発の場合、システム開発会社に依頼するケースが多いですが、その場合は長い開発期間と、高額な開発費用が必要となります。

システム開発を開始する前には、、クライアント(依頼元)のビジネスを理解したり、開発の目的や解決したい課題、目指すゴールなどを明確にし、その上で要件定義や機能設計を行う必要があります。それだけでも1ヶ月~2ヶ月の期間が必要となり、実際にシステムができあがるのは半年〜1年以上も先になります。

かつ、システム開発は開発会社のリソースをどれだけの量と時間を利用するかで開発費用が決まるため、長い時間をかければかけるほど、開発費用が膨れ上がります。

PowerAppsは既に用意された機能をドラッグ&ドロップするだけで開発が進むので、早ければ数日から数週間でシステムが用意できます。さらに、開発業務を内製化すれば、外注費分を抑制することが可能です。

システム開発失敗のリスクが少ない

PowerAppsを利用してシステム開発を行う場合、システム開発失敗のリスクを下げることができます。

例えば、よくあるシステム開発失敗パターンには次のようなものがあります。

  • 完成したシステムが要望と異なる
  • 現場で利用してもらえなかった

これらは発注者側の意図が開発会社やエンジニアに十分に伝わらなかった場合に起こる失敗です。

PowerAppsを活用すれば、業務フローや問題点を理解した現場の人間が自ら開発に携わることができるので、システムに必要な機能や現場が利用しやすい画面を理解した上で、開発を進めることができます。

従来の開発方法では、現場を熟知した人間が開発に携わることはできないので、開発会社との間に認識の相違によってシステム開発失敗に繋がりかねません。

PowerAppsを使えば、各現場の業務に精通した人材が開発に携わることができるので、システム開発失敗のリスクを抑制できます。

開発後のカスタマイズが簡単

PowerAppsで開発したシステムは完成後も、簡単に追加カスタマイズが可能になります。システム完成後には必ずといっていいほど、現場から追加カスタマイズの要望が出てきます。

完成したシステムが現場の手に渡り、実際に操作することで気づくことが多いためです。この追加カスタマイズ要望に対応するかしないかで、その後のシステム利用率や現場への浸透度合いを大きく左右することになります。

通常のシステム開発の場合は、追加カスタマイズの度に開発会社に見積をとり、社内に追加開発費用の稟議に時間をかける必要があるでしょう。一方、PowerAppは簡単な機能追加や変更であれば、自分たちで手を加えることができます。

PowerAppsなら追加カスタマイズ要望が出た場合でも、追加費用や開発期間をかけることなく、現場の要望を満たした機能をシステムに反映することが可能です。

PowerAppsの始め方

ここでは実際にPowerAppsの始め方について解説します。まずは、お使いの検索エンジンで「PowerApps」と入力するか、こちらのサイトからPowerAppsのページにアクセスしてください。

PowerApps|Microsoft

PowerApps公式サイトトップページのスクリーンショット
画像参照元:PowerApps公式HP

PowerAppsは有料ツールですので、利用するには月額利用料が掛かります。ただし、利用するのが初めての方に向けて、30日間の無料トライアルが用意されています。まずは使い勝手を試してみたい!という方は、「無料トライアルを始める」へ進みましょう。

無料トライアルを始める際は、メールアドレスを入力すればOKです。ただし、Gmailなどのフリーメールアドレスは利用が出来ないため、企業や学校などの組織で発行された独自ドメインのメールアドレスを使用してください。

PowerAppsのトライアル画面
画像参照元:PowerApps公式HP

メールアドレスを入力後、いくつかの手順に沿って進めていき、ダッシュボード画面が表示されれば初期設定完了です。

実際にアプリを作るには、ダッシュボード左側のメニューから「作成」をクリックします。すると、以下の画面に切り替わります。

アプリの作成方法には、大きく3種類があります。

  1. 空のアプリから作成する
  2. データソースを指定してアプリを作成する
  3. テンプレートを選択してアプリを作成する

どれを選択するかは作成したいアプリの用途によって異なります。

具体的な作成方法は、メニュー内の「学習」をクリックするとさまざまなチュートリアルコンテンツを見ることができますので、無料トライアル期間中に色々触れてみると良いでしょう。

PowerAppsのホーム画面
画像参照元:PowerApps

Power Appsの料金(ライセンス)

Power Appsの料金形態は、「サブスクリプションプラン」と「従量課金プラン」に分かれています。

サブスクリプションプランは、月額固定料金を支払うプランです。月額固定料金を支払えば、毎月無制限でPowerAppsを利用できます。

さらにサブスクリプションプランは、1人のユーザーが1つのアプリを使える「アプリごとのプラン」と、1人のユーザーがすべてのアプリを使える「ユーザーごとのプラン」の2つのプランがあります。

  • サブスクリプションプラン(アプリごと):月額540円
  • サブスクリプションプラン(ユーザーごと):月額2,170円

一方、従量課金プランは、ユーザーがアプリを使った分だけ費用が発生するプランです。

  • 従量課金プラン(アプリごと):月額1,120円

このように、PowerAppsでは作成したアプリの利用範囲や用途に応じて、適した料金プランを選ぶことができます。

powerappsの価格表のスクリーンショット
画像参照元:PowerApps公式HP

PowerAppsの活用例

PowerAppsの活用例

誰でも簡単にシステムを開発ができるPowerAppsは、部門単位の業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)のために利用する企業も増えています。ここではPowerAppsを用いて社内システムを開発した企業の事例を紹介していきます。

さらに詳しい事例を知りたい方は、「PowerApps活用事例7選!よくある課題別の活用方法も解説します!」の記事もあわせてご覧ください。

経済産業省:行政手続きのデジタル化

省庁や自治体における行政手続きのデジタル化にPowerAppsが用いられています。

経済産業省は2019年6月の「後援名義申請デジタル化等を例とした行政手続 PaaS 環境の導入実証・調査事業」にて既に実用化されているプログラミングレスツールを用いて、デジタル申請と処理が可能なシステムを開発するための基盤として、PowerAppsを採用しました。

行政の現場から「アナログ業務のデジタル化」の要望の声が多かったが、既存のシステム開発手法では時間と費用がかかってばかりで、効果が出せないことに加え、システム化するほどの業務量でない業務もあったため、検討が思うように進みませんでした。

しかし、PowerAppsを利用すれば、問題であった開発期間と費用を圧縮することが可能になり、かつ業務量が少ない業務も簡単にデジタル化を進めることができるのです。

従来のシステム開発はシステムが完成してから、検証作業をするため、手戻りが多く、完成までに多くの時間が必要ですが、PowerAppsはプロトタイプによる段階的な効果測定が可能なので、検証しながら開発を行えるため、手戻りを最小とすることができます。

手戻りが少ないということは開発期間の短縮とコスト圧縮に繋がり、経済産業省の抱えていた開発期間と費用の課題の両方をPowerAppsが解決した事例です。

サカタ製作所:外出先からでも在庫検索可能に

新潟県に本社を構え、建築金物の開発、販売を手掛ける株式会社サカタ製作所では営業部門における在庫確認のための在庫検索アプリをPowerAppsで開発しました。

導入前は基幹システムがオンプレミスであったために、社外からシステムのデータにアクセスする手段がなく、営業担当者は外出先から在庫検索をすることができないため、顧客に対してすぐに在庫回答ができない状態でした。

そこで営業部門の業務効率化のため、基幹システムのデータとPowerAppsを連携した在庫検索アプリをPowerAppsで開発することに着手しました。

アプリの導入後は5分間隔で最新の在庫情報をスマートフォンから確認できるようになったことで、営業担当の業務効率化と問い合わせスピードを改善することで、顧客満足度を向上し、受注増加の効果を生み出しています。

基幹システムに保存されていたデータを、PowerAppsのカスタムコネクタ機能を利用して連携することで、大きな開発コストをかけずに、業務効率化のアプリ開発に成功した事例です。

【まとめ】PowerAppsを活用すると簡単に業務システムを作成できる

【まとめ】PowerAppsを活用すると簡単に業務システムを作成できる

企業がPowerAppsに注目する理由は、従来の開発方法よりも、安価で簡単にシステム開発ができるというのが大きな理由です。

PowerAppsを利用すれば、従来のシステム開発方法で必要となるような高額な開発費用や長い開発期間は必要ありません。

また、エンジニアがいなくても、現場主導で簡単に業務システムを開発できるため、社内の業務効率化推進はもちろんデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を後押しすることにも繋がります。

アイディア次第では、中小企業であっても大企業に劣らないシステムをPowerAppsで開発することも可能です。

社内にシステム化要望や業務DXの実現に向けたシステム企画がある場合は、PowerAppsを用いた現場主導のシステム化を検討してみてはいかがでしょうか。

また、システム開発の外注先選びでお困りの方は、弊社までお気軽にご相談ください。

ノーコード・ローコードを用いた開発事例の共有ツール選定のサポートから要件定義実際の開発支援まで包括的にサポートさせていただくことが可能です。

システム開発を失敗しないために、弊社が相見積もりの取得までをサポートさせていただくことも可能です。むやみな営業電話などは決して行いませんので、まずは無料のご相談をお待ちしております。

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BOLT編集部

BOLTは、国内初のNoCode(ノーコード)/LowCode(ローコード)による開発に特化したシステムの受託開発・導入支援サービスです。
BOLT編集部が執筆するコラムでは、ノーコード・ローコードツールの使い方や事例紹介、システム開発の基本知識などを取り上げています。ノーコード・ローコードの開発に興味をお持ちの方やお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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どのように始める?脱Excel管理

Excel(エクセル)は多くの企業内で導入され、表計算やVBAによるマクロ機能が充実していることから、顧客管理や施工管理、品質管理など多くの業務管理に活用されています。

しかし、複数人同時での共同作業が行えなかったり、業務が複雑化、さまざまな場所にデータが点在することから管理が煩雑、属人化してしまいます。

本ウェビナーでは、Excelでの業務管理に限界を感じている経営者、管理職、現場社員の方達に向け、脱Excelをローコードツールで実現する方法を紹介しています。

ウェビナー目次

  • Excel管理の課題
  • 代替ツール(SaaS)の課題
  • 脱Excelをローコードで実現しませんか
  • ケース別の業務改善例

開催日時・場所

  • 開催日時:随時開催中!!
  • 開催場所:オンライン(Google Meet)
  • 参加料:無料

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