PowerApps活用事例7選!よくある課題別の活用方法も解説します!

PowerAppsを活用したいが、「どのような場面で活用すればいいのか」「どういう課題を解決できるのか」かイメージできずに困っている方は多いのではないでしょうか。

PowerAppsはアイディア次第でどんなシステムも開発することができますが、一方で初めてPowerAppsを利用する方や、現場主導活用する場合には活用方法を思いつくまでに時間がかかるのではないでしょうか。

せっかく導入したシステムもうまく活用できないと、「私たちでは使いこなせない」「部署ごとに効率化するのは無理だったんだ」というネガティブなイメージが付いてしまい、いつの間にか使われなくなってしまいます。

そこで、この記事ではノーコード・ローコード開発に特化したシステム開発サービスを運営し、数多くのシステム開発を成功させてきたBOLTが、PowerApps導入企業の事例を紹介すると共に、よくある課題別の活用方法も紹介します。

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目次

PowerAppsの活用事例

PowerAppsの活用事例

ここではPowerAppsを活用して、システム開発を行っている企業の活用事例紹介していきます。

PowerAppsの活用を検討しているが、活用方法が思いつかずに困っている方は、導入企業の活用事例を今後のシステム化の参考にしてください。

株式会社ファンリピート:モデル駆動型アプリを活用して販売管理情報を一元化

当社が開発のご支援をさせていただいた広告代理店企業様では、もともとエクセルを始めとした様々なシステムを使って、営業・販売に関するデータを管理されていました。

その際の課題として、

・営業部のAさんは△△のシステムを確認して〜
・マーケティング部のBさんは〇〇のシステムを確認して〜

と、いわゆるシャドーITと呼ばれる課題を抱えていらっしゃいました。

シャドーITとは、企業などの組織内で用いられる情報システムやその構成要素(機器やソフトウェアなど)のうち、従業員や各業務部門の判断で導入・使用され、経営部門やシステム管理部門による把握や管理が及んでいないもの。

引用元:IT用語辞典

上記の課題を「1システムでの一元管理を行えるようにする」という形で解決するために、PowerAppsのモデル駆動型アプリ(Dynamics365)での開発をサポートさせていただきました。

要件定義からご一緒させていただき、PowerAppsにはもともと存在しない機能「Excel帳票の発行」なども外部サーバーとのAPI連携で実現いたしました。

上記、PowerAppsモデル駆動型アプリの活用事例についてご興味をもっていただけた方は、当社までお気軽にお問い合わせください。

Telstra:顧客情報の一元管理

オーストラリアの大手通信会社テルストラは顧客サポートを行うための情報がスプレッドシート・紙などの様々な形式で社内に分散化してしまっていることを課題として、顧客への手厚いサポートを実現するためにPowerAppsを導入しました。

テルストラで作成されたアプリは「TIDE」と呼ばれる問い合わせ解決システムです。

TIDEには顧客からの問い合わせがチケットとして保存され、全ての担当者がアクセスして、問い合わせに対する進捗管理・情報共有する用途で開発されました。

顧客の問い合わせ情報が記載されたチケットには、関連する情報やコメントが記載できるようになっており、状況が変化した場合には関連する全ての従業員に通知される仕組みになっています。

管理者はTIDEで顧客からの問い合わせチケットの状況を確認して、進行中なのか、解決したのかを簡単に確認できるようになりました。

TIDEを利用することで、顧客から問い合わせを受けた時点で、問題解決のために必要な情報が全て集約されるため、現場の担当者は顧客対応する前にTIDEを確認することで顧客情報はもちろん、問い合わせ解決のために必要な情報を全て確認することができます。

TIDEによって、現場の担当者は迅速に問題を解決することができるので、顧客満足度の向上を実現しました。

Reliable Electric:見積積算の自動化

Relaiable Electricはカナダの高級個人住宅向けの電気設備の設計・デザイン・工事をトータルで提供している企業です。

顧客に対して提案をするためには見積書を作成する必要があり、顧客の住宅図面から材料を拾い出して、拾い出した材料情報から見積書を作成しますが、この見積作業に大きな課題が存在しました。

Relaiable Electricは見積積算のためにAccubidと呼ばれる古いソフトウェアを活用していましたが、図面から拾い出した情報を全てAccubidで入力し、計算された見積情報を全て、1つずつスプレッドシートにコピー&ペーストする作業を行っていました。

このコピー&ペースト作業は非効率な作業であり、かつ使いにくい画面であったため、見積積算に時間がかかり、顧客への提案スピードにも悪影響を及ぼしていました。

見積積算改善のためにツール導入を検討しましたが、Accessでは対応できず、Excelでは煩雑すぎて、従業員が利用することができないため、課題解決の手段が見つかりませんでした。

そんな中で、Relaiable ElectricはPowerAppsで見積積算システムを構築したところ、見積積算画面に図面から拾い出した部材の数量を入力するだけで、データベースに保存されている製品データや作業単価を参照して、見積書が自動作成されるようになりました。

見積作成にコピー&ペースト作業が不要になったことに加え、業者向けの製品リストや部品表も自動でシステムから作成されるようになったため、見積以外の業務改善も実現しました。

Pinnacle Group:ヘルプデスクの紙業務をデジタルに

Pinnacle Groupは公共物件の住宅、学校などの管理・運営を手掛ける企業です。

Pinnacle Groupでは管理する物件に対して、様々な監査を行い、それらの監査結果を報告していますが、この監査レポートは紙ベースの管理であったために面倒な業務が多く発生していました。

また、紙ベースの業務が原因で、メモ情報の入力漏れやスプレッドシートへの転記ミスが多く発生しているため、社内で問題視されていました。

そこで、Pinnacle GroupはPowerAppsを活用して、監査プロセスを効率化する安全衛生管理アプリを開発しました。

このアプリには監査業務に沿ったワークフローが設定されており、各フェーズごとに担当の監査官が必要情報をドロップボックスやコメントなどで登録できるようになっており、その他にもタスクの追跡などで作業漏れが発生しないよう仕組みになっています。

監査業務が全て完了すると、システム内で未完了の監査項目が集計され、レポート情報のURL情報がメールで関係者に報告されます。

レポートはPowerBIに連携されて、自動作成されるので、1つのツールで全ての業務の流れを追えるようになりました。

Pinnacle GroupはPowerAppsの導入により以下の効果を生み出しています。

  • 紙の印刷を年間3300枚削減
  • データの入力時間を550時間節約
  • 未対応の業務調整のための作業時間を年間450時間削減

PowerAppsで非効率な紙の業務を全てシステムに置き換えることで、高い業務効率化を実現しています。

Priceline:店舗データ集計作業を効率化

Pricelineはオーストラリアに480以上の店舗を構える大手医薬品販売業者です。

Pricelineの店舗責任者はデータ収集に大きな課題を抱えていました。

店舗責任者が自店舗の報告レポートを作成するためには複数のシステムにアクセスして、手作業でデータを収集する必要があり、このデータ収集に何時間も時間をかけていました。

またCMや各種広告を用いたプロモーションを行った際には、店舗の売上がピークに達するため、データ収集作業には更に時間が必要になり、全店舗から報告された報告データを本部がBIツールで視覚化するのにも、1営業日の時間が必要になりました。

本部が実績データを確認するのが1日遅れることで、プロモーション活動の結果を確認して、すぐに改善活動に動き出せないため、非常に大きな問題となっていました。

そこでPricelneはPowerAppsを活用した店舗データ集計アプリ「Heart in Hand」を作成しました。

この店舗データ集計アプリは、以下の改善をもたらしました。

  • 店舗責任者はどこからでも、店舗情報にアクセス可能
  • 自店舗のエリアに存在する全ての店舗の販売状況がリアルタイムで閲覧可能に
  • 店舗改善のための、アイディアや要望を投稿できるように
  • 必要なレポートを自動作成

Heart in Handにより、店舗責任者は人がやるべきでないデータ集計作業から解放され、本来の価値の高い業務に注力できるようになりました。

PowerAppsの「コネクタ機能」を活用し、外部のデータソースと連携し、必要な情報を一か所に集約することで、レポート業務の自動化を図った事例です。

Kelly Roofing:現場進捗管理のデジタル化

Kelly Roofingはアメリカフロリダ州で最大手の屋根葺き替え工事の請負業者です。

Kelly Roofingでは工事中の作業進捗の報告のために手順や状態に従って、作業員が写真撮影を行い、その写真データを登録・整理するために現場の作業員が、多くの時間をかけていました。

この現場作業員による写真での報告作業を効率化するためにPowerAppsを用いて、現場管理アプリを構築しました。

現場作業員は、作業の開始前、作業中、作業後の写真をスマートフォンからアップロードすることでアプリ側で作業員の担当現場の情報を参照し、データを自動登録します。

登録だけでなく、必要であれば作業報告情報を顧客や関係するメンバーにメールで共有することも可能です。

アプリに登録された作業データは毎日顧客に作業日報として提供されるので、現場作業員が報告のための日報を作成する必要もなくなりました。

現場作業員がアプリにデータを登録するだけで、営業担当者はリアルタイムに現場の進行状況を確認できるため、顧客からの進捗問い合わせ件数を30%削減することに成功し、業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現した事例です。

Metro Bank:デジタル化による新たな顧客体験を創造

Metro Bankはイギリスのロンドンに、50以上の店舗を展開する銀行です。

Metro bankではウェルカムエクスペリエンスと位置付けた高品質の接客サービスを提供するために、PowerAppsで接客対応用のタブレットアプリを開発しました。

従来の接客サービスでは、紙のクリップボードに顧客名を記入し、事務所まで戻り、CRMシステムで顧客情報を確認する作業を繰り返していました。

このアナログ業務の影響で、顧客の待ち時間を正確に判断できず、顧客に最適な担当者を設定するのにも時間がかかっていたため、十分な顧客体験をもたらすことができませんでした。

しかし、タブレットアプリの導入後は待機している顧客、対応可能な従業員、顧客担当者が昼食から戻る時間などのデータをタブレット上で簡単に検索・確認できるようになりました。

システム化されたことで、待ち時間の計測が正確になることに加え、受付窓口が対応可能になった場合に、店舗の外にいる顧客にアプリからテキストメッセージを送付することまで可能となりました。

接客業務にタブレットアプリを活用することで、わざわざデスクに戻らずに必要な情報を手にしたうえで、接客対応ができるため従来よりもはるかに高品質な接客サービスを提供できるようになりました。

PowerAppsで開発したアプリで非効率な業務を改善することで、業務の効率化だけでなく、顧客に対して新たな価値を提供することに成功した事例です。

現場でよくある課題別の活用方法

現場でよくある課題別の活用方法

ここでは、企業の現場によくある課題別のPowerAppsを活用方法を紹介していきます。

紹介する3つの課題は必ず社内に存在するものなので、PowerApps活用のヒントにしてください。

アナログ業務をシステム化したい

アナログ業務をシステム化する場合は、PowerAppsのテンプレートアプリを利用することをお勧めします。

PowerAppsでは部門別でよくある業務テンプレートアプリが用意されているので、それらを利用して、システム化することができないか検討をしてください。

もちろん、ゼロから開発することも可能ですが、テンプレートアプリを利用することでシステム開発工数を大幅に下げることができます。

基本的はテンプレートアプリを利用して、業務をシステム化できないか検討し、どうしてもテンプレートで解決できない部分がある場合は、その部分のカスタマイズをすることで最小の工数でシステム化が実現できます。

データを一元管理したい

複数のシステムやデータベースに散らばるデータを、一元管理したい場合はPowerAppsの「コネクタ」を利用して、データ連携することをお勧めします。

PowerAppsには200種類以上の外部サービスと連携するためのコネクタが用意されています。

従来ではデータ連携をするには、システムの繋ぎこみ部分の開発に加え、連携先のシステムの仕様調査が必要で、手間のかかる開発内容でした。

しかし、コネクタを利用することで、面倒な連携のための作業を省くことができます。

コネクタを活用してPowerAppsのシステムに集約できた後は、Microsoftが提供するBIツールである「Power BI」に連携することで、データを視覚化することが可能です。

データの集約はPowerAppsのコネクタを活用し、データの視覚化にはBIツールであるPowerBIを活用することで、データの集約から視覚化を1つのツールで管理することができます。

定型業務を自動化したい

毎日必ず行う定型業務はPowerAppsの「Flow(フロー)」機能を活用すれば、業務自動化の仕組みを構築することができます。

定型業務には必ず「この連絡がきたら、別システムに入力する」、「この作業の後はスプレッドシートに転記」など決まったワークフローとなっていることがほとんどで、システム化しやすい領域です。

PowerAppsのFlow機能はシステムから呼び出すことができる、ワークフローを作成することができる機能です。

例えば、問い合わせフォームに申請があった際に毎回、関係部署にわざわざ内容を転記して、メールを送付している定型業務があるとします。

この業務をFlowで自動化する場合は、以下のようなフローを組むことで解決できます。

  1. 問い合わせフォームに申請が入ったら、問い合わせ内容を取得する
  2. 取得したデータの連絡先部署の項目から送付先部署を指定する
  3. 送付先部署のSlackのチャンネルにデータを連携する

このような形のワークフローを構築するだけで、以降の問い合わせフォームからの申請は全てPowerAppsのアプリから、自動でSlackにデータ連携される自動化が実行されるようになります。

定型業務のような、決まった作業だけ繰り返す業務は最もシステム化しやすいので、Flowを活用して、業務自動化に取り組むのはいかがでしょうか。

【まとめ】非効率な業務は全てPowerAppsの活用対象

【まとめ】非効率な業務は全てPowerAppsの活用対象

この記事ではPowerApps導入企業の活用事例と企業の課題別の活用方法を紹介しました。

活用事例で紹介したように、PowerAppsはあらゆる企業の課題を解決できる柔軟性と拡張性を有したシステム開発ツールです。そのため、非効率な業務は全て、PowerAppsの活用対象となります。仕事をしていて非効率だと感じる場合は、それがPowerAppsを活用したシステム化のアイディアになります。PowerAppsにはテンプレートアプリも豊富に用意されているので、まずはテンプレートアプリと多少のカスタマイズで解決できる範囲で活用してみるのはいかがでしょうか。

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