企業で仕事をする際に避けて通ることができないのが紙業務です。
デジタル化が叫ばれている中で、未だに社内では紙業務が根強く、企業間のやりとりでも紙やFAXを利用している、非効率な業務体系となっています。
業務の中心が紙になると、紛失してしまうリスクや紙を保管するためのコストが必要になる点、再利用する際にすぐに取り出せない非効率性などの弊害が存在します。
また、自社がペーパーレス化を望んでも、取引先や関連会社が紙のやりとりを望む場合にはいつまで経ってもペーパーレスを実現することができません。
しかし、業務特化型のSaaSとノーコードツールを活用すれば、企業は外部環境を気にすることなくペーパーレスを実現することができるのです。
この記事では、ノーコード・ローコードを用いたシステム開発サービスを運営し、ノーコードツールを用いたシステム開発でペーパレス化を成功させてきたBOLTが、ペーパレスがなかなか進まない理由とSaaSとノーコードを活用したペーパーレス化の方法を解説します。
ペーパーレス化がなかなか進まない理由
日本企業の多くがペーパーレス化を目指してカイゼン活動やデジタル推進を行っていますが、ペーパーレス化が進まず依然として紙業務は根強く現場に残っています。
なぜ、紙業務が日本企業から無くならないのでしょうか。
ここでは日本企業の間でペーパーレスが進まない理由を紹介していきます。
システム導入コストの問題
紙業務をペーパーレス化するためのシステム構築には高額な初期開発コストと共に導入後の継続的な開発費用が必要になり、このシステム導入コストの高さが理由でペーパーレス化が停滞しているのです。
システム開発費用を抑えるのであれば、帳票作成システムなどのパッケージシステムを導入すれば、スクラッチ開発でシステムを構築するよりも安価に導入できます。
パッケージシステムのメリットは導入費用の安さと導入スピードの速さですが、帳票作成システムなどのペーパレス実現にパッケージシステムを活用すると、自社固有業務や自社オリジナル帳票に対応できないという問題が発生します。
パッケージシステムが対応できる帳票範囲に関しては、多くの企業で共通のフォームである請求書・発注書・見積書などに限られています。
しかし、既に多くの企業は請求書や見積書などは基幹システムで出力可能であり、実現したいペーパーレス化の中身というのは、企業固有の業務やそれに付随するオリジナル帳票の作成になります。
企業固有の業務に利用されているオリジナル帳票を作成するには、パッケージシステムでは対応できず、システムを独自開発する必要があり、開発費用は少なくとも500万から1000万円の開発費用が必要になります。
また、開発したシステムの活用範囲を拡大する際には追加で開発費用が必要になります。
新しい帳票追加は、画面から簡単に追加することができず、エンジニアがプログラミングをする必要があるため、初期費用とは別に帳票追加のための費用が帳票を追加する度に必要になります。
この紙業務のデジタル化に係る導入コストの高さがペーパーレス化が進まない理由の1つになっています。
取引先の意向に左右される
ペーパーレス進まない最大の理由は社内全体でペーパーレス化に前向きに取り組んでも、関係会社や取引先が紙でのやりとりを望む場合、その意向に従う必要があるためです。
社内の業務改善はシステム導入やツール導入などを行えば、比較的容易に実現できますが、関係会社や取引先を巻き込んだ改革は容易ではありません。
コストカットや業務効率化の流れからペーパーレスに取り組む企業も増えていますが、未だにFAXを用いた紙でのやり取りを望んでいる会社が多く、この古い考えを持った企業が取引先や関係会社にいる場合、いつまで経ってもペーパーレスは実現しません。
ペーパーレスは単純にシステムを開発導入すれば、解決するシンプルな問題ではないのです。
社内業務の中から紙をなくすことに関しては紙業務をシステムに置き換えることができれば実現できますが、取引先や関連会社とのやりとりになると相手の業務への考え方があるので、一方的な都合で紙でのやり取りを全てデジタル化すると気軽に言えるものではありません。
製造業などではメーカー側がペーパーレスを実現しようと考えるも、部品などを供給するサプライヤーの中にはそもそもPCも満足に使えない、FAXでないと対応できないという企業もあるため、一向にペーパーレスが進まない状況なのです。
ペーパーレス化には自社の企業努力だけでなく、関係会社や取引先の理解と協力が必須であり、この関係を築き上げるために相当な労力と時間が必要になることがペーパーレス化が進まない理由になっています。
ペーパーレス化を実現する手段とは?
ペーパーレス実現のためのシステム化には高額な費用が必要になり、自社の業務改革で紙を減らしても取引先の都合で紙業務から脱却できないのであれば、八方ふさがりかと思いますが、あきらめないでください。
現在は様々な業務に特化したSaaSシステム(クラウドサービス)が登場しており、これらは高額な初期費用が必要なく、利用した分の月額料金を支払うだけでシステム化を実現することができます。
またコーディング不要でシステム構築が可能なノーコードツールも登場しており、これらを活用することでペーパーレス化を実現することができます。
ここではペーパーレス化を実現するために利用すべきサービスとノーコード活用に関して紹介していきます。
SVF Cloudで帳票業務をデジタル化
SVF Cloudはウイングアーク1st社が提供する帳票クラウドサービス型です。
導入実績は26,000社を超えており、帳票作成だけでなく、データ連携や出力後の送信機能まで備えているので、ペーパーレス化を実現するために必要な機能が全て揃ったサービスになります。
SVF Cloudは大きく分けて3つの機能を提供しています。
- 作成する帳票データを受け取るための連携機能
- 帳票をデザインする帳票設計機能
- 帳票作成後の出力・送信機能
SVF Cloudは帳票作成で利用するためのデータを受け取るための連携機能として外部サービスから自由にデータの受け渡しができる「WebAPI」とSalesforceからボタン1つで簡単に帳票が出力できる「SVF Cloud for Salesforce」を用意しています。
SVF Cloudで帳票デザインをする場合はプログラミングなどは不要で、マウスのドラック&ドロップだけでデザインを構築することができます。
また、デジタル化したい帳票デザインをPDFにして、読み込みを行うとシステム側でSVF帳票レイアウトファイルを自動作成してくれます。
帳票のデザインをどれだけ追加しても追加費用がかからないので、システムの活用範囲を広げる際も費用を気にすることなく、帳票のデジタル化を進めることが可能です。
SVF Cloudは帳票出力だけでなく、出力後のメール送信やFAX送信までをシステム化することが可能です。
従来は顧客がFAXの望む場合は紙をプリントしてわざわざ複合機からFAXをしていましたが、SVF Cloudを活用すれば、紙のプリントも複合機を使わずにシステムから取引先に従来通りの形でFAXを送ることが可能になります。
顧客がFAXでのやり取りを望むがためにペーパーレス化を果たせなかった企業もSVF Cloudを活用すれば、取引先や関係会社の意向に左右されず、社内のペーパーレス化を実現することができます。
SVF Cloudはデータの受け渡しをするシステムとの連携部分だけコーディングが必要ですが、その他の帳票デザイン作成や帳票の出力・送信にはコーディングが必要ありません。
連携部分だけIT部門で実装してしまえば、現場主導でペーパーレス化を進めることもできるようになります。
SVF Cloudを活用すれば、導入コストの高さや取引先の意向を気にするのことなく、社内のペーパーレス化を推進することが可能です。
Bubbleとの連携でペーパーレス化を低コストで実現
SVF Cloudを利用するには帳票作成で利用するデータを作成・管理するシステムを準備する必要がありますが、Bubbleを活用すると安価に連携先の帳票データ管理システムを作成することができます。
Bubbleはプログラミング不要でシステム構築ができるノーコードツールです。
多くのノーコードツールが世の中には存在しますが、最も拡張性が高く、業務システム構築に適しているのがBubleです。
Bubbleは豊富なプラグインを提供することで各種サービスとの連携を可能にしているため、Bubbleで作成したデータをSVF CloudのAPI連携することで帳票データ作成・帳票作成・出力と送信までを仕組みを構築することができます。
SVF Cloudを活用したいが、そもそも帳票のデータを管理するシステムが存在しない場合は、プログラミング不要なシステム開発が可能なノーコードツール「Bubble」を活用してみるのはいかがでしょうか。
ローコード開発に関して詳しく知りたい方は「ローコード開発とは?企業が取り入れるべき理由やメリットを解説」をご覧ください。
【まとめ】SaaS×ノーコードでペーパーレスは実現可能
この記事では企業でペーパレスがなかなか進まない理由とSaaSとノーコードを活用したペーパーレス化の実現方法を紹介してきました。
これまではシステム導入コストの高さと取引先の意向に左右される影響で日本企業のペーパーレス化は難航してきました。
しかし、SaaSの「SVF Cloud」とノーコードツール「Bubble」を活用することで、導入コストや取引先の意向に左右されることなく、ペーパーレス化を推進することが可能です。
ペーパーレス化を考えた際にすぐにスクラッチでのシステム開発を検討するのではなく、業務特化型のクラウドサービスやプログラミング不要でシステムを構築できるノーコードツールの活用を検討するのが大切です。
作るのではなく、既存サービスを組み合わせて目的を実現するための仕組みを構築できれば、高額なシステム開発費用をかけずにペーパーレス化を実現することができます。
導入コストの高さや取引先の意向に悩まされている方は、SaaSとノーコードツールを組み合わせた仕組みを検討してみるのはいかがでしょうか。