動画生成AIの「HeyGen」というサービスについて聞いたことはあるでしょうか?
HeyGenは、動画制作が初めてという方でも簡単にプロ仕様の動画を作成することができるサービスです。
リアルなアバターやAI音声を選択し、テキストでスクリプトを入力だけで、アバターがスクリプト通りに話す動画を誰でもかんたんに作成できます。。
また、複数の料金プランが用意されており、無料からでも利用できるのが魅力です。
今回は、HeyGenの特徴や使い方から、料金形態にいたるまで詳しく解説していきます。
HeyGen(ヘイジェン)とは
HeyGen(ヘイジェン)とは、動画生成AIサービスのことで、簡単に高品質な動画をつくることができることから注目を集めています。
2022年7月に正式リリースされており、アメリカのロサンゼルスに本社を置く「Hey Gen」社が開発しています。共同創設者であるCEOのジョシュア・シュー(Joshua Xu)は、「Snapchat」でAI開発に従事していた経験を持っており、常に話題性のあるサービスに関わっている人物です。
HeyGenは既にAmazonやアクセンチュア、コロンビア大学といった有名な企業や大学が導入しており、その注目度がうかがえます。
主な特徴としては、話し手の口元を再描写する機能(リップシンク)や、テキストで入力した音声を自動翻訳してアバターに話させるといった機能が備わっていることです。
HeyGenの特徴
動画生成AIはまだまだサービス数が少ないジャンルですが、その中でもHeyGenは非常に便利な特徴を数多く持っています。
代表的な特徴として次の4つが挙げられます。
- テキストから動画を生成できる
- 多言語をサポートしている
- テンプレートが豊富
- ChatGPTと統合できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
テキストから動画を生成できる
HeyGenは、テキストで指示を出すことで簡単に動画を生成できます。簡易なメッセージだけでも映像で表現することでリッチなコンテンツに早変わりします。
多言語をサポートしている
HeyGenは40以上の言語をサポートしています。したがって、国内だけでなく海外に事業を展開している企業においても活用が可能です。また、音声についても300種類以上のデータが存在しています。
また、性別や声のトーン(嬉しい・深刻な・専門的な)によっても種類を選択可能であり、バリエーションの広さも魅力のひとつです。
テンプレートが豊富
アカウント登録を行うと、マイページ上にてテンプレートを確認することが可能です。テンプレートは定期的に追加されており、2024年2月時点で229のテンプレートが利用可能となっています。
例えば、広告用、ECサイト用、SNS用など、様々な用途から選択することが可能です。
また、これらのテンプレートはカスタマイズを行うことで自由度の幅はさらに広がります。
ChatGPTと統合できる
ChatGPTのプラグインを利用することで、ChatGPTと統合することが可能です。
ChatGPTでは、2023年から各種プラグインを提供しています。プラグインをインストールした後、ChatGPT上で作成したい動画の内容をテキストで伝えると、HeyGenを使った動画の制作を行うことが可能です。
例えば、アバターの性別や肌の色、タイトルの設定まで、ChatGPT上で設定できます。自然言語から動画を作成できるため、意図した通りに動画を作成することが可能です。
HeyGenを使ってできること
HeyGenを使うことで、簡単に動画を作成できることはもちろん、まるで動画クリエイターが作成したような、クオリティが高い動画を作ることが可能です。
ここでは、HeyGenを使ってできることを3つ紹介します。
- 動画制作初心者でも短時間で動画を制作できる
- 動画制作コストを抑えることができる
- クオリティの高い動画を制作できる
動画制作初心者でも短時間で動画を制作できる
HeyGenは、動画制作初心者の方にとってとても便利なサービスです。テキストで「こうしたい」という指示を出すだけで、簡単に高品質な動画をつくることができます。
また、テンプレート機能を利用することで、動画制作の専門知識が浅い方でも、魅力的な動画を簡単につくることが可能です。
特に、動画制作の過程は考えるべきことや、やるべきタスクが多いため、初心者にとっては学習コストが高いことが難点です。
HeyGenを利用することで、学習コストを掛けずとも、高いクオリティの動画制作を作成できます。
動画制作コストを抑えることができる
HeyGenでは、動画制作にあたりアバターを利用するため、動画撮影のための演者を用意する必要がありません。その結果、動画制作に関するコストを大きく削減することが可能です。
動画制作におけるコストは、単に製作費だけでなく、人件費など様々なコストがかかるため決して安い金額ではありません。
しかし、HeyGenでは無料で動画制作から始められるため、動画制作コストを大幅に抑えることが可能です。
ただし、無料版の動画に関してはHeyGenのクレジットが入るため、注意しましょう。
クオリティの高い動画を制作できる
HeyGenには、数多くのテンプレートが用意されているため、アカウント作成後すぐにテンプレートを利用して簡単にクオリティが高い動画を制作することが可能です。
テンプレートはスマートフォン用の縦型とPC画面用の横型の2種類が用意されており、最適なフォーマットに使い分けることが可能です。
実際に人が話すよりもリアルなアバターに話をしてもらうことで動画制作にかかる時間も効率化されます。また、自分自身の写真をアップロードすることで、AIが勝手に学習を進めてくれるため、撮影する時間がない場合や顔出しをしたくないという場合にもおすすめです。
HeyGenユーザーの声
HeyGenを実際に利用している例をSNSのXからご紹介したいと思います。日本ではまだまだ利用している人が少ない印象のため、海外の事例と日本の事例をそれぞれピックアップさせていただきました。
海外ユーザーの声
デフォルトで設定されているアバターを利用して動画を制作しています。簡単に制作することができたという意見でした。
アバターが話している映像だけでなく、スライドショーの画面を組み合わせるなど幅広い表現技法を実現することができています。
国内ユーザーの声
こちらは日本人の方の事例です。動画制作にすでに慣れている方からすると、AIによる話し方はやや不自然さがあり気になってしまうようです。
簡単にプロ仕様の動画を制作することができることがHeyGenのメリットですが、すでに動画制作に慣れている方からすると細かい点が気になってしまうということがあるように思われます。
HeyGenの使い方
それでは、実際のHeyGenの利用方法について見ていきましょう。以下の2つのステップでご紹介いたします。
- アカウント登録
- 動画の作成
手順通り進めていただくと、プロ仕様の動画を作ることができます。
STEP1:アカウント登録
まずは、HeyGenのサイトからアカウント登録を行います。登録は、メールアドレスかGoogle、Facebook、SSOを利用したログインが可能です。
アカウント登録が完了すると、マイページが開かれます。
Freeプランの場合、1Creditがはじめから付与されています。画面右上にCredit数が表示されていますので、確認することができます。
1Creditにつき1動画を作成することができ、有料プランになるとCredit数が増えます。詳しくは、料金についての章をご確認ください。
STEP2:動画の作成
画面右上の「Create with AI Studio」をクリックすることで動画を作成することができます。まずは、横長のLandscapeか縦長のPortraitを選択しましょう。
今回は、Landscapeを選択します。
はじめに、アバターを選択します。My AvatarかPublic Avatarから気に入ったアバターを選択しましょう。今回は、デフォルトのMy Avatarを選択します。
アバターを選択した後は、ScriptからAI音声と会話するスクリプトを選択することができます。そのほかにも、言語とアクセントを選択することも可能です。
動画が完成したら、画面右上のSubmitをクリックすると1Creditを消費して動画をダウンロードすることができます。
HeyGenの料金
Plan | Free | Creator | Team |
料金 | 0円 | $24 | $24 |
Credit | 1 | 180 | 360 |
AI Avatars | 60+ | 3 Instant Avatars | – |
Voices | 300+ | Premium Voices | – |
その他 | – | Auto Captions | チームでのコラボレーション |
HeyGenの料金は、料金のかからないFreeプランからEnterpriseプランまで4つのプランがあります。
Creditとは、30秒の動画を1つ制作するために必要な単位です。Freeプランの場合、1つの動画は無料で制作することができますが、それ以上の場合は有料プランへのアップグレードが必要です。
Teamプランの上位プランとしてEnterpriseプランも用意されています。Enterpriseプランでは、Creditが無制限となるとともにAPIやSSOの利用を行うことができます。
HeyGenの注意点
HeyGenは非常に便利な動画生成AIですが、利用に際していくつかの注意点があります。今回は、特に注意が必要な以下の2つについて解説します。
- 著作権侵害に留意する
- ディープフェイクを悪用しない
著作権侵害に留意する
声優の声や物語の文章などには著作権が存在します。そのため、勝手に声優の声を録音して利用したり、物語を読ませてSNSなどにアップするといった行為は著作権侵害に当たります。
利用する際には、著作権侵害に注意して利用するようにしましょう。
ディープフェイクを悪用しない
ディープフェイクとは、「ディープラーニング」と「フェイク」を組み合わせた造語です。特定の人物の動画に別の音声を話させるといったことで事実にはない動画を制作することが可能となってしまっています。
HeyGenでよくある質問
最後に、HeyGenでよくある質問について確認していきたいと思います。以下の2つについて解説していきます。
- HeyGenは商用利用が可能?
- HeyGenは日本語でも使える?
HeyGenは商用利用が可能?
HeyGenは商用利用することが可能です。ただし、Freeプランで制作した動画は「HeyGen」のロゴマークが表示されるため、そのまま商用利用することは難しいです。
もしも商用利用を行いたい場合には、Creators以上のプランを契約する必要があります。
HeyGenは日本語でも使える?
HeyGenは日本語でも利用することが可能です。ただし、デフォルトのアバターは日本人以外しかないため、日本人が話す動画を制作したい場合は、アバターをつくることから始める必要があります。
まとめ
HeyGenは、動画制作がはじめてという方でもプロ仕様の動画を簡単に生成することができるサービスです。
今回、実際に動画を作成してみましたが、とても簡単に動画を作成することができました。
商用利用に関してやディープフェイクに利用しないといった注意点がいくつかありますが、動画を用いたコンテンツを生成したい際にはHeyGenの利用がとても便利です。
動画を作成する必要があるという方はぜひHeyGenを利用してみてください。