2023年11月、ChatGPTの新機能「GPTs」がリリースされました。既に膨大なツールがリリースされており、ユーザーの多くが導入していることでしょう。
しかし数が多すぎて「どのGPTがおすすめなの?」と、使うべきツールに迷っている方もいると思います。
そこで今回は、おすすめのGPTsをマーケティング、クリエイティブ、コーディング、情報収集などのカテゴリ別に15個紹介します。この記事を参考にして、業務に取り入れながら効率化を実現しましょう。
GPTsとは?
「GPTs」とは、ChatGPTが提供するサービスの一つです。「GPT Builder」とも呼ばれます。
端的にいうと「誰でもオリジナルのGPTを作成し公開できるサービス」です。用途別にChatGPTをカスタマイズすることで、通常のChatGPTよりも高性能な回答を得られるようになります。
おすすめ「GPTs」人気ランキング15選
早速、おすすめのGPTsのツールをカテゴリごとに紹介していきます。
# | カテゴリ | GPTs名 | 詳細 |
1 | マーケティング | クリエイターサバイバルツール / Brand Buddy | 事業分析・ブランディングができる |
2 | マーケティング | SEO Article Assistant | SEOに特化した記事を作れる |
3 | マーケティング | Market Maven | マーケティング戦略のアドバイスがもらえる |
4 | クリエイティブ | Canva | 直感的にデザイン作業ができる |
5 | クリエイティブ | DesignerGPT | 文章だけでHTMLウェブページを生成できる |
6 | クリエイティブ | スーパーロゴデザイナ「ロゴ作る君」 | テキストからロゴを作れる |
7 | コーディング | Python Professor | Pythonの学習ができる |
8 | コーディング | Code Teacher | GPTsでコードの意味を解説してくれる |
9 | コーディング | Error Solver Pro | エラーメッセージに対する原因と解決策を提供してくれる |
10 | 情報収集 | WebPilot GPT | インターネット上の情報を参照して回答を生成できる |
11 | 情報収集 | Fact Checker | 情報の真偽を確かめる |
12 | 情報収集 | Consensus | 2億以上の論文をもとに回答を行う |
13 | その他 | Prompty | プロンプトを最適化できる |
14 | その他 | Auto Agent | 複雑な業務を自動化する |
15 | その他 | Humanizer Pro | AIが書いた文章を人間ぽく再生成できる |
マーケティング
まずはマーケティング業務を効率化してくれるGPTsツールです。マーケターの方はもちろん、システムエンジニアや事業開発者も活用できますので、ぜひ導入してみてください。
クリエイターサバイバルツール / Brand Buddy
「クリエイターサバイバルツール / Brand Buddy」は、利用者の事業を分析して、ブランディングやマーケティング施策を提示してくれるGPTsです。
具体的には以下の9ステップについて、それぞれ利用者で整理をしつつGPTに問うことで、最終的なアウトプットイメージの提供まで結び付けてくれます。
- 定義 – 相手の確認
- 自己分析 – SWOT分析
- 特技を見極める – クロスSWOT
- 戦場の確認
- 狙う顧客を定める
- 顧客の動きをイメージする
- 考えを整理する
- ブランディング定義
- レポート出力
具体的にブランディング手法の決め方が分からない方はもちろん、あらためて自社のビジネス戦略を見直したい方にもおすすめです。
SEO Article Assistant
「SEO Article Assistant」はSEO記事をつくりたいときに使うGPTsです。具体的には記事を執筆する前段の作業である「リサーチ」や「見出し構成の作成」といった作業をおこなってくれます。
実際に検索結果ページをもとに見出しを考えてくれます。またユーザーの検索意図を理解して組み立てられるため、比較的SEO対策がなされているアウトラインを作ってくれるのが特徴です。
そのうえ記事内に挿入すべき外部リンクや、LSI(再検索)キーワードなどを提示してくれます。
ただし独自性などの観点は含まれていないため、実際のSEO担当者は、あくまで参考程度にしつつ構成を作る必要があります。
それでも「アウトラインの作成」という時間がかかる業務の叩き台を作ってくれるだけで、便利なツールです。
Market Maven
「Market Maven」はマーケティング施策の課題に対してアドバイスしてくれるGPTsツールです。
例えば上記の画像は「リスティング広告のCPAが目標値に達しないが、打ち手は?」というプロンプトに対する返答となっています。複数の解決策を提案してくれました。
このようにBtoC・BtoB問わず、集客、ナーチャリング、コンバージョン、LTVの最大化にいたるまで、マーケティング課題解決のアイディアを出してもらえるのが特徴です。まさにマーケティングコンサルタントの代わりになるようなツールといえます。
クリエイティブ
続いてクリエイティブの制作業務において便利なGPTsを紹介します。特にデザイン業務の効率が高まるものを紹介しますので、デザイナーの方は参考にしてみてください。
Canva
既にノーコードデザインアプリケーションとして人気のCanvaを、GPTsツールとして使えます。テキストで「○○のデザインを提案してください」と打つだけで、数種類のデザインパターンを提案してくれます。
例えば上記の画像では「採用広告のFacebook広告のテンプレートを共有してほしい」と提案しました。このように、幅広いデザインパターンを提案してくれます。
またアウトプットにはCanvaへのリンクが貼られていますので、そのままシームレスに編集できるのも嬉しいポイントです。
DesignerGPT
DesignerGPTはテキストだけでWebサイトを制作できるツールです。
「どんなWebサイトを作りたいか」「その内容は何か」「デザインのカラーはどうするか」「デザインのテイストはどうするか」などの要素を入れて、指示することで簡単なデザインでWebサイトを作ってくれます。
例えば上記の画像では「コンサルタントの自己紹介ページ」の制作を指示しました。すると、DesignerGPTのリンクを提示してくれます。リンク先のページは以下です。指示に合わせてWebページを作成してくれました。
もちろんこれで完成とはいえませんが「ディレクター・デザイナーがWebページのイメージを作る際」などに活用できます。
スーパーロゴデザイナ「ロゴ作る君」
スーパーロゴデザイナ「ロゴ作る君」は自然言語で指示するだけで企業やサービスのロゴを作れるGPTsツールです。
まず依頼をすると、以下の点を確認してくれます。
- 企業の名称やロゴに含めたい文字はありますか?
- 企業の理念や、ロゴに込めたいメッセージがあれば教えてください。
- 希望する色彩やデザインのスタイルがありますか?(例:モダン、クラシック、シンプルなど)
- 競合他社のロゴで参考にしたいものはありますか?
- 特に強調したいサービスや技術分野があれば、それもお聞かせください。
これらの要素をもとに依頼をすると「コンセプト案」と「デザイン案」を整理して教えてくれます。この案に賛同してデザイン制作を促すと、ロゴデザインをアウトプットしてくれるツールとなっています。
例えば今回は以下の指示を出しました。
- 大手企業向けのSIerの企業ロゴ
- 企業名は「TEST株式会社」
- 理念は「すべて任せてください」
- 色彩は黒と白ベースでモダンな感じ
- 競合他社のロゴの参考はない
- 強調したいのはエンジニアの技術力
その結果、以下のロゴを提案してくれました。
このように「技術力」から歯車のイメージを用いるなど、要望に基づいて提案してくれます。また若干フォントが崩れていますが、社名や理念も記載されています。
このデザインで確定はできませんが、叩き台や示唆だしの道具としては十分使えます。
コーディング
続いて、プログラマー、エンジニアが使えるコーディング支援のGPTsを紹介します。
Python Professor
Python Professorは、ChatGPT上でPythonを学べるツールです。基礎はもちろん、実際に書いたコードをもとに壁打ちしながら学ぶこともできます。
例えば上記ではPython初心者が、まず学ぶべき「基本概念」を質問しています。このように、各専門用語について、実際のコード画面を共有しつつ教えてくれるので分かりやすいです。
またコードのレビューにも使えます。もし間違っていた際は解説付きで正しいコードを教えてくれるので、初級者には特にありがたいツールです。
Code Teacher
Code Teacherは、チャット画面に貼り付けたコードについて、言語や仕組みを教えてくれるツールです。
例えば上記画像では「1~10までの数字を足す」というPythonコードを共有しました。Code Teacherは「そのコードが何を表すか」だけではなく、各行について詳しく説明してくれています。
長くて読みづらいコードを解読するだけではなく、仕組みまで解説してくれます。エンジニア・プログラマー初級者の教育にも使えるGPTsツールです。
Error Solver Pro
Error Solver Proはエンジニアがたびたび頭を悩ませる「エラーメッセージ」に対して、原因と解決策を提示してくれるGPTsです。
上記の画像の例では、基礎的な「SyntaxError: incomplete input」という構文エラーについて、共有をしました。
するとメッセージの内容だけではなく、考えられる原因や解決策を、具体例付きで解説してくれます。
エラーメッセージは、なかなか原因が解明せずリサーチに時間がかかることもあります。その点、このツールを使うと、すぐに解決できるため業務効率化につながります。
情報収集
続いて、業務内での情報収集の効率を高めるツールを紹介します。
WebPilot GPT
WebPilot GPTはWebサイトの情報を瞬時に調べられるツールです。対象のURLを貼り付けることで、そのWebサイトに掲載されている情報を瞬時にリサーチしてくれます。
通常のChatGPTの場合、ドメイン以下の各ページをクロールして情報をキャッチアップしてくれません。あくまで対象のURLに限定されてしまいます。
しかしWebPilot GPTはドメイン以下のURLまで調べられるので、競合調査・ベンチマーク調査などの工数を大幅に削減できます。
Fact Checker
Fact Checkerは記載した内容が事実かどうかを調べてくれるツールです。対話型AIは「ハルシネーション」といって、間違えた情報を提供してしまう可能性があります。そのためファクトチェックが必須です。
Fact Checkerを導入することで、こうしたファクトチェックを即時的に完了できます。また回答に対して、参考サイトのリンクもつけてくれるのがポイントです。
Consensus
Consensusは2億以上の論文をデータソースとして回答してくれるツールです。
先述したように、一般的な対話型AIはハルシネーションを起こしてしまう可能性があります。その背景の一つが「間違ったデータを学習していること」です。
その点、Consensusは論文をもとに回答をしてくれるのが強みです。通常通りにChatGPTを使うよりも信頼度が高い回答を出してくれます。
例えば上記の画像では「気候変動が国内総生産(GDP)に与える影響は?」と質問しました。画像のように、回答とともに論文資料を添付してくれるので、利用者がすぐに確認できます。
その他
そのほか汎用的に使える業務効率化GPTsのツールを紹介します。
Prompty
PromptyはChatGPTと対話する際のプロンプトを最適化してくれるツールです。
例えば上の画像では「SQLの練習に使いたいから適当なデータをエクセル形式で出力してください」を最適化したプロンプトに直してもらいました。
するとプロンプトの問題点や改善案を提示してくれます。最終的には以下のプロンプトに直してくれました。
“””
目的: SQLの練習に適したデータを生成します。
形式: Excel形式での出力を希望します。
要件:
– データセットはSQLの練習に適しており、初心者にも扱いやすいこと。
– 少なくとも、顧客情報と購入履歴の2つのテーブルを含むこと。
– 各テーブルには最低10行のデータを含むこと。
データのドメイン: (例: 小売、財務、教育など、具体的な業界または関心領域を指定してください。)
“””
このように、より具体的な指示に直してくれます。
Auto Agent
Auto Agentは複雑なタスクを自動化するツールです。
例えば上記の画像では「地球温暖化のレポートを書いて」と依頼しました。すると「原因調査」「影響調査」「対策の調査」「改善の提案」「最終的なレポーティング」とステップを分解しながらタスクを進めてくれます。
抽象度の高い業務をタスクレベルに分けて進めてくれるので、安心して自動化できます。
Humanizer Pro
Humanizer Proは、AIが書いた文章を人間が書いたように修正してくれるツールです。
AIが書いた文章はどうしても、独特の癖があります。抽象度が高かったり、結びの書きっぷりが似ていたりします。こうした文を人間っぽく再生成してくれるツールです。
AIを用いてブログを書く際などに活用できます。
よくある質問
- GPTsはどこからダウンロードできる?
-
GPT Storeへアクセスしてダウンロードしてください。
GPT Storeに関しては以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
- GPTsって無料で使えるの?
-
GPTsのダウンロードは無料です。
ただ、ChatGPTの有料プランに入らないと、GPTsを使うことができません。
まとめ
今回はおすすめのGPTsを、カテゴリ別に15種類紹介しました。GPTsを取り入れることで、これまでのChatGPTをよりパワーアップできます。
マーケティング、クリエイティブ、コーディング、情報収集など、さまざまな側面から活用できますので、ぜひこの記事を参考に取り入れてみてください。