ChatGPTでExcel作業を効率化する方法!連携の方法、関数・VBAの使い方など

ChatGPTはここ最近、急速に普及しています。職種・業種問わず業務を効率化できるツールです。

また社会人の多くが、業務においてExcelを用いていることでしょう。そのなかで「どの関数を使うべきか」「VBA・マクロの組み方が分からない」といった疑問が生まれると思います。

そんなExcel業務はChatGPTを使うことで効率化できます。

今回は「ChatGPTを使ってExcel業務を効率化できる方法」や「おすすめのアドイン機能」を具体的に紹介します。ぜひ毎日の業務に取り入れてみてください。

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本ウェビナーでは、Excelでの業務管理に限界を感じている経営者、管理職、現場社員の方達に向け、脱Excelをローコードツールで実現する方法を紹介しています。
目次

ChatGPTをExcel業務に活用して何ができるのか

具体的にChatGPTをExcel業務に活用する方法を手法ごとに紹介します。「関数を調べる」から「Excelシートのデータを分析する」まで幅広く効率化できます。

用途ごとに紹介しますので、ご自身のタスクにマッチするものを取り入れてみてください。

必要なExcelの関数を教えてくれる

自分が編集したいExcelに対して、必要な関数が分からない場合にChatGPTを用いることで、回答をしてくれます。以下が例文です。

ChatGPTのアウトプットイメージ1

回答を正しく得るためのコツは具体的な「列」や「セル」を指定することです。すると、ChatGPTに命令が正しく伝わり「どの列に何を書けばいいのか」を詳細に教えてくれます。

また、より抽象度の高い質問にも回答してくれます。以下は質問と回答例です。

ChatGPTのアウトプットイメージ2

このように抽象度の高い質問をした場合は、タスクをステップ化したうえで回答してくれます。Excelの操作に慣れていない方でも、関数を使いながら業務を推進できますので、ぜひ試してみてください。

テーブル形式に直してくれる

プレーンテキストで情報が羅列されている場合、これまでは一つずつコピーしてExcelに貼り付ける必要がありました。そのため膨大な時間を費やしていました。

しかしChatGPTに頼めば、プレーンテキストの情報を表形式に直してくれます。例えば以下の情報があったとしましょう。

A君 100点 B君 60点 C君 30点 D君 15点 E君 80点

これをChatGPTに「Excelに貼り付けやすいように表形式に直して」と依頼をするだけで直してくれます。コピー&ペーストをする時間を短縮できるため便利です。

ChatGPTのアウトプットイメージ3

また、この項目をChatGPT上で昇順・降順に直すことも可能です。

ChatGPTのアウトプットイメージ4

また「ジャンル分け」も可能です。例えばホームセンターの商品を入力するにあたって、以下の項目が羅列されたとしましょう。

ドリル、ハンマー、ペンキ、園芸用土、観葉植物、屋外用テーブル、LED電球、パイプ、電線、ねじ・釘、モップ シンク用水栓、トイレットペーパーホルダー、カーシャンプー

これらの項目を以下のように「法人 / 個人」「屋内 / 屋外」など、ジャンル分けしてもらえます。

ChatGPTのアウトプットイメージ5

元のテキストデータを表に落とし込めるだけでなく、元情報を参考により深い要素を追加できることが、生成AIの魅力です。

VBAの提案をしてもらえる

Excel VBA(Visual Basic for Applications)とは、Excelの拡張機能の一つです。簡易的なプログラムを書くことで、処理の自動化など業務効率化ができます。

VBAはプログラミング言語を使うため、コードの書き方を知っておく必要があります。

ChatGPTでは、VBAに関する質問もできます。例えば「Excelのデータを毎日PowerPointに転送してグラフ表示する」という作業を行いたい場合、以下のように質問します。

ChatGPTのアウトプットイメージ6

すると、上記のように具体的なコードを教えてくれるので、プログラミング知識がない方でもコピー&ペーストで作成できます。

Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)で分析ができる

ChatGPTは2023年7月、有料版であるChatGPT Plusの利用ユーザー限定で「Advanced Data Analysis(旧Code Interpreter)」をリリースしました。

現在はGPT-4の標準機能となっているため、有料版に登録すればチェックボックスに入力しなくても使えます。

利用手順を紹介します。まずはチャット欄の左端のボタンを押して、対象のExcelファイルをアップロードしましょう。

ChatGPTのアウトプットイメージ7

すると、以下のようにデータが選択されますので、送信します。その後、分析したいことをテキストで質問するだけです。

ChatGPTのアウトプットイメージ8

例えば以下の「各国の人口・男女別の人口」をまとめたExcelを読み込ませてみましょう。

Excelのアウトプットイメージ

すると以下の回答のように、Excelのデータを読み取ってくれます。

ChatGPTのアウトプットイメージ9

そのうえで、データの編集・分析が可能です。例えば「大陸別」に分けてほしい場合は以下のように指示を出します。

ChatGPTのアウトプットイメージ10

また男性比率・女性比率の高い国を抽出できるなど、分析に役立ちます。

ChatGPTのアウトプットイメージ11

今回のデータはシンプルですが、実際にデータサイエンティストやマーケターが使うcsvデータは非常に複雑で難解です。そのため分析に時間がかかります。これらの専門的なスキルを持つ人材は人件費が高いので、頭を悩ませる経営者も多いことでしょう。

しかしChatGPTを用いることで、データ分析がよりスピーディになります。企業としての施策実行スピードが高まるうえ、コスト削減にもつながるのが魅力です。

ChatGPTとExcelを連携させる方法

ではここからは実践編です。ChatGPTとExcelを連携する手段を3つ紹介します。

ChatGPT for Excelの活用

一つ目はExcelのアドイン「ChatGPT for Excel」をインストールする方法です。Excel画面上でChatGPTを使えます。ただしOpenAIのAPIキーが必要です。

ChatGPT for Excelを導入することで、通称「AI関数」と呼ばれる機能を使えます。具体的には、以下の関数を用いて各機能を呼び出せます。

機能名機能説明
AI.ASK文章を生成する
AI.LISTリスト(個条書き)を生成する
AI.TABLE表を作成する
AI.FILLデータを補完する
AI.FORMATデータのフォーマットを作成する
AI.EXTRACTデータを抽出する
AI.TRANSLATE翻訳をする

例えば「AI.ASK」を用いて「ChatGPTを使うべき理由は何ですか」と質問すると、以下のような結果が出ます。

Excelのアウトプットイメージ2

「ChatGPT for Excel」をインストールする手順については、後半で詳しく紹介します。

Excel Labsの活用

「Excel Labs」を使ってChatGPTを活用する手段もあります。「Excel Labs」とはMicrosoft公式によるアドイン機能です。

ストアからインストールできます。また利用に当たって、OpenAI社のAPIキーが必要です。

Excel Labsのスクリーンショット

「Excel Labs」では「LABS.GENERATIVEAI関数」を使えます。この関数を用いることでExcel上で質問ができ、ChatGPTが回答してくれます。

ExcelでChatGPTを活用する際の注意点

ChatGPTを用いるとExcel業務を効率化できます。ただし利用にあたって注意点があります。事前に確認をしておきましょう。

関数やVBAの基礎知識が必要

利用にあたって、最低限の関数・VBAの知識が必要です。何も知らない状態だと、まず「どの場面で関数・VBAが利用できるか」が分かりません。そのため使い方のイメージすら湧かないでしょう。

またChatGPTは間違ったアウトプットを出す可能性もあります。関数やVBAの知識がないまま、回答を鵜呑みにしてしまうと、関数やコードのミスに気付けません。Excelについて、最低限のリテラシーをもったうえで利用しましょう。

ChatGPTが必ずしも正しいとは限らない

先述した通り、ChatGPTは間違った回答を返すこともあります。そのため、ChatGPTを使ってExcel作業をした場合は、必ず最後に人間の目でレビューをしましょう。ミスに気付かないまま仕事を進めると損失につながってしまいます。

これはExcelに限らず、ChatGPT全般でいえることですが、AIはあくまで「作業者のパートナーを雇った」という意識を持つべきです。情報をすべて信じるのではなく、人間で正誤性を判断しましょう。

ChatGPT for Excelの使い方

先述した「ChatGPT for Excel」の使い方を3ステップで紹介します。ここでは初心者の方向けにスクリーンショットを貼りながら紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.  アドイン一覧から「ChatGPT for Excel」を追加する

まずは「ホーム」タブの「アドイン」から「その他のアドイン」をクリックし、検索窓で「ChatGPT for Excel」と調べましょう。

ChatGPT for Excelの追加イメージ

すると以下のアドインが出現します。

Officeアドインのスクリーンショット

「追加」を押すと、Excelに追加されます。

ChatGPT for Excelのスクリーンショット

2. OpenAIのAPIキーを取得

次にChatGPTのAPIキーを取得します。OpenAIのWebページにログインして「API」をクリックします。

OPENAIのAPI キーのスクリーンショット

次にサイドバーにある「API keys」から「Create new secret key」をクリックし、APIキーを発行します。

OPENAIのAPI キーのスクリーンショット2

コピーができたら完了です。APIキーは大切に保管しておきましょう。

3. APIキーを「ChatGPT for Excel」に貼り付ける

Excelに戻り、作業ウインドウ内の「Planバー」の「Use your own OpenAI API key」にチェックを入れた後にコピーしたAPIを貼り付けましょう。これで準備完了です。

OPENAIのAPI キーのスクリーンショット3

まとめ

今回は「ChatGPTを用いてExcel業務を効率化する具体的な方法」について紹介しました。

「関数・VBAを調べる」といった基礎的なことから「csvデータを分析する」という専門的な仕事まで、幅広い業務を効率化できます。マネジメントする側としては、うまく使いこなすことで人件費を大きく削減できるツールです。

ただし、まだ間違ったアウトプットを出すこともあるので、必ず人間がレビューをしましょう。また利用の際には事前に教育プログラムを受けるなど、リテラシーを養う必要があります。

気になる方はぜひChatGPTに登録したうえで、この記事で紹介した作業を実践してみてください。

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