CopilotでExcel業務を効率化する方法とは?登録の流れ、便利な使い方など

2023年12月1日より法人向けのMicrosoft 365 Copilotが正式リリースされました。また2024年1月15日には個人向けのCopilot Proが提供開始されています。ついに、ビジネスパーソンが日常的に利用するExcelにAIアシスタントが搭載されました。

そんななか「どうしたらExcelにCopilotを追加できるの?」「どんな業務が効率化されるの?」という疑問を持つ方も多いと思います。

そこで今回は「Copilotを追加するためのステップ」「効率化できるExcel業務」について、網羅的にご紹介します。

法人向けと個人向けの両方について解説します。社内のデータ分析担当者をはじめ、気になっている方は、この記事を読んだうえでインストールを検討してください。

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目次

Microsoft 365 Copilotとは

Microsoft 365 CopilotはMicrosoft社のアプリケーションに、OpenAI社のGPT-4をベースにしたLLM(大規模言語モデル)を搭載した法人向けの有料プランです。OpenAI社の親会社であるMicrosoftならではの強みを発揮したプランといえます。

LLM(大規模言語モデル)とは、たくさんのデータとディープラーニング(深層学習)によって構築された言語モデルを指します。

簡単にいうと、我々が普段話している言語で何か質問をすると、過去の膨大なデータをもとに学習したAIが回答してくれるものです。

主に以下のアプリケーションで利用できます。

  • Excel
  • Word
  • PowerPoint
  • Outlook
  • Teams
  • OneNote
  • Loop
  • ホワイトボード
Copilotのアプリケーション一覧のスクリーンショット

上記のアプリケーションを用いた業務に対して「生成AIと対話して仕事の質を高める」「分析作業を任せる」といった使い方ができます。

料金は年額45,000円です。1年か3年の一括払いができます。月額にすると3,750円となります。

Copilotのライセンスのスクリーンショット

Copilotと何が違うのか

Microsoft 365 Copilotのほか、Copilot(旧Bing Chat)というツールもあります。現在も無料で使えます。

Copilotのスクリーンショット

Microsoft 365 CopilotとCopilotの違いは以下です。

Microsoft 365 CopilotCopilot(旧Bing Chat)
利用環境アプリで使うWebブラウザ上で使う
参照データGPT-4の膨大なデータ+Microsoft 365内に保存された情報にアクセスできる
※プラグインを使えばWeb上のデータを参照できる
GPT-4の膨大なデータ+Bing内に公開された情報
ライセンスMicrosoft 365のライセンスが必要Microsoftアカウントのみ
費用有料無料

これらの違いのなかでも重要なのは「参照データ」の違いです。CopilotはあくまでGPT-4や、Webブラウザ上のオープンなデータを元にしています。

一方でMicrosoft 365 Copilotの場合は、社内データも含まれます。過去に作成したExcel、Word、PowerPointなど、より実務に近しい情報を参照できるのが魅力です。

Microsoft 365 Copilotでは「過去に社内の人が作成したPowerPointからヒントを得る」「過去のExcelデータを参考にしてファイルを作る」といった作業が可能です。

Copilot Proとは

Microsoft社は個人向けのCopilotの有料プランとして「Copilot Pro」を発表しています。無料のCopilotと比較すると以下の点で違います。

CopilotCopilot Pro
利用ピーク時の対応CPT-4、GPT-4 Turbo以外を利用CPT-4、GPT-4 Turboを優先的に利用
画像生成1日当たり15ブースト1日あたり100ブースト
横長形式のAI画像を迅速に生成
Microsoft 365製品との連携できないWord、Excel、PowerPointをはじめとしたアプリが対応
利用者にカスタマイズできないCopilot GPT Builderで構築できる
料金無料月額3,200円

※ブーストは画像数ではなく、生成するためのターン数を指す。

登録することで、Microsoft 365製品のUI上でAIアシスタントを使えるようになります。フリーランスとして活動している方の業務効率化に貢献するプランです。

Copilot Pro Excelの使い方

Copilot Pro Excelの使い方を紹介します。前提としてMicrosoft 365のPersonalプラン、もしくはFamilyプランへの加入が必須です。Personalプランは月額1,490円、Familyプランは月額2,100円かかります。

Business Standardなど法人向けプランに加入している場合は「Microsoft 365 Copilot」の導入を検討してください。

1. サブスクリプションに登録しExcelの設定を変更する

Copilot Pro Excelの使い方1

まずは月額3,200円のサブスクリプションプランに登録しましょう。登録後7日以内の解約であれば払い戻しを受けられるため、試しやすいです。

その後、Excelを開き「ファイル」タブから「アカウント」を開き「ライセンスの更新」をクリックしてアップデートしましょう。

Copilot Pro Excelの使い方2

すると、Excel上にCopilot Proのアイコンが表示されるようになります。以上でセットアップは完了です。

Copilot Pro Excelの使い方3

2. 右側に表示されるパネルから質問をする

Copilotのアイコンをクリックすると、パネルが登場します。チャット欄から自然言語で指示を出せるようになります。

Copilot Pro Excelの使い方4

後は「グラフ化してもらう」「ピボットテーブルを作成してもらう」など、Copilotを活用していきましょう。

Copilot Pro Excelでできること

では、具体的にCopilot Proを導入したExcelでできることを紹介します。どのような業務が効率化されるのでしょうか。

分析してもらう

Copilot Proにシートのデータを分析してもらえます。例えば、以下はD列の「Campaign Type」とG列の「Total users Targeted」の関係を分析してもらった図です。このようにグラフ化までを実践してくれます。

Copilot Pro Excelの使い方5

また「Add to a new sheet」をクリックするだけで、分析結果を新たなシートに反映してくれます。

Copilot Pro Excelの使い方6

数式の生成ができる

また現状のシートを踏まえたうえで、追加すべき数式を提案してくれます。例えば以下のように、テーブルを選択したうえで「数式列の候補を教えて」と聞くと「エンゲージメント率」を提案してくれました。

Copilot Pro Excelの使い方7

「Insert Column」をクリックすると、すぐに追加してくれます。

Copilot Pro Excelの使い方8

表の要点の抽出と可視化

また、表内の重要な要素を洗い出して、太字・ハイライトを設定できます。即時的に見やすい表が完成するので、効率的です。

Copilot Pro Excelの使い方9

Copilot Pro Excelの注意点

実践するに当たって、注意すべき点を紹介します。

まだ日本語には対応していない

2024年2月現在ではまだ日本語に対応しておらず、英語でのやり取りが必須です。英語が書けない方は翻訳をする必要があります。

なお、Copilot Proでは企業データを学習しないため、個人情報や機密情報を取り扱えます。しかしGoogle翻訳、DeepL翻訳では学習される点に注意です。顧客先の個人情報などを記録しないようにしましょう。

融通が利かない部分もある

Copilot ProでExcelを操作する場合「テーブルを見やすくする」「ピボットテーブルやグラフを即時的に反映する」といった操作は手軽にできます。

しかしあくまで表(テーブル)に対して、1回しか変更できません。そのため「既存のグラフをさらに改変する」といった処理をする場合は、その都度テーブルを選択して指示する必要があります。

ゆくゆくはより使いやすいようアップデートされていくはずですが、リリース直後の現時点では、まだスムーズに使えず歯がゆい部分もあります。

まとめ

今回はMicrosoft社がリリースした法人向けCopilotの「Microsoft 365 Copilot」や、個人向けの「Copilot Pro」について、利便性や使い方を紹介しました。

膨大な生データを扱うデータサイエンティストやマーケターにとって、業務効率化につながるツールです。ただし、まだ未完成な部分は多いともいえます。

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Excel(エクセル)は多くの企業内で導入され、表計算やVBAによるマクロ機能が充実していることから、顧客管理や施工管理、品質管理など多くの業務管理に活用されています。

しかし、複数人同時での共同作業が行えなかったり、業務が複雑化、さまざまな場所にデータが点在することから管理が煩雑、属人化してしまいます。

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ウェビナー目次

  • Excel管理の課題
  • 代替ツール(SaaS)の課題
  • 脱Excelをローコードで実現しませんか
  • ケース別の業務改善例

開催日時・場所

  • 開催日時:随時開催中!!
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