GeminiとChatGPTの違いとは?性能、使い方、適したユーザーを解説

現在、いくつかの対話型AIアシスタントがリリースされていますが、大きくシェアを獲得しているのは、OpenAI社のChatGPTとGoogle社のGeminiでしょう。

そんななか「ChatGPTとGeminiのどっちを使えばいいの?」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。

今回は機能、料金、言語処理能力などについて両社の違いを紹介していきます。悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

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目次

GeminiとChatGPTの概要

まずはGeminiとChatGPTの概要をそれぞれ紹介していきましょう。

Geminiとは

Gemini

Geminiは2023年12月、Googleが発表したマルチモーダルAIです。対話型のUIで使えます。Google Deepmind、Google Researchなどの共同チームが開発しました。

一般的に「ジェミニ」と読みますが「ジェミナイ」ともいわれます。

2024年3月24日現在、LLMとしては以下の3つがあります。

モデル説明
Gemini Nanoミニマムなモデルです。Google Pixel 8 Proで利用でき、Android向けアプリがあります。スマホデバイス上のライトなタスクを効率化できます。
Gemini Pro標準のモデルです。Gemini(無料版)に搭載されており、幅広いタスクに対応できます。
Gemini Ultra最も高性能のモデルで、Gemini Advancedに搭載されています。前述したGPT-4との比較資料は、このモデルを対象にしています。極めて複雑なタスクを効率化できるよう設計されています。

AIとの対話を通して、情報調査や画像認識、コード生成・実行などのタスクを行えます。

ChatGPTとは

ChatGPT

ChatGPTとはMicrosoft社のグループ会社・OpenAI社が開発したマルチモーダルAIです。AIブームの火付け役にもなったプロダクトとして知られています。

2024年3月24日現在、LLMとしては以下の2種類を使っています。

モデル説明
GPT-3.5標準的なモデルで、自然言語を解読して最適な回答をしてくれます。無料版でも利用できます。
GPT-4上位モデルで有料版に搭載されています。ブラウジングが可能になるため、即時的なデータを取得できるようになりました。また画像生成機能・DALL-E、データ分析機能・CodeInterpreterが搭載されています。

対話型のUIであり、AIとのチャットを通して、さまざまな業務を効率化できます。

GeminiとChatGPTの違い

では機能、料金、言語処理能力などの観点からGeminiとChatGPTの違いについて解説しましょう。

GeminiChatGPT
機能・Google社製品との連携により、GoogleWorkspace全体で効率化できる・プラグイン、GPTsを組み合わせて機能を強化できる
料金・Gemini Advanced:月額2,900円・API利用料/入力/1K token:$0.00025・API利用料/出力/1K token:$0.0005・ChatGPT Plus:月額20ドル(3028円/2024年3月24日現在)・API利用料/入力/1K token:$0.03・API利用料/出力/1K token:$0.06
言語処理能力(MMLU)Gemini Ultra:90.0%GPT-4:86.4%
無料版・無料で自然言語を用いた対話のほか画像のアップロードができる・Google検索を用いたブラウジングができる・自然言語を用いた会話のみ

機能面の違い

機能に関しては、基本的にはGeminiとChatGPTは共通です。チャット型のUIから対話を通して、さまざまな課題を解決できます。

情報収集やアイディア出し、画像の読み取り、表の作成、データ分析などが主な使い方です。

ただし基本の機能に対して、GeminiとChatGPTは追加機能を搭載しています。この違いについて、それぞれ紹介します。

Geminiの機能として特筆すべきは「Googleのアセットをフル活用できること」です。例えば以下のサービスとシームレスに連携できます。

  • Google検索
  • YouTube
  • Gmail
  • Google maps
  • Google Document
  • Google Spreadsheet

例えば移動経路について質問すると、Google mapsを使って移動距離や料金を教えてくれます。「今日、受信したメールを教えて」と聞くとGmailの結果を共有してくれます。

GeminiのGoogle製品との連携

また「○○について過去に作ったSpreadsheetを共有して」「○○というファイルのGoogleDocumentを要約して」などとリクエストすると、AIが対象のシートを共有・編集してくれます。

GeminiのGoogle製品との連携

このようにGoogle Workspaceを利用しているユーザーにとっては、特に便利に使えるのが魅力です。

一方でChatGPT独自の機能は「プラグイン」と「GPTs」です。両者とも基本のChatGPTの性能をパワーアップするために使います。

プラグインGPTs
ChatGPTに外部ツールの機能を組み合わせることで、性能がより高度になるChatGPTを独自にカスタマイズしオープンに共有できる。GPT自体の性能を高度にする

プラグインは外部ツールの機能を連携できるものです。

例えば飲食店のレビューサイト「食べログ」のプラグインを導入すると、食べログのデータを利用してレビューや金額などを提示できるようになります。

GPTsはChatGPTそのものを独自にカスタマイズしプロンプトの設計をすることで性能を高めるものです。誰もがGPTsを作成でき、自由に共有できます。

例えば「Prompty」というGPTsツールはプロンプトを最適化してくれます。利用者が送信したプロンプトに対して、適正な回答が得られるよう、文面の改善案を提案してくれます。

料金面の違い

GeminiとChatGPTの料金面の違いは以下の通りです。

GeminiChatGPT
・Gemini Advanced:月額2,900円・API利用料/入力/1K token:$0.00025・API利用料/出力/1K token:$0.0005・ChatGPT Plus:月額20ドル(3028円/2024年3月24日現在)・API利用料/入力/1K token:$0.03・API利用料/出力/1K token:$0.06

有料プランの利用額は、ほぼ変わりありません。API利用料はGeminiのほうがかなり安いです。

アプリ開発・Webサイト開発の際にAPIを用いる場合は、Geminiのほうがランニングコストが安く済みます。

言語処理能力の違い

言語処理能力とはLLMが利用者の送信したテキストを正しく解読し、専門家として回答する能力を指します。結論、言語処理能力はGeminiがChatGPTを上回る成績を残しています。

AIの言語処理能力はMMLUという指標で表されます。これは2020年に開発されたベンチマークで、数学、歴史、法律など57のカテゴリの問題をAIに投げかけ、正答率を測るものです。

Googleは2023年12月7日に、Gemini UltraのMMLUに対して以下の資料を掲載しました。

GeminiとChatGPTとの比較
参考:Google Japan Blog「最大かつ高性能 AI モデル、Gemini を発表 – AI をすべての人にとってより役立つものに

これによると、GPT-4が86.4%だったのに対して、Geminiは90.0%を記録しています。初めて57の分野において人間の専門家のレベルを上回りました。

無料でできること

また無料版でできることの違いについても記載します。

ChatGPTは無料版ではGPT-3.5を利用します。Webブラウジングや画像・ファイルのアップロードはできません。

一方でGeminiは無料でも、画像認識機能に対応できます。またGoogle検索を用いたWebブラウジングができますので、リアルタイムの情報を取得できます。

ChatGPTの活用がおすすめのユーザー

ここまでの解説を踏まえて、続いてはGeminiよりもChatGPTを導入すべきユーザー像について紹介します。

高度な機能を使って業務効率化を達成したい方

Geminiと比較したときのChatGPTの魅力は、「プラグインとGPTsを使って、既存の機能をパワーアップできること」です。

入門編というより、応用編ですので、既に業務フローのなかで対話型をAIを用いている方にはおすすめできます。プラグインやGPTsを組み込んで業務オペレーションを構築しましょう。

一度、業務オペレーションが構築されると、Geminiへの乗り換えが難しくなるので、ChatGPTを使い続けることをおすすめします。

Microsoft製品を用いている方

ChatGPTを提供するOpenAI社はMicrosoft社のグループ会社です。ChatGPTでは、ExcelやWord、PowerPointのアップロード・ダウンロードに対応しています。

こうしたMicrosoft365製品を使っている方はChatGPTの導入をおすすめします。

画像生成機能を使いたい方

2024年3月24日現在、Geminiでは画像生成機能を一時停止しています。

そのため、画像生成機能を使いたい方は、ChatGPTの有料プランを導入してみましょう。

Geminiの活用がおすすめのユーザー

続いて、Geminiのほうが適しているユーザーについて紹介します。

日常的にGoogle製品を使う方

企業、個人問わずGoogle Workspaceを利用している方はGeminiがおすすめです。メールやドキュメントを探す際などに便利に使えます。

またGoogleアナリティクス、Looker Studio、BigQueryなど、データ分析製品との連携も強化されることが予想されます。

そのほか、個人単位でGoogle mapsやYouTubeなど、日常的にGoogle製品を使う方にもおすすめです。

とりあえず簡易的な調べものや画像認識をやってみたい方

Geminiは無料でもリアルタイムで情報収集できます。またWebブラウザのシェア率が圧倒的に高いGoogle Chromeのモバイルアプリでも、Geminiを利用できます。

日常的な調べものをGoogle検索からGeminiに乗り換える、という使い方は入門編としておすすめです。

また画像のアップロード機能も無料で解放されているため「とりあえず対話型AIを使ってみたい」というライトユーザーの方にはおすすめです。

まとめ

今回はGeminiとChatGPTとの違いについて、あらゆる観点で紹介しました。基本的な機能は同じですが、双方に独自の強みがあります。

「まだ対話型AIを使っていないが気になっている」「両方とも有料プランに入っているが、どちらかに絞ろうと思っている」という方は、ぜひこの記事を参考にして、導入・活用してみてください。

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