データベース・ソフトウェアのFileMaker(ファイルメーカー)は、多くの企業で活用されています。
しかし、IT初心者の方からすれば「FileMakerはなにができるの?」「FileMakerのメリットってなに?」といった疑問を感じる方も多いでしょう。
そこで本記事ではFileMakerの概要からサービスの特徴、メリット・デメリットまで解説します。この記事をご覧いただくことでFileMakerがどんなツールなのかがわかりますので、ぜひご覧ください。
FileMakerとは
そもそもFileMakerとは、どういったサービスなのか。本章では、FileMakerの概要と主な特徴を解説します。
FileMakerの概要
FileMakerを一言で表すと、顧客情報や取引情報など企業内の情報管理を効率化するデータベース・ソフトウェアです。
これまで企業が顧客データを管理する際には、Excelなどの表計算ソフトを使うケースが中心でしたが、グラフやピボットテーブルを組むためのスキルが必要であるなど、管理に手間が掛かりました。
FileMakerは、直感的な操作だけでかんたんにデータベースを作成できるとして、近年注目を集めているソフトウェアです。
FileMakerの特徴
FileMakerを使用することで、社内のあらゆるデータ管理の効率化を実現します。その理由として、ここでは2つの特徴を紹介します。
データ同士を関連付けできる
FileMakerは、複数のデータから共通するデータを抽出し、新しいグループとして関連付けができます。こうした仕組みは「リレーショナルデータベース(RDB)」と呼ばれます。
例えば、「氏名と住所」「氏名と電話番号」という2つのデータが存在する場合、同じ人物の住所と電話番号を関連付けるのは手間が掛かります。
FileMakerでは各データの共通点(例でいえば氏名)を瞬時に紐付けし、住所から電話番号を検索できるようになります。
データの管理に役立つ機能が充実
FileMakerを使うことで、さまざまなデータを一括で管理することが可能です。例えば、顧客情報・部門売上・個人成績など、社内のあらゆるデータをプログラミング知識がなくともノーコードで設定できます。
ノーコードとは、プログラミングによるコーディングをせずともシステムを構築できる技術のことです。ノーコードについてより詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
過去にExcelで管理していたデータをFileMakerにインポートすることや、モバイル端末でリアルタイムに確認することも可能です。UI(ユーザーインターフェース)が優れており、直感的な操作だけで便利な機能を使いこなせます。
FileMakerの種類
FileMakerでは数多くのサービスを提供しています。それぞれ用途が異なるため、目的にあわせて適したサービスを導入するようにしましょう。
以下の表では、FileMakerのサービス種別とそれぞれの特徴をまとめています。
サービス種別 | サービスの特徴 |
FileMaker Pro | デバイス問わず連携可能なカスタムAppを作成できる |
FileMaker Server | FileMakerのデータを安全に共有するために用いられるサーバー |
FileMaker Cloud | AWSクラウド上で稼働するアプリケーション |
FileMaker WebDirect | FileMakerで作成したサービスをWebブラウザ上で実行する |
FileMaker Go | カスタムAppをiPadやiPhone上で実行可能。App Storeでダウンロード可能 |
FileMakerのメリット
FileMakerはユーザーにとって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。主に次の3つが挙げられます。
- 専門知識が不要で直感的に利用できる
- あらゆるデータをまとめて管理できる
- OSに依存せず様々な環境で利用できる
専門知識が不要で直感的に利用できる
FileMakerはプログラミング言語やデータベース構築に関する専門知識がない方でも直感的にデータベースを作成できます。
基本的にマウスのポイント&クリック操作がメインなので、管理画面上でサクサクと作れるのがメリットです。
あらゆるデータをまとめて管理できる
Excelなどを使ったデータ管理の場合は、管理方法や入力方法が属人的になりがちですが、FileMakerは社内に点在する情報やデータを集約し一括管理できます。特にExcelの場合は、担当者が退職や異動した際にデータが引き継がれず、機会損失が発生するリスクもあります。
FileMakerの場合はデータをインポートするだけで、データ同士を関連付けられる上、常に情報が更新されるため、データのばらつきや機会損失のリスクを軽減します。
OSに依存せず様々な環境で利用できる
FileMakerはiOS、WindowsOS、AndroidOSなど様々なOSに対応しています。さらにクラウドを使えば、ユーザーごとに使用デバイス(パソコン・タブレット・スマートフォンなど)が違っても、リアルタイムでデータの閲覧や編集が可能です。
FileMakerのデメリット
FileMakerは便利なサービスですが、メリットばかりではありません。使用する際は、いくつかのデメリットがあることも念頭に置きましょう。ここでは、主なデメリットを2つ解説します。
細かな調整には専門的なスキルや知識が必要
FileMakerは基本的にプログラミング知識やスキルは不要ですが、複雑なデータ処理の際には、自ら改修・調整する必要があるため、ITに関する専門的なスキルや知識が求められます。
また、どういったデータベースにするか、複数のデータをどのように関連付けるかなど、データベースに関する知識も求められます。特にクラウドサーバーにAWS(Amazon Web Services)を使う場合は、別途AWSに関する知識の習得が必須です。
大量のデータ処理には不向き
FileMakerは他のデータベースやソフトウェアと比べて、処理速度が遅いといわれます。特に大量のデータを処理する場合はその分時間が掛かるため、他のデータベースを使ったことがある方からすれば、ややストレスに感じる可能性があります。
データベースは日々使うものだけに、処理速度の遅さは生産性にも影響します。導入規模によっては、自社開発を検討することも必要です。
FileMakerは目的に合わせて活用しよう
今回紹介したFileMakerを使うことで、これまで社内に散らばっていたデータを集約でき、データ同士を関連付けることで分析や検証が容易になります。
近年ではデータドリブンな組織運営が求められているため、生産性向上に向けて既存のデータ活用は必須です。高額な予算を掛けたり、エンジニアリソースを投下したりしなくともデータベースを構築できますので興味のある方はぜひ試してみてください。
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