「GPTs」とは誰でも簡単にオリジナルのChatGPTを作れるサービスのことです。GPTsを使えば、「YouTube動画の自動文字起こし」「写真からカロリー計算」「アイコン作成」などのアプリが一瞬で作成可能できます。
しかし、「プログラミングの知識がなくても使える?」「GPTsの始め方がわからない・・・」といった悩みを抱える方も多いでしょう。
そこで本記事では、
- GPTsの基本やメリット
- デメリットGPTsの使い方
- GPTsを使った開発事例
を詳しく解説します。
また、GPTsを使う際の注意点もお伝えしますので、これからGPTsを使ってオリジナルChatGPTを作りたいと考えている方は必見です。記事の最後ではChatGPTを使ったChatGPT技術の深い理解と活用を促進する「生成AI活用集」を配布していますので、ぜひ最後までご覧ください。
GPTsとは
GPTs(ジーピーティーズ)とは、OpenAI社のAIチャットツール「ChatGPT」のカスタマイズツールです。GPTsを使えばChatGPTを使った様々なツールを簡単に作成可能です。作る際は面倒なプログラミング作業は不要で、ノーコードで作れます。
さらに、自分で作ったオリジナルChatGPTは「GPT ストア」というプラットフォームで公開できるのも魅力の一つ。他人が作ったものを使用することはもちろん、自分が作ったものを他の人に使ってもらうことも可能です。
例えば、こんなオリジナルChatGPTが作れます
- URLをペーストすると、サイトの内容を要約して解説してくれるGPT
- 概要を入力すると自動で動画を作成してくれるGPT
- X(Twitter)の投稿を自動生成してくれるGPT
GPTsのメリット
GPTsを使うメリットは以下のとおりです。
- ノーコードでオリジナルChatGPTを作れる
- 公開範囲が選べる
- 外部連携が可能
- 開発コストが低い
- GPTストアで販売できる
ノーコードでオリジナルChatGPTを作れる
「ノーコード」とは名前の通り、プログラミングコードを書かずにシステムを開発する手法です。プログラミング知識や言語処理技術などが不要なため、非エンジニアの方でも簡単にシステム開発を行えます。
GPTsでも、ノーコードでオリジナルChatGPTを作れますが、さらに驚きなのは、GPTsの場合はChatGPT内のチャットメッセージのやり取りで作成できる点です。作りたいシステムをイメージしながら、チャットボットからの質問に答えていけば完成します。
ただし、プロンプト(指示)によっては精度が低く出てしまうので、その部分は意識して入力する必要があります。
公開範囲が選べる
GPTsではどのユーザーに公開するかを選択できます。
- Only me (自分のみ)
- Only people with a link(リンクを知っている人のみ)
- Public(一般公開)
プライベート利用目的で他人に知られたくない場合はOnly me、社内メンバーだけで共有したい場合はOnly people with a link、より多くのユーザーに向けて発信したいならPublicと、柔軟に公開範囲を設定可能です。
外部連携が可能
GPTsで作成したオリジナルChatGPTは、外部APIと連携可能です。
アプリケーション・プログラミング・インターフェースの頭文字をとったもの。異なるアプリケーションを連携させる機能を示します。API連携することで、別のソフトウェアやプログラムと接続することが可能。
Googleカレンダーと連携して予定を自動で取得したり、Amazonに掲載されている製品情報を簡単に取得できたり…と、機能の幅が広がります。
開発コストが低い
通常、システム開発には多くの開発コストがかかりますが、GPTsなら大きく抑えることが可能です。
- 人件費:ChatGPT上で入力するだけなので、自分だけでもOK
- 移動費:PC一台で完結するので、リモートで対応できる
- 時間:開発の効率化が図れるので、より少ない時間で済む
- 場所:開発にかかわる人が少ないので、大きなオフィスや会議場が不要
開発スピードを上げながらコストが抑えられれば、より収益増加に期待できます。プログラミング開発よりも参入障壁は低いため、試してみる価値はあるでしょう。
GPTストアで収益化ができる
作成したオリジナルChatGPTは「GPTストア」で公開ができます。さらに今後は、作成したオリジナルChatGPTを販売し、収益化が可能になります。
自分の作ったGPTが多くの人に利用されるようになれば、収益を上げられるようです。
詳しい収益化ガイドラインはまだ公開されておらず、いつ日本でも収益化プログラムが開始されるかは不明ですが、海外では2024年5月1日より開始されるとのこと。最初の支払いは6月中旬に予定されています。
More details on openAi revenue share for GPT Store:
— Nick Dobos (@NickADobos) March 28, 2024
-$1,000 USD/mo minimum
-potential for additional earnings based on usage
Sounds like more of a creator program, perhaps similar to twitch or tiktok- ish ????
“Starts May 1st.” better include backpay
What should I ask? pic.twitter.com/U82N2R68CH
GPTsの使い方
ここからは、GPTsの使い方を解説します。以下のステップを踏めば簡単にオリジナルChatGPTが作れるので、ぜひ参考にしてください。
他人が作ったオリジナルChatGPTを使う際は、使いたいものを選んで「Start Chat」を押すだけ。試しに「image generator」という画像生成ツールを使ってみます。
チャット欄に生成したい画像の概要を入力して送れば、数秒で生成してくれます。
生成した後でも手直しが可能です。試しに「もっと神秘的にして」と入力したところ、以下のような画像が追加生成されました。
試しに、オリジナルChatGPTを作ってみます。今回は以下の条件で入力しました。
- 地名を入力すると最適な旅行プランを提示してくれる
- 提示されるのは観光名所と料理店のみ
- ブラウザ検索で高評価の名所・店をピックアップ
- 親しみやすいカジュアルな口調で提示してくれる
最初に概要を入力した後、タイトルとロゴ画像の提案が来るので、問題なければそのまま進みましょう。「Travel Planner」という名前のようです。
今回は福岡旅行のプランをお願いしました。チャット欄に「福岡」と入力するだけで観光名所と料理店を教えてくれます。
ただ単に高評価な場所を拾い上げているにすぎませんが、よくできていると感じます。流れに沿って入力するだけだったので、5分程度で作成できました。より複雑な指示をすれば、精度はさらに上がるでしょう。
GPTsの開発事例
GPTsを利用した開発事例をご紹介します。ここで取り上げるのは、GPTストアにおいて有志の方が作ったオリジナルChatGPTです。
ストア内には、個人で活用できるものから、ビジネスでも使えるものまで幅広く公開されているので、興味があれば覗いてみてください。
ショート動画を作成できるVideoGPT by VEED
「VideoGPT by VEED」はショート動画生成ができるオリジナルChatGPTです。
動画編集ツールを提供するVEED社によって作成されました。概要をお伝えするとChatGPT側から質問を提示してくれ、答えることで簡単に動画が作れます。
動画の尺や狙っているターゲット、動画の雰囲気などの細かい指定ができ、誰でも狙い通りに作ることが可能です。
作成した動画は、動画編集ツール「VEED」で編集ができます。テロップの自動挿入やAIによる音声合成、フリー素材などが使えるので、より凝った動画が作れます。
製品のプロモーションやSNS用のショート動画など、様々なシーンでの活躍が見込まれるでしょう。
ゴルフに特化したGolf GPT
遊びにおいてもオリジナルChatGPTが使えます。ゴルフルールの知識を補完してくれる「Golf GPT」は、自分の状況をテキストで説明するか、画像をアップロードするだけで解決策を提示してくれます。
ゴルフのルールはとても複雑で、プロゴルファーといえどルールを完全に理解しているわけではありません。ときには大幅にルールが改正されることもあるので、常に正しいガイドラインを把握するのは難しいでしょう。
Golf GPTなら「こんなときどうするの?」といった疑問にスピーディーに答えてくれます。さらに、ホールのレイアウトやバンカー・障害物の有無、グリーンの傾斜などからゴルフコースの攻略法まで提案してくれるため、ラウンドを回る時にはぜひ利用したいツールです。
GPTsの注意点
GPTsは非常に便利なサービスですが、利用するにあたっていくつか注意点があります。ここでは特に重要な二つの事項を解説します。
注意点1:有料版Chat GPTに課金する必要がある
GPTsを利用できるのは「ChatGPT Plusに登録したユーザーのみ」です。無料プランだと、公開することもGPTを使うこともできません。利用するには月$20(1$=151.75円として約3,035円)を払う必要があります。※2024年4月時点。料金ページはこちら
Chat GPT Plusでは最新バージョンの「GPT-4」が使用可能。従来のGPT-3.5と比べて飛躍的に進化しており、誤字脱字の少なさや応用能力などが向上しています。その他、ネット検索やプラグイン追加の機能もあるので、さらにChatGPTを活用したい方は検討してみてください。
注意点2:利用時に制限がある
ChatGPTは利用時に制限があります。
- 時間あたりの入力回数が多すぎると制限がかかる
- 一度に入力できるのは2,048文字まで
今までは3時間ごとに50回の使用制限がありましたが、最近では「使用制限が適用される可能性がある」という曖昧な表記に変わりました。GPTsを使う際も同様にカウントされるので、過度な使用には注意しましょう。
まとめ
ここまで、GPTsの基本やメリット・デメリット、そしてGPTsの使い方や注意点を解説しました。まとめると以下のとおりです。
- チャット形式で答えるだけで簡単に作成できる
- 外部サービスとのAPI連携が可能
- 作成したGPTを公開したり、共有できる
- 今後、収益化が可能
- ChatGPT Plusユーザーのみ使える
GPT技術はその便利さで多くの注目を集めています。しかし、技術を最大限活用し高度なGPTツールを開発するには、特定の専門知識や開発能力が必要となる場合もあります。
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