近年、テレビでも多数のCMを見かけるようになったクラウドサービス。
中でも、クラウドをイメージする「雲」に乗って女優の木村文乃さんが登場するkintone(キントーン)のテレビCMによって、クラウドに対する知名度が上がったと言えるのではないでしょうか。
そんなkintoneですが、では一体「何ができる」「どのようなサービス」なのでしょうか。
この記事では、「kintoneとは?」「kintoneで何ができるのか」「kintoneを使うメリット・デメリット・注意点」など、kintoneについて初めての人にもわかりやすく解説します。
kintoneとは?
kintone(キントーン)とは、マウス操作で簡単に業務システムが構築できる「業務システム構築サービス」です。
- クラウド型
kintoneはクラウド型サービスのため、パソコンにソフトウェアをインストールしたり、スマホにアプリをインストールしたりすることなく、インターネット環境さえあれば使用できます。
- ローコードツール
kintoneはプログラミングを用いずにマウス操作で業務システムを構築できるサービスですが、コーディングによるカスタマイズも可能な*ローコードツールです。
kintoneで何ができるのか
kintoneでは、業種や部署ごとに100種類以上のサンプル業務システムがあり、そこから必要なものを選んでマウス操作で項目を追加したり、レイアウトを変えたりして自社向けにカスタマイズしたシステムの作成が可能です。
2022年10月現在、kintoneで想定されている業務は下記になります。
- 営業・セールス
- 顧客サービス・サポート
- 調達・購買
- 総務・人事
- 企画・マーケティング
- 開発・品質保証
- 法務・知財
- 情報システム
- 自治体
- 医療福祉・士業
- 全社共通
- 顧客管理
- プロジェクト管理
- 受発注管理
- タイムカード
- 備品在庫管理
- 経費申請
- 日報
- アンケート
*kintoneでは、上記のように目的に合わせた個々の業務システムのことを「アプリ」と呼びます。
サンプルアプリを利用する以外にも、ExcelやCSVファイルからデータを取り込んでアプリ化したり、新規でアプリを作ることもできます。
アプリには、データを保存し、表示し、検索できるデータベース機能と、アプリ内のデータに直接コメントを付けたりすることのできる機能が備わっています。
選んだアプリはポータルと呼ばれるトップページに表示されますので、kintoneさえ開けば日々の業務が開始できる、ということになります。
また、kintoneにはチャット機能がついているため、コミュニケーションツールとしても利用できます。
拡張機能・外部連携により機能を拡張できる
基本機能にない機能は、専用の拡張機能サービスや外部サービス連携を利用できます。
例えば、kintoneのアカウントを持たない社外の人と情報を共有したり、Acrobat Signとの連携で電子契約を締結したりと、様々な機能を拡張できます。
データを一元管理できる
kintoneで入力したデータは元より、紙の書類やファイルもkintoneで管理すれば、付随する情報や変更履歴などと合わせて一元管理できます。
タブレット・スマホからもアクセスできる
kintoneはマルチデバイス対応のクラウドサービスのため、出張先や在宅勤務、店頭などでタブレット端末やスマホからでもアクセスが可能です。
kintoneを使うメリット
kintoneを使うメリットとしては下記が挙げられます。
- サーバーの用意が不要
- 高い開発スキルなしでシステムの構築が可能
- システム開発に掛かる時間と費用を削減できる
サーバーの用意が不要
kintoneはクラウドサービスなので、自社でサーバを用意する必要がありません。
自社でサーバを用意する必要がないということは、サーバに掛かる費用を削減できるというメリットのみならず、自社でセキュリティを構築する必要もなく、保守・メンテナンスの必要がないという長期的なメリットもあります。
高い開発スキルなしでシステムの構築が可能
kintoneでは、基本機能と用意されたプラグインによる機能拡張を使う場合であれば開発スキルは必要ありません。ただ、JavaScriptやCSSでカスタマイズできるスキルがあれば、さらに機能やデザインのカスタマイズの幅が広がります。
システム開発に掛かる時間と費用を削減できる
kintoneでは、既存システムをベースにカスタマイズするため、従来のゼロベースでの開発と比べると、時間と費用を大幅に削減できます。
このことから、予算の関係でなかなかシステム化できずにいたという企業にとっては、業務システム化のハードルが下がるでしょう。
また、大手企業や自治体でも導入されていることから、費用を抑えつつも、開発スキルを用いて自社向けにカスタマイズした業務システムを構築したいという企業にも、kintoneは向いていると言えます。
kintoneを使うデメリットと注意点
ここまで、kintoneを使うとできることやメリットを見てきましたが、デメリットや注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
ユーザー単位の月額費用
費用は一人当たり780円〜1,500円と安価ですが、kintoneは最低ユーザー数5人から契約が可能な、ユーザー単位の月額制サービスです。そのため、ユーザーが増えればその分の利用料も増えます。
また、ディスク容量は5GB×ユーザー数となっており、増設する際には追加料金が掛かります。
セキュリティ
kintoneはクラウドサービスなので、自社のサーバーにインストールして使用することはできません。
自社でサーバの用意をしないということは費用面ではメリットになり得ますが、セキュリティ対策を自社で行うことはできず、kintoneを提供しているサイボウズ社に任せることになります。
kintoneを使用する際には、自社のセキュリティポリシーに適合しているか確認が必要です。
データベースやプログラミングの知識
高い開発スキルがなくても誰もが業務システムを構築できるというメリットは、そのままデメリットにもなり得ます。
特にデータベースの構築知識がないまま考えなく作り込んでいくと、似たようなシステムに重複したデータを入力することになったり、便利な拡張機能を増やしているうちに費用が高くなってしまったりと、整合性のない使い勝手の悪いシステムが出来上がってしまうことにもなりかねません。
kintoneには多くの機能があり、それらを使いこなすためには、事前の周到な下調べを元に計画を立てて設計する必要があります。
また、基本機能でそのまま運用するよりも、プログラミングスキルを使ってカスタマイズした方が使い勝手がよくなりますので、工数を最小化しつつも上手にカスタマイズして、理想のシステムを構築することをおすすめします。
<まとめ>kintoneを上手にカスタマイズして業務を効率化しよう
kintoneで使いやすい業務システムを構築するためには、少ないコーディングでカスタマイズの幅を広げられるというローコードの特徴を活かし、ある程度カスタマイズして使用することがおすすめです。
自社にスキルを持たない場合には、外部のシステム開発会社へ依頼するという選択肢もあります。
弊社はノーコード・ローコード開発に特化したシステム開発企業として、新規事業のプロダクト開発から社内業務のシステム化まで幅広い開発実績がありますので、課題の明確化から要件定義、開発支援までトータルでサポートすることができます。
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