日報作成や管理に手間がかかるとお悩みの企業は少なくありません。
- メールで送っていて管理が面倒
- Excelで管理しているので作成・提出がやりにくい
このようなお困りごとがある場合、日報アプリの導入がおすすめです。特に、MicrosoftのPowerAppsを使えば、アプリ開発の経験がない方でも簡単に日報アプリを開発できます。
本記事では、PowerAppsで日報アプリを作成する方法を画像付きで詳しく解説します。初めてPowerAppsを使用する方も、本記事を見ながら一緒に開発してみましょう。
PowerAppsで日報アプリ作成はできます
PowerAppsは日報アプリの作成もできます。PowerAppsはアプリ開発ツールで、Excelと同じような関数を用いて機能を構築できます。初めてアプリ開発を行う人でも容易に利用でき、ボタンやテキストラベルなどを自由に配置できるため、直感的にレイアウトを決定することができます。
日報アプリは、ExcelやDataverseと連携したものや、アプリ内にデータベースを構築するタイプを作成できます。ExcelやSpreadSheetで日報を管理している場合でも、そのデータベースとアプリを連携させることが可能です。これにより、既存の業務フローを大きく変えることなくアプリを導入できます。
PowerAppsで日報アプリを開発するメリット
PowerAppsで日報アプリを開発するメリットは以下の通りです。
- 日報の入力時間の削減
- 日報データの分析
- 日報の共有
PowerAppsで日報アプリを開発するメリット3つを詳しく解説します。
日報の入力時間の削減
PowerAppsで作成したアプリを活用すれば、日報の入力時間を削減できます。日報提出をエクセルやGmail送付などで行っている場合、入力や管理にとても手間がかかるのではないでしょうか。そもそも日報作成に特化したツールではないので、テンプレートを使用しても日報作成に時間がかかると思います。
PowerAppsでは、企業のフォーマットに合わせた日報アプリを作成することが可能です。作成画面・一覧画面・日報確認画面などそれぞれの画面レイアウトを最適化できるので、誰でも使いやすく見やすいアプリを作成できます。
日報データの分析
PowerAppsで日報アプリを開発すると、日報データの分析がしやすくなります。PowerAppsで作った日報アプリは、外部データベースとの連携ができます。これまで作成・管理していた日報データをアプリ側に送れるのはもちろん、アプリ側で作成した日報をExcelに送るのも可能です。
外部データベースと日報データを連携すれば、日報データの分析が簡単になります。社員の予算達成状況やモチベーションなどについて一括で管理ができ、業務効率の向上や離職率の低下などを実現できるのです。
日報の共有
日報の共有がしやすいのも、PowerAppsで日報アプリを開発するメリットです。PowerAppsで作成した日報データは、Excelなどのデータベースに保存できます。そのため、これまで通り日報を管理・共有することが可能です。既存の業務フローを大きく変えずに、アプリを使ってより便利に日報の提出や共有ができるようになります。
また、アプリ自体の共有も簡単に行えます。PowerAppsでアプリを作成したら、画面上のボタンから名称やアプリアイコンの設定をして、公開することが可能です。アプリの公開に面倒な手間がかからないのも、PowerAppsの強みといえます。
PowerAppsでの日報アプリの開発手順
PowerAppsで日報アプリを開発する手順は、内容によって異なります。今回は、オーソドックスな開発手順を学んでいきましょう。
- 新しいアプリの作成
- データソースの接続
- 日報フォームのデザイン
- フィールドの追加と配置
- データの結合と表示
- 日報のプレビューと送信
- 日報の共有と公開
それでは、PowerAppsで日報アプリを開発する方法を7つのステップに分けて解説します。
新しいアプリの作成
まずはPowerAppsのトップページから、新規アプリを作成しましょう。今回のように外部データベースを活用する場合は「空のアプリ」から作成する方法と「Dataverse」や「SharePoint」などから作成する方法があります。初心者の方はExcelやShare Pointからの作成が簡単ですが、今回はアプリの仕組みを詳しく学べるように「空のアプリ」から作成していきましょう。
データソースの接続
新しいアプリを作成したら、まずデータソースとの接続を行います。今回はExcelで日報データベースを作成していたと想定し、Excelとのデータソース接続を行ってみます。メニューバー「データ→データの追加→Excel Online(Business)」を選択し、OneDriveにあるExcelファイルとの接続を行います。なお、今回は以下のようなExcelファイルを作成しました。
Excelファイルには「テーブル」で作成したデータベースを作成してください。テーブルを作成すると、PowerApps側でテーブルを認識し、接続できるようになります。
日報フォームのデザイン
データソースの接続ができたら、日報フォームのデザインを作っていきましょう。今回の日報アプリは「日報一覧」「日報の確認」「日報の新規作成」の3画面構成で作っていきます。まず「日報一覧」は、テンプレート「リスト」を活用して、以下のようにレイアウトしました。
そして「日報の確認」画面は、テンプレート「スクロール可能」やテキストラベルを使い、以下のようにデザインをしました。
最後に「日報の新規作成」は、テンプレート「フォーム」を使って以下のようなレイアウトとしました。
それぞれ、配色やレイアウトはお好みに合わせて変更して問題ありません。ただし、過不足があるとこの後のデータ結合がうまくいかなくなりますので、ご注意ください。
フィールドの追加と配置
日報の新規作成フォームを作る際には、フィールドを追加・配置していきます。まず日報の新規作成画面のフォームと、Excelのテーブルを連携させ、フィールドを追加しましょう。
連携ができたら、作成に必要なフォームを追加し、順番を整えていきます。
データの結合と表示
フィールドが配置できたら、先ほど接続したデータソースとデータを結合しましょう。まずは「日報の確認」画面にあるテーブルのテキストラベルには、それぞれ以下のような数式を構築してください。
日報一覧画面で使用する主な関数
- +:Navigate(日報の新規作成)
- ギャラリー:Excelのテーブルと連携
次に「日報の確認」画面には、それぞれ以下のような数式を構築しましょう。
日報の確認画面で使用する主な関数
- ×:Navigate(日報一覧)
- タイトル部分:BrowseGallery1.Selected.タイトル
- その他テキストラベル:BrowseGallery1.Selected.項目名
※「BrowseGallery1」はギャラリー名、「項目名」はそれぞれの項目名
最後に「日報の新規作成」には、以下のようなかたちで数式を構築し、データの結合を行っていきます。
日報の新規作成画面で使用する主な関数
- ×:Navigate(日報一覧)
- ✓:SubmitForm(EditForm2);Navigate(日報一覧)
- フォーム:Excelのテーブルと連携
※「EditForm2」はフォーム名に変更
なお数式の文字はExcelないしPowerAppsでの名称に依存します。
日報のプレビューと送信
データ結合ができたら、それぞれの画面が機能するようになります。「F5」を押して、アプリのプレビューを見てみましょう。
プレビューから「+」を押して、実際に日報を作成してみてください。もし画面遷移や日報作成などがうまくいかない場合、それぞれの関数を見直してみましょう。
日報の共有と公開
アプリが完成したら、共有を行いましょう。画面右上の公開ボタンから、公開設定が行えます。なお、PowerAppsではアプリアイコンの編集や説明文の追加なども行えるので、必要に応じて設定しましょう。
PowerAppsで手軽に業務効率化を図ろう
アプリ開発の経験がない方でも、PowerAppsならテンプレートを使って簡単に日報アプリを開発できます。関数の使い方やフィールドの設定などは学習が必要ですが、コツを掴めばサクサクと開発ができるはずです。
本記事では日報アプリの開発方法の一例を紹介しましたが、アプリデザインや機能などは自由に変更して問題ありません。開発に慣れてきたら、自社の業務フローに合わせてアプリのカスタマイズをしてみましょう。
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