「ノーコード(NoCode)開発にデメリットはある?」
このような疑問をお持ちの方に向けて、本記事ではノーコードツールのデメリットを解説します。
近年注目を集めるノーコード開発は、プログラミングコードの記述なしでアプリ開発ができるという優れたメリットがあります。ノーコードツールが登場したことで、業界・業種問わず世の中のオンライン化が確実に進みました。
しかしノーコード開発は万能ではありません。開発案件によって別の手法を取り入れた方が良い場合も存在。
本記事では、ノーコード開発をウリにする弊社目線で、ノーコード開発のデメリットと導入時の注意点を解説します。
この内容を知っておくことで、ノーコード開発で失敗するリスクを下げることができますので、ぜひご覧ください。
ノーコード(NoCode)開発の4つのデメリット
プログラミングコードの記述なしで、業務システム・アプリ開発ができるノーコード(NoCode)開発。非エンジニアでも開発ができるため、近年導入企業が急増しています。
しかしながら、ノーコード開発は良い面ばかりではなく、注意すべきデメリットもあります。ノーコードツールを自社が導入すべきかどうかは、メリット・デメリットの両軸から総合的に判断することが必要です。
ここではノーコード開発のデメリットを4つ解説します。
- セキュリティ対策がプラットフォームに依存する
- 開発の自由度や拡張性が低い
- 海外製が多いため導入の敷居が高い
- 突然サービスが停止する可能性がある
セキュリティ対策がプラットフォームに依存する
ノーコード開発ツールの多くはクラウドサービスなので、自社のサーバーではなくノーコードプラットフォーム上のクラウドサーバー上にデータが保管されます。かんたんに言えば、持ち家か賃貸かといった違いがあります。
そのためデータの管理を含めたセキュリティ対策は、ノーコードプラットフォームに依存する形となります。もちろんノーコードプラットフォームは、万全を期したセキュリティ対策を施しています。
しかし近年クラウドサービスにおける機密情報漏洩のトラブルも少なからず発生していますので、万が一のリスクは必ず残ります。自社の場合はセキュリティ対策を自分たちで講じることができますが、プラットフォームの場合はどのような対策を施すかは委ねるしかありません。
どうしても不安が残る場合は、オンプレミス型にするなどがおすすめです。
開発の自由度や拡張性が低い
ノーコード開発ツールは、通常のプログラミング開発と異なり、機能パーツをドラッグ&ドロップ操作でパズルのように組み立てていくことでシステム開発を行います。
そのため、ツールによって使える機能が決まっており、その範囲内でしかシステム開発ができません。例えるならばノーコード開発は、レゴブロックのようなもので、色々な形を作れますが、細かい仕様変更はできないことがデメリットです。
ノーコード開発と近い開発手法に、ローコード(LowCode)開発がありますが、ローコード開発の場合はAPI連携などで他のサービスと連携することによって、機能拡張が可能です。
しかしながら、ノーコード開発は単一機能の業務アプリ開発がメインであるため、できることが単調で自社の細かい仕様・ルールに合わせることができません。
そのため、個人の業務効率化や小規模チームでの業務改善策の一つとして使われることが多く、社内の基盤システムとすることは難しいといえるでしょう。
海外製が多いため導入の敷居が高い
ノーコード開発ツールを手掛ける企業は海外企業が中心です。公式サイトが日本語化されている場合もありますが、ヘルプページに日本語マニュアルが存在しない場合や、メール・電話のサポートデスクが英語対応のみということも珍しくありません。
翻訳アプリなどを利用すれば、マニュアル翻訳自体はさほど問題にならないでしょう。しかしながら導入後のシステムトラブルなど、万が一のリスクを考えた場合、英語が苦手な方には敷居が高いといえます。
近年、日本企業のサービスも続々と増えていますが、やはり機能面に関しては海外製品の方が先進的なテクノロジーを有しています。使用範囲を限定するなど、リスクマネジメントも含めた利用方法の検討が必要です。
突然サービスが停止する可能性がある
ノーコード開発企業が、事業継続できなくなった場合などはサービスが停止する可能性があります。
ノーコード開発ツールで作成した業務アプリなどは、ノーコードプラットフォームのクラウドサーバーに保存されているため、サービスが停止となった場合、それまでに構築した業務システムは利用不可となる可能性があります。
ノーコード開発プラットフォームの多くが、スタートアップ企業が運営しているため、数年先まで使える保証はどこにもありません。そのため、ノーコードプラットフォームを選ぶ際には、企業規模や経営状況を加味して選ぶことをおすすめします。
また、中には万が一事業停止となった場合でもサービス稼働を保証しているサービスもあります。海外のノーコード開発ツール「Bubble」では、サービスを停止する事態に陥った場合には、Bubbleを無償で誰でも自由に改良・活用ができるオープンソース化すると公言しています。
利用時には利用規約まで必ず目を通し、万が一の自体に備えることが大切です。
ノーコード(NoCode)開発ツール導入前に確認すべきポイント
企業がノーコード開発ツールを導入する場合には、サービスの知名度や機能性だけではなく、事前に確認すべきポイントが存在します。
ここではノーコード開発ツール導入前の確認ポイントを3つ紹介します。
- セキュリティ対策が十分か確認する
- 導入後の保守・サポートが十分か確認する
- 機能が目的・用途に合っているか確認する
セキュリティ対策が十分か確認する
ノーコード開発ツールを導入する場合に最も大切なことはセキュリティ対策です。企業がシステムを導入する場合、どんな用途のシステムであろうと情報漏洩のリスクを抱えることになります。
近年、第三者からのサイバー攻撃などによる企業の情報漏洩のトラブルは社会問題化しており、企業各社はより堅牢なセキュリティ対策が求められています。
万が一、顧客情報や機密情報が漏洩した場合、企業の信用失墜につながり、経営継続が危ぶまれるでしょう。
そのため、導入検討をしているノーコード開発ツールのセキュリティ対策について確認するとともに、社内では利用範囲制限、マニュアルの整備、開発者の権限をどこまで持たせるかなど、開発・運用ルールの徹底が必要です。
導入後の保守・サポートが十分か確認する
ノーコード開発ツールは導入して終わりではなく、導入後に問題なく操作ができ、万が一不具合が発生したときにも、すぐに復旧できることが大切です。そのためにシステムの保守運用が重要です。
保守運用には大きく2つあります。
- トラブル発生時の対応やシステムの更新作業などの保守・点検
- 操作方法の問い合わせなどに対応するカスタマーサポートデスク
システム会社によって運用方法は異なります。同じサービスでも、利用プランのグレードによってアフターサービスの内容が異なる場合も少なくありません。あらかじめ保守・サポートが自社にとって十分なのかどうかは状況に応じて判断するようにしましょう。
機能が目的・用途に合っているか確認する
ノーコード開発ツールは使える機能が限られているため、自社の目的・用途に合った使い方ができるかどうかはあらかじめ確認するようにしましょう。
将来的に業務プロセスに変化が生じた場合には、変化に合わせて柔軟にシステムも調整しなければなりませんので、その場合の機能拡張も含めて確認が必要です。
もしくはノーコード開発ツールはあくまでもプロトタイプを作るためのツールと割り切り、ノーコードツールで開発したシステムをもとに、システム開発会社に外注し自社オリジナルのシステムを構築するという手もあります。
まとめ|まずはノーコード開発ツールを実際に体験してみよう
この記事ではノーコード開発ツールのデメリットと導入時に押さえるべき注意点を解説しました。
ノーコード開発ツールは、プログラミング不要でアプリケーションを構築ができる優れたサービスです。ノーコード開発ツールを活用することで、IT企業やエンジニアでなくても、誰でもかんたんにシステム開発を行えます。
業界・業種問わず人材不足が顕在化している中、ノーコード開発ツールの活用はますます拡大していくことは間違いありません。
しかし現状では、開発できる機能に限りがあることや、海外製品が中心であるため英語が苦手な方には敷居が高く感じられる場合があり、万人に向けられたものではありません。
そのため、活用範囲を限定したスポット的な使用など、個人あるいは小規模チームでのスモールスタートがおすすめです。
例えば、日常のルーティング業務を自動化するアプリを開発するなど、日々の業務を効率化することに役立ちます。
また、ノーコード開発ツールには、未経験者に向けたテンプレートツールも豊富に備わっていますので、テンプレートの内容を少し修正するだけですぐに使えるアプリを作成できます。
このように実際に触れてみることで気づくこともたくさんありますので、まずはかんたんなアプリ開発から実際に行ってみることをおすすめします。