iPaaSがもたらす業務効率化とは?特徴と導入メリットを解説

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業務効率化を目的としてクラウドサービスを導入する企業が年々増加しており、1社当たり平均で31個のクラウドサービスを利用しています。

しかし、社内で扱うクラウドサービスの数が増加したことにより企業の間でシステム間のデータ連携の問題が発生しているのです。

クラウドサービスは初期開発費用が必要なく、ユーザー数や利用した機能分の料金を支払えば導入できるサブスクリプションモデルであるため、初期費用をかけることなく気軽にシステム化できる点が魅力のサービスです。

しかし、便利なクラウドサービスの導入が増えたことで「システム同士のデータ連携に手間がかかる」「データを集約するのに時間がかかる」というシステム同士の連携に関する問題が顕在化してきました。

クラウドサービスは特定業務の課題を解決するシステムであり、他のサービスとデータをやりとりまで考慮されていないため、企業ではクラウドサービス間のデータ連携や集計に時間と手間をかけているのです。

しかし、iPaaSを活用すればクラウドサービス導入により生まれるデータ連携の問題を解決し、更にはシステム連携の自動化を実現することも可能になります。

この記事では、ノーコード・ローコードを用いたシステム開発サービスを運営し、ノーコードを活用したシステム連携を数多く実現させてきたBOLTが、iPaaSの概要及びサービスの特徴と導入メリットを紹介していきます。

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目次

iPaaSとは?

iPaaSとは?

クラウドサービスの導入拡大をきっかけに、注目を集めているiPaaS(Integrarion Platform as a Service)とはどのような役割を担うサービスなのでしょうか。

ここではiPaaSの概要と特徴を解説していきます。

システム同士を繋ぐ橋渡し役

iPaaSは「システム間のデータ連携を構築する」役割を担うサービスです。

企業がクラウドサービスを積極的に導入したことで、各部署の業務効率化に成功しましたが、複数のツールを利用することによる運用コストやシステム間の連携作業が問題になりました。

その中で業務効率を著しく阻害するのが複数サービスにデータが点在してしまう問題です。

顧客情報はKintone、商談情報はSalesforceのようにデータが一ヶ所でなく、システムごとに点在することで、データの転記作業やExcelでの手作業での加工が必要となり、データ連携するための作業が必要になります。

このクラウドサービス間のデータ連携の問題を解決するために活用されるのがiPaaSのデータ連携機能です。

企業がiPaaSを導入すると、各システム間のデータ連携が容易に実現できるため、クラウドサービスごとのデータ入力の手間やExcelでの連携作業は不要となり、効率的なシステム運用が可能になります。

通常、システム間のデータ連携を実現するためにはエンジニアによるコーディングやハードウェアやミドルウェアに対する見識が必要ですが、iPaaSにはその煩わしさが存在しません。

プログラミング知識がない人でも画面上の操作だけで簡単にシステム間の連携を構築できる簡易性もiPaaSの特徴になります。

自社開発システムとの連携も可能

iPaaSの連携先はクラウドサービスだけでなく、企業が所有するオンプレミスの社内システムも対象となります。

企業がクラウドサービスを積極的に活用し始めたのはつい最近のことで、それ以前は自社で開発したシステムを運用しており、多くのデータが社内システムに蓄積されている状態です。

しかし、自社開発したシステムは外部のシステムとの連携を想定していない閉鎖的なシステムであるため、社内に蓄積されたデータをクラウドサービスに連携するためには手作業もしくは連携プログラムを個別で用意する必要があります。

社内システムに蓄積されるデータ量は膨大であるため、システム間のデータ連携を毎回手作業で行うのは現実的ではありません。

別の方法としてデータ連携プログラムを個別開発する手段がありますが、開発コストの高さもさることながら、人材不足で開発できる人がいないリソース問題もあり、社内システムとの連携は企業の大きな悩みの種になっています。

iPaaSはクラウドサービス間のデータ連携だけでなく、クラウドサービスと社内システムとの連携も実現することが可能です。

社内システムとクラウドサービスの間にiPaaSを活用することで、社内システムに蓄積されたデータをiPaaSを通して、各クラウドサービスに連携することが可能になり、手作業のデータ移行やプログラム開発の必要がなくなります。

iPaaSはクラウドサービスだけでなく、社内システムを含めたシステム同士の橋渡しの役目を担うことで、企業のシステム運用コストを削減する共にクラウドサービス活用による業務効率化を促進するのです。

iPaaSを活用するメリット

iPaaSを活用するメリット

iPaaSはシステム同士を繋ぎ合わせる橋渡しとして、システム間のデータ連携を中継するサービスであることを紹介してきました。

iPaaSがシステム間の橋渡しを行うことで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。

ここではiPaaSを活用することによって得られるメリットを紹介していきます。

システム運用コストの削減

iPaaSを活用することで企業はシステム運用コストを削減することができます。

iPaaSが登場する以前のシステム間データ連携の手段は人の手による手作業かデータ連携プログラム開発の2通りでした。

前者の場合は、事あるごとに担当者がシステムから必要なデータを抜き出して、Excelでデータ加工をして別のシステムにインポートする作業が必要です。

後者の場合は、データ連携を行うための人の作業は必要はありませんが、データ連携のプログラムを個別で開発する必要があり、開発費用が必要になります。

仮に連携プログラムを用意しても、システム側に項目の追加などの変更があった場合はその度にプログラム修正が必要であり、追加費用の捻出が必要になります。

これまでのデータ連携の手段はいずれもシステム運用コストとして、現場及びIT部門の負担となっていましたが、iPaaSの活用でシステム運用コストの問題を解決します。

iPaaSを活用すれば、1度設定をしてしまえば、以降は手作業でデータ連携を行う必要がなくなり、連携プログラムも用意する必要はありません。

仮に接続先のシステムに変更が入った場合でも、iPaaS側の設定変更するだけで対応できるので、変更の度に追加費用や工数がかかる心配はありません。

システム連係フロー構築による業務自動化の実現

iPaaSはデータ連携だけでなく、システム連携フロー構築による業務自動化を実現することができます。

iPaaSを活用すれば、自社開発システムとクラウドサービス間のデータ連携が容易に実現できることを説明しましたが、iPaaSはデータ連携するタイミングや条件を設定することで連携するタイミングを自動化することが可能です。

業務の中でシステム側では絶えずデータの新規作成・更新・削除が行われており、これらを全て人の目で監視して、適切なタイミングで必要なシステムにデータ連携するのは現実的ではありません。

また、人が作業する場合には必ずヒューマンエラーのリスクが介在するため、データ連携ミスが発生した場合には手戻りが発生し、余計に時間が必要になることもあります。

iPaaSを活用すればシステム連携の流れをワークフローとして設定することで、以降のデータ連携作業を全てフローに沿って自動処理してくれるので、ミスの可能性もなくなり、円滑なデータ連携の形が実現します

例えば、以下のような自動連携がiPaaSでは実現できます。

  1. 問い合わせフォームから送信された内容をSlackに通知する
  2. Slackに通知された内容がTrelloのタスクに自動登録される
  3. アサインされたサポート担当者にダイレクトメッセージが飛ぶ

上記は顧客からの問い合わせを想定した自動化例ですが、複数のサービスをまたいで、担当者が手入力して連携しているような業務はiPaaSを活用することで自動化を図ることが可能です。

代表的なiPaaSツール

代表的なiPaaSツール

ここまでiPaaSの概要と特徴、更には導入メリットを解説してきました。

iPaaSはクラウドサービスを多用する企業にとって、コスト削減を実現と共に業務自動化を後押しする重要な役目を担うツールになります。

ここでは日本企業でも活用が進んでいる、プログラミング不要のiPaaSノーコードツール「Zapier」をご紹介します。

Zapier:コーディングなしで業務自動化を実現

Zapier

Zapierはコーディングを必要とせず、マウス操作だけでシステム連携自動化の仕組みを構築できるノーコードツールです。

海外製のiPaaSノーコードツールですが、国内でも注目を集めており、株式会社メルカリではZapierを用いた業務自動化に積極的に取り組んでおり、半年で400以上の業務自動化を実現しています。

Zapierの利用手順は以下の3つです。

  1. 連携する基になるアプリを選択する
  2. データ連携の詳細条件を設定する
  3. 連携先のアプリを選択する
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まず、データの連携基となるアプリを選択することが最初の手順になります。

Zapierは1500種類以上のアプリを組み合わせることが可能で、世界中のユーザーが良く利用している連携先のアプリなどを自動提示してくれるので、世界中で行われている自動化のアイディアを社内に取り入れることができます。

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データ連携基となるアプリを選択した後は、どのような処理が起きたら、連携処理を実行するかなどの詳細条件を設定します。

Zapierが提示する順番通りに処理条件をマウス操作で設定すれば、構築が完了するので、エンジニアでなくても簡単にシステム同士の連携を構築できます。

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最後にデータ連携先のアプリを設定すれば、データ連携と業務自動化の仕組みが完成します。

これら3つの手順だけで、システム同士の自動連携の仕組みが完成し、データ連携における業務自動化が実現するため、エンジニアに頼らなくても現場主導でデータ連携の仕組みを構築することが可能です。

【まとめ】クラウドサービスを最大限活用するにはiPaaSが必要不可欠

【まとめ】クラウドサービスを最大限活用するにはiPaaSが必要不可欠

この記事ではデータ連携の自動化により業務効率化をもたらすiPaaSの特徴と導入メリットを紹介してきました。

企業がクラウドサービスを最大限活用するためにはiPaaSの活用が必須となります。

今後も企業のクラウドサービス活用の波は加速し、営業はSalesforce、総務はSmartHR、顧客管理はKintoneなど企業の内部には様々なクラウドサービスが乱立していくことでしょう。

これらのサービス同士が連携されていない場合はせっかく部署単体の業務をクラウドサービスで効率化しても、システムをまたぐ度にデータ連携作業をアナログな方法で行っていては本末転倒になります。

クラウドサービス導入に合わせてiPaaSを活用すれば、社内に点在するシステム同士が全て繋がった環境を構築できます。

システム同士が連携されていれば、社内運用コストの削減はもちろん、サービス同士のやりとりを自動化することで、社内の業務効率化が実現します。

社内で複数のクラウドサービスを活用している場合やこれからクラウドサービスの導入を考えている方は、iPaaSを活用することを検討してみるのはいかがでしょうか。

また、システム開発の外注先選びでお困りの方は、弊社までお気軽にご相談ください。

ノーコード・ローコードを用いた開発事例の共有ツール選定のサポートから要件定義実際の開発支援まで包括的にサポートさせていただくことが可能です。

システム開発を失敗しないために、弊社が相見積もりの取得までをサポートさせていただくことも可能です。むやみな営業電話などは決して行いませんので、まずは無料のご相談をお待ちしております。

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ウェビナー目次

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  • 脱Excelをローコードで実現しませんか
  • ケース別の業務改善例

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