「ノーコードのBubbleは、本当にセキュリティ面も安心なの?」
近年注目を集めるノーコードツールBubble。その手軽さとは裏腹に、セキュリティへの不安を感じる方も少なくないはず。「ノーコード=セキュリティが脆弱」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
本記事では、Bubbleのセキュリティ対策について詳しくご紹介します。さらに、Bubbleを安全に使いこなすために、ユーザーが必ず実施すべきセキュリティ対策も具体的に解説。ぜひ最後までご覧ください。
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bubbleで実現するアプリ開発とその費用について

【わかること】
・bubbleでのアプリ作成を依頼するときの費用感
・ほかのツールとの比較
・弊社の開発事例の詳細(料金や開発の流れ)
Bubbleのセキュリティ基盤はどうなっている?
Bubbleはセキュリティを非常に重視しています。「Bubbleってセキュリティ強いの?」とよく聞かれますが、全く弱くないです。
ここでは、なぜBubbleのセキュリティが強いのか?その理由を解説します。
AWSによる信頼のクラウド基盤

Bubbleの基盤には、Amazon Web Services(AWS)が採用されています。AWSは、現代において最も安全で信頼性の高いクラウドコンピューティング環境の一つとして知られています。
AWSは、クラウドコンピューティングサービスです。ご存知の方も多いとは思いますが、もともとはECサイト「Amazon」自体が抱える課題を解決するために考え出したITインフラの仕組みを、クラウドサービスとして提供したものとなります。
AWSのセキュリティ対策環境は大手クラウドサービスの中では高い水準に達しており、高度なサイバー攻撃や内部セキュリティリスクにも対応できる、柔軟性のあるシステムが構築されています。
SSL暗号化によるデータ保護

インターネット上におけるデータの送受信は、盗聴やなりすましによって悪意のある第三者にデータを悪用されてしまう危険性があります。よくあるケースとしては、ECサイトにおいて購入者の個人情報やクレジットカード、パスワードといった重要な情報が狙われ、悪用されてしまうケースです。
それらの問題を解決するのがSSL暗号化通信です。
SSL(Secure Sockets Layer)は、インターネット上での通信を暗号化する技術です。SSLを利用することで、ユーザーが利用するブラウザとサーバ間の通信を暗号化し、第三者によるデータの盗聴やなりすまし、改ざんなどを防ぐことができます。
Bubbleアプリとの通信は、すべてSSL(Secure Socket Layer)暗号化によって保護されています。
ログの確認が可能
bubbleではログの確認が可能なため、アプリが何を行っているのか、何を行ったのかをバックグランド処理でも確認することが可能です。
継続的なアップデートと脆弱性対策
Bubbleプラットフォームは、新たなセキュリティ脆弱性が発見された場合、迅速に対処できるよう継続的にアップデートされています。
Bubbleチームは、プラットフォームのセキュリティを常に最新の状態に保つため、パッチやアップデートを定期的にリリース。これにより、Bubble上で構築されたすべてのアプリは、最新のセキュリティ強化の恩恵を受けることができ、新たな脅威からアプリケーションを保護し、最新のセキュリティ標準への準拠を維持することが可能になります。
データセンターの堅牢なセキュリティとコンプライアンス
AWSがBubbleアプリをホストするために使用するデータセンターは、多層的な運用・物理セキュリティ対策が施されており、データの完全性と安全性を確保しています。
さらに、AWSは、ISO 27001、SOC 1、SOC 2をはじめとする、国際的および業界固有の様々なセキュリティ標準に準拠。これにより、Bubbleプラットフォームの信頼性と安全性がさらに高められています。
Cloudflareを用いたセキュリティ保護を採用している

Bubbleは、世界最大手のCDNサービス「Cloudflare」を標準採用しており、サイト表示の高速化を実現しています。
さらに、Cloudflareのセキュリティ機能(WAF、DDoS保護)により、Webアプリケーションへの攻撃や大量アクセスからサーバーを保護。
これらの機能が標準で利用できるため、Bubbleはプラットフォームとしてのセキュリティ強度も高いと言えます。
クライアント側のセキュリティとサーバー側のセキュリティ
Bubbleアプリ開発において、クライアント側のセキュリティとサーバー側のセキュリティの違いを理解しておくと、より安全性の高いアプリになるでしょう。
クライアント側で対策できるセキュリティ
クライアント側セキュリティとは、エンドユーザーのブラウザ上で実行されるセキュリティ対策を指します。
Bubbleは、クライアント側においても様々なセキュリティ関連機能を提供していますが、セキュリティ上の制約が存在する点を認識しておく必要があります。
クライアントサイドで動作するロジックやデータは、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃などの脆弱性に晒されるリスクがあります。また、ブラウザの開発者ツールなどを利用することで、比較的容易にアクセス可能となる場合があります。
- 補足:クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃
- Webサイトの脆弱性を利用し、悪意のあるスクリプトを埋め込む攻撃手法です。
- 攻撃者は、ユーザーのブラウザ上で不正なスクリプトを実行させ、個人情報の窃取やWebサイトの改ざんなどを行います。
- 補足:ブラウザの開発者ツール
- Webブラウザに標準搭載されている、Webページの開発やデバッグを支援するためのツールです。
- JavaScriptコードの確認や、Webページの構造、ネットワーク通信の状況などを詳細に調べることができます。
そのため、機密性の高い情報を扱う処理や、重要なデータハンドリングを、クライアント側のセキュリティ対策のみに依存することは、セキュリティ上のリスクを高める可能性があります。
サーバー側で対策できるセキュリティ
Bubbleにおけるサーバーサイドセキュリティとは、ユーザーのブラウザとは独立した、サーバー環境下で実行される処理を指します。
例えるならば、企業のバックオフィスのようなもの。エンドユーザー(アプリ利用者)からは直接的に見えませんが、認証、データ操作、ビジネスロジックといった、機密性の高い重要な業務は、サーバーサイドで安全に実行されることが求められます。
サーバーサイドロジックは、エンドユーザーからの直接アクセスが制限されているため、一般的なWeb脆弱性の影響を受けにくいという特徴があります。これは、堅牢なセキュリティ体制が構築された環境に処理を置くことで、外部からの不正アクセスや攻撃のリスクを大幅に低減できるためです。
Bubbleで機密性の高い処理、例えばユーザーデータの変更や外部APIとの連携などを実装する際には、サーバーサイドワークフローの積極的な活用が不可欠です。
クライアント側とサーバー側のセキュリティ対策のバランス
Bubbleアプリのセキュリティを効果的に高めるには、クライアントサイドのインタラクティブ性とサーバーサイドの堅牢なセキュリティを両立させることが重要です。例えば、ユーザーからの入
力やインターフェースの操作は、ユーザーエクスペリエンス向上のためにクライアントサイドで処理しても構いませんが、データの検証、処理、保存など、機密性の高いデータ処理はサーバーサイドで行うべきです。
Bubbleで対策できるセキュリティ設定
Bubbleには、アプリのセキュリティを強化するために活用できる、多様なサーバーサイドアクションが用意されています。
データの作成、変更、削除、サーバーサイドAPI連携などをワークフローとして実装可能です。これらのサーバーサイド機能を積極的に活用することで、重要な処理をより安全な環境下で実行し、セキュリティ侵害のリスクを大幅に低減することができます。
ユーザーロールに応じたプライバシールール設定
Bubbleでは、管理者、ログインユーザー、一般公開など、ユーザーロールに応じて異なるプライバシールールを設定できます。これにより、各ユーザーロールに必要なデータアクセス権限のみを付与することが可能になります。
例えば、特定のデータ項目へのアクセスを管理者のみに制限したり、ユーザーが自分のデータのみ閲覧可能にしたりといった設定が可能です。
Bubbleのプライバシールールを理解する
Bubbleにおけるプライバシールールとは、データへのアクセス権限を詳細に設定できる機能です。プライバシールールは、機密性の高いユーザー情報を不正アクセスから守るために不可欠なものです。Bubbleでは、データ型ごとにプライバシールールを設定し、データの閲覧、作成、変更、削除を許可する条件を細かく定義できます。
プライバシールール設定のベストプラクティス
プライバシールールを設定する際は、原則として最も厳しい制限から始め、必要に応じて徐々に権限を付与していくことを推奨します。
アプリの機能変更やユーザー数の増減に合わせて、プライバシールールを定期的に見直し、更新することも重要です。また、プライバシー設定が意図通りに機能しているか、意図しないデータ公開が発生していないかを、十分なテストによって検証することも不可欠です。
機能とセキュリティのバランス
プライバシールールはセキュリティ確保に不可欠な一方で、アプリの機能やユーザーエクスペリエンスとのバランスも考慮する必要があります。
過度に制限の厳しいルールは、アプリのユーザビリティを損なう可能性があります。ユーザーエクスペリエンスを著しく損なうことなく、ユーザーデータを適切に保護できる、最適なバランスを見つけることが重要です。
ユーザーへのデータセキュリティ啓発
ユーザーデータのセキュリティを確保するためには、アプリ利用者への啓発も重要です。強力なパスワードポリシーを導入したり、アカウントのセキュリティを強化するためのヒントを提供したり、アプリ内でデータがどのように使用・保護されているかをユーザーに周知するなど、ユーザー自身のセキュリティ意識を高めるための取り組みも検討しましょう。
Bubbleにおける機密データの取り扱い
Bubbleでアプリを開発する際、機密情報の取り扱いには最大限の注意を払う必要があります。データ保護に関するベストプラクティスを遵守することは、データ保護規制への準拠だけでなく、ユーザーからの信頼獲得にも繋がります。
極秘データには外部サービスを利用
クレジットカード情報などの非常に機密性の高いデータを取り扱う場合、専門の外部サービスを利用するのが最善策です。StripeやPayPalといった決済代行サービスは、金融取引を安全に処理するための堅牢なセキュリティ対策を備えています。
これらのサービスをBubbleアプリに組み込むことで、機密データをアプリのデータベースに直接保存することなく、安全に処理することが可能になります。
不要な機密情報を保存しない
アプリの機能に必須ではない機密情報の保存は極力避けるべきです。例えば、社会保障番号、クレジットカード情報、健康情報といった情報は、不要であれば保存しないようにしましょう。保存する機密データが少なければ少ないほど、アプリのリスクと責任は軽減されます。
機密データは暗号化
どうしても機密データを保存する必要がある場合は、必ず暗号化するようにしてください。Bubbleは、保存時のデータ暗号化を自動的に行いますが、特にインターネット経由でデータ伝送を行う場合など、機密性の高い情報については追加の暗号化を検討することを推奨します。
URLに機密情報を埋め込まない
ユーザーIDや個人情報などの機密情報をURLに含めることは絶対に避けてください。URLは、サーバーログやブラウザの履歴に記録される可能性があり、セキュリティ侵害のリスクを高めます。
定期的なデータバックアップ
特に機密情報を取り扱う場合は、データの定期的なバックアップが不可欠です。データのバックアップは、不慮のデータ損失やセキュリティ侵害が発生した場合に、迅速なデータ復旧を可能にします。
法令遵守を怠らない
GDPR、HIPAAなどのデータ保護規制、および関連法規制を常に把握し、遵守するように努めてください。データ収集・処理に関するユーザーからの適切な同意取得、データ利用目的の明確化、ユーザーデータに関する権利の保証など、法令で定められた要件を確実に満たすようにしましょう。
APIと外部連携する際のセキュリティ対策
APIや外部サービスとの連携は、Bubbleアプリの機能を飛躍的に向上させることができます。しかし、アプリとユーザーデータを保護するためには、これらの連携を安全に管理することが不可欠です。
安全なAPI連携
サードパーティAPIと連携する際は、接続が常に安全であることを確認してください。HTTPSを使用し、アプリとAPIサーバー間で送受信されるデータを暗号化することで、データ伝送中の傍受や改ざんを防止します。
APIキーの適切な管理
APIキーは、外部サービスへのアクセス権を付与する、パスワードと同様に重要な情報です。クライアントサイドコードにAPIキーを埋め込むと、誰でも容易にアクセスできてしまうため、絶対に避けてください。APIキーは、Bubbleのサーバーサイド環境に安全に保管するか、環境変数などを利用して保護しましょう。
必要最小限の権限設定
API連携を行う際は、連携に必要な最小限の権限のみを付与するように心がけてください。過剰な権限付与は、アプリを不必要なセキュリティリスクに晒すことになります。
Data APIアクセスのセキュリティ対策
Bubbleには、Data APIを有効化し、外部サービスやアプリケーションからプログラムmaticallyにアプリデータへのアクセスを可能にする機能があります。Data APIは非常に強力な機能ですが、セキュリティ対策を適切に行うことが不可欠です。
APIトークンの活用
Data APIを有効にする場合は、APIトークンによるアクセス制御を必ず設定してください。APIトークンは、Bubbleアプリのデータへの外部からのリクエストを認証する、安全な鍵の役割を果たします。APIトークンは、信頼できる関係者とのみ共有し、クライアントサイドに安全に保管するように徹底してください。
APIアクセス範囲の制限
API経由でアクセス可能なデータを厳密に管理しましょう。Bubbleでは、データ型ごとにアクセス権限を設定できるため、公開する必要最小限のデータのみを公開するように設定できます。原則として最小権限の原則に従い、外部サービスやアプリケーションの機能に必要なアクセス権限のみを付与するようにしましょう。
機密データ取り扱い時の注意
外部API経由で機密データを取り扱う場合は、細心の注意が必要です。送信する機密データは必ず暗号化し、連携先のサードパーティサービスが信頼できる事業者であり、関連するデータ保護規制を遵守していることを事前に確認してください。
エラー処理の実装
API連携において、堅牢なエラー処理を実装することは非常に重要です。適切なエラー処理を行うことで、外部サービスが利用不能になったり、予期せぬエラー応答が返ってきた場合でも、アプリが安定して動作し、安全で信頼性の高いユーザーエクスペリエンスを維持することができます。
セキュリティ強化に役立つツール
Bubbleアプリのセキュリティを継続的に強化し、ビジネスの信頼性を高めていくためには、適切なツールとリソースの活用が欠かせません。以下にご紹介するツールやリソースは、潜在的なセキュリティリスクの早期発見、そしてアプリのセキュリティレベルと信頼性の維持に大きく貢献します。
1. Flusk Vault

Flusk Vaultは、Bubbleアプリケーションのセキュリティ対策を自動化するために開発された専用ツールです。
- 主な機能:
- Bubbleアプリを自動スキャンし、セキュリティ上の潜在的な脆弱性を検出
- 検出対象: 公開データ、安全でないAPI接続、脆弱な認証設定など、一般的なセキュリティ問題
- 定期的なセキュリティ評価: アプリのセキュリティ体制を定期的にチェックし、改善に役立てることが可能
Flusk Vaultを導入することで、専門知識がなくても、Bubbleアプリのセキュリティ状況を継続的に把握し、リスクを早期に発見、対策することができます。
2. Bubbleセキュリティマニュアルとフォーラム
Bubbleは、セキュリティに関する公式ドキュメント(セキュリティマニュアル)を公開しています。
- Bubbleセキュリティマニュアル:
- Bubbleプラットフォームのセキュリティ機能や、セキュリティ対策のベストプラクティスを網羅的に解説
- Bubbleのセキュリティ機能を最大限に活用し、安全なアプリを開発するための実践的な情報が満載
また、Bubbleフォーラムは、世界中のBubbleユーザーが集まるコミュニティです。
- Bubbleフォーラム:
- 活発な議論や情報交換が行われており、セキュリティに関する最新情報や、他のユーザーの経験に基づく貴重なアドバイスを入手可能
- セキュリティに関する疑問や不明点を質問し、コミュニティの専門家からサポートを受けることも可能
Bubbleが提供する公式情報と、活発なコミュニティを活用することで、最新のセキュリティ知識を習得し、実践的な対策を講じることができます。
3. Google PageSpeed Insights

Google PageSpeed Insightsは、主にウェブページの表示速度を測定するツールですが、アプリのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスに関連する潜在的な脆弱性を特定することで、間接的にセキュリティ向上にも貢献します。
- Google PageSpeed Insights:
- ウェブページの表示速度を測定し、改善点を提案
- パフォーマンスとセキュリティの関連性: 高速かつ効率的に動作するアプリは、ユーザーデータ処理に関連するリスクを低減
アプリのパフォーマンスを最適化することは、ユーザー体験の向上だけでなく、セキュリティリスクの低減にも繋がります。
4. Webセキュリティプラグイン
Bubbleマーケットプレイスでは、アプリのセキュリティを強化するための様々なプラグインが提供されています。
- Webセキュリティプラグイン:
- 機能例: 安全な認証機能の提供、ユーザーロールや権限管理の効率化、セキュリティヘッダーの設定など
- メリット: プラグインを活用することで、高度なセキュリティ機能を簡単に追加し、アプリのセキュリティレベルを向上させることが可能
プラグインを効果的に活用することで、開発工数を抑えつつ、効率的にセキュリティ対策を強化することができます。
5. SSLチェッカーツール
SSLチェッカーツールは、アプリのSSL証明書が常に有効であり、適切に設定されているかを確認するためのツールです。
- SSL証明書:
- ウェブサイトとユーザー間の通信を暗号化し、データの盗聴や改ざんを防ぐ役割を果たす
- SSL証明書の有効期限切れや設定ミスは、セキュリティリスクに直結
SSLチェッカーツールを定期的に利用し、SSL証明書の状態を監視することで、安全なデータ伝送を継続的に確保することができます。
まとめ
Bubbleのセキュリティ対策について、重要なポイントをご紹介してきましたが、実際には考慮すべき事項は多岐にわたります。ローコードツールであるBubbleといえども、高度なセキュリティ水準を維持するためには、専門的な知識と豊富な経験が不可欠。
もし、盤石なセキュリティ体制のもとでBubbleを最大限に活用したいとお考えでしたら、Bubbleに特化した開発会社との連携を強くお勧めいたします。
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