Power Appsを個人で無料で使える「開発者プラン」というものがあります。めちゃくちゃ制限があって使い物にならないかと思いきや、意外とできる範囲が多いんです。
企業であればすでに契約しているOfficeのライセンスにPowerAppsがつくので追加費用はないですが、個人でPower Appsを使いたい場合にはなるべく出費を抑えたいですよね。
本記事ではPowerAppsの開発者プランについて解説します。
Power Appsの料金プランを解説
Power Appsを契約する際は以下の2つの方法があります。
スタンドアロン
Power Apps や Power Automate 等の各サービスを個別に契約する Standalone License と呼ばれるもの。
今現在Officeなどを契約しておらず、特定のアプリを使いたい!という場合の選択肢です。費用が安く済むのがメリット。
スタンドアロンはさらに2種類に分けられます。
つべこべ言わず、思いっきり開発したい!という場合はPremium一択だと思います。
小規模かつ1つくらいアプリを開発してみたい…という方はper appでもよいでしょう。
Microsoft契約プランに含まれる
すでに会社や個人で以下のライセンスを契約している場合、新たに何か契約する必要はありません。無料でPower Appsを利用できます。
また、以下のDynamics 365ライセンスでもPower Appsは利用できます。
ただ、一部の契約プランにおいては制限がかかる「PowerApps Basic」のみ使えるという場合があります。PowerApps Basicでは一部の機能が使えないので簡易的なアプリしか作れません。
Power Appsが無料でフルアクセスできる「開発者プラン」
Power Appsの開発者プラン(Developer Plan)は、マイクロソフトが提供する無料のサブスクリプションで、開発者が個人的な学習や実験、プロトタイプ作成を目的としてPower Platformツールを利用できるプランです。主な特徴は以下のとおり。
無料で使用可能
- 個人開発者向けの無料環境
- 本格的な商用利用には別のライセンスが必要
利用できる機能
- Power Apps
- Power Automate
- Power BI
- Power Pages
- Dataverse(制限付き)
主な制限
- 1人の開発者のみ使用可能
- 開発とテストの目的でチーム メンバーとアプリを共有できる
- 最大 3 つの環境を作成できる
- 商用利用や本番環境での使用は不可
- リソースと容量に制限あり
- 個人的な開発、学習、テストに限定
項目 | 開発者プラン | 有償版(Power Apps Premium) | 有償版(Power Apps Professional) |
---|---|---|---|
価格 | 無料 | 月額 $20/ユーザー | 月額 $10/ユーザー |
利用目的 | 学習・個人開発 | 高度な業務アプリ開発 | 標準的な業務アプリ開発 |
アプリ作成数 | 制限あり | 無制限 | 無制限 |
データベース容量 | 最大 2GB | 最大 10GB | 最大 5GB |
接続可能なサービス | 限定的 | すべての接続が可能 | ほとんどの接続が可能 |
セキュリティ機能 | 基本的な機能のみ | 高度な管理・セキュリティ | 標準的な管理機能 |
コラボレーション | 個人利用のみ | チーム・組織での共同開発可 | チーム・組織での共同開発可 |
カスタムコネクタ | 制限あり | 無制限 | 一部制限あり |
AI Builder | 制限付き利用 | フル機能 | 一部機能制限 |
本番環境での利用 | 不可 | 可能 | 可能 |
サポート | コミュニティサポート | プレミアムサポート | 標準サポート |
メリット
- 無料で最新のPower Platform機能を学べる
- 個人プロジェクトやスキルアップに最適
- 複雑なアプリやワークフローの試作が可能
開発者が新しいスキルを身につけたり、アイデアを検証したりするのに適したプランです。
開発者プラン、現在は使えないみたい
現在(R6.12.03)では開発者プランを個人で使うことはできません。Power Appsを無料で個人利用するというのは難しい状況です。
かつては、以下の方法で登録ができました。
Microsoft アカウントの作成画面が表示されるので、メールアドレスや国/地域、電話番号などを入力します。
なお、登録できるメールアドレスは職場・学校のメアドのみです。
その後、プライバシーなどに関する注意事項に同意すれば終わり。
ただ、現在その手順で進めようとすると「サンドボックスサブスクリプションの対象ではありません。 」と表示されて詰みます。
サンドボックスサブスクリプションの権利を手に入れないと、Power Appsを無料で使えないのです。
サンドボックスサブスクリプションのアカウントでログインしてみよう
「サンドボックスサブスクリプション」の対象は、一部のVisual Studioサブスクリプションをライセンスを持っている人(企業)のみとのことなので、企業アカウントでログインしてみましょう。
と、ここから先に進めませんでした。もしかすると違うライセンスだと通るかもですが、ここまでのようです。
個人がPower Appsを利用するにはどうすればよいか
結局は、Power Appsのスタンドアロンライセンスを契約するのが安く抑える手段だといえるでしょう。
個人でOffice 365 E1などの安価なプランを契約する方法もあり、そちらも安く契約できるのでおすすめではあります。ただ、Officeなどに付属するPower appsは機能が少し限定されるので、真価を発揮することはできません。
最初は小さく始めて、あとから色々規模の大きいことがやりたくなった時にアップグレードするか否か決めるのも良いかもしれません。
弊社ではPower Appsを用いた受託開発を請け負っています。他社より早いスピード感で安価な開発が可能です。また、その後自社内で開発ができるまで並走して支援することもできるので、内製化を見据えたプランもご用意しています。ぜひ一度ご相談ください!