AccessからPower Appsへ移行する方法。Dataverse活用のメリットを解説

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社内のデータ管理に欠かせないAccessデータベース。長年使っているうちに、「誰も修正できなくなった」「動作が重くて困る」「在宅勤務で使いにくい」など、お困りの方も多いのではないでしょうか。

そんな課題を解決できるのが、Power AppsとDataverseです。画面作りは驚くほど簡単。データもクラウドで安全に管理できるため、場所を選ばず快適に業務が進められます。

今回は、AccessからPower Apps/Dataverseへの移行方法をわかりやすく解説します。明日からの業務改善のヒントとして、ご参考にしていただければ幸いです。

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目次

AccessからDataverseへデータを移行する3つのステップ

AccessのデータをPower Appsで活用するには、Dataverseへの移行が不可欠。一見複雑そうに思えるデータ移行も、以下の3つのステップを踏めばスムーズに進められます。

さらに、よくあるエラーへの対処法もご紹介しますので、ご安心ください。

ステップ1:Accessデータのエクスポート

まずは、Accessのデータをエクスポートします。エクスポート形式は、CSV形式がおすすめです。

  1. Accessデータベースを開き、エクスポートしたいテーブルを選択します。
  2. 「外部データ」タブから「エクスポート」>「テキストファイル」を選択します。
  3. エクスポートするファイルの保存場所、ファイル名、ファイル形式(CSV)を指定します。
  4. 必要に応じて、エクスポートするデータの範囲やフィールドを指定します。
  5. 「OK」をクリックしてエクスポートを実行します。

ステップ2:Dataverseでテーブルを作成

次に、DataverseでAccessのテーブルに対応するテーブルを作成します。テーブル名はAccessのテーブル名と一致させるのがおすすめです。フィールド名やデータ型もAccessのテーブルに合わせて設定しましょう。

  1. Power Appsにサインインし、目的の環境を選択します。
  2. 左側のナビゲーションペインから「テーブル」を選択します。
  3. 「新しいテーブル」をクリックします。
  4. テーブル名、表示名、主キーを入力し、「作成」をクリックします。
  5. 必要に応じて、フィールドを追加します。フィールド名、データ型、必須項目などを設定します。

ステップ3:Dataverseへデータをインポート

最後に、エクスポートしたCSVファイルをDataverseのテーブルにインポートします。

  1. Dataverseのテーブル一覧から、インポート先のテーブルを選択します。
  2. 「データ」タブから「データのインポート」を選択します。
  3. エクスポートしたCSVファイルを選択します。
  4. インポート処理の設定画面で、データマッピングを確認します。AccessのフィールドとDataverseのフィールドが正しく対応付けられているかを確認し、必要に応じて修正します。
  5. 「インポート」をクリックしてインポートを実行します。

エラー「権限がありません」の対処法

Dataverseにデータをインポートする際に、「権限がありません」というエラーが発生することがあります。これは、現在のユーザーアカウントにDataverseへの書き込み権限がない場合に発生します。

このエラーを解決するには、システム管理者に連絡し、Dataverseへの書き込み権限を付与してもらう必要があります。または、Power Platform環境の管理者権限を持つアカウントでサインインして、インポート操作を実行してください。

データ移行をスムーズに進めるためのポイント

  • 移行前にAccessデータベースのバックアップを取得しておきましょう。
  • 少量のデータでテストインポートを行い、問題がないことを確認してから本番データの移行を行いましょう。
  • データ量が多い場合は、インポート処理に時間がかかる場合があります。

Dataverse活用のメリット – なぜDataverseを使うべきなのか?

AccessからPower Appsに移行する際に、Dataverseを採用するメリットは数多くあります。単なるデータ移行ではなく、ビジネス全体を進化させるための重要なステップとなるでしょう。

Dataverseは、Microsoft Power Platformで利用できるクラウドベースのデータベースサービス。Accessと比較して、よりセキュアでスケーラブル、かつ柔軟なデータ管理を実現できます。

具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

1. データ管理の効率化

Dataverseは、Power Appsだけでなく、Power Automate、Power BIなど、Power Platformの各種サービスとシームレスに連携できます。

データの一元管理を実現し、様々なツールから同じデータにアクセスできるため、データの整合性を保ち、業務効率が大幅に向上。Accessのように複数のファイルやシステムにデータが散在する心配はもうありません。

2. セキュリティ強化

Dataverseは、Microsoftの堅牢なセキュリティ基盤上で運用されているため、安心して重要なデータを保管できます。

アクセス権限の設定、データの暗号化、多要素認証など、エンタープライズレベルのセキュリティ機能が提供されています。Accessよりも高度なセキュリティ対策を施せるため、情報漏洩リスクを大幅に軽減可能。

3. スケーラビリティ

Dataverseはクラウドサービスのため、ビジネスの成長に合わせて柔軟にスケールアップできます。データ量が増えてもパフォーマンスを維持し、常に安定したシステム運用を実現できます。Accessのように、データ量増加に伴うパフォーマンス低下に悩まされることもありません。

4. 拡張性 – Power Platformとの連携が得意

DataverseはPower Platformの中核を担うサービスであり、Power Apps、Power Automate、Power BI、Power Virtual Agentsなど、様々なサービスと連携できます。

これにより、データ活用を促進し、ビジネスのさらなる成長を後押し。Accessでは実現できなかった高度な分析や自動化も可能になります。

5. ローコード開発との親和性が高い

DataverseはPower Appsとの親和性が非常に高く、アプリ開発をスムーズに進められます。ドラッグ&ドロップで簡単にデータ接続を設定できるため、開発期間を短縮し、開発コストを抑えることができます。

AccessとDataverseの比較

機能AccessDataverse
データ容量制限あり大容量
セキュリティ限定的高度なセキュリティ機能
スケーラビリティ制限あり柔軟なスケーリング
拡張性限定的Power Platformとの連携
開発の容易性比較的容易Power Appsとの高い親和性
コスト安価サブスクリプション形式

Dataverseは、Accessよりも多くのメリットを提供し、ビジネスの成長を支える強力なデータベースサービスです。Power Appsとの連携で、データ管理を次のレベルへと進化させましょう。

次のセクションでは、Power Appsで大規模開発に対応する方法について解説します。

Power Appsで大規模開発に対応する方法

Power Appsは、手軽にアプリを作成できる反面、「大規模開発には不向きなのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。

しかし、適切な設計と開発手法、そしてDataverseを組み合わせることで、Power Appsでもエンタープライズレベルの大規模開発に十分対応できます。

1. パフォーマンスの最適化

  • データ量を最適化: 必要なデータのみを読み込むように設計することで、アプリの読み込み速度を向上させます。例えば、フィルター機能やページング機能を実装し、一度に大量のデータを読み込まないように工夫します。
  • 委任を活用: Dataverseのクエリ処理をサーバー側で行う「委任」機能を活用することで、クライアント側の負荷を軽減し、パフォーマンスを向上させます。
  • 不要なコントロールを削減: 画面上に配置するコントロールの数を最小限に抑えることで、アプリのレンダリング速度を向上させます。

2. アーキテクチャ設計

  • コンポーネント化: アプリを複数のコンポーネントに分割することで、再利用性を高め、保守性を向上させます。変更が必要な場合も、特定のコンポーネントのみを修正すれば良いため、影響範囲を最小限に抑えられます。
  • キャンバスアプリとモデル駆動型アプリの使い分け: Power Appsには、キャンバスアプリとモデル駆動型アプリの2種類があります。それぞれの特徴を理解し、開発するアプリの規模や目的に合わせて適切な種類を選択することが重要です。大規模開発で複雑なビジネスロジックを扱う場合は、モデル駆動型アプリが適しています。
  • API活用: 必要に応じて、カスタムAPIやコネクタを活用することで、Power Appsの機能を拡張できます。外部システムとの連携や複雑な処理の実装も可能です。

3. Dataverseの活用

  • リレーションシップの設定: Dataverseのテーブル間にリレーションシップを設定することで、データの整合性を保ち、データ管理を効率化できます。
  • ビジネスルールとワークフロー: DataverseのビジネスルールやPower Automateのワークフロー機能を活用することで、データ入力の検証や承認プロセスなどを自動化できます。
  • セキュリティロール: Dataverseのセキュリティロールを活用することで、ユーザーやチームごとにアクセス権限を細かく設定し、セキュアなデータ管理を実現できます。

4. チーム開発OK複数人で効率的に開発

  • バージョン管理: GitHubなどのバージョン管理システムと連携することで、複数人での開発をスムーズに進められます。変更履歴の管理や競合の防止にも役立ちます。
  • コーディング規約: チーム内でコーディング規約を定めることで、コードの可読性と保守性を向上させます。
  • テストとデバッグ: 適切なテストとデバッグを行うことで、バグを早期に発見し、品質の高いアプリを開発できます。

5. ガバナンス

  • 開発ガイドライン策定: アプリ開発に関するガイドラインを策定し、開発者に周知徹底することで、アプリの品質とセキュリティを確保します。
  • 環境管理: 開発環境、テスト環境、本番環境など、複数の環境を用意することで、安全にアプリを開発・運用できます。
  • ライセンス管理: 適切なライセンスを割り当てることで、コンプライアンスを遵守し、セキュリティリスクを軽減します。

これらのポイントを押さえることで、Power Appsでも大規模開発に効率的に対応し、パフォーマンスと保守性を両立した高品質なアプリを構築できます。

まとめ

Accessシステムの限界を感じ、Power Appsへの移行を検討している企業様も多いのではないでしょうか。Dataverseを活用することで、データ移行をスムーズに進め、Accessシステムが抱えていた課題を解決できます。

この記事では、データ移行の具体的なステップ、Dataverse活用のメリット、そしてPower Appsでの大規模開発に対応するためのポイントを解説しました。適切な設計と開発手法、そしてDataverseとの連携によって、Power Appsはエンタープライズレベルのシステム構築にも対応可能です。

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