パッケージ開発とは?手順や事例、スクラッチ開発との違いを解説!

パッケージ開発は、低コスト・短納期の開発手法として注目されています。

「できるだけ早くコストを抑えて開発したい」という要望を持つ企業に最適な開発手法です。

しかしながら、パッケージ開発では低コスト・短納期が実現しやすい分、注意点を押さえないと業務効率化の効果が低減するデメリットもあります。

本記事では、パッケージ開発の定義や手順、事例を解説します。その他、メリットに加えてデメリットも詳しく解説しているので、自社への適否を判断する参考にしてください。

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目次

パッケージ開発の定義とは?

パッケージ開発とは、パッケージされた製品を利用してシステムを開発する手法です。具体的には、以下のような業務を支援するパッケージシステムが販売されています。

  • 販売管理
  • 生産管理
  • 日報作成
  • 倉庫管理
  • 輸出入業務支援

その他、特定の業界の業務を総合的にサポートするシステムもあります。導入すれば、業界特有の課題に対応した機能を利用することができます。

パッケージ開発は、導入するシステムに不足している要素を補う目的で行われます。そのため、カスタマイズの程度は企業によって大きく変わります。

自社に必要な機能が多くあれば開発の労力やコストは大きくなりますが、パッケージソフトでほとんどの機能がカバーされている場合は、開発の労力・コストは少なくて済みます。

パッケージ開発のメリット

パッケージ開発をすることで、以下のようなメリットが得られます。

  • コストを抑えられる
  • 開発労力が低減する
  • 開発期間が短い
  • バグが発生しにくい

コストを抑えられる

パッケージ開発では、一からシステムを構築する必要がないため、コストを抑えやすい傾向にあります。できるだけ費用を抑えてシステムを構築したい方におすすめです。

ただし、パッケージの購入とカスタマイズにはコストがかかります。パッケージシステムの費用やカスタマイズの内容によっては、一からシステムを構築したほうがコストパフォーマンスに優れる場合もあるため、自社の状況に合わせて開発方法を選択しましょう。

開発労力が低減する

パッケージ開発では、パッケージ化されたシステムを土台にして開発します。一からシステムを構築しなくてもよいため、開発労力を大きく抑えることが可能です。

また、開発に必要な労力が少なければ、内製する場合に人件費を抑えられます。開発にあまり人手を割けない場合にも有効です。

開発期間が短い

前述のように、パッケージ開発は少ない労力で実施できるため、短い期間で開発を終わらせられます。システムを早めに変更したい場合や、すぐに業務効率化を図りたい場合に有効です。

また、システム専用のアプリケーションなどがあれば容易にカスタマイズできるため、開発期間を大幅に短縮できます。

例えば、SalesforceにはApp Exchangeという専用のアプリケーションストアがあります。活用すれば、プログラミングせずに業種や目的に応じたカスタマイズができるため、開発期間をさらに短縮できます。

バグが発生しにくい

パッケージ開発されたシステムは、一から構築したシステムに比べてバグが発生しにくいという特徴があります。

一から構築したシステムは自社で初めて利用するため、利用して初めてわかる不具合やすぐに見つかるバグなどに、全て対処する必要があります。

一方、パッケージシステムは新しい製品でない限り、他の企業でも導入されています。すでに導入している企業で起きたバグや不具合は修正されていることが多いため、バグの発生リスクは低いでしょう。

パッケージ開発のデメリット

パッケージ開発には、以下のようなデメリットがあります。

  • 応用が効きにくい
  • 業務フローをシステムに合わせて変更する必要がある
  • エラー対応やデバッグが難しい

応用が効きにくい

パッケージ開発でもカスタマイズはできますが、パッケージされたシステムを基に開発するため、最適化したシステムを構築するのは難しい傾向にあります。システム開発の労力を削減できる分、カスタマイズ性は低くなります。

パッケージ開発の性質上、狙い通りに応用を効かせることは難しいため、できるだけ自社に適しており、カスタマイズ性が高いパッケージシステムを選択するようにしましょう。

業務フローをシステムに合わせて変更する必要がある

導入するパッケージシステムが現在の業務フローに対応していない場合、社内の業務フローを変えなければなりません。

効率化のためにシステムを導入したのにもかかわらず、業務フローの変更によって効率が低下しては本末転倒です。システムの導入を機に業務フローを見直したり、カスタマイズによって対応できないかを確認したりして、業務効率を最大限高められるようにしてみてください。

エラー対応やデバッグが難しい

パッケージ開発で構築したシステムは、トラブルが起きる箇所によって対応の難易度が変わります。

カスタマイズした部分は、プログラムしたエンジニアが内容を把握しているため、トラブルが起きても対応しやすい傾向にあります。しかし、パッケージ化された部分は把握しきれていないことも多いため、対応の難易度は上がります。

このようなトラブルに対しては、メーカーが提供するサポートへの加入が有効です。自社で対応しきれない事態に備えて、必要な保障に加入しておきましょう。

パッケージ開発の手順

基本的に、パッケージ開発は以下の手順で実施されます。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. 開発
  4. テスト
  5. デプロイ

具体的な内容や注意点を解説します。

1. 要件定義

システム導入の目的から、システムの要件を明らかにします。要件定義を基に、システムに搭載する機能や性能を考えていくため、不足やムダがないよう注意が必要です。

後工程で要件を変更した場合、手戻りのコストが大きくなり、システムの納品が遅れるリスクが高くなります。事前の分析や現場へのヒアリングなどを実施し、できるだけこの段階で要件を確定できるようにしましょう。

2. 設計

定義した要件を基に、システムに搭載する機能や性能を考え、設計書を作成します。

この段階では、ユーザー向けに機能やGUIなどを設計する「基本設計」と、エンジニア向けにプログラムの内容を設計する「詳細設計」を行います。

基本設計が不十分なまま詳細設計に移ると、最適なプログラムを設計できず、結果的に見直しが発生してスケジュールの遅れにつながります。そのため、十分な基本設計を行ってから詳細設計に移るようにしましょう。

3. 開発

詳細設計に沿ってエンジニアがシステムを構築します。内製する場合は自社で行う必要がありますが、外注する場合は基本的にシステムが完成するまで待つこととなります。

4. テスト

システムが完成すれば、目的に沿ったシステムとなっているかをテストします。テストにはさまざまな手法があり、段階に応じて選択する必要があります。

  • 単体テスト:モジュールごとのテスト
  • 結合テスト:複数のモジュールを結合したテスト
  • システムテスト:完成したシステムのテスト
  • 運用テスト:実際の運用環境でのテスト

5. デプロイ

テストが完了すれば、実際にユーザーが利用する環境にシステムを展開します。

この際、セキュリティの脆弱性を確認することが重要です。システムが変われば、それに応じた対策が必要になるので、セキュリティ対策の見直しや変更の必要がないかを確認するようにしましょう。

パッケージ開発の方法

パッケージ開発は、内製・外注どちらでも行えます。それぞれのメリットやデメリット、注意点などを解説します。

自社の開発チームで行う

社内にプログラミングができる人材がいれば、社内で開発チームをつくりシステムを内製できます。プログラマーがいない場合でもディレクションできる人材がいれば、業務委託などを活用してエンジニアを募集し、内製することも可能です。

当然ですが、内製すれば外注コストがかからないというメリットがあります。しかし、人件費や労力を考えると外注したほうが結果的に低コストになることもあるため、自社の状況に応じた判断が必要です。

開発会社に外注する

内製しない場合は、開発会社に外注してパッケージ開発を行います。専門業者に依頼すれば、社内で労力が発生せず、一定の品質の開発が期待できます。また、納期を確定できるため、スケジュールを確定しやすいというメリットもあります。

しかし、開発会社に依頼した場合は外注コストがかかります。社内にIT人材がいる場合は、内製したほうが低コストで開発できることもあるため、従業員のスキルやリソースなどを考慮したうえで判断しましょう。

また、外注する際は可能な限り多くの企業に見積もりを依頼することが重要です。よりよい条件で外注するためにも、複数社の見積もりを比較したうえで依頼する企業を選定しましょう。

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よく聞くスクラッチ開発とは何が違う?

パッケージ開発と対比される開発手法として、スクラッチ開発があります。ここでは、スクラッチ開発の定義や、パッケージ開発との違いについて解説します。

そもそもスクラッチ開発とは

スクラッチ開発は、企業の要件や目的に沿って一からシステムを構築する手法です。

システムの全てを自社の業務に合わせて構築するため、目的に沿ったシステムを得られやすく、最大限の業務効率化が図れます。品質を重視する場合や、自社に適したパッケージシステムがない場合に有効です。

一方で、システムを一から構築するには非常に大きな労力がかかります。そのため、高コスト・長納期になりやすいというデメリットがあります。しかし、不要な機能や性能を搭載しなくてよいため、一概に高コストになるとは言い切れません。

パッケージ開発とスクラッチ開発の違い

パッケージ開発とスクラッチ開発には、以下のような違いがあります。

スクロールできます
パッケージ開発スクラッチ開発
カスタマイズ性
システムの土台は決まっている

制限なくカスタマイズが可能
コスト
カスタマイズにかかる費用のみ※パッケージシステムの購入費用は必要

高くなりやすい※不要な機能を搭載する必要がないため、一概に高いとはいえない
納期
開発範囲が狭いため短納期になりやすい

システムを一から構築するため長納期になりやすい
内製する場合の労力
カスタマイズの範囲とエンジニアの能力による

不要
導入効果
カスタマイズする範囲による

自社に最適なシステムの導入が可能

このように、どちらの手法にもメリット・デメリットがあり、どちらが優れているということはありません。状況に応じて適した開発手法は変わるため、社内の人的リソースのコストなどを考慮したうえで判断しましょう。

パッケージ開発の事例を紹介

ここでは、以下のパッケージシステムを用いて開発を行った3社の事例を紹介します。

  • Salesforce
  • Aladin Office
  • EC-Orange

Salesforce

Salesforceは、クラウドベースの顧客管理システム(CRM)です。三菱UFJ銀行は、Salesforceでパッケージ開発を行い、開発にかかる費用と期間を大幅に削減しています。

同行は、システムの更改にかかるコストの増大や、長期プロジェクト実施中に発生する要件追加の対応に課題を抱えていました。そこで、コストを抑えながら柔軟にシステムを構築できるパッケージ開発を採用しました。

具体的には、パッケージシステムとしてSalesforce Platformを利用し、独自に必要な機能は、App Exchange内のアプリケーションで対応しました。

※App Exchange:Salesforce専用のアプリケーションストア

その結果、開発費用を3分の1に、開発期間を3分の2にすることに成功しています。また、コンポーネントを組み合わせるだけで機能を追加できるため、機能の柔軟な追加にも対応しているようです。

Aladin Office

Aladin Officeは、鉄鋼・非鉄金属業界の販売・在庫・加工管理システムです。藤原鋼材は、Aladin Officeでパッケージ開発を行い、社員の意識改革に成功しています。

同社は、3事業を展開していることや、事務作業に時間がかかっていたことにより、全社の実績を年に1度しか把握できていなかったそうです。また、アナログ作業も多く、在庫帳票は手書き、切り板の単価は手計算していました。

これらの状況を改善するため、同社はAladin Officeを用いたパッケージ開発を実施しました。その結果、事務作業の労力を削減でき、残業代などの人件費削減を実現しています。また、データの出力が迅速化したことから、全社実績を月に1度出せるようになったそうです。

EC-Orange

EC-Orangeは、ECサイト構築パッケージです。フォーエバーリビングプロダクツは、EC-Orangeを活用することで、正確な予測や戦略立案ができるようになりました。

同社は、従来まで運用していたシステムの老朽化に対応するため、EC-Orangeを用いてパッケージ開発を行いました。同社は顧客のUXを低下させないよう、自社向けにカスタマイズできる開発手法を選択し、ECサイトをリニューアルしました。

その結果、商品検索・商品選び・決済の流れがわかりやすくなり、顧客満足度を向上させることに成功しています。また、社内データを一元管理できるようになったため、より正確な予測や戦略を立てられるようになったそうです。

まとめ

パッケージ開発は、低コスト・短納期を実現する開発手法です。適切にカスタマイズすれば、スクラッチ開発と同等の機能・性能を持つシステムを、より低いコストで早く導入できます。

しかし、自社に適したパッケージ選択とカスタマイズを行わなければ、業務効率化の効果が小さくなり、狙った結果を生み出せない可能性が高まります。

パッケージ開発の恩恵を最大限受けるためにも、注意点をしっかり押さえたうえでシステムの導入に取り組んでください。

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