情報システムは、その名の通り情報を取り扱うための仕組みのことです。
情報システムは、企業活動においてなくてはならないものになりました。それは取り扱う情報を効率的に処理するためだけでなく、新たなビジネス展開や利益を拡大する場合にも必須となっています。
ビジネスが多様化し、あらゆるニーズへのスピード感のある対応が求められる中、情報システムの重要性はより一層高まっています。
では、自社でシステム構築する場合にどういった点を押さえておけばよいのでしょうか。本記事では、情報システムの概要と導入のポイントについて解説します。
情報システムとは何か
一口に情報システムといっても数多くの種類があります。どういったものがあるのか具体的なものを挙げてご紹介します。
基幹システム
基幹システムとは、ビジネスに直結する業務を管理するシステムのことで、事業の根幹を担うため正確性と安定性が求められます。
万が一これらのシステムが停止した場合、顧客への請求処理ができなかったり必要な書類の発行が出来なかったりと企業活動に支障をきたす可能性があります。
基幹システムの種類
基幹システムは企業が行うビジネスの数だけ種類があります。よく知られているものを一部ご紹介します。
- 生産管理システム
- 販売管理システム
- 在庫管理システム
- ネットショッピング
- 会計システム
- 人事給与システム
- 勤怠管理システム
また、国・自治体・病院など公共サービスで使われる基幹システムには次のようなものがあります。
- 住民基本台帳システム
- 電子カルテシステム
- 図書館での蔵書管理システム
- 公共施設の予約管理システム
情報システム
情報システムは基幹システムのように企業活動に直接関わるようなシステムではありません。メインの業務を補うシステムで、社内の情報共有に使われるものなどが該当します。
- メール
- グループウェア
- チャット
- 掲示板
情報システムの仕組み
情報システムは複数のハードウェアやソフトウェアで構成されます。具体的にどのようなものが必要なのかを説明します。
ハードウェア・ソフトウェア
情報システムを動かすためにはコンピュータが必要になります。このコンピュータはパソコンを想定するとわかりやすいでしょう。
パソコンは、物理的なものを表すハードウェアとパソコンの中で動くソフトウェアで構成されます。パソコンの中はハードディスクや、メモリなどの物理的な部品で作られています。それを動かすためのプログラムがソフトウェアです。
ソフトウェアにはオペレーションシステムをはじめ表計算ソフトやワープロソフトといったアプリケーションなどが該当します。
ネットワーク
ネットワークはコンピュータ間で情報をやりとりするための仕組みです。
ネットワークを構築するにはLANケーブルやスイッチ、ルーターといったハードウェアが必要です。通信には標準の規格が使われるため、どのメーカーの機器を使っても情報のやりとりが可能です。
データベース
データベースはデータを格納するソフトウェアです。家庭用のパソコンなどで使われることはあまりなく、専門的なソフトウェアの一つと言えるでしょう。
これを使うと表計算ソフトなどでデータを管理する場合に比べ、データの重複や更新・削除漏れが発生しにくくなり、管理がしやすくなるという利点があります。
情報システムを作る場所
情報システムを導入する場合、それを作る場所も検討項目の一つです。本章では、オンプレミスという方法におけるメリット・デメリットについてご説明します。
オンプレミス
オンプレミス(On-Premises)とは、情報システムに必要なハードウェアやソフトウェアを揃えて構築し、自社やデータセンター内で運用する方法です。
メリット
- インフラに関する細かい仕様や要望に対応できる
- 限定されたネットワーク内にデータを保管できるため情報漏洩のリスクが少ない
- 自社で運用管理するためメンテナンスがしやすい
デメリット
- ネットワークやサーバー運用といったインフラに精通した人材が必要
- 導入初期フェーズでハードウェア購入コストと人件費がかかる
- サーバーの更新作業や保守点検など運用コストがかかる
クラウド
クラウド(Cloud)は、クラウドシステム(Cloud System)とも呼ばれ、近年よく聞かれる言葉になりました。
クラウドを利用するとハードウェアやソフトウェアなどを必要なインフラを用意しなくても情報システムの構築が可能になります。多くのベンダーがサービスとしてこの仕組みを提供しています。
メリット
- インフラを整備する必要がないため専門知識がそれほど必要ない
- サービス利用契約すればすぐ利用できる
- クラウドサービス事業者が運用管理するためその作業が軽減される
デメリット
- インフラに関する設定が行われた状態で提供されるため、変更が自由にできない
- クラウドにセキュリティ上の脆弱性があると情報漏洩の危険性がある
- 同じインフラを他の利用者と共有する場合があるためメンテナンスが自由にできない
社内に情報システムを導入するときのポイント
情報システムを導入する場合、社内の合意を得ることや導入の効果を示すことが必要になります。どういった点がポイントになるか情報システム導入前と後に分けてご説明します。
事前準備
情報システムを導入する際に最も重要なことは経営層の理解を得ることです。
社内に情報システムを導入しようとする場合、彼らに投資させるための判断材料を出来るだけ多く用意することが重要です。まずは事前準備について説明します。
目的をはっきりさせる
経営戦略に基づいたIT投資の目的をはっきりさせることです。投資の目的がはっきりしないまま投資してしまうと、導入による効果を測りづらくなってしまいます。
投資の効果を提示するため、具体的な目的をできるだけ金額換算した形で経営陣に示す事が大切です。
想定リスクを洗い出す
情報システムの導入を計画して実行している工程で思わぬ事態が発生する場合があります。
起こりうるリスクを洗い出し、対処法を事前に示しておく事で経営陣を納得させやすくなります。また、予期せぬトラブルが起った場合でも素早く処置できることを示すのも重要なポイントです。
事後評価
情報システム導入後の評価に必要なポイントです。
導入前後を比較する
投資の効果を明確にするために導入前と導入後を比較する必要があります。導入前の値は情報システム利用部門から取得しておきます。そのためにも現場からの協力を得られる体制を整えておくことが大切です。
情報システム導入後の値も同じように計測します。またシステム導入後はログなどを利用し効率的に実績値を取得することもできます。
導入後も評価する
評価は初期導入時だけではなく、定期的に実施することが必要です。投資効果を継続的に評価し、更なる投資(情報システムの機能追加や導入部署拡大)に繋げましょう。
またIT投資に効果がない場合でも次の決断ができるので、定期的な評価が重要です。
まとめ
情報システムの概要や導入のポイントについて解説しました。会社の方向性に見合った情報システムを導入すれば、自社の成長の大きな助けになるでしょう。
もし情報システムの導入を検討している場合は、ぜひITに精通した専門のスタッフに問い合わせすることをお勧めします。
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