ローコード開発の前に考慮すべき5つのデメリットとは?対策まで解説

必要最小限のコーディングでシステム開発を実現する「ローコード開発」は近年スタートアップ企業から大手企業までさまざまな企業で導入が進んでいます。

しかし、ローコード開発はメリットばかりではありません。導入前に、あらかじめ考慮しておくべきデメリットも存在します。場合によってはローコードではなく、プログラミングによるシステム開発の方が良い場合もあります。

この記事では、ノーコード・ローコード開発に特化したシステム開発サービスを運営し、数多くのローコード開発を成功させてきたBOLTが、ローコード開発導入前に考慮すべきデメリットと対策まで解説します。

ローコード開発の導入をご検討中の企業担当者様はぜひご覧ください。

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目次

ローコード開発と従来の開発手法の違い

ローコード開発と従来の開発手法の違い

そもそも、ローコード開発がどういったものか理解できていない方に向けて、ここでは従来の開発手法との違いを解説します。

それぞれの特性を理解することで、自社が開発を進める際には、どちらの手法を取り入れるべきかの判断がしやすくなります。

設計工数

ローコード開発の設計ではシステム構成などを考慮する必要がありません。開発要件に対して、ローコード開発ツールの機能パーツを、どのように組み立てるか設計するだけ済みます。

一方、従来の開発手法の場合は、システム要件を満たすために必要な構成要素をゼロベースで検討する必要があります。代表的な要素としてフレームワーク、データベース、ネットワークなどがあります。

フレームワークやデータベースなどのシステム構成要素の選定には専門的な知識が欠かせません。それぞれの構成要素の影響範囲なども考慮する必要があり、開発規模に比例して、工数も多くなります。

このように、ローコード開発はシステム構成などの検討に時間をかけずに済むため、従来の設計工数を大幅に削減できます。

開発工数

ローコード開発は、開発ツール内に機能パーツがあらかじめ用意されており、それらのパーツをドラッグ&ドロップ操作で実装します。機能パーツはあらかじめテストが完了しているため、実装後にエラーが出る可能性もありません。

また、機能パーツでシステム要件を満たせない部分は、必要に応じてコーディングを行うことも可能です。そのため、従来の開発手法に比べて開発工数を大きく削減できる上、柔軟な開発が可能です。

一方、従来の開発手法はプログラミング言語を用いたコーディングで開発します。開発規模の大きさや、機能が複雑になればなるほど、開発工数が増えていきます。

ローコード開発に比べて柔軟で自由な開発ができますし、開発環境に依存しないため、より自社仕様のシステムを開発する際に向いています。

インフラ構築工数

ローコード開発ツールでは、クラウドサーバーなどのインフラ環境まで提供しているため、ユーザーは自社サーバー内に開発環境を構築する必要がありません。

ローコード開発ツールを提供する企業はAmazon、Google、Microsoftなどの世界的IT企業も多いため、世界最高峰の技術水準インフラ環境で、安心してシステム開発が可能です。

一方従来の開発手法の場合は、システムが稼働するサーバーなどのインフラ基盤を自分達で構築する必要があります。システムが扱うデータ量や負荷に合わせて最適なインフラを構築する必要があるため専門知識も必要ですので、初めての方には少々ハードルが高く感じる可能性があります。

ローコード開発の5つのデメリット

ローコード開発が抱える5つのデメリット

ローコード開発は、従来のシステム開発と比較して、設計工数・開発工数・インフラ構築工数を大きく削減できるため、よりスピーディかつ柔軟なシステム開発を行えます。

しかし、ローコード開発はすべてのシステム開発に向いているわけではありません。場合によっては、ローコード開発ではなく従来のシステム開発を導入した方が良いこともあります。

ここではローコード開発導入のデメリットを5つ解説します。

実装機能に制限がある

ローコード開発は、開発ツールが用意した機能パーツを組み合わせて実装するため、細かなデザインの調整や完全自社対応の機能の実装には適していません。

一方、従来の開発手法は、全ての機能をオーダーメイド形式で開発していくため、細かな調整や企業固有の業務ロジックにも柔軟に対応できます。

ローコード開発は開発工数削減を期待できる反面、機能やデザインはオリジナルに比べて制約があることを念頭に置きましょう。

セキュリティがプラットフォームに依存する

ローコード開発は、主にシステムを提供するプラットフォームのクラウドサーバーに構築されるため、開発したシステムのセキュリティ管理(保守・点検など)はプラットフォームに依存する形になります。

かんたんにいえば、賃貸マンションのようなものです。保守管理はすべて管理会社がやってくれますが、居住者は独自のルールを設定することはできません。

大企業などでは、自社独自の情報セキュリティポリシーを設けており、システム導入時は自社のセキュリティポリシーに準じたセキュリティ対策を施す必要があります。

もし自社独自のセキュリティポリシーに合わない場合は、自社サーバー内でシステムを構築する従来のシステム開発が適しています。

社内システムの乱立・ブラックボックス化を招く可能性がある

誰でもかんたんにシステム開発ができるという状況によって、社内システムの乱立や、ブラックボックス化を招く可能性があります。

通常、社内システムや業務アプリを開発する際は設計書を作成し、属人化を防ぐ必要があります。万が一、開発担当者が退職してしまった場合に、誰も管理できなくなるためです。

開発の手軽さゆえに社内システムが乱立し、どれが使われているシステムと使われていないシステムの管理が難しくなる可能性があります。ローコード開発を導入する際は、開発権限付与やだれがどのように管理していくかなどの社内ルールを策定する必要があるでしょう。

開発ツールの使い方を事前に習得する必要がある

ローコード開発ツールは多種多様で、それぞれ使い方や機能が異なります。そのため、あらかじめそのツールの特性や使い方を習得しておかなければ、後になってから、作りたいシステムが作れないといったことや、納品間際になって重大な問題が発生することがあります。

従来のシステム開発に比べてコーディング作業は不要ですが、ツールの使い方を知らなければ十二分に活用することはできません。特に多種多様な機能を搭載するツールを用いる場合は、すべての使い方を習得するまでに時間が掛かりますので注意が必要です。

動的コンテンツや複雑な要件のシステム開発には不向きである

ローコード開発は、定型的な業務を自動化するようなシステム開発に向いています。そのため、大規模で複雑なシステム開発や、株価チャートなどの動的なコンテンツを含むシステムには不向きです。

またローコード開発は、UI/UXデザインの細かな調整も指定しにくいこともデメリットとして挙げられます。もし自社のシステム開発にこだわりがある場合や、将来的に大規模なシステムに成長させたい場合は、通常のシステム開発が向いています。

ローコード開発を行う前に確認すべきこと

ローコード開発を行う前に確認すべきこと

ローコード開発はメリットだけではなくデメリットがあることもお伝えしました。ローコード開発を導入する際は、あらかじめ自社の開発要件を満たすかどうかの確認が大切です。

ここではローコード開発を行う前に確認すべきポイントを3つ解説します。

システム機能要件を確認する

ローコード開発を行う際は、事前にシステム構築に必要な機能要件を確認し、ローコードで実装できる部分と実装できない部分の整理が必要です。

ローコード開発は、ある程度コーディング作業も行えるため、用意されている機能が要件を満たさない場合でも調整が可能です。

もしコーディングができず、機能パーツのまま実装しなければならない場合は、発注者に対して事前に説明し、代替案を提示すれば問題にはならないでしょう。

セキュリティ要件を確認する

システム開発を始める前に、必要なセキュリティ対策を確認することが必要です。

ローコード開発は、セキュリティ対策がプラットフォームに依存しますが、開発するシステムによっては、プラットフォームの提供するセキュリティ対策でも問題がない場合もあります。

たとえば、企業の基幹システムや顧客情報など機密データを扱うものなのか、業務改善を目的とした軽微なシステムなのかによって、求めるセキュリティレベルは異なります。

開発前に開発対象のシステムに求められるセキュリティ要件を確認し、ローコード開発ツールの提供するセキュリティレベルで十分なのか、不十分なのかの判断をすることが大切です。

開発ドキュメントを準備する

ローコード開発でシステム開発を行う場合は、あらかじめ開発ドキュメントの準備が必要です。

手軽にシステム開発を行えるのがローコード開発のメリットですが、手軽さゆえに社内でシステムが作成され、管理が行き届かなくなる可能性があります。

また、開発者が退職した後にシステムの修正が必要になった際に、第三者による変更ができなくなります。開発ドキュメントを作成することで、システム開発の属人化を防ぎます。

まとめ|ローコード開発を行う場合は開発要件の事前確認が必須

【まとめ】ローコード開発を行う場合は開発要件の事前確認が必須

この記事ではローコード開発を行う前に考慮すべき5つのデメリットとその対策を解説してきました。

ローコード開発は従来の開発手法に比べて、システム開発に掛かる工数・コストを大幅に削減し、スピーディなシステム開発に役立ちます。

一方、ローコード開発ツールは万能ではなく、より柔軟かつ独自の業務ルールを設計する際は、従来のシステム開発が適しています。開発手法によって特性が異なるため、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、使い分けることが大切です。

ローコード開発を導入する際は、本記事で紹介した5つのデメリットを踏まえて、事前にシステム開発要件を確認してみてください。

また、システム開発の外注先選びでお困りの方は、弊社までお気軽にご相談ください。

ノーコード・ローコードを用いた開発事例の共有ツール選定のサポートから要件定義実際の開発支援まで包括的にサポートさせていただくことが可能です。

システム開発を失敗しないために、弊社が相見積もりの取得までをサポートさせていただくことも可能です。むやみな営業電話などは決して行いませんので、まずは無料のご相談をお待ちしております。

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