システム開発の要と言えるシステムエンジニア(SE)ですが、実際の仕事内容について正確に理解できているでしょうか。もちろん開発業務を行う訳ですが、それ以外にも様々な業務が存在します。
そこで今回は、システムエンジニアの仕事の内容や必要なスキルを詳しく紹介するので、これらを参考にSEの業務への理解を深めてください。
システムエンジニア(SE)の仕事内容
システムエンジニアの仕事は依頼主の要望を聞くところから始まります。そしてシステム納品後の運用・保守までの幅広い範囲が対象となるのです。
ここではその仕事について掘り下げていきます。
システムエンジニアとは
システムエンジニアは「SE」と呼ばれることもあります。この仕事に求められるのは依頼主が要望したシステムを作り上げることです。相手が何を望んでいるかを聞き取り、チームを編成してプロジェクトを実行します。
開発が始まれば、責任者としてスケジュールやチームメンバーの管理をしなければなりません。さらに、自社の上層部や依頼主の窓口となり報告や交渉も行います。
システムエンジニアの業務範囲
システム開発の流れは大きく6つに分けられます。
- 要件定義
- 基本設計
- 詳細設計
- プログラミング
- テスト
- 運用・保守
SEが中心となるのは1〜3です。メインで関わることは少ないですが4〜5も責任者として加わります。また場合によっては6を担当することもあるのです。
それぞれどのような内容の業務か確認してみましょう。
1)要件定義
顧客が何を望んでいるのかを詳しく聞き出します。ここで十分要望を引き出しておかないと後々大幅な計画変更もあり得るのです。
そして要望を実現するために何をすべきかを検討します。しかし、予算や期間の問題などですべての希望を満たせない場合が多いです。その点を顧客に説明して理解を得た上でプロジェクトを開始します。
2)基本設計
開発するシステムの基本的な設計をします。顧客の要望を実現するために以下のようなことを考えるのです。
- どんな機能が必要か
- 画面表示はどうすれば見やすくなるか
- 操作性を高めるにはどうすればよいか
予算や納期も配慮する必要があります。
3)詳細設計
実際にプログラミングできるように細部まで定めた設計をします。基本設計をもとに画面に表示される項目や具体的な機能など制作に向けて内容を詰めていきます。
4)プログラミング
詳細設計をもとにプログラミングを行ないます。チームのプログラマーが担当しますが、小規模の開発だとSEが行う場合もあります。
5)テスト
設計通りに正しく動作するかをチェックする工程です。
問題があれば修正して仕様通りに動作するように修正します。テストで問題がなくなれば納品へと移ります。
6)運用・保守
納品後も運用・保守をSEが担当する場合もあります。運用では定期的なメンテナンスや問題が起きないように対策を行ないます。保守は障害が起きたときにシステムを復旧させることが仕事です。
開発の段階により濃淡はありますが責任者であるSEは全体に関わります。「運用・保守」に関しては顧客側で行なう場合もありますしSEが依頼されることもあります。
このように業務範囲は広いため、SEには様々なスキルや能力が必要です。どのようなものが求められるのかは後ほど詳しく紹介します。
システムエンジニアとプログラマーの違い
プログラマーの主な仕事はプログラミングです。それに対しシステムエンジニアの仕事範囲は上記で紹介したとおり、プログラミング以外にも多くあります。
ただし、現場によりSEしかプログラミングを担当する者がいない場合もあり得ます。またプログラマーがSEの仕事を分担することもあるので厳密には分けられません。
プログラマーがスキルアップしてSEになるのが一般的なので、延長線上にあると言えます。
システムエンジニアの仕事に必要なスキルの内容
システムエンジニアはシステム開発の要となるポジションなので求められるスキルも多くあります。どのようなものが必要なのかチェックしてみましょう。
コミュニケーション能力
SEは円滑に業務を進めるためにも顧客やチームメンバーとコミュニケーションを十分にとることが必要です。
顧客からは詳しい要望を聞き出さなければなりませんし、予算や納期などの交渉もしなければなりません。しかも、相手はITに詳しくないことも多く、専門用語を使わずに分かりやすく説明することが必要です。
また、チームメンバーとは様々なやり取りをしなければなりません。特に委託業者を使うなら自社と外部のメンバーの間を取り持つことも求められるので、コミュニケーション能力はとても重要と言えます。
論理的思考力
プログラム自体が論理的に動作するものなので、それを設計するSEにも論理的思考力が求められます。
SEは顧客から引き出した要望を分析して、それを実現できるシステムを設計します。今度はそれを顧客に提示して、設計したシステムが必要であることを納得させ契約を結ぶのです。
要望の分析とシステムの必要性を説くのにも論理的思考は必要です。説得は感情に訴えるという方法もありますが、システムは感情で動くものではありません。
設計したものを導入することでどんなメリットがあるのかを論理的に説明するほうが、顧客との認識の齟齬を生まずに済みます。
マネジメント能力
SEにはチームをマネジメントする能力も求められます。
大規模なプロジェクトだと複数のチームを編成し、それぞれにSEを配置することも多いです。その役割には自分のチームの進捗を管理して、他のところとの連携を円滑にできるようにすることも含まれます。
規模が大きくなるとSEの上にプロジェクトマネージャーが配置されます。SEたちは自身のチームメンバーとマネージャーをつなぐ役割も果たさなければなりません。
ITの知識・技術力
顧客の要望を実現するためにSEにはITの知識が不可欠です。また、プログラミングを自らやる場合もあるので技術力も求められます。
プログラマーからSEにステップアップするのが一般的なので一定の技術力は期待できます。ITの知識も持っている場合も多いのですが、顧客は知識が無い場合がほとんどです。そのため専門用語を一般的な言葉に置き換えて、分かりやすく説明するための知識と話術も必要になります。
システムエンジニアは単に開発するだけではありません。顧客とのヒアリングや報告、チームメンバーのメンタルケアなど技術畑以外の役割が多くあります。そのため様々なスキルが必要です。
SEの仕事内容を理解するのがシステム開発成功のカギ
システムエンジニアは開発の中心と言える存在です。だからこそ業務範囲や必要な能力を適切に把握することがシステム開発を円滑に進める重要な鍵となります。
そしてシステム開発に必要なのはSEだけではありません。優秀なチームメンバーも不可欠です。信頼できる外注先が必要なら、弊社までお気軽にご相談ください。
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