システム開発時には、コンサルティングを依頼したほうがよいのでしょうか。
せっかく導入するなら、自社に最適なシステムを導入したいですよね。しかし、システム開発コンサルタントに依頼した場合、月に数十万円かかることも珍しくありません。高額な費用を支払ってまで、コンサルティングを受けるべきなのでしょうか。
本記事では、システム開発コンサルタントに依頼するメリットやデメリット、選定のポイントを解説します。
さまざまな契約形態における相場も紹介していますので、コンサルティングの依頼を考えている方は、採算がとれるかどうかを自社に当てはめて計算してみてください。
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システム開発コンサルタントとは？
システム開発コンサルタントとは、システム開発によって企業の課題を解決するコンサルタントです。
あらゆるシステム開発手法から、顧客の要望や課題に応じて最適解を見つける必要があるため、高度な専門知識や開発能力が求められます。その分、IT系の職種の中でも報酬が高い傾向にあり、人気の職業となっています。
ITコンサルタントとシステム開発コンサルタントの違い
システム開発コンサルタントは、ITコンサルタントの中に属します。
そもそもITコンサルタントとは、企業のIT戦略をコンサルティングする職業です。システム開発コンサルタントは、ITであるシステムを開発して企業をコンサルティングするため、ITコンサルタントの一部といえます。
システム開発コンサルタントの具体的な役割
システム開発コンサルタントは、業務において以下のような役割を担います。
- 課題の分析
- 戦略立案と提案
- マネジメント
課題の分析
システムで解決すべき点を見つけるため、企業の課題を分析します。この段階で企業の課題を正確に押さえることができなければ、システム導入の効果は低くなります。
課題の分析は、ITに直接関係していませんが、全体の完成度に大きく影響する非常に重要な業務です。
戦略立案と提案
企業が抱える課題を解決するための戦略を立案して提案します。システム開発コンサルタントのスキルや能力によって、戦略の善し悪しは大きく変わります。
基本的に、工程が進めば進むほど修正の手間が大きくなるため、不明点や改善点はこの段階で全て聞くようにしましょう。顧客が戦略を承諾すれば、実際にシステム開発を行い導入します。
マネジメント
スケジュールやプログラミング担当者などをマネジメントします。システム開発コンサルタントがシステム開発に携わることもありますが、基本的には管理業務を担当します。
マネジメントに失敗すると、要件未達や納期遅延などのリスクが高まります。開発チームでは報連相を徹底し、案件が円滑にこなせるように管理しましょう。
システム開発コンサルタントを利用するメリット
システム開発コンサルタントを利用することで、以下のようなメリットが得られます。
- 専門的な知識と経験の活用
- 客観的な視点の提供
- 時間の節約
- 最新技術トレンドの導入
専門的な知識と経験の活用
システム開発コンサルタントは、システム開発に関する高度な知見や能力を有しています。また、システム開発に関する業務を多数経験しているため、IT技術を活用した問題解決能力に優れています。
このように、専門的な知識に加えて経験も豊富なため、多くの場合的確なアドバイスを受けられるでしょう。ただし、運悪く経験や能力に乏しいシステム開発コンサルタントに当たる場合もあるため、丸投げせずに提案はしっかりと確認しましょう。
客観的な視点の提供
社内の人間は、自社を客観的に見ることができません。システム開発コンサルタントは社外の人間であるため、客観的な視点を得られます。
また、システム開発コンサルタントは多くの企業を見ているため、他社と比べてどのような状況にあるのかを判断することができます。このように、自社の社員からは得られない情報を得ることができます。
時間の節約
システム開発コンサルタントに外注することで、社内リソースを割くことなく業務改善を図れます。人手不足の企業や、システム開発に社内リソースを避けない場合に有効です。
また、システム開発やコンサルティングを専門にしていない人がこれらの業務を行うと、慣れていないため時間がかかります。プロであるシステム開発コンサルタントが行うことで、ムダな時間を費やすことなくシステムを開発できます。
最新技術トレンドの導入
システム開発コンサルタントは幅広い知見に加え、最新情報も熟知しています。ITは基本的に新しいほど性能が高くなるため、高性能な最新技術を社内に取り入れられる可能性が高まります。
また、豊富な人脈を持つシステム開発コンサルタントであれば、新しいシステムの評判を聞いている可能性が高いため、評価の少ない製品の善し悪しも知っているかもしれません。
システム開発コンサルタントを利用するデメリット
システム開発コンサルタントの利用には、以下のようなデメリットがあります。
- 費用が高くなるケースがある
- コンサルタントの質に左右される
費用が高くなるケースがある
システム開発コンサルタントにコンサルティングを依頼すると、当然費用がかかります。高品質なシステム開発が可能になる分、費用は高くなりやすい点には注意が必要です。
しかしながら、コンサルティングを受けたことによりシステム導入の効果が上がり、システム開発コンサルタントに支払った金額以上のメリットが得られれば、総合的にはプラスになります。
金額だけでなく、効果にも目を向け、長期的な視野で考えるようにしましょう。
コンサルタントの質に左右される
システム開発コンサルタントの中には、優秀な人もいれば能力の低い人もいます。同じ企業の中でも質の差はあるため、慎重に企業を比較したとしても必ず優秀な人が担当するとは限りません。
しかし、企業さえしっかりと選定すれば、能力の低いコンサルタントが担当になるリスクを大きく低減できます。また、担当者に不満があれば、変更してもらうのも一つの手です。システム開発の効果を最大限高めるためにも、要望はしっかりと伝えるようにしましょう。
システム開発コンサルティングにかかる費用は？
システム開発コンサルティングにかかる費用は、規模や内容、契約形態によって大きく変わります。システム開発コンサルティングの相場は以下の通りです。
| 契約形態 | 相場金額 |
| スポット利用 | 0.5万～3万円/時 |
| 顧問契約（月額） | 10万～100万円/月 |
| 年間契約 | 100万～1,000万円 |
| 成功報酬 | 創出した利益の20～50% |
それぞれの契約形態について詳しく解説します。
スポット利用
スポット利用は、短時間から利用できる契約です。1時間当たりの費用は高くなる傾向にありますが、総合的に見ると大幅にコストを抑えられます。
継続的な利用には向いていませんが、相談頻度や項目が少ない場合には有効です。
顧問契約（月額報酬）
顧問契約には、基本的に月額報酬制が採用されます。まとまったコストがかかりますが、困った際にはいつでも相談をすることが可能です。ただし、月に相談できる回数や時間の上限を定めている企業もあるため、注意が必要です。
システム開発やメンテナンスの期間中など、相談が頻発するタイミングで契約するとよいでしょう。
年間契約
基本的なサービスは、月額報酬制の顧問契約と同じです。相談の回数や時間が制限されていることもありますが、いつでも相談できます。
年間単位で顧問契約を結ぶ際には、ボリュームディスカウントが受けられる場合があります。そのため、月当たりの料金で見ると、月額報酬制の顧問契約よりも低くなる傾向にあります。
成功報酬
成功報酬は、プロジェクトが成功した際に支払われる報酬です。顧客からすると、利益が出なかった場合の損失を最小限に抑えることができます。
成功報酬制を採用する際には、事前の取り決めが非常に重要です。システム開発によって生じた利益の定義が曖昧だと、支払い時にトラブルが発生するリスクが高まります。報酬の計算は、機械的に行えるよう取り決めましょう。
システム開発コンサルタント選びのポイント
システム開発コンサルタントを選定する際には、以下のポイントを重点的に確認してください。
- 対応スピード
- 柔軟性
- ヒアリング力
- 専門知識と実務経験
- 過去の実績と専門分野
対応スピード
素早い対応ができるシステム開発コンサルタントは、質問に回答する速度も速いと考えられます。素早く疑問を解消することができるため、システム開発を円滑に進められるでしょう。
一方で、対応の遅いシステム開発コンサルタントは、すぐに返してほしい質問や簡単な疑問への対応も遅いと考えられます。見積もり時の連絡などから、対応スピードの速さを判断しましょう。
柔軟性
顧客に寄り添った柔軟な対応を取れるシステム開発コンサルタントを選ぶようにしましょう。柔軟性がなければ、それぞれの顧客に適したシステム開発を臨機応変に行うことはできません。
もちろん、無理のある要望を伝えるのはマナー違反ですが、自社の事情に応じたカスタマイズや、納期・コストの相談などに対応してくれる柔軟性は欲しいものです。自社の要望を伝えることで、柔軟性の有無を確認してみてください。
ヒアリング力
ヒアリング力に乏しければ、顧客の状況を正確につかむことができないため、最適なシステムを開発することが難しくなります。できる限り自社に適したシステムを得るためにも、自社のことをどれだけ理解してくれるかを確かめるとよいでしょう。
また、自社のホームページに載っているような基本的な情報を事前にチェックしているかを確認することで、顧客への姿勢がわかります。全く調べもせず商談を始めるシステム開発コンサルタントは、避けるようにしましょう。
専門知識と実務経験
開発の知識や実務経験が豊富なシステム開発コンサルタントは、解決策の引き出しを多く持っている可能性が高いでしょう。システム開発の経歴や、開発事例などを確認することで、システム開発コンサルタントの実力がわかります。
最もわかりやすいのは、自社ホームページにおける開発事例の有無です。できるだけ、開発事例が紹介されているシステム開発コンサルタントに依頼しましょう。
過去の実績と専門分野
特殊なシステムを開発したい場合、親和性のあるシステムを過去に開発しているかを確認しておきましょう。知見がない新しい領域のシステム開発は、難易度が上がります。できるだけ、似たシステムの開発実績を持つシステム開発コンサルタントに依頼しましょう。
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まとめ
システム開発コンサルタントに相談することで、豊富な専門知識と実戦経験を活かしたコンサルティングが受けられます。しかし、当然コンサルティングにはコストがかかりますので、導入により採算がとれるかを確認したうえで依頼しましょう。
