数万人規模のシステム、果たしてPowerPlatformで賄えるのか。

「PowerPlatformでシステム開発をしたいんだけど、どれくらいの規模まで対応できるの?」

こう思った場合、「PowerPlatformでできること」と検索すると思います。ただ、だいたいのサイトでは「大規模システム開発には不向き」「小規模向き」と書かれているでしょう。実際間違いではないのですが、完全にできないというわけではありません。

ケースバイケースというのが結論なのですが、本記事ではこういったケースだと対応できます…!という事例を交えつつ、PowerPlatformにまつわる記事をお届けします。上司に打診する際などにご活用いただければ幸いです。

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目次

Power Platformのライセンス体系をおさらい

Power Platformのライセンス体系は、サービスの種類や利用方法によって細かく分かれています。それぞれの違いを理解していないと、最適なライセンスを選べず、無駄なコストが発生してしまう可能性も。

そこで、ここではPower Platformの主要サービスのライセンス体系を分かりやすく整理し、よくある疑問にもお答えします。

1. Power Apps

Power Appsのライセンスは、大きく分けて2種類あります。

  • per app: 一つのアプリまたはWEBサイトのみ実行できるライセンス。特定の業務シナリオに特化したアプリを少人数の機能で利用できる。
  • Premium 無制限のアプリを作成・実行できる。複数開発する場合はコレ一択。

また、PowerApps単独で購入するスタンドアロン、既存のMicrosoft契約プランに含まれる形態があり、非常にややこしい限りです。

2. Power Automate

Power Automateのライセンスも、Power Appsと同様に2種類あります。

  • Premium: Power Automateのすべての機能を利用できるライセンス。フローの実行回数や作成数に制限はありません。ユーザーごとにライセンスを割り当てます。
  • Process: 特定のフローを実行できるライセンス。ユーザー数に制限はなく、フローごとにライセンスを割り当てます。古い基幹システムを含むデスクトップアプリの自動化に利用できる。

3. Dataverse

Dataverseは、Power Platformで利用できるクラウドデータベースです。Dataverseのライセンスは、容量ベースで課金されます。

Q. ユーザーライセンスとアプリライセンス、どっちがお得?

ユーザーライセンスとアプリライセンス、どちらを選ぶべきかは、アプリの利用状況によって異なります。

  • 少数のユーザーが複数のアプリを利用する場合: ユーザーライセンスがお得です。
  • 多数のユーザーが少数のアプリを利用する場合: アプリライセンスがお得です。

よくある疑問

Q. Microsoft 365のライセンスでPower Platformは使えるの?

A. Microsoft 365の一部のプランには、Power Platformの機能が限定的に含まれています。例えば、Microsoft 365 E5ライセンスでは、Power AppsやPower Automateの基本的な機能を利用できます。ただし、高度な機能や大規模なシステム開発には、個別のPower Platformライセンスが必要となる場合があります。

Q. ライセンスの種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない…

A. Microsoftの公式ドキュメントやPower Platformの価格ページで、それぞれのライセンスの詳細な情報を確認できます。また、ファンリピートのようなPower Platformの専門業者に相談することで、最適なライセンスプランを提案してもらうことも可能です。

Power Platformのライセンス体系を理解することは、コスト最適化とスムーズなシステム導入に不可欠です。次のセクションでは、3.8万人規模のシステムをPower Platformで構築できるのか、その可能性について考えてみましょう。

以下の資料でさらに詳しくライセンス体系について説明しているので、よければどうぞ。
>>PowerPlatform ライセンス早見表

数万人規模のシステムにPowerPlatformは適しているか?問題

「PowerPlatform デメリット」で調べるとすぐ出てくるのが「大規模システムには向いていない」ということ。果たして本当にそうなのでしょうか。以下で説明していきます。

拡張性

Power Platformは、Microsoft Azureのクラウド基盤上で動作しています。

Azureの高い拡張性のおかげで、ユーザー数やデータ量の増加にも柔軟に対応可能です。数万人規模のシステムでも、適切な設計と実装を行えば、問題なく運用できます。

必要な時に必要なだけリソースを拡張できるクラウドのメリットを最大限に活かせるのがPower Platformの強みです。

パフォーマンス

システムのパフォーマンスは、設計や開発手法、ユーザーの利用状況など、様々な要因に影響されます。

Power AppsやPower Automateには、パフォーマンスを最適化するための機能やテクニックが豊富に用意されています。例えば、データの読み込み方法の最適化、不要な処理の削減、適切なインデックスの設定などです。

これらの工夫によって、大人数のユーザーが利用するシステムでも快適な操作性を実現できます。また、定期的な負荷テストを実施し、ボトルネックを特定・改善することで、パフォーマンスを継続的に維持・向上させることも可能です。

セキュリティ

Power Platformは、Microsoftの堅牢なセキュリティ基盤上で運用されているため、セキュリティ面も安心です。

アクセス制御、データ暗号化、多要素認証など、エンタープライズレベルのセキュリティ機能が提供されています。特に、Dataverseは高度なセキュリティ機能を備えており、機密性の高い個人情報も安全に管理できます。

Microsoftが提供するセキュリティ対策は常に最新の状態に保たれているため、安心してシステムを運用できます。

使えそうなケース(事例)

お悩み
  • サイトのリニューアル
  • Webサイト+職場内でのニュース掲載+各種申請を行いたい
  • 会員数が数万人いるので、それぞれアカウントを作成すると数千万の費用がかかる…
  • Microsoft環境のためPowerPlatformを使いたい
解決策
  • PowerPagesを使えば実装できる
  • アカウントを持たないユーザーでも閲覧・フォーム送信OK
  • 管理用に別でPowerAppsで実装する必要がある
  • 管理用アカウントの分だけライセンスがあれば問題ない

多くの大規模システム案件に対しPowerPlatformが優位に立っているわけではないですが、一部対応できる案件があるといった感じ。

弊社ではこのような場面に対してはPowerPlatformやノーコードツール「bubble」を使用し、低価格かつ高速な開発が可能です。もし興味あれば資料請求からお願いします…!

高額なライセンスを抑えるためのすすめ

Power Platformを大規模導入する場合、どうしてもライセンス費用が膨らんでしまう…と悩んでいませんか?諦めるのはまだ早いです!Power Platformには、ライセンス費用を抑えながら、必要な機能を最大限に活用するための戦略があります。

ここでは、費用対効果の高いシステム構築を実現するための5つの戦略をご紹介します。

1. 外部ユーザーのライセンス費用を抑える方法

数万人ものユーザー全員にPower Appsライセンスを付与するのは、だいぶ高額です。

しかし、全員がPower Appsのすべての機能を使う必要があるとは限りません。例えば、情報閲覧や簡単なデータ入力だけであれば、Azure AD B2Bコラボレーションを使ってゲストユーザーとしてアクセス権限を付与する方法があったり。

ゲストユーザーは、限定的な機能しか利用できませんが、ライセンス費用を抑えることができます。

2. アプリライセンスの活用

ユーザーライセンスは、Power Platformのすべての機能を利用できる一方、費用が高額になります。もし利用するアプリが限定的であれば、アプリライセンスを検討してみましょう。

アプリライセンスは、使用するアプリごとにライセンスを割り当てるため、ユーザー数が多い場合でもコストを抑えることができます。

3. セキュリティ要件を満たしつつコストを抑える

高いセキュリティ要件を満たすためには、どうしても費用がかさむと思われがちです。しかし、Power Platformは、Microsoftの堅牢なセキュリティ基盤をベースに構築されているため、標準機能で十分なセキュリティレベルを確保できるケースも多いです。

まずはPower Platformの標準セキュリティ機能で要件を満たせるかを確認し、本当に必要な場合のみ追加のセキュリティ対策を検討することで、コストを抑えることができます。

4. Power Platform以外の選択肢も視野に

Power Platformだけで全ての要件を満たそうとするのではなく、他のサービスとの組み合わせを検討することも有効です。例えば、一部の機能をAzureのサービスで代替したり、既存システムと連携させることで、Power Platformのライセンス数を減らし、コストを抑えることができます。

5. 段階的な導入でコストを最適化

最初から全社導入を目指すのではなく、まずは一部の部署やチームでパイロット運用を行い、効果検証後に段階的に展開していく方法も有効。

利用状況に合わせてライセンス数を調整できるため、無駄なコストを削減できます。また、パイロット運用で得られたフィードバックを基にシステムを改善することで、より効果的なシステム構築につながります。

まとめ

Power Platformは拡張性・パフォーマンス・セキュリティ面で優れており、大規模システムにも対応可能です。要件定義をしっかり行い、段階的な導入を進めることで、費用対効果を最大化できます。

PowerPlatform?大規模なシステムには対応できないんでしょう?とさじを投げた方。意外とその方向で行けるかもしれませんよ…?

ちょっとした悩みでも大丈夫です。ファンリピートは、Power Platformの導入・活用を支援するサービスを提供しています。ライセンス費用やシステム構築でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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