ここ最近、急速に普及し、各社が取り入れているChatGPT。「面倒な業務はAIアシスタントに任せて、人は重要な業務に集中する」という使い方をする企業は、徐々に広がっています。
また社会人の多くが、業務においてWordを用いていることでしょう。各社「社内会議用の文書を作成する」「クリエイティブのキャッチコピーを作成する」といった面倒な業務をおこなっています。
そんなWordを用いた業務は、ChatGPTを使うことで効率化できます。
今回は「ChatGPTを使ってWord業務を効率化できる方法」や「おすすめのアドイン機能」を具体的に紹介します。
文章を考えるのが苦手な方、また時間がかかる方は、ぜひWordを使った業務にChatGPTを取り入れてみてください。
ChatGPTをWord業務に活用して何ができるのか
はじめに「ChatGPTを使って効率化できるWordの業務」を具体的に紹介します。
ただし、前提として「ChatGPTが出力する情報がすべて正しいとは限らない」ということを知っておきましょう。
文章をつくってもらった際には、必ず人間の目でレビューをする必要があります。
1.会議資料等の大枠を作ってもらえる
ChatGPTを駆使することで、普段書いている文書のフォーマットを作ってもらえます。
例えば以下のように、ChatGPTに「社内会議のアジェンダの大枠」を考えてもらうことが可能です。
またプレスリリースのフォーマットを考えてもらうことも可能です。例えば「テストテスト社が医療業界の働き方を改善するためのSaaSツール『Hello World』を提供開始した」と仮定しましょう。
以下のようなプロンプトで、ChatGPTにリリース文を考えてもらいます。
すると以下の通り、原案を提出してくれました。
このように、必要な文書について、ChatGPTに本文の大枠を考えてもらうことが可能です。
2.長文の文章の要約
また、何か長い文章を要約する際にも、ChatGPTとWordを組み合わせることで効率的に使えます。例えば以下は、ChatGPTに創作してもらった物語です。
この文章を指定した文字数で要約してもらうことが可能です。例えば500文字程度で要約してもらうと以下のアウトプットが出てきます。
ビジネス上でいうと、以下のようなシチュエーションで効果を発揮します。
- 会議の議事録を未参加の人に伝えたい
- 新商品開発におけるPDFの調査資料を端的に知りたい
- 大量の顧客フィードバックの内容をまとめたい
- 長文のニュース記事の内容を全員に共有したい
- 資料をコンパクトにしたい
長い文章を端的にしたい場合は、うまく使ってみてください。
キャッチコピーなど、クリエイティブな文章案の生成
また、ChatGPTは「創作性の高さ」も強みの一つです。例えば広告のキャッチコピー案を作れます。
ただしプロンプトを分かりやすく設計しなければ、思ったような結果が得られませんので注意が必要です。
例えば以下のように雑なプロンプトで伝えてしまうと、低クオリティな回答になってしまいます。
ここに要件、見本などを加えて複数提示してもらうと、より期待していた回答を得られやすくなります。例えば以下のように命令してみます。
すると、先ほどとは違ったアウトプットになります。
またクリエイティブに対して「もっとポップに」など、テイストを変えることも可能です。
ChatGPTとWordを連携させる方法
ChatGPTに考えてもらった文章を、そのままWordにコピー&ペーストして使うこともできます。
しかしChatGPTとWordを連携させると、よりシームレスに使えるようになります。ここからはWordと連携できるChatGPTのプラグイン・アドイン機能について紹介します。
「ONLYOFFICE」のChatGPTプラグインを活用
ONLYOFFICEのエディタ機能で、ChatGPTプラグインを活用できます。ONLYOFFICEはWordと互換性のある形式での保存に対応しています。
ONLYOFFICEのChatGPTプラグインには「文章生成」と「文章要約」の機能があります。実際に利用する手順を紹介しましょう。
1. ONLYOFFICEをインストールする
まずは公式サイトでインストールをしましょう。
インストールが完了すると以下の画面が出てきますので「ドキュメント」をクリックします。
2.ChatGPTのプラグインをインストール
ドキュメントを開くと、上部のタブ一覧に「プラグイン」がありますので選択し、「Plugin Manager」をクリックしてください。
プラグイン一覧からChatGPTを選び「Install」をクリックします。
するとプラグインに「ChatGPT」のロゴが出てくるようになります。この状態で右クリックを押すと「ChatGPT」という項目が出てきます。クリックすると「API Key」を求められます。
3.APIキーを入力し、作業開始
APIキーを取得するために、OpenAIのWebsサイトからログインし、サイドバーの「API Keys」をクリックしてください。そこから「Create new secret key」を押すと、APIキーが発行されるのでコピーして、ONLYOFFICEの画面で貼り付けましょう。
これで、ChatGPTの機能を使うための準備が完了です。後は、編集画面で右クリックを推し「ChatGPT」を選択することで、編集画面上からChatGPTを使えるようになります。
アドインの活用
また、Word上からアドインをインストールすることで、ChatGPTと連携する方法もあります。
アドイン機能をインストールする際は、上部のタブから「アドイン」をクリックして検索してください。
ChatGPTと連携できるWordのアドインは、いくつかありますので、事前に各アプリの評価・機能を調べておきましょう。
例えば「GPT for Excel Word」は、1つのアドインでExcelとWordの両方が使えるアドインです。インストールすると、サイドにチャット画面が登場し、文章の生成・要約について会話をしながら進められます。
また「GhostWriter」も人気のChatGPTアドインです。おもしろいのは「どんな人が話すか」「文章のスタイルはどうか」「文章のトーンはどうか」などを直感的に選べる点です。
例えば、以下のアウトプットはスタイルを「ビジネス」にしたものです。
これをスタイルを「感情的に」、トーンを「おもしろく」にすると、以下のアウトプットが出てきます。
ChatGPTとWordを連携する際の注意点
最後に、WordとChatGPTを連携する際の注意点を紹介します。
著作物を引用している可能性がある
ChatGPTは、Webサイト、書籍をはじめとしたコンテンツから学習しています。回答によっては、これらの著作物から引用している文章が出力されます。
これを知らないまま外部に発信してしまうと、著作権法に違反してしまう可能性があるため注意しましょう。最終的には人間の目でレビューをしたうえでジャッジする必要があります。
必ずしも正しいとは限らない
ChatGPTをはじめ、AIが返すアウトプットは2024年3月現在、必ずしも正しいとは限りません。なかには事実ではない回答もあります。
そのため、やはり人間の目でレビューする必要があります。ChatGPTが返す回答を鵜呑みにしないよう気を付けましょう。
質問は学習に利用される
最後はセキュリティ的観点での注意点です。個人版のChatGPTに投げかける質問はGPTの学習に利用されます。
情報漏洩に当たるため、例えば関係先との契約書、顧客の個人情報、機密情報などを含めてはいけません。
ただしOpenAIのAPIを通した利用、法人プランでの利用は学習に利用されません。会社で使う場合は、ChatGPT Enterpriseの利用を検討しましょう。
参考:OpenAI「ChatGPTfor enterprise」
まとめ
今回は「ChatGPTを用いてWord業務を効率化する具体的な方法」について紹介しました。
文章の生成・要約から「クリエイティブな文章を考えてもらう」という専門的な仕事まで、幅広い業務を効率化できます。うまく使いこなすことで人件費を大きく削減できるツールです。
ただし、アウトプットによっては間違いも多々あるため、記事を書く際などは必ず人間の目で最終チェックをするようにしましょう。また利用の際には事前に教育プログラムを受けるなど、リテラシーを養う必要があります。
気になる方はぜひChatGPTに登録したうえで、プラグインやアドインを用いるなどしてWord業務を効率化してみてください。