XMLとは、拡張子が「.xml」となっているファイル形式です。データの受け渡しの際に目にした経験のある方は多いと思います。
普段目にすることも多いですが、実際にはどんな特徴やメリットがあるのか知らずに使っていませんか。XMLは他のファイル形式とは特徴が違うので、正しい理解を深めれば、あらゆる場面で使い分けられるようになります。
そこで本記事では、XMLの理解を深めていただくために、基本概要や特徴からメリット・デメリットまでわかりやすく解説します。
XMLとは
ここでは、XMLとは何なのかについて3つのポイントに分けて解説します。
- XMLの概要
- XMLの特徴
- HTMLやCSVとの違い
XMLの概要
そもそも、XML(Extensible Markup Language)とは、データの内容や構造を示すのに使われるマークアップ言語です。主にデータの記述・管理・受け渡しの効率化を果たすために使用します。
現在では、データの受け渡しにXMLを用いることが一般的となりましたが、そのきっかけとなったのは、1998年2月にW3C(World Wide Web Consortium)で勧告されたことです。これによってファイル形式の世界標準規格になり、世界中に普及しました。
XMLの特徴
XMLの大きな特徴は、データの受け渡しが容易であることです。データはテキストによって記述可能であり、どのシステムでも読み込むことが可能です。
さらに、自由度と柔軟性の高さもXMLの特徴として挙げられます。数字や文字データも扱えるほか、データに親子構造を持たせることで、ツリー型・入れ子型のような構造化も容易に行えます。
HTMLやCSVとの違い
XMLと異なるファイル形式として「HTML」「CSV」があります。HTML(Hyper Text Markup Language)は、Webページにテキストを表示するために用いられるファイル形式です。
違いとしては、HTMLでは名称があらかじめ決まっているタグを使用しますが、XMLの場合はタグ名を好きなものに設定できます。
CSV(Comma Separated Values)とは、データをカンマ(,)で区切ったファイル形式です。CSVではタグの記述が不要といった特徴があります。
このように、XML・HTML・CSVはファイル形式であるものの、それぞれ特徴が違うので、正しく理解をした上で使い分けることが大切です。
XMLのメリットとは
データの受け渡しや記述の容易さという特徴を持つXMLは、さまざまなシーンで効果を発揮します。ここでは主なメリットとして2つ紹介します。
システム環境に依存しない
特定のアプリケーションやシステム環境に依存せずに使用できる点がメリットとして挙げられます。
Excel・PowerPoint・スプレッドシート・ワープロ・リレーショナル・データベースなど、ほぼすべてのアプリケーションで記述や編集が可能です。
例えば、Excelファイル(.xlsx)は、Excelがなければ閲覧や編集ができません。しかし、XMLではどのアプリケーションでも閲覧できるため、利便性が高いことが特徴です。
汎用性・互換性が高い
W3Cによる世界標準規格に統一された記述方式なので、汎用性が高く様々なシステムで使用できます。XMLはタグを自由に定義できる上、構造化されたデータの編集も容易に行えます。
異なるアプリケーション同士の互換性も高いため、編集データを他のプログラムへ連携させることも容易です。
XMLのデメリットとは
XMLはメリットばかりではなく、デメリットの存在もあらかじめ念頭に置く必要があります。ここではXMLを活用する際のデメリットを2つ紹介します。
編集がしづらい
マークアップ言語を記述する際は、専用エディターなどで完成イメージを見ながら作業することが一般的ですが、XMLではそうした編集ができません。そのため、編集内容を都度チェックしながら記述する必要があります。
またXMLは階層構造なので、それを頭に入れながら記述をしていかないと、階層がどんどん複雑化し、余計に編集が難しくなります。
専門家が少ない
XMLを使いこなすためには、十分な学習機会が必要ですが、XMLの専門家は多くありません。そのため、データ設計で困った際に相談できる人が見つけにくいというデメリットがあります。
コンピューター処理に負荷がかかる
XMLはタグを用いて記述するため、タグを使用した分データ容量が大きくなりがちです。容量が増えるほど処理に負荷が掛かるため、CPUやメモリの消費も多くなり、動作が遅くなるなど生産性に影響します。
大量のデータを扱う場合は、容量や処理速度にも気を配る必要があるでしょう。
XMLはどのような場面で利用されるか
XMLは、ビジネスシーンでも多く利用されています。本章では、XMLが特に利用される分野を3つ紹介します。
企業内システム
XMLは互換性が高いため、社内外での情報共有やデータ管理に有効です。そうしたメリットから、ドキュメント制作やWebページ制作、管理などの企業内システムで活用される機会が増えています。
また、XMLにHTMLの機能を掛け合わせた「XHTML」というマークアップ言語が登場したことで、より効率的なシステム構築の実現が可能になりました。
これにより、システム構築の初期段階では最小限度の機能だけで設計し、運用する中で徐々に変更を加えられます。小さく始めて徐々に軌道修正していく上で、XMLは効果を発揮します。
企業間の取引
B2Bにおける電子商取引においてXMLの活用が注目されています。とりわけ、B2Bでは製品情報や見積書、請求書など発注情報が多岐に渡ります。
そうした場合において、システムの変更が柔軟かつ容易にできる点と、自由にタグ付けができる点から、安全かつ効率的な電子商取引に有効です。
アプリケーション間のデータ連携
XMLは、あらゆるアプリケーションとの互換性を持つことから、データをつなぎ合わせる中間言語としての機能があります。アプリケーション同士を連携してプロセスの効率化を図る概念を「EAI(Enterprise Application Integration)」と呼び、XMLが重要な役割を担います。
例えば、Aというアプリケーションから取り出したデータはEAIサーバーを通じてXML文書に変換され、そのデータを渡す先のBというアプリケーションでは別の形式へと変換されます。
このように、XMLによってアプリケーション同士の効率化を図れるようになります。
XMLの基本を理解して目的に合わせて活用しよう
本記事では、XMLの基本から特徴、メリットとデメリットまで解説しました。普段目にすることも多いファイル形式ですが、特徴やメリットとデメリットを正しく理解することで、効率的なデータ管理や受け渡しに活用できます。
企業間の電子取引や企業内システムなど活用の幅も広く、今後さらに活用範囲の拡大が見込まれる言語ですので、基本を理解して上手に活用しましょう。
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