コロナ禍で進んだ在宅勤務や働き方改革など、私たちを取り巻く仕事環境は時代とともに進化しています。
社員の残業時間を減らすという課題に対しては、一昔前であれば人員を増やすなどの対応が必要でしたが、デジタル化が進む現代であれば、業務効率化のためのシステムを導入する企業も多いでしょう。
そんな中、VBAによって業務の効率化を図るという選択肢もあります。
この記事では、「VBAとは何か」「メリットや注意点は?」という基礎的な内容から、「VBAで何ができるのか」という具体例までを、わかりやすく解説します。
VBAとは?
VBA(Visual Basic for Applications)とは、Microsoft Office(マイクロソフトオフィス)のWord・Excel・Access・PowerPointなどで利用できるプログラミング言語のことです。
VBAでは簡易にプログラムを記述することができ、定期的に同じ処理を繰り返し行うような場合に、その一連の流れを自動化するために用います。
- Word
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定型文の作成を自動化
- Excel
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集計作業の自動化
- Access
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データベース操作の自動化
- Power Point
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スライド操作の自動化
この中でも、Excel VBAが最も一般的に使われているVBAだと言えるでしょう。
VBAとマクロ機能との違い
VBAを理解する上で重要であり、また、よく混同されることがあるのがマクロ機能です。
マクロとは処理を自動化するための機能であり、VBAはそのマクロを動作させるために使うプログラミング言語です。つまり、VBAを記述する事によりマクロ機能が働く、ということになります。
Excelを使ったことがあれば、VBAについては聞いたことがなくても、マクロという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
VBAでできること
では、VBAを使うとどのようなことができるのでしょうか。
まず、Excelのデータを使って行う処理については、ほぼ全てをVBAによって自動化できます。また、WordやPower Pointなど、他のマイクロソフトのソフトウェアと連動することもできます。
簡単な例をいくつかご紹介したいと思います。
Excelの表を使ってWordを効率化
同じ文章のレターなどを、宛先や文面の一部を変えて複数用意したい場合、VBAを使うとヒューマンエラーなく効率的に作業ができます。
例えば、新卒採用や抽選などの結果をレターで送付するような場合、Wordでテンプレートを作成し、データをExcelの表にまとめておけば、VBAのプログラムを実行するだけで宛先や文面の一部を差し替えたレターを作ることができます。
Excelの表を使ってメールを効率化
同じ文章のメールを、文面の一部を変えて複数のメールアドレスへ送る際にも、VBAを使えばヒューマンエラーなく効率的に作業ができます。
例えば、得意先への案内メールや、前述のような合否メールなども、メール文のテンプレートとExcelの一覧表を用意して、VBAのプログラムを実行するだけで送ることができます。
Excelの月次集計を自動化
日々の出入金をExcelに記録しておき、月毎に集計することも多いかと思います。
更には集計の結果をレポート用にグラフにしたりと、毎月同じ手順を繰り返すものの、量が多ければ手間や時間の掛かる作業になります。
そんな時にVBAでデータ処理をプログラミングしておけば、翌月からは「実行」するだけですむため、月次の作業効率が大幅にアップします。
VBAを使うメリットとは?
業務で行う処理を自動化できるVBAには、下記のようなメリットがあります。
業務効率化とヒューマンエラーの回避
ここまでに何度か記載している通り、VBAを使えば定期的に繰り返すルーティン作業を自動化できるため、ヒューマンエラーを防いで業務効率化を図ることができます。
単純な繰り返し作業を手作業で行うとなると、集中力も必要ですし、どうしても抜け漏れや打ち間違えなどが発生しがちです。
その点、集計作業のデータ処理を予めプログラミングしておくことにより、ワンクリックで正確な結果を得ることができます。
費用をかけることなく手軽
VBAはマイクロソフトオフィスで使用できるプログラミング言語のため、Windowsのパソコンさえあれば誰でも使うことができます。
使いたいソフトウェア(Word・Excel・Acess・PowerPointなど)を開き、開発環境が使えるように設定するだけで、その他に用意するものは特にないことから、お金をかけずに手軽に活用することが可能です。
VBAを使う際の注意点は?
一見すると良いことだらけのVBAですが、使用する際には注意点もあります。
マイクロソフトオフィス用のプログラム言語
VBAはあくまでもマイクロソフトオフィスに特化して利用できるものであり、Excelなどの繰り返し処理を自動化するための言語です。
そのため、他のプログラミング言語とは違い、Webサイトやアプリケーションを構築することはできませんし、マイクロソフト以外のソフトウェアとは基本的に連動できません。
また、他のプログラミング言語より簡単ではあるものの、一般的には習得するまでに50時間ほど必要だと言われています。
慣れないうちは最初の設定時にうまく作動しなかったり、使っているうちにエラーが出たり、Excelのバージョンが変わって動かなくなったりと、トラブルシューティングや再設定などで思わぬ時間が掛かることもあります。
極端な例ではありますが、少量のデータを数回集計するような場合や、データの集計方法が数回で変わるような場合には、VBAより手作業の方が効率的な場合もありますので、処理するデータの量や作業を繰り返す回数などを考慮して使用するようにしましょう。
VBAにも向き不向きがある
繰り返しになりますが、VBAはマイクロソフトオフィスに特化した、単純な繰り返し作業を自動化するためのものです。
例えばExcel VBAで大容量のデータを処理しようとするとスピードが遅くなり、作業に時間がかかってしまうため、その場合には同じマイクロソフトの「Access」(アクセス)の方が向いていると言えるでしょう。Accessについて知りたい方は以下の記事もチェックしてみてください。
また、VBAには画像認証のような認識機能はありません。
最近では、より汎用性のあるPython(パイソン)やRPAなどの自動化手段もありますので、自社の業務のどの部分を自動化したいのか、向き不向きも考慮して選ぶと良いでしょう。
【まとめ】VBAを活用して業務を効率化しよう
VBAをうまく活用すれば、業務の効率化を図ることができます。
ただ、VBAという言語を習得しなければ扱えないことや、マイクロソフト以外のソフトウェアでは使えないという制約があることも事実です。
必要な作業を無理なく効率化するには、VBAの活用のみならず業務システムを導入する方法もありますので、自社のニーズや目的に合った方法を検討する必要があるでしょう。
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