プログラミング言語のSwiftは、iPhoneやMacに代表されるApple製品向けのアプリケーション開発で主流となっている言語です。
初心者にもわかりやすいコーディングが可能な上、処理が高速で不具合も少ないという特徴があり、近年ではWindows環境でも開発や、Webアプリケーション開発にも使用されるなど、その将来性に注目が集まっています。
この記事では、プログラミング初心者でもアプリ開発に取り組みやすい言語であるSwiftの特徴について詳しく解説します。
Swiftとは?
Swiftは、Apple社が2014年にリリースしたプログラミング言語で、主にiPhoneやMacなどのApple製品で使用されるアプリケーションの開発に使用されています。
2020年にはWindows 10に正式対応されたため、Windows環境でもSwiftを用いた開発が可能となりました。
その結果、プログラミング言語の人気ランキングを公開するTIOBEのサイトでは、2015年の27位から2020年には9位まで人気が上昇しています。
比較的習得が容易で高速に動作するため、今後はWebアプリケーション開発やサーバーサイドの開発現場にも広がっていくことが期待されています。
出典:https://www.tiobe.com/tiobe-index/swift/
SwiftとObjective-Cとの違い
従来、Apple製品のアプリケーションはObjective-Cという言語で開発されていました。
Objective-Cは1980年代にAppleが開発したC言語ベースのプログラミング言語ですが、独自性が高く、構文が複雑で難しい言語と言われています。
そこでAppleは、習得が難しいObjective-Cに代わる現代的な言語としてSwiftを開発しました。その結果、直感的なコーディングが可能で習得しやすい言語としてSwiftは人気が出るようになりました。
さらに、SwiftはObjective-Cより高速な処理が可能で記述するコード量自体も減らせるといった優れた特徴を持っています。
Swiftの特徴
直感的なコーディングが可能であるSwiftですが、主には以下のような特徴があります。
現代的な言語である
プログラミング言語において現代的というのは、一言で言うと読みやすく書きやすい言語と言う意味です。Swiftの場合、構文がシンプルな上、プログラムが止まる原因となるミスを防ぐための処理も実行してくれます。
例えば、変数というデータを格納する入れ物を自動的に初期化してエラーを防いだり、エラー発生時に自動的に修復するなど、使い勝手が良くなるように設計されています。
現代的な言語は初学者にとって習得が易しいだけでなく、メンテナンスの面からも優れているため、システム開発で重宝されています。
動作が軽くリアルタイム性がある
プログラムを実行するには、プログラミング言語で書かれたソースコードを0と1で表現される機械語に翻訳する「コンパイル」という作業が必要です。
Swiftはコンパイル時にコードを最適化するLLVMというプログラム基盤を基に設計されているため、動作が高速で軽量になっています。
また、Swiftを用いた開発で使用する「Xcode」というツールには「Playground」という実行環境があります。このPlaygroundでは、プログラムを実行した結果をリアルタイムに確認でき、コーディングを迅速に進めることができます。
他のプログラミング言語との互換性がある
従来、Apple製OS用のアプリケーション開発ではObjective-Cが使用されていましたが、SwiftはObjective-Cのコードをほぼ全て使用できます。そのため、過去に開発した資産を有効活用できるのが大きな特徴といえます。
また、C言語やC++などの言語で書かれたオープンソースのライブラリを利用することも可能で、ひとつのアプリケーションの中に2つの言語を共存させることもできます。
Swiftを使用するメリット
Swiftを使用するメリットには以下のようなものがあります。
学習コストが低い
一般的なプログラミング言語では、実際に開発を開始するまでの環境設定に時間がかかります。一方、Swiftの場合は無料のXcodeをApp Storeからインストールすれば、すぐに開発を始めることができます。
また、コードの書き方としてもObjective-Cのような言語よりシンプルな記法ができ、覚えなければならないルールが少ないと言えます。
さらに、Playgroundという視覚的に理解できる環境により、自分の間違いに気づきやすく、プログラミング初心者でも習得しやすいと言えます。
不具合が発生しづらい
Swiftの開発環境であるXcodeには自動テスト機能があるため、プログラムの動作確認を自動的に行うことが可能です。
一般的にプログラミングでコードを書き換えた場合、関連する機能の動作確認であるデバッグ作業が必要となりますが、Swiftでは、手間のかかるデバッグ作業を自動化して効率化でき、不具合の発生しづらいアプリ開発ができます。
将来性が高い
iPhoneをはじめとしたApple製品のシェア拡大に伴い、Apple製品向けのアプリケーションの開発需要が高まっています。
日本ではかねてよりiPhoneユーザーが多いことが知られていますが、米国でも2022年4−6月期にiPhoneのシェアが50%を超えてAndroidスマホを上回り、iPhone用アプリの開発需要は今後も高まると予想されます。
さらに、Swiftは最近のアップデートでApple製OS以外のWebアプリケーション開発にも対応し、今後Webアプリケーション開発言語としてもシェアが高まると考えられ、将来性は高いと言えます。
Swiftを使ったアプリ開発に必要なもの
Swiftでアプリケーション開発をするために必要なものは次の3点です。
Apple ID
Apple社のサービス利用に必要となるApple IDは、すでに保有している人も多いかもしれません。ちなみに、既存のApple IDでアプリ開発をする場合は、そのIDを開発者として登録する必要があります。
Xcode
Swiftの開発環境であるXcodeは、App Storeから無料でダウンロードできます。開発に必要なツールが一通り揃っているため、Xcodeをインストールすればすぐにアプリケーション開発を始めることができます。
Developer ID
開発したアプリケーションを公開したり、開発に使用したデバイス以外にインストールする場合にDeveloper IDが必要です。
Apple Developerの公式サイトから登録可能で、費用は年間99米ドルです。なお、単にアプリ開発をするだけならDeveloper IDを取得する必要はありません。
システム開発にはモダンで使いやすいSwiftがおすすめ
Swiftは、iPhone用アプリケーションなどのソフトウェア開発に用いられる現代的なプログラミング言語です。初心者でも習得しやすく、将来性も期待される言語のため、これからシステム開発をする場合は本記事の内容を参考にして利用を検討してみてください。
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