スクラッチ開発という言葉を知っていても、詳しい内容まではわからない方も多いかと思います。本記事ではそのような方に向け、スクラッチの概要やメリット、一般的な進め方などについて詳しく紹介しています。
この記事を読めば、システム開発会社なら必ず知っておきたいスクラッチの基本知識が3分で理解できますので、ぜひ最後まで読んでいただき参考にしていただければと思います。
スクラッチ開発とは?
スクラッチ開発とは、ひな形やフレームワークを用いることなく、独自のシステムを開発することです。
ゼロベースで開発を進めるため、フルスクラッチという名称でも呼ばれています。業務の内容が独特で、すでにある機能の中での実装が難しい場合に役に立つ手法です。
しかし、一からオリジナルで開発するため、どうしても金額や時間がかかってしまうことがネックとされています。
パッケージ開発とは
スクラッチ開発と対なるものとして、パッケージ開発という手法があります。こちらはすでにあるシステムの機能を用いて作る手法となります。例えるならフレームワークやひな形のようなものです。
こちらはスクラッチと異なり、その機能でできる域を超えた実装はできません。そのため業務独自の凝ったシステムを求める企業には不向きな手法といえます。
しかし、ひな形を使うことで低コストかつスピーディーな実装が可能になることが、スクラッチ開発と比べて優れている点といえます。
それぞれどう違う?
両者の大きな違いは、実装の幅広さや柔軟性です。パッケージ開発では機能内の実装に制限されるため、柔軟な実装は困難です。
しかし、業務によってはパッケージ製品の機能内で完結させることが可能です。その場合はパッケージを使用したほうが、時間も短縮でき、コスト削減にもつながります。
そのためまずは、パッケージ製品の機能内で実現できないかどうかを先に確認するのがいいでしょう。
スクラッチ開発のメリット
スクラッチ開発を利用することで、さまざまなメリットが得られます。
この章ではそのメリットについて以下のとおり2点、ご紹介します。
- 思いのままの機能を実装できる
- サービスの提供が終了することがない
思いのままの機能を実装できる
最大のメリットは、思いのままの実装ができることにあります。企業それぞれの業務や、社員に合わせたユーザーインターフェースを作成したり、使っていく中で細かい機能を少しずつ加えていくことも可能です。
さらに、独自のシステムを開発することで、他社との差別化を図れることもメリットの一つです。
サービスの提供が終了することがない
サービスの終了を懸念せず、長期的に利用できることがメリットです。
パッケージ製品を使うと、すでにあるサービスの終了次第で、業務システムが使えなくなってしまうためです。そうなった場合、また新たに他社のサービスでの実装を強いられるため、コストや手間がかかります。
その点スクラッチでは完全に独自で作る形式のため、サービス終了を心配する必要がありません。システムの長期的な利用を考えている場合、パッケージよりも向いているといえます。
スクラッチ開発のデメリット
スクラッチ開発はメリットも大きいですが、デメリットもあります。この章では、そのデメリット2点を以下の通りご紹介します。
- 開発コストが大きくなる
- メンテナンスなどは開発者に依存する
開発コストが大きくなる
コストが大きくなるのが、デメリットです。完全独自のものを実装する以上、やはり多大なお金と時間が必要となります。扱っている業務内容によっては、パッケージ製品で十分こと足りる場合もあるでしょう。現代ではさまざまな製品ごと、機能も充実しているためです。
また現代は流行り廃りが激しく、実装スピードがとても重要です。そのため、メンテナンスやアップデートも頻繁に行う必要があります。
これらの点を考慮すると、パッケージ開発に軍配が上がります。
メンテナンスなどは開発者に依存する
スクラッチ開発の場合、メンテナンスなどは開発者に依存されることになります。
実装が完了しても、使っていくうちに必要な機能が増えてきたり、ユーザーインターフェースの変更が必要になるなど、定期的なアップデートを欠かすことはできません。
いくら業務システムの内容を企業側で詳細に決めていたとしても、具体的にシステム化を行うのは開発担当者です。そのためスクラッチ開発を任せる担当者や企業は、慎重に選定する必要があります。
スクラッチ開発の一般的な進め方
スクラッチ開発といっても進め方は企業によってさまざまですが、基本となる進め方は共通しています。
この章では、スクラッチの基本的な進め方について紹介していきます。
基本的なスクラッチ開発の流れとしては、以下のとおりです。
- 要件定義
- ユーザーインターフェースの決定(フロントエンド)
- プログラミング(バックエンド)
- テスト・デバッグ
- 運用
- メンテナンス・アップデート
まずは大枠を決め、その後に画面の装飾など見た目を決めていきます。その後、機能を実装してテストを繰り返し、運用しながら状況に合わせて改善していく流れが一般的です。中でも特に重要なのが、最初に行われる要件定義です。この要件定義で成否が決まると言っても過言ではありません。
どの業界でもいえることですが、目的を明確に決めてから設計図や骨組みを固め、実装や組み立ての作業を行うことで、作業がスムーズに進むものです。
スクラッチ開発を用いて、どんな目標を達成したいか決め、共有することが大切です。
スクラッチ開発が適しているケース
企業の性質や業務内容によって、どちらの開発方法が適切かは判断が分かれます。
この章では、スクラッチが適しているケースを以下のとおり3点ご紹介します。
- パッケージのカスタム費用が高額になる
- パッケージ製品の機能外の専門的な業務がある
- 完全独自のシステムを使いたい
パッケージのカスタム費用が高額になる
パッケージ製品を使った場合でも、一部の機能でしたらカスタムで補うことが可能です。しかしそのカスタムの実装を行うほど、コストはかかります。そのカスタマイズを重ね、結果的に同等の金額となるなら、はじめからスクラッチを使うべきといえます。
スクラッチ開発のデメリットは金銭面にあります。その金銭面が同じであれば、スクラッチを選ぶほうが費用対効果は高いでしょう。
パッケージ製品の機能外の専門的な業務がある
専門的で複雑な業務システムを作成したい場合、スクラッチが適しています。現代では製品ごとに、さまざまな機能も充実しています。
完全独自のシステムを使いたい
独自のものを希望している場合も、スクラッチ開発が向いているケースとして挙げられます。スクラッチで実装すれば、サービスの終了を懸念する必要もなくなります。
また完全独自のものを使うことで、他社との差別化も図れるためです。
まとめ
スクラッチ開発の基礎知識から、向いているケースなどを紹介しました。スクラッチ開発は、時間やお金がかかりますが、それ以上の大きなメリットが得られる手法であることは間違いありません。
とはいえ業務内容によっては、パッケージ製品の機能内で十分こと足ります。その場合は、パッケージを使用したほうが時間やお金などのコストを削減できるでしょう。業務の内容や目的を明確にしたうえで、最適な手法を選ぶようにしてください。
なお、システム開発を検討している企業様は、ぜひ一度弊社にご相談ください。無理な理行電話などは一切なく安心してご利用いただけます。以下のリンクからお問い合わせください。