PostgreSQLという言葉を見たことがあっても、読み方や概要がわからないという方も多いかと思います。
本記事ではPostgreSQLの概要や読み方、およびメリットや注意点について詳しくご紹介します。データベースを扱う企業様は必須の知識となりますので、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
PostgreSQLの読み方は?
初見では、ポステグレエスキューエルと読んでしまう方もいると思いますが、正しい読み方は、ポステグレスキューエルとなります。ただ外国人の方の中には一部、ポストグレエスキューエルと発音する方もいるため、決して間違いではありません。
しかし日本人の方々は総じてポステグレスキューエルという呼び方をしているため、これ以外で読むと指摘される可能性があります。もしくはポスグレという略称でも広く知られているため、この読み方を用いるのもいいでしょう。
PostgreSQLとはなにか?
PostgreSQLとは、無料で一般公開されている数あるORDBMS(オブジェクト・リレーショナル・データベース・マネジメント・システム)のひとつです。ORDBMSを簡潔に説明すると、コンピューターの中で取り扱いができるデータベースとなります。
PostgreSQLの特徴
PostgreSQLは、ORDBMSとしての基礎的な機能をすべて備えていることが特徴です。SQLという言語を用いることで、以下のデータベース操作ができるようになります。カスタマイズ性にも優れているのも特徴です。
- 登録
- 読み込み
- 変更
- 捜索
- 計算
- 削除
また、PostgreSQLは世界的にも知名度と人気を誇っており、ORDBMSとしては世界で4番目の人気を誇ります。ちなみに1~3番目には、以下がランクインしています。
- オラクル データベース
- MySQL
- マイクロソフト SQLサーバー
引用:https://db-engines.com/en/ranking_trend
MySQLとの違いは?
PostgreSQLの競合として、MySQLというシステムがあります。どちらも無料で一般公開されているデータベースシステムであることに、変わりはありません。そのため、機能も似通ったものとなっています。
両者の大きな違いとしては、以下のようになります。
- PostgreSQL=ORDBMS(オブジェクト・リレーショナル・データベース・マネジメント・システム)
- MySQL=RDBMS(リレーショナル・データベース・マネジメント・システム)
両者の違いを簡潔に説明すると、PostgreSQLは高度な機能をふんだんに備えており、比較的大きなプロジェクトで重宝するデータベースです。
一方でMySQLは扱える機能がPostgreSQLよりも少ない分、動作も軽いデータベースとなっています。
PostgreSQLを利用するメリット
PostgreSQLを利用することで、さまざまなメリットを得ることができます。この章では、そのメリットを以下のとおり3つご紹介します。
- コストを抑えられる
- データ分析の速度を高速化できる
- 移行するとき手間がかからない
コストを抑えられる
PostgreSQLは無料で一般公開されているサービスのため、導入の費用がかからないことがメリットとして挙げられます。一方オラクルやマイクロソフトの製品を用いた場合、導入に費用がかかります。
業務でデータベースを利用する際の多くは、PostgreSQLが備えている機能で十分にこと足りるケースが多いです。そのためPostgreSQLは、業務でデータベース導入を考える際、最初に名前が上がる製品といっても過言ではありません。
データ分析の速度を高速化できる
メリット2つ目は、データ分析の速度を高速化できることです。PostgreSQLは、複数のCPUを用いて処理を実行できる仕組みが備えてあるからです。この仕組みはパラレルプロセッシングと呼ばれています。
パラレルプロセッシングによって、膨大なデータの捜索や抽出が、より高速かつ快適なものになります。そのため幅広い企業が生産性の向上に役立てています。
移行するとき手間がかからない
メリット3つ目は、移行するときに手間がかからないことです。理由は以下2点です。
- スタンダードなSQL言語を使用しているから
- 他のソフトとの相性がよく連携が容易
データベース製品の中には独自のSQL言語が規格として用いられているものもあります。一方でPostgreSQLは、スタンダードなSQL言語を規格として作られています。そのため移行が必要になった際、SQL文を独自の規格どおりに修正する必要もとくにありません。
PostgreSQLの注意点
PostgreSQLには便利な点が多くありますが、利用にあたって注意すべき点もあります。この章では、その注意点を2つご紹介します。
- 公式サポートがない
- 作った演算子や関数が使えないことがある
公式サポートがない
PostgreSQLは無償で一般公開されているデータベースです。そのためなにかトラブルがあった際、公式サポートの情報に乏しいことはデメリットです。万が一の際の具体的なトラブル対策は、インターネットで調べるしかありません。
ただ、PostgreSQLは世界でも幅広く使われているデータベースですので、情報はたくさんあります。よほど珍しいバグでもない限り、情報が見つからない心配はないといえます。
一方有料データベースの場合、オラクルデータベースならオラクル社、マイクロソフトSQLサーバーならマイクロソフト社といったように、各社が導入やトラブルについてのサポートを担います。
大手企業の信頼性やトラブルの際の安心感を求める場合、お金をかけてでも有料のデータベースを利用するのが賢明です。
作った演算子や関数が使えないことがある
こちらは主に、カスタム機能を独自で用意する際に起こりうるデメリットになります。
前述したようにPostgreSQLは、スタンダードなSQL言語を規格として作られています。仮に他のデータベース製品にて、規格外の独自の演算子や関数(カスタム機能)をSQLで自作していたとしても、PostgreSQLには対応していない可能性があります。
その演算子や関数の中身によってはPostgreSQL内でエラーが発生し、システムがダウンしてしまいます。これでは業務システムとして使用する際、作業に支障が出ることになります。
もしSQLで独自のカスタム機能を自作しPostgreSQLに実装する場合は、念入りなテストを行うようにしてください。
まとめ
以上、PostgreSQLの読み方や概要、注意点について解説しました。要点を以下にまとめます。
- PostgreSQLはデータベースサービスのひとつ
- 無料で使えるため費用がかからない
- 処理速度が早い
- 公式サポートがないがネットの情報が豊富
- 自作した独自機能をカスタムするとき注意が必要
PostgreSQLは無料で一般公開されているデータベースの中でも、非常に高機能で使い勝手に優れています。この機会にPostgreSQLを利用し、業務の生産性を高めていきましょう。
なおデータベースの導入を検討している方は、ぜひ弊社にご相談ください。もちろん無料でしつこい電話などはいたしませんので、ご安心ください。