マークアップ言語はWebサイト作成に使用される言語です。
エンジニアとして初心者の方には、プログラミング言語との違いがよくわからないという方も多いでしょう。これらの違いを知らないと、本格的に業務を進める中で、困ることになるかもしれません。
本記事では、マークアップ言語の役割・種類・プログラミング言語との違いを解説します。また、マークアップ言語なしでWebサイトを作る方法も解説するので、参考にしてください。
マークアップ言語とは
マークアップ言語とは、Webサイトの文章・文字のサイズ・画像などにタグ付けをし、コンピュータに伝達するための言語です。
文章へのタグ付けによってWebサイトの基礎ができるので、サイト作成には欠かせない言語となっています。どのような役割があるのでしょうか。
マークアップ言語の役割
マークアップ言語の役割は、コンピュータにWebサイトの構造や内容を伝えることです。
コンピュータは、文章の見出しや箇条書きなどの要素を正確に判断できないので、全ての文章を同じように表示します。しかしタグを付ければ文章の内容を判断できるので、各要素を適切に表示できます。
つまり、コンピュータがわかるように文章へ意味付けをすることが役割なのです。
マークアップ言語の理解はSEOに必須
マークアップ言語を理解することは、SEO対策において重要です。Googleなどの検索エンジンは、クローラーと呼ばれる自動ボットがWebサイトを巡回し、検索者のニーズに適したWebサイトを上位表示させます。
マークアップ言語はクローラーにWebサイトの構造を伝達するものなので、きちんと構造化されたWebサイトであれば、クローラーが内容を理解しやすくなります。
適切に構造化されて検索キーワードと合致していれば、検索エンジン上位に表示される可能性が高くなり、多くの人の目に留まるWebサイトになることが期待できます。
マークアップ言語とプログラミング言語の違い
マークアップ言語・プログラミング言語は、どちらもコンピュータが読み込む言語です。
しかしこれら二つの言語には、以下のような違いがあります。
- プログラミング言語:条件に沿った計算処理をし、結果を出力する言語
- マークアップ言語:文章の意味をコンピュータが読み取るための言語
つまり、マークアップ言語が内容を読み込むだけの静的な言語なのに対し、プログラミング言語は読み込んだ後に計算処理をする動的な言語なのです。
両方の言語を組み合わせることで、プルダウンメニューなどを使った現代的なWebサイトになります。そのため、マークアップ言語やプログラミング言語は、Webサイトを作成する際に欠かせない知識なのです。
マークアップ言語の種類
マークアップ言語には、さまざまな種類が存在します。詳しくご紹介します。
HTML
HTMLは、国際規格として扱われているマークアップ言語であり、Webサイトを構成する主要な言語です。
Webサイトの見出し・段落・フォント・文字色など、全体の構造や簡単な見た目の設定・編集などができ、テキスト・画像中に別サイトへのリンクを貼ることができます。
使用可能なタグは決まっており、W3C(技術標準化推進団体)が定める世界共通ルールのもとで管理されていましたが、2021年の1月からはWHATWGの規格が共通ルールになりました。
XML
XMLは拡張できるマークアップ言語であり、使用できるタグを自分で自由に設定できます。
HTMLと同様に、W3Cが定める世界共通の規格となっており、別のアプリケーションとの連携がしやすいという特徴があります。
XHTML
XHTMLは、HTMLやXMLの要素を複合させたWebサイト作成に使用されるマークアップ言語です。
主な特徴はタグの使い方・文法が厳密に定められている代わりに、HTMLのタグが使えたりタグを自由に設定できたりと、自由度が高いことです。
SGML
SGMLは、HTML・XMLのベースとなったマークアップ言語です。Webサイトではなく、印刷物や電子文書のために定義されたものであり、世界の各政府機関の公文書規格として採用された実績があります。
ただし構造が複雑だったことから、より簡易な構造のHTML・XMLが作成されたという経緯があります。
XAML
XAMLは、Microsoft社が提供する、XMLをベースとしたマークアップ言語です。Microsoft社が提供するアプリケーションの画面作成に使用されており、学習コストが低いという特徴があります。
Haml
HamlはRubyというプログラミング言語で実装されるマークアップ言語です。プログラム実行時にHTMLを生成し、閉じタグが不要という特徴があります。
マークアップ言語を使わないノーコード開発とは
通常、Webサイトを作成するにはマークアップ言語が必須ですが、学習に時間がかかる上に構造がわかりにくいといった問題があります。
しかしノーコード開発という手法であれば、マークアップ言語なしでも、Webサイトを自分の手で作成可能です。
以下、ノーコード開発の特徴について詳しく解説します。
ノーコードでは技術不要で開発ができる
ノーコードはマークアップ言語を記述せずに、Webサイトの作成ができます。
専門知識や技術がなくてもすぐにWebサイトを作れるので、参入障壁が低く、非常に効率がよいという特徴があります。
開発後のエラー発生リスクが少ない
ノーコード開発では、マークアップ言語を記述しないので、エラーの発生リスクが低いです。
ソースコードを書いてWebサイトを作る場合、閉じタグがなかったりスペルミスがあったりなどが原因で、ページが正しく表示されないことがあります。単純なミスが原因だとしても、それを見つけるのに時間・労力がかかることもあるので、一度エラーが発生すると大変です。
しかしノーコード開発はエラーのリスクが低く、時間や労力を有効に使うことができます。
開発期間を大幅に削減できる
マークアップ言語を記述しないノーコード開発では、作成期間を大幅に短縮できるので、すぐにWebサイトが必要な場合に適しています。
開発期間の短縮化は、それだけ人件費をおさえることにもなるので、コスト面でもプラスになるでしょう。
マークアップ言語だけでなくノーコードにも注目
マークアップ言語はWebサイトの構造を定義し、サイトの内容をコンピュータに伝達するための言語です。
Webサイトを検索エンジンの上位に表示するためにも、理解しておいたほうがよいですが、構造が複雑なので初心者にはとっつきにくいのが現状です。
単にWebサイトを持って情報発信をしたいだけなら、マークアップ言語での作成にこだわる必要はなく、ノーコード開発でも問題はありません。
すぐにWebサイトを持ちたい方は、ノーコード開発を検討してはいかがでしょうか。