2020年から始まった新型コロナの世界的パンデミックにより、ネットショッピング利用の割合が急速に加速した昨今。
この動きは、従来より進んでいたデジタル化が新型コロナによって加速されたという側面があり、*今後も需要が続くことが想定されるため、これまで以上にイーコマース(EC)への関心が高まっているのではないでしょうか。
- 実店舗からイーコマースへの拡大に興味のあるショップオーナーの方
- イーコマースでのビジネス展開を検討したい企業の方
この記事ではそんな方々向けに、イーコマースの基礎知識を、初めてでもわかりやすく解説します。
*総務省「令和3年情報通信白書」図表2-1-3-1, 2-1-3-9, 2-1-3-13より
イーコマース(EC)とは?
イーコマースとは「Electric Commerce/電子商取引」のことで、インターネットを介して商品やサービスを売買する取引を指します。
一般的にはECサイトやネットショップ(オンラインショップ)という言葉の方が馴染みがあるかもしれませんが、こちらは電子商取引を行うオンライン上のWEBサイトを指します。
ECサイトとネットショップは同じ意味ですが、ECサイトというのは開発側で使用する言葉で、一般の消費者からはネットショップと呼ばれることが多いと言えます。
イーコマース(EC)のメリット
消費者側から見たイーコマースのメリットは、インターネット環境さえあれば、いつでもどこにいてもショッピングができ、自宅まで届けてくれる便利さが挙げられます。
では、販売側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
店舗を持たないため費用が抑えられる
家賃・光熱費・ショップ店員の人件費など、維持費が掛からないイーコマースは、実店舗よりも少ない資金で始めることができます。
営業時間という概念がなく、消費者のタイミングで購入してもらえるため、販売の機会を逃しづらいとも言えます。
日本全国・世界に展開できる
ショップに足を運んでもらう必要のある実店舗とは違い、イーコマースは場所を選ばず、日本全国が販売エリアになります。マーケットが海外にも存在する場合は、海外進出のハードルが低いことも大きなメリットです。
店舗経営であれば立地条件や周辺の客層なども重要な要素になりますが、イーコマースであれば商品開発や広告宣伝といった、物を売ることに集中できます。
情報をデータ化しやすい
イーコマースの種類にもよりますが、顧客データが集めやすいため、マーケティングが従来と比較してやりやすいと言えるでしょう。
ライバルショップの商品や価格もウェブ上で分析できるため、市場調査も比較的容易に行うことができます。また、販売数と在庫のデータを連動して管理できるため、在庫管理も楽にできるようになります。
イーコマース(EC)のデメリット
消費者側から見たイーコマース(EC)の最大のデメリットは、購入前に実物を見ることができない点が挙げられますが、販売する側のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ブランディングが難しい
実店舗であれば、立地や内装など、商品以外の要素でもブランディングが可能ですが、イーコマースの場合に差別化を図ったりブランド価値を構築する手段は、商品の他にはサイトのデザインのみということになります。
集客が難しい
実店舗と違って通りすがりでの集客が見込めないイーコマースでは、ゼロからの集客が必要になるケースがあります。
立ち上げ段階で知名度がある場合を除き、費用を投じて宣伝したり、SNSを活用して知名度を上げ、自力で集客する必要があります。
購入者の反応が見えない
実店舗であれば、購入者のみならず購入に至らなかった時の反応を見たり感想を聞くことができますが、イーコマースの場合にはそれができません。
イーコマース(EC)の種類
一口にイーコマースと言ってもいくつかの種類が存在しますが、大きくは「モール型」と「自社サイト型」の2つに分類することができます。
モール型
モール型とは、1つのサイトの中に複数のショップが集まるショッピングモールのようなサイトのことで、日本では、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどがそれに当たります。
- システムの運用・保守はモールが行うため、ショップ側は商品の出品に専念できる
- モール自体に知名度があってマーケットが存在しているため、ゼロからの集客をする必要がない
- ショップ独自のページが作れないこともあり、自社のブランディングがしづらいためファンやリピーターを獲得しずらい
- テナント料などの固定費、売上に対する販売手数料など、モールへの支払いが発生する
- 顧客情報がモール側の所有になるため、自社のマーケティングに活用できない
なお、モール型の中では更に3つに細分化することができますので簡単にご紹介しておきます。
- 統合管理型モール
サイト運営者が複数のショップを一元管理する形式
例)さとふる - テナント型モール
モールの中に各店舗が出店し、商品を管理する形式
例) 楽天市場 - マーケットプレイス型モール
モールの中に各店舗が商品のみを出品する形式
例) Amazon
自社サイト型
一方で、自社でサイトを立ち上げて運営するのが自社サイト型です。
近年では、総務省の総務省「令和3年情報通信白書」第2章3-1からもわかる通り、生産者が消費者に対して直接販売するD2C(Direct to Consumer)の動きも加速しています。
- 自社にてサイトの立ち上げ・運営が必要
- ゼロからの集客を自力で行う必要がある
- 自社サイトのデザインにオリジナリティを出しやすく、モールの制約に縛られることなく独自のブランディングが可能
自社サイト型には5種類の方法がありますので、簡単に見ていきましょう。
フルスクラッチ
ゼロからECサイトを開発することをフルスクラッチと言います。
デザインも機能も思い通りに構築できますが、そのぶん費用や時間がかかります。
パッケージ
ECに必要な機能を備えたシステムをパッケージで購入し、自社サーバーにインストールして開発する方法です。
既に出来上がったものをベースにカスタマイズすることになるため、フルスクラッチより安価で、サイト構築までの時間も短縮できます。
オープンソース
公開されているソースコードを使ってECサイトを構築する手法をオープンソースと言います。
無料、もしくは安価でインストールできることが多いため開発コストを抑えることができ、プログラミングの知識があればカスタマイズも可能です。
ASP
インターネット上でECサイトを提供しているASP(アプリケーションサービスプロバイダー)のサービスを利用する方法もあります。
初期費用は0円のものからあり、月額費用も0円(但し販売手数料あり)から数千円と、安価で使用できるのが特徴です。
専門知識は不要で、立ち上げまでに要する時間も短く、ショップ側は常に最新の状態にアップデートされたシステムを利用することができます。
ただ、プロバイダーから提供されているシステムを使用するため、デザイン面でも機能面でも自由度はありません。
クラウドEC
ASP同様、インターネット上のクラウド環境でECサイトを構築・運営できるのがクラウドECです。
常に最新の状態のシステムを利用できますが、ASPとの違いは、デザインや機能をカスタマイズできる点と、初期費用や月額費用がそれなりに高いという点です。
ただ、ECプラットフォーム(ECサイトを構築するための機能を持つシステム)を自社サーバーにインストールする他の開発方法と比べると、サーバーの維持費やシステムの改修費用が掛からないため、費用対効果が高いとも言えるでしょう。
[まとめ]自社サイト型イーコマース(EC)ならファンやリピーターを獲得しやすい
自社サイト型ECには、ショップのファンやリピーターを獲得しやすいメリットがあります。
一方で、モール型と異なり自力で集客する必要があるなどのデメリットもありますので、自社のニーズや予算に合った方法を検討する必要があるでしょう。
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