Power Platformにおける環境
Power Platformの「環境」とは、アプリケーション、データ、設定を隔離し、管理するためのコンテナです。
この環境は、開発、テスト、本番といった異なる目的に応じて設定され、組織のリソースと情報の整理に役立ちます。
環境の役割
- 隔離: 各環境は他の環境から独立しており、安全な開発と運用が可能です。
- リソース管理: Power Apps、Power Automateなどのアプリやフローなどのリソースを環境ごとに管理できます。
- データ統合: 環境内のDataverseを通じて、アプリケーション間でデータを共有・管理します。
Power Platformの環境は、アプリケーションの開発と管理を効率化し、セキュリティを高める重要な機能です。
環境の種類
Power Platformの環境には以下の種類があります。
- 実稼働
- サンドボックス
- default
- Microsoft Dataverse for Teams:
TeamsでPower Appsアプリを作成した際に作成される環境です。 ライセンス不要で作成することができますが、作成数に上限があります。
- 開発者: 開発者プログラムに参加したユーザーが使用できる環境です。
- 試用版: ライセンスを持たないテナントでも作成できる環境です。 作成後30日で削除されるため、削除されたくない場合は実稼働またはサンドボックス環境へ昇格させる必要があります。
実稼働環境
実稼働環境は、Power Platformにおいて、最終的なビジネスプロセスやアプリケーションが稼働するための環境です。
この環境は、実際のユーザーがアクセスし、利用するアプリケーションやデータが配置されるため、信頼性と安定性が非常に重要視されます。
変更管理とテストは慎重に行われ、本番環境に影響を与えるような更新は、計画的に実施しましょう。
サンドボックス環境
サンドボックス環境は、実稼働環境から分離されたテスト用の環境で、新しいアプリケーションの開発、既存アプリケーションの改善、実験的な機能の試験などに使用します。
サンドボックス環境は、新しいアイデアや更新をリスクなく試すための場所として機能し、開発者やテスターが自由に実験できるように設計されていて、「リセット機能」や「環境の複製機能」などを持ちます。
既定環境
既定環境は特別な種類の環境で、テナントに自動的に作成される環境です。
削除はできず、バックアップも復元もできません。
組織のすべてのユーザーがアクセスでき、Power Apps、Power Automate、Power Virtual Agentsなどのアプリケーションとフローを共有および使用するための共通の場所を提供します。
ただし、誰でもアクセスが可能なため、特定のプロジェクトやチーム専用のアプリケーションやデータを管理するための環境としては、適しておらず、企業によってはここにアプリやフローを作成することを禁止しています。
※既定環境に許可なく作られたアプリを野良アプリと呼びます。
詳しくは以下の参考サイトを確認してください。
環境の作り方
環境を作成する際はPower Platform管理センターにアクセスします。
※環境の作成にはPower AppsまたはPower Automateの有償ライセンスが必要です。
Power Apps Studioから[設定]→[管理センター]へ遷移し、
[環境]タブの[+新規]ボタンを押下します。
新しい環境を作成する際は、
- 名前
- 地域(基本はアプリを使用する地域:日本)
- 種類
- Dataverse を作成するか
を選択し、環境にDataverseを追加する場合はさらに
- 言語
- 通貨
- 環境にアクセス可能なセキュリティグループ
を設定し、環境を作成します。
※Dataverseの追加は、環境作成後でも行うことができます。
環境の切り替え
環境はPower Apps StudioやPower Automate Studioなどの右上より切り替えることが可能です。
常に自身がどの環境にいるかを確認し作業を行うようにしましょう。
環境のバックアップ
環境はバックアップを取ることができ、問題が発生した際は復元することが可能です。
バックアップには自動バックアップ(システムバックアップ)と手動バックアップがあり、自動バックアップは操作不要でバックアップが行われます。
詳しくは以下の公式マニュアルを参照してください。>