仕事や生活の中で、「もっと効率よく時間を使えたら…」と思ったことはありませんか?
毎日の忙しさに追われ、やるべきことが山積みになっていく。そんな状況に悩まされている人も多いかと思います。実は、ちょっとした工夫と適切なツールの活用で、個人の生産性を大幅に向上させることができます。
本記事では、誰でも簡単に実践できる18の生産性向上の取り組みと、おすすめのITツールをご紹介します。タスク管理の改善から、最新のAIツールの活用まで、幅広い方法を網羅しています。
まずはひとつでも試しに実践してみていただければ幸いです。
そもそも生産性とは?定義から解説
生産性とは、「生産諸要素の有効利用の度合いである」と定義されており、産出(output)量を投入(input)量で割ったものを指します(ヨーロッパ生産性本部による)。
同じリソースを使った場合、より多くの成果を得る方が生産性が高い状態となります。生産性を高めるためには、時間や労力を最大限に活用して、効率的に目標を達成することが求められます。
生産性の向上は、個人や企業の競争力を高めるだけでなく、生活の質向上にもつながります。
個人でできる生産性向上の取り組みを18個ご紹介
生産性を高めるためには、個人で取り組める具体的な方法があります。ここでは、生産性を高めるための効果的な18の方法をご紹介します。
タスクの優先順位をつける
まず、取り組むべきタスクに優先順位をつけることが重要です。最も重要なタスクから着手することで、効率的に進められます。
行き当たりばったりにタスクに取り組んでしまうと、非効率的な順番になってしまうことがあります。例えば、Aというタスクの後でなければBというタスクに取り組めない場合、優先度を見極めていなければBに着手してまたAに戻ってくるといった無駄な作業が発生してしまいます。
タスクそれぞれに予定時間を割り振る
タスクごとに具体的な時間枠を設定することで、計画的な進行が可能になります。時間を意識することで、無駄を省き、生産性が向上します。
一日の作業時間は限られており、また、会議の合間など数十分だけ空いているといったことは往々にしてあります。予定時間を割り振っておくことで、そうした空き時間に着手できるタスクに取り組むことができるようになり、効率的な作業を行うことができるようになります。
タスクをカレンダーで管理する
カレンダーを活用してタスクを管理することで、スケジュールを可視化し、タスクの進捗を一目で確認できるようになります。これにより、抜け漏れを防ぐことが可能です。
タスク管理ツールは様々ありますが、必ず普段利用しているであろうカレンダー上で管理することで、会議の予定などと合わせて確認することができるようになるため、一日のやるべきことが一目瞭然となり便利です。
マルチタスクはしない
複数のタスクを同時に進めると、精神的ストレスや疲労感が増し、結果として効率が下がります。シングルタスクに集中して、ひとつひとつのタスクを処理していくことで、効果的に仕事を進めることができます。
マルチタスクできるという人もいますが、実際は同時並行させているわけではなく、連続してひとつずつのタスクを処理している場合が多いです。無理に同時並行させないように気を付けましょう。
参考:https://president.jp/articles/-/28147
タスク管理をルーチンワークに落とし込む
日々の始業前や休憩後、就業前にタスクを確認し、ルーチン化することで、タスク管理が習慣となり、仕事の流れをスムーズにします。
タスクの確認をせず業務に入ってしまうと、急な依頼やメールなどの対応に追われ、本来終わらせるべきタスクが終わらないということになってしまいます。緊急度が高いタスクだけでなく、重要度が高いタスクに着手できるよう、やるべきことに目を向ける時間をつくりましょう。
マインドを変える
残業することが当然だと考える人がいますが、このマインドセットを変える必要があります。生産性を向上させても、残業が減らなければ、改善の意味が半減します。完璧を求めすぎないことも重要です。
限られた時間の中でどのようにタスクを終わらせるかを考えることで、効率的な作業方法について思考をめぐらせるきっかけとなります。「必要は発明の母」と言われるように、制約の中で新たな解法を見つけることができます。
ITツールを活用
生産性を向上させるためには、ITツールを駆使することも重要です。タスク管理アプリや予定管理のツール以外でも、生成AIやスクレイピングツールによって効率化できるようになるとよいでしょう。
生成AIは文章やソースコードの生成、要約などを得意としており、日常的な業務にかかる時間を大幅に削減してくれます。また、スクレイピングツールは、世の中のwebサイトに存在する情報をロボットが収集してきてくれるツールであり、情報収集のサポートをしてくれます。
詳しくは「個人の生産性向上につながるおすすめのITツール」で詳述していますので、ご確認ください。
アナログツールを活用
ITツールだけでなく、付箋やホワイトボードなどのアナログツールも効果的です。デスクの視界に入るところに置いておくことで、漏れなく対応することができるようになるでしょう。
始業前や終業後に必ず行うことや忘れずに行いたいことなどは、あえてPCやスマートフォンで管理するのではなく、アナログツールを使って目立たせておくことで忘れずにすみます。
仕事環境の整備を意識する
作業環境を整えることは、集中力を高めて生産性を向上させるために必要です。デスク周りの整理整頓ができていないと、業務とは関係がないところに視点がいってしまい、注意散漫になってしまいます。
また、照明の調整も重要な要素です。十分に明るい環境でないと、目に負担がかかるだけでなく、集中して業務を行うことの妨げになります。
デスク周辺が散らかってしまっているという場合には、一度キレイにしてみると仕事が捗るかもしれません。
立ちながら作業する
立ち作業を取り入れることで、集中力が増し、体への負担も軽減されます。座りながらの作業は、下半身の血流が悪くなり、健康を害する恐れがあります。
立ったまま作業を行うことで、緊張感が保たれて集中力を維持することに繋がります。海外ではスタンドワークを取り入れている会社が多くなっているようですが、国内でも徐々に取り入れてる企業も出てきているようです。
座りながらの作業で眠くなってしまったり、疲れを感じる場合には、立ちながらの作業に切り替えてみてはいかがでしょうか。
完了バイアスを活用する
完了バイアスとは、脳が何かを完了させることによる喜びを求めているという特性を指します。重要ではないが、小さなタスクや緊急度が高いタスクを終わらせることで脳に喜びを与えられます。
この完了バイアスを利用することで、達成感によりモチベーションを高め、次のタスクに取り組む意欲を高めることに繋がります。大変なタスクを終わらせるためにも、完了バイアスを利用することで集中力を高めていくということもひとつの手でしょう。
時間管理テクニックを活用する
集中力を高めるためには、時間管理のテクニックを活用するとよいでしょう。例えば、ポモドーロテクニックという手法があります。これは、25分間作業して5分休むといった短いサイクルで休憩を挟むことによって集中力を維持する方法です。
また、ツァイガルニク効果というものがあります。これはあえてキリの悪いところで切り上げて休憩に入るという手法です。中途半端に終わってしまったタスクは気になってしまいなかなか忘れられません。その結果、休憩を終えた際に集中して作業に戻りやすくなります。
ポモドーロテクニックとツァイガルニク効果により、休憩を挟みながらも集中力を切らさずに仕事に取り組むことができます。
オンとオフの切り替えをはっきりさせる
集中力を維持・向上させるためには、オンとオフの切り替えをはっきりさせることが重要です。仕事と休息の境界を明確にすることは、いくつかの観点で集中力を高める効果があります。
ひとつは、オンとオフをはっきりさせることで脳を休ませることができ、ストレスを軽減させることができます。ふたつ目に、プライベートな時間を充実させることにより、趣味ややりたいことに挑戦することができるため、気分転換をすることができます。
テンプレートを活用する
よく使う書類やメールなどはテンプレート化しておくと、作業時間を短縮し、効率化が図れます。また、辞書ツールなどを用いて少ないタイピングで定型文を出力できるように設定しておくととても便利です。
何度も同じことを行う作業に対しては、可能な限りテンプレート化や自動化、時間短縮のためのtipsを活用するとよいでしょう。
周囲とのコミュニケーションを積極的にとる
ひとりで作業するよりも、周囲とコミュニケーションをとることで、問題解決のスピードが上がります。作業をする際には、ひとりで集中して取り組む時間も必要ですが、煮詰まった際やアイディアを広げたい場合には、特に周囲とコミュニケーションをとることで打開策を見つけることができるでしょう。
また、周りの人と会話をすることで気分転換にもなるため、結果として集中力を増すきっかけとなります。
デュアルモニターを使う
デュアルモニターとは、PC用にモニターを2つ使って作業を行うことを指します。デュアルモニターを使うことで、複数の作業を同時に確認でき、効率的に作業を進めることができます。
はじめの内は、2つのモニターがある環境に慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、慣れてしまうとデュアルモニターの環境から離れられなくなってしまうことになるでしょう。
高性能マウスを使う
ショートカットキーを割り当てられる高性能マウスを使うことで、操作が効率化され、作業時間が短縮されます。どのような使い方をすると作業を効率化できるかについて、自分なりに様々に試してみるとよいでしょう。
また、エルゴノミクスマウスといって人間工学に基づいて設計されたマウスを利用することで、手首や手が疲れにくくなり、腱鞘炎などのリスクを減らすことができます。
タイピングスピードを上げる
タイピングのスピードを向上させることは、特にデジタル作業での効率化につながります。日々の練習で確実にスキルアップを目指しましょう。
タイピングの練習にあたっては、無料で練習できるwebサイトが複数あるため、自分に合った練習用サイトを見つけてみるとよいでしょう。タイピングの早さはそのまま作業スピードに直結するため、練習を重ねてスピードアップに取り組みましょう。
個人の生産性向上につながるおすすめのITツール
生産性向上に役立つITツールをご紹介していきます。どのツールも非常に便利ですので、使ったことがないツールは是非一度使ってみてください。
生成AIツール:ChatGPTなど
出典:ChatGPT
ChatGPTをはじめとした生成AIツールは、特に文章作成やアイデア出しの場面で活用できます。生成AIツールは、プロンプトと呼ばれる会話形式で質問を投げかけると、それに基づいた回答や提案を瞬時に提供してくれます。
生成AIの特長は以下の通りです。
- 文章作成:メール、レポート、ブログ記事など、幅広い用途に対応した文章を短時間で生成可能。
- アイデア出し:会話を通じて新たな視点や発想を得られる。
- 質問応答:迅速な情報取得が可能で、リサーチや疑問解決に最適。
- プロンプトに基づく生成:特定の条件や目的に応じた内容を生成できる。
Webスクレイピングツール:Octparse
出典:Octparse
Octparseは、Web上のデータを自動で収集・整理できるWebスクレイピングツールです。特に大量の情報を迅速に取得し、分析やレポート作成を効率化する際に役立ちます。
スクレイピングツールの機能は以下の通りです。
- 自動データ収集:複数のWebページからデータを一括で抽出し、手動入力の手間を省く。
- 多機能なデータフォーマット:CSVやExcel、データベースに直接書き込むなど、様々な形式での出力が可能。
- コード不要:プログラミング知識がなくても、簡単に使えるユーザーフレンドリーなUI。
- スケジューリング:定期的なデータ収集を自動化し、最新の情報を常に保持する。
タスク管理:Asana
出典:Asana
Asanaは、チームや個人が効率的にタスクを管理できるツールで、プロジェクトの進行状況を視覚的に把握することが可能です。タスクの優先順位付けや進捗確認が容易になり、生産性を最大限に引き出せます。
タスク管理ツールの主な機能は以下の通りです。
- タスクの整理:タスクをプロジェクトごとに分類し、進行状況を視覚的に管理。
- 優先順位設定:重要度や期限を設定して、やるべきことを明確化。
- チームコラボレーション:チーム内でタスクを共有し、担当者を指定することで作業分担を効率化。
- データの可視化:ガントチャートやカレンダー表示で、進捗を一目で把握できる。
メモやタスク管理:Notion
出典:Notion
Notionは、メモやタスク管理、プロジェクト管理を一元化できるツールで、その柔軟性とカスタマイズ性が特徴です。個人からチームまで、あらゆる業務に対応できる万能ツールです。Notionの主な特徴は以下の通りです。
- オールインワン:メモ、タスク管理、データベース、ドキュメントなど、多機能で一元管理が可能。
- カスタマイズ性:自由にレイアウトやフォーマットを変更でき、個別のニーズに合わせてツールを最適化できる。
- コラボレーション:リアルタイムでの共同作業が可能で、チーム全体で一貫した作業が行える。
- クロスプラットフォーム対応:デスクトップやスマートフォンからアクセスでき、場所を選ばずに作業が可能。
マインドマップ:XMind
出典:XMind
XMindは、情報を視覚的に整理し、アイデアを広げるためのマインドマッピングツールです。クリエイティブな思考やブレインストーミングに適しており、発想を広げるために役立ちます。
マインドマッピングツールの特徴は以下の通りです:
- ビジュアル思考:複雑な情報を視覚的に整理し、思考の流れを把握しやすくする。
- テンプレート:多様なマインドマップテンプレートを活用し、簡単にアイデアを整理。
- アイデアの拡張:ブレインストーミングセッションでのアイデア出しに最適で、迅速に関連するトピックを繋げられる。
- クロスプラットフォーム対応:異なるデバイスで同期し、どこでも作業を継続可能。
予定管理:Googleカレンダー
出典:Googleカレンダー
Googleカレンダーは、個人の予定やチームのスケジュールを一元管理できるツールです。カレンダーとしての機能だけではなく、タスク管理ツールとしても活用できます。
また、カレンダー上からGoogle meetなどのオンライン会議へも容易に参加が可能です。
- シンプルなUI:使いやすく直感的な操作が可能。
- リマインダー機能:重要な予定やタスクを忘れないように、アラームや通知を設定可能。
- 共有機能:複数のカレンダーを共有し、チーム全体で予定を同期。
- クロスプラットフォーム:PC、スマートフォン、タブレットなど、あらゆるデバイスからアクセス可能。
日程調整:TimeRex
出典:TimeRex
TimeRexは、日程調整を簡単に行えるツールで、特にビジネスミーティングやカレンダーの共有が必要な場合に重宝します。TimeRexの特徴は以下の通りです。
- 自動日程調整:候補日を送信し、相手が都合の良い日程を選べる機能。
- メールのやり取りを削減:煩雑なメールのやり取りなしに、効率的にスケジュール調整。
- 複数のカレンダー対応:GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携可能。
- 予約管理:設定した時間枠で自動的にスケジュールが埋まるため、効率的な時間管理が可能。
スライド生成:イルシル
出典:イルシル
イルシルは、プレゼンテーション用のスライドを効率的に作成できるツールです。資料作成の時間を大幅に削減し、ビジュアル面でも優れたスライドを提供します。主な特徴は以下の通りです:
- テンプレート活用:豊富なテンプレートを使用して、プロフェッショナルなスライドを短時間で作成可能。
- ビジュアル要素:図表やイラストを簡単に追加でき、視覚的に魅力的なプレゼンテーションが作成可能。
- 時間短縮:デザインにかかる時間を大幅に短縮し、コンテンツに集中できる。
- チームでの共同作業:共同編集機能を活用し、複数人で効率的にスライドを作成可能。
まとめ
個人の生産性向上のためには、多くのツールや方法が活用できることが分かりました。最終的には、自分に合った方法を見つけ、継続的に改善することが重要です。詳しくは「AIを活用した生産性改善のプロンプト25選」をご覧ください。