RPAで業務効率化を実現する方法を部門別に解説!できること・できないことを紹介

RPA(Robotic Process Automation)は業務効率化の強い味方です。ある程度定型化された業務であれば、自動で処理を進めてくれます。

しかしRPAについて「具体的にどんな業務に生かせるの?」「どんなステップで導入を進めたらいいの?」などの疑問を持っている方も多いことでしょう。

そこで今回は開発のプロとして、数多くの企業のご依頼に基づいてRPAを開発・納品してきた弊社・ファンリピートがRPAで効率化できる業務やRPAを導入する際のポイントなどを解説します。

監修者

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竹村貴也

株式会社ファンリピートCEO

ベンチャー企業でのシステム開発経験を経て、フリーランスとして多数の企業のプロジェクトマネジメントに携わる。2019年に株式会社ファンリピートを設立し、ローコード開発、AIを活用した業務効率化ソリューションの開発・提供を手がける。
著書:「ChatGPTによるPythonプログラミング入門. AI駆動開発で実現する社内業務の自動化


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目次

RPAとは

RPAとは「Robotic Process Automation」の略です。簡単にいうと「人間がおこなうタスクをロボットで自動化するツール」を指します。「ロボティクス」というとハードウェアをイメージされる方も多いですが、RPAはソフトウェア技術です。

RPAを開発することで人間が指定したルールに基づいたタスクを自動で行ってくれます。また多くのRPAツールはローコード・ノーコードで作られますので、高度なプログラミングスキルは必要なく短期間、低コストで開発できる点も魅力です。

RPAが注目される背景

近年、RPAには注目が集まっています。

その大きな理由が「DXの必要性が高まったから」です。政府はDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進を急務においています。手動で行っていたアナログな作業をデジタル化し自動化することで、業務効率化、生産性向上につながります。

また、ChatGPTなどの対話型AIアシスタントの登場で「業務の自動化」への関心が高まっています。そんななか、あらためてRPAにも焦点が当たっている状況です。

RPAを活用してできること

具体的にRPAを用いることで自動化できる仕事について紹介します。

データ入力

RPAを用いることで、データ入力業務を自動化できます。例えば以下のような作業が該当します。

  • Excelの顧客情報をCRMシステムに入力する
  • Excelの請求書データを会計システムに入力する
  • 受注データを販売管理システムに入力する
  • 給与データを給与計算システムに入力する
  • アンケート結果をExcelシートに入力する
  • 在庫データをERPシステムに入力する
  • 申請書の内容を社内管理システムに入力する
  • サポートチケット情報をヘルプデスクシステムに入力する

こうしたデータの転記作業については、都度記載し直すのではなく、RPAを用いることで業務を効率化できます。

レポート作成

定型化された情報であれば、自動でレポートを作成してくれます。例えば「コンサル会社がクライアントへレポートを提出する」「社内で週次のミーティングの際に進捗を確認する」などの業務を効率化できます。

あらかじめ項目と参照元を決めておくことで、RPAで以下のようなレポートを作れます。

  • 月次売上レポートの作成と配布
  • 顧客満足度アンケート結果の集計と報告書作成
  • 在庫状況のレポート作成
  • プロジェクト進捗レポートの作成
  • 社内経費精算レポートの作成
  • サービス利用状況レポートの作成
  • 定例会議用のKPIレポートの作成
  • 人事評価データの集計レポート作成

こうしたレポーティング業務は定期的に発生するものです。自動化することで、長期的に見て大幅な業務効率化を実現できるのが魅力です。

データ収集

データ収集の参照元とアウトプット先を決めておくことで、定期的にデータを収集して指定の場所に保存してくれます。

例えば以下のようなデータ収集の作業を自動化できます。

  • 特定のWebサイトのデータをスクレイピングしてExcelなどに格納する
  • 外部システムやサービスからAPIを通じてデータ収集し格納する
  • CRMやMAなどの社内データを抽出し格納する
  • Excelなどに格納されたデータベースから定期的に情報を収集する
  • Google Formsなどのアンケート結果を定期的に収集しSpreadsheetなどに格納する

こうしたデータ収集は手動で行うとかなりの時間がかかってしまいます。そのため早い段階でRPAを導入することをおすすめします。

【部門別】RPAの活用シーン

社内の部門ごとに具体的なRPAの活用法を紹介します。以下の5部門について活用法を解説します。

  • 人事・労務部門
  • 経理・会計部門
  • 総務・管理部門
  • 営業部門
  • 開発・技術部門

人事・労務部門

人事・労務部門では具体的に以下の場面でRPAを利用できます。

  • 社員の勤怠データの集計とレポート作成
  • 給与計算のデータ入力と確認作業
  • 有給取得状況の収集とレポート作成
  • 入社・退職手続きの書類作成と管理
  • 社員情報の更新とシステム登録
  • 人事評価データの収集と整理

社員の勤怠や人事評価などのレポーティングは、月末や期末に多く発生する業務です。特に部門のタスクが多くなる時期だと、ヒューマンエラーも発生しやすくなります。業務効率化はもちろん、業務品質を高めるうえでもRPAを積極的に導入すべきです。

ただし導入の際には「個人情報の取り扱い」「労働基準法など法令の遵守」「退職、休職など例外処理への対応」などに注意しましょう。

標準的なフローから外れることが多いので、ハイブリッド的に手動での対応が必要になることがあります。

経理・会計部門

経理・会計部門では、具体的に以下の場面でRPAを利用できます。

  • 請求書の自動生成と送付
  • 経費精算のデータ入力
  • 銀行取引明細のダウンロードと会計ソフトへの登録
  • 月次決算資料の作成とレポート化
  • 税務申告用データの自動収集と整理

経理・会計といった企業のお金を取り扱う部門は、特にミスが許されない仕事を担います。ヒューマンエラーを避けるためにも、できる限り定型業務は人ではなくシステムに任せましょう。

ただし「データの整合性」「監査対応の考慮」「複雑な計算処理を手動で行う」など、注意点もあります。特に監査に対応するため、ログなどを残すようにしましょう。

総務・管理部門

総務・管理部門では、主に以下の仕事をRPAに任せられます。

  • 備品の在庫管理と発注リストの転記
  • 社内イベントの出欠確認とリマインド通知
  • 契約書の自動作成と更新
  • 定期健康診断の予約と結果のデータ収集・管理
  • オフィス清掃・設備点検のスケジュール管理

総務や管理といった部門は、定型的な業務が多く存在します。そのためRPAを導入しやすい部門といえるでしょう。

ただし細かいタスクが多く、種類も多岐にわたるため、RPAの導入にあたっては「優先度」を決める必要があります。

営業部門

営業部門では、主に以下の仕事をRPAに任せられます。

  • 顧客リストの更新とデータクレンジング
  • 営業活動報告レポートの自動作成
  • 見込み客へのフォローアップメールの自動送信
  • 契約書作成と署名依頼の自動化
  • 売上データの収集とダッシュボード作成

これまで「営業事務」という役職が行っていた定型的な仕事は、RPAで置き換えられる余地があります。顧客リストを手動で追加・削除している方は、RPAの導入をおすすめします。

一方で「顧客データを保護する」「初期は必ず数値が正しいか目視でチェックする」「顧客対応の品質を監視する」などの注意点もあります。

特にRPAで定型的なメールを送付する場合は、顧客に悪い印象を与えていないかをチェックするようにしましょう。

開発・技術部門

開発・技術部門では、主に以下の仕事をRPAに任せられます。

  • バグ報告の自動収集とチケット作成
  • タスク管理、開発進捗レポートの自動生成
  • 定期的なコードレビューのリマインダー通知
  • テスト結果の自動集計とレポート化
  • バージョン管理システムからのデータ取得と分析

開発チームに関してはタスクやプロジェクトの進捗報告をはじめ、幅広いタスクをRPAで置き換えられます。特に業務効率化によって、大きなコストカットが見込める部署ですので、積極的にRPAを導入しましょう。

ただし「ツールの互換性はあるか」など、導入にあたってチェックすることもあります。問題なく運用できるまで、開発チームからのフィードバックを収集するようにしましょう。

RPAのメリット

RPAを導入することで、以下の3つのメリットを得られます。

  • ヒューマンエラーの抑制
  • 業務負荷・人件費の削減
  • 業務生産性の向上

それぞれ紹介していきましょう。

ヒューマンエラーの抑制

RPAは定型化された業務をミスなく遂行してくれます。一方、手動で行うとヒューマンエラーが発生しがちです。ヒューマンエラーの防止のために、レビューを挟んだとしても、リスクは発生します。

RPAを導入することで、人の手が介在しなくなるため無駄なミスを防げます。ただし、そもそもの指示が間違っていると、RPAは間違った結果をアウトプットし続けてしまいます。初期段階は、特に設定を見返しながら運用しましょう。

業務負荷・人件費の削減

面倒な業務をRPAに任せることで、社員への負担を軽減できます。働きやすさが高まるため、副次的に離職率の低減にもつながるのが大きな魅力です。

また社員の工数が減ることで、人件費の削減につながります。特に会社全体で多くの残業時間がかかっており、残業代が経営を圧迫しているような企業はすぐにでもRPAを導入しましょう。

業務生産性の向上

空いた工数で、より上位の仕事を任せられます。

例えば単純なレポーティングに毎日1時間かかっている社員がいるとしましょう。RPAに置き換えることで、社員は毎日1時間、より上位の戦略的な仕事を進められます。

こうして単純作業を自動化できれば、生産性が大きく向上することにつながります。

RPA導入の注意点

一方でRPAには不得意な分野や、間違いがちなこともあります。ここでは以下の3点について解説します。

  • 複雑なタスクや非定型タスクには向かない
  • 設定の誤りに気づかないと実行し続けてしまう
  • 設計や運用に手間が掛かる

複雑なタスクや非定型タスクには向かない

RPAは何でも自動化できるわけではありません。前提として定型化された業務に特化したツールとなります。

また定型化されていても、たくさんのツールやデータベースを横断するなど、複雑な作業には向いていません。あくまでも、単純化された仕事に使えるものだと認識しておきましょう。

一方で近年注目されている生成AIは、ある程度の非定型的な業務にも活用できるとして注目されています。RPAとAIの違いは「対応できるタスクの複雑度」にあります。

設定の誤りに気づかないと実行し続けてしまう

RPAを導入した際に陥りがちなミスが「初期設定で間違えてしまうこと」です。例えば「営業先のクライアントデータを毎日更新して収集する」という業務を設定したとしましょう。

しかし間違えて「1週間前のクライアントデータを収集する」などとした場合、データ自体は更新されていくため、間違いに気付きにくく、現場が信じてしまう可能性もあります。導入初期のテスト時に「設定が正しいか」を確認するよう心がけましょう。

設計や運用に手間が掛かる

RPAの導入の際には、主に以下を確認する必要があります。

  • 既存の業務プロセス
  • 改善したいポイント
  • KPI
  • 必要なリソース
  • 対象システム
  • 例外処理の定義
  • ユーザー権限

導入にあたって、設計が正しいかを細かくチェックする必要があり、導入初期には工数がかかってしまいます。

また、運用フェーズでは主に以下を確認しながら利用します。

  • 運用状況のモニタリング
  • パフォーマンス測定
  • 例外処理の状況
  • 定期的なメンテナンス
  • 業務プロセスの変更への対応

こうした項目を確認しながら利用することで、長期的に便利なツールとして使えるようになります。手間がかかる作業ですが、品質を保持するうえで重要なことです。

RPAを導入する際のポイント

「RPAが業務効率化に貢献できること」を説明してきました。最後に実際に導入する際のポイントを紹介します。

自動化したいタスクを漏れなく洗い出す

まずは前提として、自動化したいタスクを漏れなく洗い出しましょう。

タスクを洗い出すうえで、業務プロセス全体を整理する必要があります。そのなかで主担当者を定義して、ヒアリングをしながらRPAで代替可能かを探っていきましょう。

予算に限りがあり、優先度を決める必要が発生することがあります。この場合は「担当者」と「手動でかかる時間」をまとめたうえで、効果の大きい順番に並び替えます。

テスト導入

RPAの開発完了後は、必ずテストを実施しましょう。「初期設定が間違っていないか」を確認する必要があります。

またRPAを導入した際、スタッフが新しい業務フローに慣れる必要があります。問題なく業務を遂行できているかを確認するためにも、テストは必須です。

導入効果の検証

導入後は、費用対効果を確認しましょう。RPAを導入する際は、初期段階で人件費をはじめとしたコストがかかります。そのため、運用後は「実際にどれくらい業務時間を短縮できたか」を確認しつつ、いつごろ損益分岐を迎えるのかを算出しましょう。

そのうえでKPIを設けながら利用することで、経営層をはじめとした社内メンバー全員が安心してRPAを運用できます。

定期的なメンテナンス、改善をする

RPAを使っているなかで、設定内容を変える必要性が出てきます。例えば以下をトリガーとして設定を変えながら運用するのが一般的です。

  • 業務プロセスが変更になった
  • 週次などでのレポートの内容が変更となった
  • 利用しているシステムやアプリケーションのアップデートがあった
  • 参照元のデータのフォーマットが変わった
  • より効率的な方法が見つかった

こうした変化には柔軟に対応し、その都度テストを行ったうえで運用しましょう。最善策を講じることで、業務の品質を保ったまま、効率化を実現できます。

まとめ

今回は「RPAを用いて業務効率化を実現する方法」について紹介しました。定型化された業務を手動で行うのは非効率なうえ、ミスのリスクもあります。近年、生成AIが浸透してきたこともあり「自動化」は企業活動において必須になることでしょう。

弊社・ファンリピートでは、これまで数々のお客様のご要望に応じてRPAを開発・納品してきました。ローコード・ノーコードやAIを駆使して開発することで、最短1カ月というスピード感でRPAを納品し、その後の運用保守まで対応できます。

現在、業務効率化について課題感を持っている方は、お気軽にお問い合わせください。

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