ローコード開発ツールの最適な選び方とは?各ツールの特徴を徹底解説

ローコード開発ツールの最適な選び方をご存知でしょうか?

システム開発を依頼する場合には、開発を行う会社の見積金額や実績、提案内容でシステム開発先を選定していましたが、ローコード開発ツールを用いて開発をする場合には選定方法となるポイントが異なります。

ローコード開発ツールを活用したシステム開発に取り組む企業が増えていますが、これから採用を検討する企業では「どのようにツール選定をすればいいのか分からない」という企業も多いのではないでしょうか。

ローコード開発ツールは数多く登場しており、ツールごとに機能の特徴や開発できる範囲も異なるため、導入前には入念な比較検討が必要になります。

そこで、この記事では、ローコード開発に特化したシステム開発サービスを運営するBOLTが、ローコード開発ツールの最適な選び方を解説すると共にツールごとの特徴を解説します。

監修者

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竹村貴也

株式会社ファンリピートCEO

ベンチャー企業でのシステム開発経験を経て、フリーランスとして多数の企業のプロジェクトマネジメントに携わる。2019年に株式会社ファンリピートを設立し、ローコード開発、AIを活用した業務効率化ソリューションの開発・提供を手がける。
著書:「ChatGPTによるPythonプログラミング入門. AI駆動開発で実現する社内業務の自動化
目次

ローコード開発ツールでできることは?

ローコード開発ツールでは、Webサイトやモバイルアプリ、業務アプリの開発が可能です。

WEBサイト開発

ローコード開発ツールを活用すれば、企業サイトやオンラインストア、ブログなどを簡単に開設できます。

Webサイト開発が可能なツールには、Webサイトの大枠や必要なパーツがあらかじめコーディングされており、テンプレートとして用意されています。それらを組み合わせることで、Webサイトの構築が可能です。

高度なプログラミングの知識は必要ないため、特殊なスキルがなくても、少ない労力でWebサイトを構築できます。

モバイルアプリ開発

ローコード開発ツールを活用すれば、異なるプラットフォーム向けのアプリを開発できます。Webサイトの開発と同様に、アプリで多用される機能はテンプレートとして用意されていることが多いため、迅速な開発が可能です。

コーディングの手間が省けるため、少ない労力でモバイルアプリを開発できます。アプリを開発できる人材がいない場合や、少ない労力でアプリを開発したい場合に向いています。

業務アプリ開発

ローコード開発ツールを活用すれば、業務で利用するアプリの開発が可能です。自社の業務に特化したアプリを開発できるため、市販の業務ツールよりも効率化が図れます。

ローコード開発ツールの利用には高いプログラミングスキルが不要であるため、IT部門でない従業員でもアプリを開発できます。よって、業務をよく知る従業員が、現場の実態に合わせたアプリを構築することが可能です。

自社に適した業務アプリがなかなか見つからない企業や、最適化された業務アプリが欲しい企業におすすめです。

ローコード開発が注目されている理由

近年、ローコード開発が注目されている理由は、大きく以下の4つです。

  1. コストパフォーマンスが高い
  2. 生産性が高い
  3. 開発に高度なスキルが不要
  4. 人材不足の解消や労働環境の改善に役立つ

まず、ローコード開発ではコーディングの手間を大幅に削減できることから、コストパフォーマンスに優れています。コストや実用性を考慮すると、ローコード開発はスクラッチ開発の2倍の生産性を持つといわれています。

また、コーディングが不要という特徴から、高度なプログラミングスキルがなくても開発が可能です。社内にプログラミングスキルを持つ人材がいなくても、自社に適した業務アプリが開発できます。

もちろん、ローコード開発で構築した業務ツールを活用すれば業務効率化が図れるため、人材不足の解消や業務量の削減に役立てられます。このように、ローコード開発はDXをより手軽に推進できるツールであるため、注目されています。

ローコード開発ツールの選び方を解説

ツール選定時に確認すべき3大ポイント

ローコード開発ツールを導入してシステム開発をする場合には必ず確認しなければならない3大ポイントが存在します。

ここではローコード開発ツールの活用を決めた場合に、まず確認すべき3つのポイントを解説していきます。

  • 機能一覧
  • 拡張性
  • セキュリティ対策機能

機能一覧

ツール選定を行う上で最も重要となるのがローコード開発ツールが提供している機能一覧を確認することです。

ローコード開発ツールの場合は、既に機能が用意されたノーコード部分と機能が用意されていないため、コーディングをする部分の2つの要素が存在します

そのため、ローコード開発ツール選定時には開発するシステムの機能要件に対して、開発不要でノーコードで済む部分とコーディングが必要な部分を切り分ける必要があります。

ローコード開発ツールを選定する場合は、開発対象システムの機能要件をどれだけコーディング不要で開発できるかが重要であり、ツールの比較をする場合はどのツールが最も工数が少なく開発できるかの観点で、機能一覧を比較するのが大切です。

拡張性

ローコード開発ツールを選定する場合は開発期間のことだけでなく、開発完了後の追加要望にどれだけ柔軟に対応できるかの観点でローコード開発ツールの拡張性を確認する必要があります。

システム開発の現場では「システムは開発完了後が本番」という言葉が存在し、機能要件を満たすだけでなく、開発完了後に出てくる追加要件や現場からのリクエストに対応できるか否かが重要となります。

開発後のことを考慮しない場合にはシステムを利用する現場からの意見や変更依頼に対応できず、結果として「使えないシステム」という評価を受ける形になります。

ローコード開発ツールの拡張性において、確認すべき点は以下の2つです。

  1. 外部連携機能
  2. 画面拡張の自由度

業務システムの場合は1つのシステムの中で処理が完了するというケースは少なく、外部のシステムと連携した業務処理を行うケースがほとんどなので、外部システムとの連携機能が必要となるのがほとんどです。

また、システムを利用する現場から出てくる追加要望のほとんどは「この画面を見にくいから変えて欲しい」「項目が足りないから新しく追加して欲しい」などのUI(操作画面)に関することが大半を占めます。

上記2点の拡張性をローコード開発ツール選定時に確認しておくことで、開発後に出てくる連携要望や機能拡張に対処することが可能となります。

セキュリティ対策機能

ローコード開発ツールを採用する場合には事前にツールが提供しているセキュリティー対策機能を確認して、社内のセキュリティーポリシーに違反しないかを確認する必要があります。

従来の開発手法であれば、開発する際に社内のセキュリティーポリシーに準拠する形のシステム構成やセキュリティー対策を講じることが可能ですが、ローコード開発ツールを採用する場合はツールが提供するセキュリティー対策に依存することになります。

つまり、ローコード開発ツールを用いて開発するシステムのセキュリティー対策はユーザー側で自由に設定することができず、ツールが提供するセキュリティー対策機能の中でしか対策を講じることができないのです。

ローコード開発ツールを採用する際によく起こるトラブルは機能要件も確認し、生産性の高い開発が実現できる裏付けが取れた後に情報システム部からセキュリティーに関する部分で指摘が入るケースです。

情報システム部にセキュリティーポリシーに違反する可能性があるもしくはセキュリティー対策に懸念があると判断されてしまうと、ローコード開発ツールの採用は頓挫することがほとんどです。

そのため、ローコード開発ツール採用時には事前に必ずツールが提供するセキュリティー対策を確認して、セキュリティー部分に問題がないことを確認する必要があるのです。

ローコード開発のセキュリティについて詳細を知りたいという方は、「ローコード開発のセキュリティーは万全か?ツールごとの対策を解説」の記事がおすすめです。

ローコード開発ツール比較

ローコード開発ツール比較

ここまで、ローコード開発ツール選定時に確認すべき3大ポイントを解説してきました。

ローコード開発ツールは開発効率の高さがメリットですが、ツールの性質上、従来のシステム開発先を選定する観点とは異なる観点でツールを比較する必要があります。

ここでは、以下の11のアプリをそれぞれ解説します。

  1. PowerApps
  2. Sales force Lightning Platform
  3. Kintone
  4. OutSystems
  5. Mendix
  6. Appian
  7. Quick Base
  8. SAP Build Apps
  9. Betty Blocks
  10. Zoho Creator
  11. WaveMaker

PowerApps

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出典:Microsoft「Power Apps」

PowerAppsはマイクロソフト社が提供するPower Platformのシステム開発部分を担うローコード開発ツールです。PowerAppsではAIによる提案やプログラミング補助が受けられます。例えば、開発したいアプリの概要を入力すれば、AIがアプリの大枠を作成します。

PowerAppsには、データ分析や予測、レポート作成、社内情報へのアクセス、在庫管理などを可能にする機能が搭載されています。

主な導入企業

  • 三菱ケミカルグループ
  • 東日本旅客鉄道
  • Accenture
プラン月額料金ユーザー当たり機能
開発者向けプラン無料3つの開発者環境2GB データベース1ヵ月あたり最大750の自動化フロー実行
Power Apps Premium2,998円無制限の開発500 AI Builder クレジット事前構築済み、カスタム、およびオンプレミスのコネクタ使用
Power Apps Premium※2,000ライセンス以上1,799円Power Apps Premiumと同様
参照:Microsoft「Power Apps の価格」※2024年10月現在

Salesforce Lightning Platform

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出典:Salesforce「Lightning」

Salesforce Lightning Platformはセールスフォース・ドットコムが提供するローコード開発ツールです。

Salesforce Lightning Platformでは、Salesforce CRMで提供されているデータベース機能やユーザー認証基盤、ワークフロー機能などを開発する機能に反映できます。

Salesforce Lightning Platformは、社内で既にSalesforce CRMを活用しており、CRMを補完するシステムやアプリを開発する場合に有効です。

主な導入企業・自治体

  • 大林組
  • 奈良県
  • T-Mobile
プラン月額料金ユーザー当たり機能
Platform Starter3,000円営業・サービス・マーケティングの機能拡張
Platform Plus12,000円全ての部門のビジネスプロセスをデジタル化
Heroku Enterprise Starter問合せSalesforceアプリでの画像認識カスタムモデルの構築Salesforceワークフローとの統合
参照:Salesforce「Lightning Platform の価格」※2024年10月現在

Kintone

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出典:サイボウズ「Kintone」

Kintoneはサイボウズ株式会社が提供するローコード開発ツールで、導入社数が3万を超える実績を持ちます。Kintoneにおけるアプリ開発はシンプルで、プログラミング知識が全くなくても業務アプリを開発することが可能です。

実際に、Kintoneの導入担当者の93%が非IT部門であり、プログラミング知識がない方でもシステムを開発できています。また、Kintone専用の拡張機能や、外部サービス連携機能なども利用できるため、自社のニーズに合わせたツールを迅速に構築できます。

主な導入企業

  • パーソルキャリア
  • 日清食品ホールディングス
  • SoftBank
プラン月額料金ユーザー当たり機能
ライトコース1,000円アプリ数:~200個
スタンダードコース1,800円アプリ数:~1000個外部連携・機能拡張
ワイドコース3,000円アプリ数:~3000個外部連携・機能拡張大規模組織向けプラグイン
参照:Kintone「料金」※2024年10月現在

OutSystems

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出典:OutSystems

OutSystemsはOutSystems社が提供するローコード開発ツールです。AIの知識がなくても生成AIアプリを開発できるため、容易にAIをビジネスに活用できるようになります。

AIを活用すれば、手動で行っていた複雑な業務を自動化できるようになるため、大きな業務変革が図れます。

主な導入企業

  • トヨタ自動車
  • HEINEKEN
  • RICOH
料金※年間当たり機能
Personal Edition無料コミュニティサポート100までのユーザー登録
Developer Cloud36,300米ドル~プロによるサポート99.5%以上の稼働時間保証生成AIを用いた開発
参照:OutSystems「OutSystems pricing」※2024年10月現在

Mendix

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出典:Mendix

Mendixは、2005年に設立されたMendix社が提供するローコード開発ツールです。Mendixで開発されたアプリは、世界5,000万人以上のエンドユーザーおよび150以上の大学機関に利用されています。

具体的には、以下のような開発が可能です。

  • AI顔認識
  • AIスマートバンキング
  • 物流追跡
  • 品質管理
  • 分析・レポート作成

Mendixでは、AIや機械学習を活用した開発が可能なうえ、無制限の拡張性やクラウドネイティブ機能を持つため、さまざまな開発に活用可能です。

主な導入企業

  • NEC
  • 住友重機械建機クレーン
  • Zurich社(チューリッヒ)
プラン月額料金機能
無料0ユーロプロジェクト管理共同開発
ベーシック52.50~ユーロ無料プランの全機能9~17時のサポート99.5%の稼働時間保証
スタンダード900~ユーロベーシックプランの全機能プロジェクトダッシュボードクラウド拡張サービス専用のデータベーステナンシー
プレミアム要見積もりプライベートマーケットプレイス自社向けのカスタマイズされた機能
参照:Mendix「価格」※2024年10月現在

Appian

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出典:Appian

Appianは、Appian社が提供するローコード開発ツールです。ビジネス規模で設計・自動化・最適化を実現するアプリを開発できます。

AIを活用した自動化に強みを持っており、ワークフローの改善やデータ統合などを通して業務効率化を図れます。具体的には、以下のような自動化や効率化が可能です。

  • AIによる開発プロセスの自動化
  • 医薬品の追跡・管理・調査
  • 手作業のプロセスとデータの統合

特に、ローコード開発によってプロセスオートメーションを図りたい企業に向いています。

主な導入企業・自治体

  • アメリカ空軍(USAF)
  • PwCコンサルティング
  • gsk
プラン月額料金※ユーザー当たり機能
スタンダード要問合せRPAモバイルアプリ開発クラウドデータベース
アドバンスト要問合せオフラインアプリAIによる文章抽出AIによるコンテンツ分類
プレミアム要問合せビジネス向けAI Copilot生成AI
参照:Appian「価格」※2024年10月現在

Quickbase

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出典:Quick Base

Quickbaseは、Quickbase社が提供するローコード開発ツールです。ITチームでなくても開発できるよう、直感的に操作できるよう設計されています。

Quickbaseは製造・教育・不動産などのさまざまな業界で、以下のように活用されています。

  • コンプライアンス管理
  • リソース管理
  • プロジェクト管理
  • ワークフロー管理
  • サプライチェーンの最適化
  • プロセス改善
  • 現場専用アプリの開発
  • 新人教育

主な導入企業・機関

  • Amazon
  • P&G
  • テキサスA&M大学
プラン月額料金※ユーザー当たり機能
チーム35米ドルAIによる開発支援ワークフロー自動化監査ログ
仕事55米ドル外部連携ツールガントチャートシングルサインオン
企業要見積もり高度なデータ暗号化AIデータスキャン
参照:Quickbase「価格」※2024年10月現在

Quickbaseには、30日間の無料トライアルがあります。

SAP Build Apps

SAP Build Apps Toppage
出典:SAP Build Apps

SAP Build Appsは、SAP社が提供するローコード開発ツールです。SAP Build Appsでは、コードを書かないノーコード開発でも高度なアプリを作成できます。

また、SAPの他ソリューションと連携することも可能です。よって、SAP S/4HANAやSAP SuccessFactorsなどのSAPソリューションを活用している企業に向いているといえます。

主な導入企業

  • TRUMPF Hüttinger
  • thyssenkrupp
  • SDW
プラン年額料金機能
Base Package1,934,280円/パッケージ※パッケージ購入型
Standard User4,836円/ユーザー※Advanced Userが作成したアプリにアクセス・使用するライセンス
Advanced User21,276円/ユーザーアプリの作成・変更・削除
参照:SAP「SAP Build Apps の価格設定」※2024年10月現在

Betty Blocks

Betty Blocks Toppage
出典:Betty Blocks

Betty Blocksは、Betty Blocksが提供するローコード開発ツールです。基本的にはノーコードで開発することが可能で、拡張したい場面のみコーディングします。

AIを搭載したアプリを開発できるため、既存の業務フローを自動化したり機能を強化したりすることも可能です。

主な導入企業・機関

  • Clifford Chance
  • Mazars
  • オランダ国家警察
プラン月額料金機能
SMB1,000ユーロ※Starterと同様従業員数50人以下の企業に適用
Starter1,500ユーロアプリ数:1ガバナンス機能シンプルな開発向け
Custom3,250ユーロアプリ数:複数匿名ユーザーカスタマーサクセスマネージャー
参照:Betty Blocks「プラント価格」※2024年10月現在

Zoho Creator

Zoho Creator Toppage
出典:ZOHO「Zoho Creator」

Zoho Creatorは、Zohoが提供するローコード開発ツールです。600万人以上のユーザーに利用されており、700万以上のアプリが開発されています。

また、他のツールと連携できる550以上のビルダーが用意されているため、1つのプラットフォームからツールを管理できます。

主な導入企業

  • amazon
  • Melchers
  • LALAMOVE
プラン月額料金※ユーザー当たり機能
スタンダード960円1つのアプリ作成アプリのカスタマイズ
プロフェッショナル2,400円無制限のアプリ作成250のAIモデル
エンタープライズ3,000円650以上のビジネスアプリ連携予測分析会話型分析
フレックス要問合せ※カスタム
参照:Zoho Creator「料金」※2024年10月現在

WaveMaker

Wavemaker toppage
出典:WaveMaker

WaveMakerは、WaveMakerが提供するローコード開発ツールです。ローコードに加えてAIを活用できるため、素早く簡単にアプリを開発できます。

設計から製造、テスト、保守までを行えるようになっているため、WaveMakerのみでアプリの作成から運用までが完結します。

主な導入企業

  • Mercy Technology Service
  • Flanagan Foodservice
  • Yource

※2024年10月現在、料金は非公開

参考:Wavemaker「Pricing」

機能要件以外で確認すべき点

機能要件以外で確認すべき点

ここまで、システム開発に当たってのツール選定のポイントを解説してきましたが、ローコード開発ツール選定時には開発後のシステム運用フェーズを見越した比較検討も必要です。

ここでは、ローコード開発ツール選定時に機能要件以外で確認すべき点を解説します。

システムの保守運用体制

システムを開発した場合には必ず、システムを問題なく稼働させるために継続して保守運用を行う必要があり、社内での体制構築に関する確認が必要です。

ローコード開発は従来のシステム開発とは全く異なる形でシステムを開発するため、開発後の保守運用に関しても、従来と全く異なるスキルセットが必要になります。

特に必要となるのが、採用したローコード開発ツールに関する知見です。

開発したシステムは採用したローコード開発ツールのプラットフォーム上で稼働するため、ツール自体に関する知識や知見が必要となります。

ローコード開発ツールもクラウドサービス同様に継続的にプラットフォームのアップデートが実施されるので、アップデートによる影響やトラブル発生時に迅速に対処できる仕組みが不可欠です。

国内ではローコードによるシステム開発は発展途上であるため、社内にローコード開発ツールに対する知見を持った人材がいるケースは少ないため、ゼロから体制を作る必要があるでしょう。

運営企業のサポート内容

ローコード開発ツールの比較をする際は開発ツールの運営企業が提供するサポート内容の確認が必須となります。

IT人材ではなく、コーディングができない非エンジニアによる開発が前提となっているため、ツール導入後はユーザー自らの手でシステムを構築する必要があります。

開発ツールの使い方や実装方法で不明点が多く出ることが想定されますが、この不明点の解決に繋がる答えを社内の情報システム部が持っていると考えてはいけません。

国内でローコード開発ツールを活用したシステム開発の事例は少ないため、社内にナレッジが溜まっていないため、情報システム部も手を出すことができないので運営企業のサポートを頼るほかありません。

ローコード開発ツールはそれぞれ、導入後サポートを提供していますが、サポート内容によっては有償対応の場合もあるので、事前にサポート内容を必ず確認する必要があります。

【まとめ】ツール選定時は開発中と開発後の両方の観点で検討する必要がある

【まとめ】ツール選定時は開発中と開発後の両方の観点で検討する必要がある

この記事ではローコード開発ツールの最適な選び方とツールごとの特徴を解説してきました。

ローコード開発ツール選定時には、システム開発要件通りに開発ができるかどうかだけでなく、開発後に問題なく運用できるかどうかの両方の観点で比較検討する必要があります。

ローコード開発ツールを採用するということは従来と全く異なる体制が必要になります。

開発を行う体制しかり、開発後にシステムを運用する体制も従来通りのやり方では通用せず、ローコード開発ツールに適した体制を用意する必要があります。

比較検討を行う際は機能が実装できる、効率的に開発ができるかの確認だけでなく、社内稟議において、開発後の運用やセキュリティーに問題がないことを確認・実証する材料を集めることを意識することが重要です。

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