新型コロナという未曾有のパンデミックにより、足を運ぶことなく買い物ができるネットショッピングへの需要が高まった昨今。
自社の商品をより多くの消費者へ向けて販売したいと、ネットショップの開設を考えていらっしゃる企業のご担当者やショップオーナーの方々もいらっしゃるでしょう。
以前、イーコマース(EC)の概要について解説しましたが、今回の記事ではもう一歩踏み込んで、ECサイトの作り方をご紹介したいと思います。
ECサイトの作り方
ネットショップを始めるためには様々な方法があります。
ECサイトを作って自社ブランドを構築するよりも、既存のマーケット向けに商品を売ることを目的にしたいのであれば、Amazonや楽天市場といった「モール型」と呼ばれるインターネットショッピングモールに出店するという方法もあります。
その場合、一般的には価格競争に陥りやすく、リピーターやファンを獲得するには不向きとされています。
そこでこの記事では、「自社サイト型」という、自社独自のECサイトを構築してネットショップを開設するケースに絞って、ECサイトの作り方をご紹介したいと思います。
「自社サイト型」ECサイトの作り方
自社サイト型のECサイトを作る方法は5つあります。
一般的に、運営するECサイトの売上によって向いている手法が分かれると言われています。
- フルスクラッチ 50億円〜
- パッケージ 1億円〜
- オープンソース 1億円前後
- クラウドEC 〜1億円
- ASPサービス 〜1億円
フルスクラッチ
ゼロから自社向けに思い通りのデザインと機能を構築できるのがフルスクラッチと呼ばれる手法です。
その分、開発には時間もコストも掛かるため、大規模で年商も50億円以上のECサイト運営に向いている手法と言えます。
セキュリティー強化や時代のニーズの変化などにより、数年毎に古くなったシステムのアップデートが必要になりますし、仕様変更についても毎回費用がかかります。
年商 | 50億円〜 |
初期費用 | 数千万円〜 |
月額費用 | 数十万円〜 |
開発期間 | 半年〜 |
サーバ | 必要 |
技術力 | 必要 |
自由度 | 高い |
パッケージ
ECサイト構築に必要な機能を備えたシステムをパッケージで購入し、それをベースに自社ECサイトを構築する手法がパッケージです。
標準機能があらかじめ揃っているためフルスクラッチよりも開発費用とコストを削減でき、自社向けにカスタマイズすることができるため自由度も高いというメリットがあり、年商1億円以上のECサイト運営に向いていると言われています。
フルスクラッチ同様に古くなったシステムを数年毎にアップデートする必要があります。
年商 | 1億円〜 |
初期費用 | 300万円〜 |
月額費用 | 10万円〜 |
開発期間 | 3ヶ月〜半年 |
サーバ | 必要 |
技術力 | 必要 |
自由度 | 高い(制限あり) |
オープンソース
公開されているソースコードを使ってECサイトを構築する方法がオープンソースです。
無償で公開されているため初期費用を抑えることができ、社内に開発のリソースさえあれば自由に開発することが可能ですが、セキュリティーの構築やトラブル時の解決なども自身で行う必要があります。
一般的な目安としては年商1億円前後の企業向けと言われています。
年商 | 1億円前後 |
初期費用 | 0〜30万円 |
月額費用 | 〜10万円程度 |
開発期間 | 3ヶ月〜半年 |
サーバ | 必要 |
技術力 | 必要 |
自由度 | 高い(制限あり) |
EC-CUBE、WordPress(Welcart)、Magento(Adobe Commerce)
導入例としては、EC-CUBEでドトールオンラインショップなどが挙げられています。
クラウドEC
ECプラットフォームを自社サーバにインストールすることなく、クラウド上でECサイトを構築できるのがクラウドECです。
初期費用や月額費用がそれなりに掛かるため、1億円近い年商の中規模向けとされています。
自社でサーバを用意する必要がなく、保守管理やセキュリティ構築はプロバイダーが行います。
そのため、常に最新のシステムを使うことができ、その分の費用も削減できますが、システムを自社では管理できないことに対し、社内ポリシーと照らし合わせて判断する必要があります。
年商 | 〜1億円 |
初期費用 | 300万円〜 |
月額費用 | 10〜50万円 |
開発期間 | 3ヶ月〜半年 |
サーバ | 不要 |
技術力 | 不要 |
自由度 | 高い(制限あり) |
ASPサービス
インターネットのクラウド上でECサイトを構築することができるASP(アプリケーションサービスプロバイダー)のサービスを利用する手法もあります。
クラウドEC同様サーバを用意する必要がなく、低予算かつ短期間で始められるため、小規模のECサイトを最低限の予算で開始したい場合に向いています。
ただ、用意されたデザインとシステムを使用するため自由度がないことがデメリットで、将来的にEC事業を拡大したい場合には、大掛かりなリニューアルになり、かえって費用がかかってしまう、といったことにも注意が必要です。
年商 | 〜1億円 |
初期費用 | 0〜10万円 |
月額費用 | 0〜10万円程度 |
開発期間 | 即日〜1週間程度 |
サーバ | 不要 |
技術力 | 不要 |
自由度 | 低い |
ノーコードという第6の選択肢
開発のためのソースコードを一切書かずにECサイトを構築できる開発ツールをノーコードと言います。このノーコードの出現により、開発費用や開発期間が削減できるようになりました。
自社ECサイトを始める場合には、機能やカスタマイズ性などの観点から考慮すると、開発のみならずその後の保守・運用・追加開発までを容易に行える、ノーコードで構築するという選択肢もあります。
ECサイトの規模も、小規模なものから大規模なものまで対応が可能です。
前述のBASEやShopifyもノーコードツールに該当しますが、弊社でもノーコードでのシステム開発を行っています。ノーコードでのECサイト構築にご興味のある方は、下記ボタンからお気軽にお問い合わせください。
<まとめ>ECサイトの作り方に迷った時にはお問合せください
この記事では、自社型ECサイトの作り方について、6つの開発手段をご紹介しましたが、それぞれにメリットやデメリット、向き不向きがあることをご理解いただけたでしょうか。
失敗しないECサイト構築のためには、目先の予算のみならず長期的な目線で戦略を立てた上で、予算・規模・目的に照らし合わせて自社に合った開発手法を選ぶことが大切です。その際、競合他社がどのようなECサイトを運営しているのか調査してみることも有効な手段となるでしょう。
なお、ECサイト構築でお悩みの方、システム開発の外注先選びでお困りの方は、弊社までお気軽にご相談ください。
当社がこれまで支援してきた開発事例の共有、企画・コンサルティング、要件定義や実際の開発支援まで包括的にサポートさせていただくことが可能です。
システム開発を失敗しないために、弊社が相見積もりの取得までをサポートさせていただくことも可能です。むやみな営業電話などは決して行いませんので、まずは無料のご相談をお待ちしております。