インターネットを利用する際、日々多くのWebサイトにアクセスします。しかし、開発の現場や新しいサービスに触れる中で、「Webアプリ」という言葉を聞く機会も増えているのではないでしょうか。
見た目が似ていることもあり混同されがちなこの二つ。しかし、その目的や機能には明確な違いがあります。
この記事では、WebサイトとWebアプリの違いを具体例を交えながら明らかにし、あなたの目的達成のためにどちらが本当に必要か、判断するための情報を提供します。
Webサイトとは?
まず、「Webサイト」について整理しましょう。「Webサイトを知らない人はいない」と思いますが、一般的に使われる「Webサイト」という言葉は、少し広い意味合いで捉えられがちです。
技術的に正確に言うと、Webサイトとは、特定の会社や個人が、一つのドメイン名(例:example.com)のもとで公開している、関連性のあるWebページの集まりです。その主な目的は、情報を提供すること。
会社案内、ニュース記事、ブログ記事などが典型で、多くの場合、内容は固定的(静的)です。訪問者はそこに書かれている情報を読んだり、画像を見たりしますが、その場で情報を書き換えたり、何か特別な操作をしたりすることは基本的にありません。
Webサイトの具体的な特徴
- 情報の閲覧が中心。利用者ができる操作は、リンクをクリックして別のページへ移動する、問い合わせフォームに入力する、メルマガに登録する、SNSでシェアする程度に限定される。
- 新しい情報の発信や内容の変更は、基本的にサイト運営者が行う。
- アクセスした人全員に、同じ情報・同じ見た目が表示される。
身近なWebサイトの例
- 企業の公式ホームページ(会社概要、製品紹介など)
- ニュース配信サイト(記事を読むのがメイン)
- 個人のブログ(日記や意見を読む)
- レストランのメニュー紹介ページ
ただし、企業によってはWebサイトとWebアプリの両方を運用しているケースもあります(例えば、顧客管理ツールのHubspotや、ノーコード開発ツールBubbleなど)。
例えばBubbleは、広く情報を伝えるための「Webサイト」と、ログインして顧客データを管理したり、アプリを開発したりできる「Webアプリ」を明確に使い分けています。
Webアプリとは? ブラウザ上で使う対話型ツール
次に「Webアプリ」です。これは、ブラウザを通して利用するソフトウェアと考えると分かりやすいでしょう。「ブラウザ上で動作する、対話型のソフトウェア」と称する人もいます。
Webアプリは、単に情報を見るだけでなく、利用者が特定の目的を達成するために「使う」ことを前提としています。例えば、メールを送受信する、商品をオンラインで購入する、SNSで他の人と交流するなど、利用者からの働きかけ(入力や操作)に対して、アプリが応答し、結果を返すという双方向のやり取りが特徴です。
Webアプリの具体的な特徴
- 利用者がログインし、アカウント情報に基づいてパーソナライズされた機能を利用できる(例:自分宛のメール一覧、過去の購入履歴表示、フォローしている人の投稿表示)。
- 利用者がデータを追加・編集・削除できる(例:メールを作成する、カートに商品を入れる、プロフィール写真を変更する)。
- 利用者の操作に応じて、表示される内容が動的に変化する(例:検索条件に合わせて商品リストが変わる、入力内容に応じてエラーメッセージが出る)。
身近なWebアプリの例

- Gmail: 自分だけのメールボックスで、メールの作成、送受信、フォルダ分けなどができる。
- Facebook / X (旧Twitter): タイムラインは人それぞれ。自分で投稿したり、「いいね」をしたり、コメントを書き込んだりできる。
- ネット通販サイト (Amazon, 楽天など): 商品を検索し、カートに入れ、決済手続きを行うことができる。
- Google Maps: 地図を拡大・縮小したり、経路を検索したり、特定の場所の情報をピンポイントで見たりできる。
- Bubble: プログラミング不要で、ドラッグ&ドロップ操作により、自分だけのWebアプリを設計・開発・公開できる。
これらのWebアプリでは、利用者の操作やデータによって体験が常に変化します。「誰にとっても全く同じ画面」ということは、基本的にはありません。
では、技術的な側面も含め、両者の違いをさらに詳しく見ていきましょう。
Webアプリ と Webサイトを比較
要点を掴むなら、Webサイトは主に「読む」ためのもの、Webアプリは「使う」ためのもの。
「Webサイトは読書のようなもの。Webアプリは道具を使う感覚に近い。もちろん、単純な問い合わせフォームが一つあるだけで、それが即Webアプリだとは言えないけれどね。」
Bubble開発者 Sam
以下の比較表で、その違いを整理します。
比較項目 | Webサイト | Webアプリケーション |
① できること | 主に情報の閲覧(一方通行)。 | 情報の閲覧に加え、データの操作、作成、他者との交流などが可能(双方向)。 |
② 規模 | 特定の相手への情報提供が主。利用者増への機能的対応は限定的。 | 多数の利用者の同時アクセスやデータ増加に対応可能。サービス規模の拡大を前提に設計される。 |
③ アカウント機能 | 不要なことが多い。あっても購読管理など限定的。 | ログインが基本。アカウントごとにデータが管理され、個別の体験が提供される。 |
④ 機能の複雑さ | シンプル。ページ間のリンクと基本的な情報表示が中心。 | 予約、決済、検索、分析、共同編集など、目的達成のための多様な機能を持つ。 |
⑤ 裏側の仕組み | 主にHTML/CSS(見た目を定義)。サーバー側の複雑な処理は少ない。 | HTML/CSSに加え、プログラム言語やデータベースが必須。サーバー側でデータ処理やロジック実行を行う。 |
⑥ 開発コスト | 比較的安価で短期間。特に作成ツールを使えば手軽。 | 従来は高コスト・長期間。(ノーコードツールの登場で低コスト・短期間での開発が可能に) |
⑦ 開発の難易度 | 比較的容易。専門知識が少なくても作成可能。 | 画面設計、データベース設計、プログラミングなど広範な知識が必要。(ノーコードツールを使えば大幅に簡略化) |
それぞれの違いを、もう少し具体的に見ていきましょう。
1. できることの範囲

これが最も根本的な違いです。Webサイトでは、利用者は基本的に情報を受け取る側。Webアプリでは、利用者は情報を受け取るだけでなく、自ら情報を発信したり、データを操作したりできます。
✅ Webアプリ: アカウントを持つ利用者なら誰でも、コメント投稿、商品購入、写真アップロード、設定変更など、様々なアクションが可能。
❌ Webサイト: 利用者ができるのは、リンクのクリック、フォーム入力、共有ボタンのクリックなど、用意された範囲での限定的な操作のみ。
サービスを作るうえで、利用者に単なる閲覧以上のことをしてもらいたいなら、Webアプリが必要です。
2. 規模

あなたのサービスは、将来的にどれくらいの利用者に、どのような価値を提供したいですか?
✅ Webアプリ: 数千、数万、あるいはそれ以上の利用者が同時にアクセスし、それぞれのデータを処理することを想定して作られます。例えば、フリマアプリのように、多数の出品者と購入者が同時に利用できる仕組み。
❌ Webサイト: 基本的には、運営者から不特定多数への情報発信が主。同時に多くのアクセスがあっても表示はできますが、利用者一人ひとりに合わせた複雑な処理を行う設計にはなっていません。
サービスの成長や利用者増を見据えるなら、Webアプリの拡張性が不可欠です。
3. アカウント機能

ログインして使うのが当たり前か、そうでないか。
✅ Webアプリ: ほとんどの場合、ログインが必須。ログインすることで、「あなた専用」の画面や機能(例: Gmailの受信箱、ECサイトの注文履歴、SNSのタイムライン)が利用可能になります。
❌ Webサイト: ログイン不要な場合が多い。もしログイン機能があっても、有料記事の閲覧権限の確認など、限定的な目的で使われることが主です。
利用者一人ひとりに合わせた体験を提供したいなら、アカウント機能を持つWebアプリが適しています。
4. 機能の複雑さ

Webアプリは、特定の目的を達成するための「道具」です。そのため、様々な機能が組み合わされています。
✅ Webアプリ: 日付を選んで予約する、条件を指定してデータを検索・絞り込む、入力した数値からグラフを自動生成する、複数の利用者で一つのファイルを同時に編集するなど、具体的なタスクを実行するための機能が豊富。
❌ Webサイト: 主な機能は、情報を分かりやすく表示すること、関連ページへ移動しやすくすること。複雑なデータ処理や利用者の作業支援は行いません。
利用者に具体的な作業をしてもらいたい場合、そのための機能を持つWebアプリが必要です。
5. 裏側の仕組み(技術構成)

見た目が似ていても、内部の構造は大きく異なります。
✅ Webアプリ: 利用者の操作に応じてサーバー側でデータ処理(計算、保存、検索など)を行い、その結果を画面に反映させる必要があります。そのため、データベースやサーバーサイドのプログラム言語(PHP, Ruby, Pythonなど)が不可欠。
❌ Webサイト: 基本的には、あらかじめ用意されたHTMLファイルをブラウザが表示する仕組み。サーバー側での複雑な処理は最小限。見た目を作る技術(HTML, CSS, JavaScriptの一部)が中心。
動的な処理やデータの永続的な保存が必要なら、Webアプリの技術構成が求められます。
6. 開発コスト

一般論として、Webアプリ開発はWebサイト制作よりも費用がかかります。
✅ Webアプリ: 多機能で複雑な分、設計やプログラミングに時間と専門知識が必要なため、従来は開発費用が高額になる傾向がありました。
❌ Webサイト: 機能がシンプルなため、比較的安価で短期間に制作可能。特に、ホームページ作成ツールを使えばさらに手軽です。
ただし、Bubbleのようなノーコードツールの登場により、この常識は変わりつつあります。専門的なプログラマーでなくても、従来より大幅に低いコストと短い期間でWebアプリを開発できるようになりました。
7. 開発の難易度

同様に、開発に必要なスキルセットも異なります。
✅ Webアプリ: 良いWebアプリを作るには、利用者が使いやすい画面設計(UI)、快適な利用体験設計(UX)、データベースの適切な設計、そしてプログラミング(画面側・サーバー側両方)など、多岐にわたる専門知識が求められてきました。
❌ Webサイト: ホームページ作成ツールを使えば、プログラミングの知識がなくても基本的なサイトは作成可能です。
これも、ノーコードツール(Bubbleなど)の登場によって、Webアプリ開発のハードルは劇的に下がっています。専門家でなくても、アイデアを形にすることが現実的になりました。
結論、どっちが向いているのか?
どちらが適しているのか?は悩んでしまいますよね。
判断のかなめは、「そのWebページで、利用者に最終的に何をしてほしいのか?」 を具体的に考えることです。
- 「会社の情報を知ってほしい」「記事を読んでほしい」「場所を確認してほしい」
- → Webサイトが適しています。情報が整理され、分かりやすく伝わることが重要です。シンプルなホームページ作成ツールで十分かもしれません。
- 「予約を入れてほしい」「商品を買ってほしい」「他の利用者と交流してほしい」「データを入力・管理してほしい」「作業を効率化してほしい」
- → Webアプリが必要です。利用者のアクションを可能にし、目的達成を支援する機能が求められます。将来的に機能を追加したい場合も、最初からWebアプリとして設計するのが賢明です。
以下のチェックリストも参考にしてください。
こんな目的・機能がほしいなら… | Webサイト | Webアプリ |
会社やお店の基本的な情報を伝えたい | ✅ | |
ブログ記事やニュースを公開したい | ✅ | |
利用者自身がアカウントを作り、ログインして使いたい | ✅ | |
利用者が何かを予約したり、購入したりできるようにしたい | ✅ | |
利用者がデータを入力・保存・編集・検索できるようにしたい | ✅ | |
利用者同士がメッセージ交換や情報共有ができるようにしたい | ✅ | |
利用者の状況に合わせて、表示する情報や機能を変化させたい | ✅ | |
プログラミングせずに、自分でアイデアを形にしたい | ✅ | ✅ |
結論として
- 一方的な情報発信が主なら → Webサイト
- 利用者との双方向のやり取りや、特定の作業・目的達成を支援するなら → Webアプリ
Bubbleなら爆速でWebサイトもアプリも作れます

従来、Webアプリ開発は専門家でなければ難しい、時間も費用もかかるものでした。しかし、Webアプリが提供できる価値は、単なる情報発信にとどまりません。
Bubbleのようなノーコード開発プラットフォームは、プログラミングコードを書くことなく、画面上で部品を組み合わせるような直感的な操作で、高機能なWebアプリを構築できます。これにより、開発期間は劇的に短縮され、費用も大幅に削減できます。
実際に、多くの人々がBubbleを使ってアイデアを素早く形にし、ビジネスを成功させています。
- あるヘルスケア企業は、Bubbleで開発したアプリにより、従来手法の12倍から20倍の開発スピードを実現したと報告しています。
- あるコンサルタントは、専門の開発会社から6ヶ月以上かかると言われたアプリを、Bubbleを使ってわずか数週間で完成させました。
- あるスタートアップは、創業者一人が4ヶ月で開発した初期バージョンのWebアプリをもとに、大手アクセラレーターに採択され、約1,800万円の初期資金を獲得しました。
あなたの頭の中にある「こんなことができたら便利なのに」というアイデア。それを実現する力が、Bubbleにはあります。Webアプリ開発は、もはや一部の専門家だけのものではありません。
まとめ
Webサイトは情報を見るためのもの。対してWebアプリは、予約や購入など利用者の操作によって目的を達成するツールであり、その機能の幅広さが大きな違いです。それぞれの特性を理解し、目的に合わせてどちらを選ぶかが重要になります。
私たちファンリピートは、ノーコードツールBubbleでのWebアプリ開発を専門としています。自社開発のご支援はもちろん、お客様のアイデアを形にする受託開発も数多く手がけてきました。
Bubbleで何が実現できるのか、どう開発を進めるのか。その具体的なポイントをまとめた資料をご用意しています。ご興味のある方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。