ノーコードAIアプリ開発プラットフォーム Difyを使って業務を時短するのが流行っていますね。
日々の業務の中で煩わしいものはいくつもありますが、議事録作成なんかはやりたくないものです。最近はAIが会話の中から議事録を作成するツールがありますが、どうせならNotionに自動で議事録を保存するところまでやりたいところ。
本記事ではDify×Notionというテーマで、議事録作成→保存までの流れを作っていきます。
Dify(ディファイ)とは?
AIアプリ開発の常識を覆し、誰でもAIアプリ開発者になれる 可能性を秘めているのが、「Dify (ディファイ)」 という革新的なプラットフォームです。
一言で表すなら、「ノーコードAIアプリ開発プラットフォーム」。Difyならコードを書かずに、 視覚的な操作だけでAIアプリを開発できます。
特定のタスクや目的を達成するために動作するAIエージェントや、複雑な処理を行うAIモデルなどをノーコードで作れます。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
DifyとNotionを連携させ、自動で議事録を保存するフローを作る
音声ファイルをアップロードすると自動でその内容を解析し、テキストに起こしてNotionに保存するというフローを作っていきます。
事前にやっておくコト
ChatGPTモデルを使用するので、OpenAI APIが必要です。有料なので、持っていない方は用意してください。
持っている場合は、Difyの設定→モデルプロバイダー→OpenAIのAPI-KEY セットアップという箇所から設定しましょう。
音声データをアップロード→テキスト出力させるまで
Difyのホーム画面から「最初から作成」を選択。以下のように設定してください。
最初は下記の画面になるはずです。「開始」ブロックをダブルクリックし、+ボタンから入力フィールドを追加してください。
単一ファイルを選択し、以下のように設定してください。
- フィールドタイプ:単一ファイル
- 変数名:audio
- サポートされたファイルタイプ:音声
- アップロードされたファイルタイプ:ローカルアップロード
ちなみに、DifyとGPT-4o-audio-previewでサポートされているファイル形式はmp3とWAVのみです。m4aなどの形式だとエラーが起こります。
次に、開始ブロックの後に「LLMブロック」を置きます。
プロンプトを設定してあげる必要があるのですが、SYSTEMの中にある星マークをクリックし、「アップロードされた音声ファイルを聞き、議事録を作成してください」などと入力すれば自動でプロンプトを作ってくれます。
LLMブロックの設定では、USERの設定も行う必要があります。
「+メッセージを追加」→USER内の{x}→入力フィールドaudioを選択してあげてください。
最後に「終了ブロック」を追加し、変数のところにoutput、その横でLLMで生成したテキストを選択しましょう。
議事録をNotionに保存する
まずはNotion APIを取得する必要があります。「インテグレーションを作成または管理する」をクリック。
名前は適当でよいので、関連ワークスペースと種類を選択し、保存してください。
インテグレーション設定から「内部インテグレーションシークレット」というAPIキーが確認できるので、コピーしておきましょう。
次はデータベースを作成します。要は議事録の保管場所ですね。適当な新規ページより、下部にある「テンプレート」→「ミーティング」を選んでください。検索窓にミーティングと打てば出るはず。
テンプレートを表示し、•••マーク →プロパティ→新しいプロパティの順に進み、「議事録の内容」とでも入力し追加しましょう。
あとはDifyと連携させます。画面右上の••• →接続→Dify連携を選択。
アクティブな接続にDifyが表示されていればOkです。
Difyで環境構築
Difyに戻り、赤枠で囲われているENVマークを押し、環境変数の設定を行います。
「環境変数を追加」を押し、以下のように設定します。
- タイプ:Secret
- 名前:Notion_api(なんでもよい)
- 値:先ほどコピーしたNotion API
もう一つ追加し、以下のように設定しましょう。
- タイプ:String
- 名前:Notion_db
- 値:データベースページのID
データベースページのIDはURLの「notion.so」より後の部分になります。
あとはワークフローの設定をすれば終わりです。
まずは開始ブロックに入力フィールドをもう一つ追加しましょう。
日付をタイトルとするために、dateフィールドを作ります。以下のように設定してください。
- フィールドタイプ:短文
- 変数名:date
- ラベル名:date
次にLLMの後ろにコードブロックを追加しましょう。
こちらも、以下のように設定してください。
- 入力変数
- database_id:Notion_db
- content:LLM text
- date:開始 date
下のコード部分は先ほど同様、星マークからプロンプトを入力し、作成してもらえます。「NotionとDifyを連携させて議事録を自動保存したい」などと入力すればOK。
次にコードの後にHTTPリクエストブロックを設置します。
歯車マークからNotionのAPIキーを設定しましょう。
あとは下記の画像のように設定してください。
最後に「終了ブロック」の出力変数に追加します。
Notionと命名し、HTTPリクエストのbodyを選択しておきましょう。
あとは実行ボタンを押し、議事録にしたい音声ファイルをアップロード、タイトルの日付を入力すれば自動で保存してくれるはず。
DifyとNotionを連携するメリット
DifyとNotionを連携することで、議事録作成から管理、活用までの一連のプロセスが劇的に効率化されます。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
1. 議事録作成の自動化による時間短縮
- 手作業による文字起こしからの解放: Difyの音声認識機能を活用することで、会議中の発言内容をリアルタイムでテキスト化できます。これまで議事録作成に費やしていた、文字起こしの時間や労力を大幅に削減できます。
- 要約機能で効率的な議事録作成: Difyの要約機能を使えば、テキスト化された内容から重要なポイントを自動的に抽出できます。これにより、議事録の作成時間をさらに短縮し、短時間で質の高い議事録を作成することが可能です。
- 会議後すぐの情報共有: 会議終了後、すぐに議事録がNotionに自動保存されるため、会議内容を迅速にチームメンバーと共有できます。会議後すぐにアクションを起こせるため、業務のスピードアップに繋がります。
2. 情報の分散を防ぎ、Notionでの一元管理を実現
- 議事録の一元管理: Difyで作成された議事録は、Notionのデータベースに自動的に保存されます。これにより、議事録が様々な場所に分散することなく、Notion上で一元管理できるようになります。
- 情報へのアクセス性向上: 必要な議事録をNotion上で簡単に検索・閲覧できます。キーワード検索やタグ付け機能を活用すれば、過去の議事録もすぐに探し出すことが可能です。
- 情報のサイロ化を防ぐ: チーム全体がNotionで議事録を共有することで、情報が特定の人のみに留まる「情報のサイロ化」を防ぎ、チーム全体の情報共有を円滑にします。
3. チームでの情報共有・共同編集の効率化
- リアルタイムでの情報共有: Notionの共同編集機能を使えば、チームメンバーがリアルタイムで議事録を閲覧・編集できます。これにより、最新の情報を常に把握し、議事録を元にしたディスカッションもスムーズに行えます。
- チームメンバー間の認識齟齬を防止: 議事録の内容をチーム全体で共有することで、メンバー間の認識齟齬を防ぎ、スムーズな連携を実現できます。
- コメント機能で議論を活性化: Notionのコメント機能を活用すれば、議事録の内容について意見交換や質疑応答を活発に行えます。これにより、議事録を単なる記録だけでなく、チームでのコミュニケーションツールとしても活用できます。
4. 議事録の検索性向上
- キーワード検索: Notionの強力な検索機能を使えば、過去の議事録の中から、特定のキーワードを含むものを瞬時に探し出すことができます。
- タグ付け機能: 議事録に適切なタグ付けを行うことで、会議の種類やプロジェクトごとに議事録を整理できます。これにより、必要な議事録をすぐに探し出せます。
- 絞り込み機能: 議事録を特定の期間や担当者で絞り込むことで、効率的に必要な情報にアクセスできます。
5. 議事録の活用促進(振り返り、アクションプラン作成)
- 過去の議事録を簡単に振り返れる: Notion上で過去の議事録を簡単に参照できるため、過去の決定事項や議論の内容を振り返る際に役立ちます。
- 議事録を元にアクションプランを作成: 議事録の内容を元に、タスクやアクションプランをNotion上で作成し、チーム全体で共有できます。これにより、会議で決まったことを着実に実行に移すことができます。
- ナレッジの蓄積: 議事録をNotionに蓄積することで、社内ナレッジとして活用できます。新入社員への教育や、過去のプロジェクトの振り返りに活用できます。
まとめ
30分もあれば一連の流れは作成できると思います。
会議をするときはPixel などのデバイスで録音しつつ、終了後にファイルをワークフローに投げるだけでNotionに自動保存されますから、かなり時短につながります。
会議で決めたネクストアクションをAsanaなどのタスク管理ツールと連携させ、各々の個人タスクとして登録する…なんて改良ができればより良いものになるはずです。ぜひお試しを。