Pythonで業務効率化する方法とは？具体的な事例を交えて解説！

近年、Pythonを活用して業務効率化を図る事例が増えてきました。

Pythonは、生成AIの開発に使われるプログラミング言語です。このように聞くと難易度の高い言語だと思われがちですが、実はプログラミング初心者でも簡単に習得できる言語です。

本記事では、Pythonで業務効率化する方法やおすすめの習得方法を解説します。記事後半では、Pythonを活用した業務効率化の事例も紹介していますので、自社で活用する際の参考にしてみてください。

Pythonとは？

Pythonは、近年利用が増えているプログラミング言語です。Pythonは以下のような特徴を持ちます。

• 可読性が高い
• 実行が簡単
• 変数の宣言が不要

このような特徴から、Pythonはプログラミングが初めてでも、独学で習得できるほど難易度が低い言語といわれています。

Pythonは習得の難易度が低い言語ではありますが、高度な開発も可能です。具体的には、生成AIの開発やデータ解析、統計処理などで活用されており、幅広い用途で利用できます。

Pythonで業務を効率化するメリット

Pythonを業務で活用することで、以下のようなメリットが得られます。

• 自動化による時間短縮
• データ分析・活用による意思決定の迅速化
• 学習コストの低さ
• 低コストでの導入

自動化による時間短縮

Pythonでプログラミングを組めば、定型業務を自動化できます。具体的には、Excelファイルの集計やデータ入力、メール送信、Webスクレイピングなど、主に定型業務の自動化が可能です。

自動化が実現すれば、人が行う業務量が減るため、業務時間の短縮が図れます。自動化により業務時間が短縮すれば、労働環境の改善や人件費の削減によるコストカットなどが実現します。

データ分析・活用による意思決定の迅速化

Pythonでは、数値計算やデータ解析が可能です。自社に適したデータ分析プログラムを構築すれば、データに基づいた意思決定ができるようになります。

具体的には、Webからのデータ取得や、CSV・Excelファイルの読み込み、データのクリーニング、統計分析、グラフ作成などの迅速化が図れるため、分析から意思決定までの時間を短縮できます。

もちろんExcelでもデータ分析はできますが、自動処理やデータ連携まで行うのは難しい場合もあります。Pythonは自由度が高いため、必要な機能を搭載したシステムの開発が可能です。

学習コストの低さ

Pythonは構文がシンプルで記述の一貫性が高く、プログラムが読みやすいという特徴があります。習得までの学習コストが低いため、高度なプログラミング技術を持つ人材が必須ではないというメリットがあります。

Pythonは、プログラミングを学んだことがない人でも、独学で習得できるほど難易度が低い言語です。そのため、自身で習得し、業務効率化を図ることができます。

低コストでの導入

Pythonは無料でPCにダウンロードすることができ、自由に利用できます。そのため、高額な初期投資は必要ありません。

また、Pythonのライブラリの多くが無料で提供されています。ライブラリとは、組み込むことで特定の機能が利用できるようになるプログラムのことです。

ライブラリを活用すれば、PythonからのExcel操作や、効率的な機械学習モデルの構築ができるようになります。Pythonで業務効率化すれば、初期投資を抑えてこれらを実施できるため、コストを重視する方に最適な手段といえます。

Pythonで業務効率化できる具体的な事例

Pythonを利用すれば、以下のような業務効率化が図れます。

• Excel作業の自動化
• Web情報の自動収集
• ファイル操作の自動化
• データ分析の効率化
• 定型文書の自動生成

Excel作業の自動化

PythonではExcel作業を自動化できます。例えば、複数のファイルのデータ抽出や集計、分析などの自動化が可能です。

文章生成とデータ分析を組み合わせれば、スライドや報告書などの作成を自動化できるため、事務作業の省力化が図れます。データを手動でまとめる作業が多い方や、定型業務が多い方におすすめです。

Web情報の自動収集

PythonではWebスクレイピングを実行できます。Webスクレイピングとは、インターネット上にある特定のデータを抽出する手法です。

もちろん、手作業でもWeb上の情報を収集することはできますが、非常に大きな労力がかかります。PythonでWebスクレイピングを自動化することにより、情報収集にかかる労力を大幅に削減できます。

ファイル操作の自動化

Pythonでは、ファイル操作を自動化することが可能です。ファイルの名前変更や移動、コピーなどの操作を一括で行えます。

ファイル操作に関するさまざまな作業を自動化できるので、定型業務の大幅な省力化が図れます。

データ分析の効率化

データ分析に特化したライブラリを利用すれば、データを効率的に解析できます。

Pythonには、データを分析できるライブラリが数多くあるため、機械学習や可視化などが容易に実行できます。大量のデータを高速に処理できるため、高度な分析でも時間をかけずに実施することが可能です。

定型文書の自動生成

Pythonは、AIの開発に適しているプログラミング言語です。自然言語処理が可能な生成AIを開発すれば、さまざまな文書の自動生成が可能になります。

文章生成AIを活用すれば、請求書や報告書などの定型文書を自動で生成できます。情報収集やデータ分析などと組み合わせれば、月次レポートなどの文章タスクを自動化できます。

Pythonで業務を自動化する際に気を付けるべきこと

Pythonで業務効率化する際には、以下の要素に注意が必要です。

• プログラムの保守性・可読性
• エラー処理
• セキュリティ
• 運用体制

プログラムの保守性・可読性

Pythonに限らずプログラミング全般に言えることですが、保守管理を円滑にするため、プログラムの保守性や可読性は可能な限り高めておきましょう。

保守管理は、プログラミングの作成者が実施するとは限りません。そのため、他の人が見てもすぐに理解できるようにすることが、保守管理の面では重要です。

保守性や可読性を高めるには、チーム内で統一した命名規則を設けたり、メモを残したりするほか、分かりやすい変数名や関数名を心がける必要があります。

エラー処理

処理が複数回失敗する可能性を考慮し、エラー発生時の処理はメモとして残しておきましょう。

一度起こったエラーが再度起こらないとは限りません。次回のエラー発生時に迅速な復旧をするためにも、処理の履歴はわかりやすく記載しておきましょう。

また、予期せぬエラーが発生した場合でも、停止しないようなプログラムにすることで、被害を最小限に抑えられます。損失を低減するためには、あらゆるエラーを想定してコーディングすることが重要です。

セキュリティ

情報漏洩や不正アクセスなどの被害に逢わないためにも、適切なセキュリティ対策が必要です。

特に、分析やレポート作成時に利用するデータには、企業秘密が多く含まれます。企業の大切なデータを漏洩させないためにも、堅牢なセキュリティ体制を構築するようにしましょう。

運用体制

Pythonで構築したシステムは、必要に応じて修正や改善を行う必要があります。プログラムの品質を維持・向上するためには、適切な運用体制を構築することが重要です。

プログラムを適切に運用をするためには、保守チームの結成やスケジュールによる自動的なプログラム実行などが効果的です。Windowsのタスクスケジューラやcronなど、自社に適したツールがあれば積極的に活用しましょう。

Pythonで業務効率化するのに役立つ書籍4選

書籍名	著者・出版社	価格（税込）	向いている人	URL
ChatGPTによるPythonプログラミング入門	竹村 貴也オーム社	2,530円	プログラミング初心者	https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274232138/
シゴトがはかどるPython自動処理の教科書	クジラ飛行机マイナビ出版	2,739円	プログラミング初心者	https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274232138/
PythonでかなえるExcel作業効率化	北野勝久、高橋宣成技術評論社	2,508円	Excelを業務で使っている方	https://gihyo.jp/book/2020/978-4-297-11450-3
仕事を自動化する!Python入門講座	廣瀬 豪ソーテック社	2,398円	プログラミング初心者	http://www.sotechsha.co.jp/pc/html/1264.htm

『ChatGPTによるPythonプログラミング入門』

弊社の代表・竹村が執筆した書籍です。PythonのプログラミングをChatGPTで時短する方法を紹介しています。データ分析やWebスクレイピング、Excel作業に関する便利なプログラムの作成を可能にします。

弊社でも業務に取り入れている、AIを活用した開発手法やコツ、具体的なプロンプトを紹介しています。生成AIやPythonの基本から易しく解説しているため、プログラミングの初心者におすすめです。

『シゴトがはかどるPython自動処理の教科書』

日本語プログラミング言語「なでしこ」を開発したクジラ飛行机（本名：酒徳峰章）氏が執筆した書籍です。ビジネスで多発する業務の自動化を行う方法が記載されています。ビジネス用途のほかにも、SNSの投稿やマウス・キーボード操作などを自動化する方法も紹介しています。

同書では、Pythonのインストールから環境整備の方法まで記載されているので、これからPythonをインストールする方におすすめです。

『PythonでかなえるExcel作業効率化』

Excelの作業効率化に特化した書籍です。Pythonを利用して、ExcelやGoogleスプレッドシートのデータ分析や表計算などの作業をプログラムで動かす方法が記載されています。

プログラミング初心者でも理解できるよう、わかりやすく書かれています。業務でExcelやGoogleスプレッドシートを利用している方におすすめの本です。

『仕事を自動化する!Python入門講座』

パソコンやビジネス書を出版するソーテック社が出版する本です。Pythonの初学者でも業務効率化できるよう、プログラミングの基礎から解説しています。

同書の後半では、サンプルコードが多数掲載されているため、実際に構築することで実践力を身に着けることができます。本格的な自動化システムを構築したいPythonの初学者におすすめの書籍です。

まとめ

プログラミングと聞くと難しく感じる方も多いと思いますが、Pythonであれば比較的簡単に習得でき、業務に活用できます。

Pythonで構築したシステムは、単純作業や計算などの生産性の低い業務の負担を削減できるため、従業員は人にしかできない業務に集中できます。

Pythonはプログラミング初学者でも習得できるほど簡単な言語ですので、興味がある方は本記事で紹介した書籍などで学習してみてください。

参考：オーム社「ChatGPTによるPythonプログラミング入門 AI駆動開発で実現する社内業務の自動化」