自治体DXとは?推進のための5つの手順、7つの先進事例などを紹介

現在、民間はもちろん自治体でもDXが求められています。各地方自治体をはじめ、住民が暮らしやすくなるように、各種手続きなどのデジタル化が進んでいる状況です。こうした動きを「自治体DX」といいます。

しかし、自治体の担当者によっては「どうDXを進めたらいいのかわからない」「参考になる先進事例はあるのか」「どんな手順を踏めば安心して進められるのか」などの疑問や不安を持つ方も多いことでしょう。

そこで、今回は自治体DXについて網羅的に解説します。目的、DXのメリット、課題、先進事例、推進手順について紹介しますので、参考にしてみてください。

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目次

自治体DXとは?

自治体DXとは、都道府県、市町村といった地方自治体がデジタル技術を活用して業務プロセスやサービスを効率化・改善する取り組みを指します。

庁内の業務効率化はもちろん、住民の生活もデジタル化する取り組みです。

自治体DXの目的とは?わかりやすく解説

自治体DXの目的は、総務省の「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に詳しく記載されています。

「自治体における DX 推進の意義」として「地域・組織間での横断的なデータ活用」「一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会づくり」を掲げています。

コロナ禍の際には、地域住民や庁内組織のデータ活用が不十分であったことが明らかになりました。そこで、これまでアナログだった業務をデジタル化することで、データを蓄積できます。

すると、住民に対してパーソナライズされたサービスを提供できるようになります。また庁内でもデータを活用しつつ論理的に改善策を実行できます。こうした未来をつくるために自治体DXが求められています。

参考:総務省「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画

自治体DXの取り組み状況

実際、現在どれくらい自治体DXは進んでいるのでしょうか。都道府県と市町村別の取り組みについて、それぞれ紹介します。

デジタル庁には「自治体DXの取組に関するダッシュボード」が公開されており、自治体DXを以下の指標で評価しつつ推進状況を可視化しています。

項目内容
自治体DXの推進体制等CIOの任命CIO補佐官等の任命全体方針の策定全庁的な体制構築外部人材活用職員育成の取組全職員対象研修の実施
自治体業務のDXセキュリティ基本方針策定(概況のスライド)AIの導入状況RPAの導入状況テレワークの導入状況
住民サービスのDXマイナンバーカードの保有状況子育て・介護26手続のオンライン化状況子育て・介護26手続のオンライン申請利用状況(概況のスライド)子育て・介護26手続のオンライン申請利用状況(行政手続のオンライン申請利用状況のスライド)よく使う32手続のオンライン化状況よく使う32手続のオンライン申請利用状況(概況のスライド)よく使う32手続のオンライン申請利用状況(行政手続のオンライン申請利用状況のスライド)

それでは、都道府県と市町村別にこれらの項目の進捗を紹介します。なお、数値については2024年9月8日時点のものです。

都道府県

はじめに都道府県の自治体DXデータを紹介します。庁内のデジタル化はおおむね進んでいる印象です。一方でオンライン申請利用状況はまだまだ進んでおらず、住民への啓蒙などが不足しているといえます。

自治体DXの推進体制等

項目割合(前年比)
CIOの任命91.5%(前年比+10.6%)
CIO補佐官等の任命63.8%(前年比+6.4%)
全体方針策定100.0%(前年比+6.4%)
全庁的な体制構築97.9%(前年比-2.1%)
外部人材採用78.7%(前年比+2.1%)
職員育成の取組100.0%(前年比 0%)
全職員対象研修の実施97.9%(前年比+44.7%)

自治体業務のDX

項目割合(前年比)
セキュリティ基本方針策定100.0%(前年比 0%)
AIの導入状況100.0%(前年比 0%)
RPAの導入状況93.6%(前年比+0.1%)
テレワークの導入状況100.0%(前年比 0%)

住民サービスのDX

項目割合(前年比)
よく使う32手続のオンライン化状況83.5%(前年比+3.3%)
よく使う32手続のオンライン申請利用状況39.2%(前年比+3.4%)

市町村

続いて市町村の自治体DXデータです。都道府県と比べると、まだまだ進んでいないといえます。課題に対する主な示唆としては以下が挙げられます。

  • そもそもDXの全体方針が定まっていない
  • 外部プロフェッショナル人材の採用が進んでおらず、庁内で育成に努めている
  • AIやRPAなどの自動化が進んでいない
  • 住民への手続きのオンライン化が進んでいない

自治体DXの推進体制等

項目割合(前年比)
CIOの任命73.3%(前年比+3.1%)
CIO補佐官等の任命48.8%(前年比+3.0%)
全体方針策定49.7%(前年比+17.3%)
全庁的な体制構築65.4%(前年比+16.3%)
外部人材採用30.1%(前年比+16.3%)
職員育成の取組82.9%(前年比+7.6%)
全職員対象研修の実施69.4%(前年比+42.4%)

自治体業務のDX

項目割合(前年比)
セキュリティ基本方針策定98.9%(前年比 0%)
AIの導入状況50.5%(前年比+5.0%)
RPAの導入状況41.4%(前年比+4.6%)
テレワークの導入状況60.6%(前年比-2.8%)

住民サービスのDX

項目割合(前年比)
マイナンバーカードの保有状況73.8%(前年比 0%)
子育て・介護26手続のオンライン化状況65.1%(前年比 0%)
子育て・介護26手続のオンライン申請利用状況0.7%(前年比-0.1%)
よく使う32手続のオンライン化状況32.3%(前年比+9.9%)
よく使う32手続のオンライン申請利用状況63.8%(前年比+1.7%)

自治体DXを行うメリット

具体的な自治体DXのメリットについて解説します。

行政サービスの向上

従来であればオフラインでの申請・手続きが必須だったため、窓口に長い行列ができ、自治体は多くの人員を配置すえる必要がありました。

しかしデジタル技術を駆使することで、住民はオンラインでの手続きが可能になります。

そのため、住民にとっては窓口の待ち時間が短縮され、利便性が向上します。自治体側としては、人員を減らせるため生産性が高まることが利点です。

業務の効率化

これまで紙で行っていた業務をデジタル化することで、職員の業務負担が軽減されます。例えば申請業務をデジタル化することで印刷の必要がなくなります。押印のための移動時間もカットすることが可能です。

こうした日常の無駄な業務を効率化でき、大幅な生産性向上につなげられるのがメリットです。

データ活用による新たな価値の創出

従来の方法であれば、住民の行動や状況に対してデータを取得できず、単一的な対応しかできませんでした。いわゆる「お役所仕事」に留まっていたといえます。

その点、デジタル技術を活用することで、データベースに住民の状況や行動データが蓄積されます。例えば「未就学児がいる」「個人事業主である」などを把握できるため、住民一人ひとりに対して適切な情報を共有したり行動を促したりできます。

その結果、住民のストレスを軽減できます。自治体にとっては、より的確な政策を立案できるといえます。

職員の働き方改革につながる

自治体DXの指標にも「テレワークの導入状況」があります。その通り、デジタル技術の活用によってオフラインの制約から解放され、職員満足度の向上につながります。

例えば、紙とペンで承認プロセスを進めると出勤はマストになります。しかしデジタル上で推進することで、PCさえあれば場所を問わないため、働き方改革を実現しやすくなります。

自治体DXにおける課題とは

先述した通り、自治体DXは都道府県レベルではかなり進んでいます。一方で市町村レベルではまだ進んでいないといえます。

具体的に推進を阻む課題を、以下の4つに分けて紹介します。

  • 予算が確保しにくい
  • デジタル人材が不足している
  • 既存の業務で手一杯
  • アナログ文化が根強く残っている

予算が確保しにくい

総務省は2022年に各自治体に向けて「デジタル専門人材の確保に係るアンケート」を収集しました。この調査ではDX推進に係る課題として、47都道府県のうち45団体、1741市区町村のうち1,461団体が「財源の確保」を挙げています。

デジタル化にあたっては、ツールの開発・保守運用費や、外部開発者への業務委託費などが発生します。これらのコストを節約しつつ、デジタル化を進める必要があります。

ただし、イニシャルコストはかかりますが、デジタル化によって業務効率化を実現できますので、いずれ人件費と比較すると損益分岐点を迎えます。こうした損益計算書(PL)を可視化して、財源を確保することが重要です。

参考:総務省「公的分野におけるデジタル化の現状と課題

デジタル人材が不足している

自治体だけでなく、民間でもデジタル人材が不足している状況です。経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大約79万人のIT人材が不足するという試算結果が出ています。

IT人材の高齢化に加えてIT需要が伸びることで、人材が不足していきます。こうした状況のなかで人材を確保するためには「働き方改革を進める」「好待遇・好条件を用意する」などの対策が必要です。

参考:経済産業省「- IT 人材需給に関する調査 -

既存の業務で手一杯

外部人材の雇用が進まないなか、庁内のメンバーを育成することで開発を進める方法もあります。また、外部人材を雇用したとしても、プロジェクトマネジメントは必要です。

しかし職員はすでに膨大なタスクを抱えており、自治体DXの業務を担当しきれないこともあります。その結果、退職してしまうこともあるでしょう。

そのため、自治体DXを推進する際は、新たにチームを組成してDXに集中できる環境を準備してあげましょう。

アナログ文化が根強く残っている

「職員が既存のアナログな業務に慣れており、DXに反対してしまう」という課題は多く発生します。特に勤続年数が長い職員ほど、新しい業務に対して不安を感じやすい傾向があります。

そのため、事前に十分な教育や研修を行うことが大切です。またデジタル化をすることで、アナログ業務より効率的に仕事ができる点を分かりやすく事前周知することも重要になります。

自治体DXにおける取組の例

自治体DXでの取り組みの例を具体的に紹介します。主に以下の7つがあります。

  • デジタル人材の確保・育成
  • フロントヤード改革
  • 自治体情報システムの標準化・共通化
  • マイナンバーカードの活用
  • AI・RPAの推進
  • eLTAXを活用した公金収納
  • アウトソーシングの活用

デジタル人材の確保・育成

自治体DXを進めるにあたって、デジタル人材は必須です。スピード感を意識する場合は、外部企業と連携することをおすすめします。

ただし財源の問題で業務委託や雇用が難しい場合は、庁内で育成をする必要があります。庁内に教育スキルがない場合は、外部企業と連携して研修などを進めましょう。

フロントヤード改革

「フロントヤード改革」とは、住民が直接利用する窓口業務や行政サービスのデジタル化を指します。例えば「各種申請のオンライン化」「チャットボットの活用」「アプリ上での情報提供」などです。

これにより住民が役所に行かずに済むため、住民側も自治体も楽にタスクをこなせるようになります。

参考:総務省「令和5年度自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト(補正予算関係)

自治体情報システムの標準化・共通化

日本の自治体は長らく独自の情報システムを使用していました。システムのバラツキがあったため、住民情報が統一されず、非効率を生み出していたといえます。

そんななか、現在では自治体DXの一環として、全国的に自治体情報システムの標準化・共通化が進められています。これにより、自治体同士の連携が強化されるため、転居の際などの情報更新が容易になります。

参考:総務省「地方公共団体の情報システムの標準化に向けた取組」

マイナンバーカードの活用

マイナンバーカードは住民一人ひとりの状況をデータ化するために重要なツールです。これにより、マイナポータルなどで個別の情報を受け取ったり、各種手続きをデジタル化できるようになりました。

自治体DXの実現にはマイナンバーカードの登録状況を高めることが必須です。未登録の住民に対して、情報提供リスクの低さ、セキュリティの強さなどの訴求はもちろん、利便性をアピールする必要があります。

参考:総務省「マイナンバー制度とマイナンバーカード

AI・RPAの推進

庁内の業務には、多くの単純作業があります。こうした作業をAIやRPAで自動化することで、生産性向上につなげられます。主なAI、RPAのユースケースは以下です。

AIによる業務効率化

項目内容
チャットボット住民問い合わせ対応、庁内ヘルプデスク対応、観光情報提供
音声認識会議録作成、多言語翻訳
文字認識AI-OCR(申請書読取、調査票読込、アンケート読込)
マッチング保育所入所マッチング等
画像、動画認識道路損傷検出、固定資産(住宅)調査、歩行者・自転車通行料の自動計測
最適解表示国保特定健診の受診勧奨、国民健康保険レセプト内容点検、戸籍業務における知識支援、乗合タクシーの経路最適化
数値予測次年度予算額の最適値推定、観光客入込状況の予測

RPAによる業務効率化

項目内容
データ化毎日のデータの取得・更新を自動化
勤怠管理勤怠入力の転記作業を自動化
名簿作成自治体主催のコミュニティへの参加者管理を自動化
情報連携転入者の所得情報の転記作業を自動化
システム入力寄付金控除の入力作業を自動化

このようにデジタル化の後にAIやRPAで単純作業を自動化することで、業務全体を大幅に効率化できます。

参考:総務省「自治体におけるAI・RPA活用促進

eLTAXを活用した公金収納

eLTAX(地方税ポータルシステム)は、地方税に関する手続きをオンラインで行えるシステムです。このシステムを利用することで、住民はWeb上で地方税の申告や納付ができるようになります。

eLTAXを整備することで、申告情報がデータ化されます。その後にアナログな作業をする必要がないため、処理業務を効率化できます。ただし住民の利用率を高めることが不可欠であるため、整備した後の啓蒙活動が重要になります。

参考:eLTAX 地方税ポータルシステム

アウトソーシングの活用

実際、自治体DX、庁内活動のデジタル化をすべて進めるのは難しい部分もあります。特に開発を担当する人材が不足しており、なかなか進まないケースは多いです。

その際に外部のシステム開発会社に依頼するのは手段の一つです。弊社・ファンリピートでも自治体からのご依頼に対応できます。

ローコード・ノーコードツールを用いて開発できるのが強みです。専門的なプログラミング言語なしで開発することで、非エンジニアの人材でも保守運用ができます。お気軽にお問い合わせください。

自治体DXを成功させるための手順

具体的に、自治体DXを進めるうえでの手順を紹介します。

1.現状分析

まずはアナログで進めている庁内業務を洗い出す必要があります。業務プロセス全体を可視化したうえで、効率化できる仕事を特定しましょう。

また庁内だけでなく住民の行動も変化する場合は、住民のニーズを把握する必要があります。現状の手続きや申請の流れで不満に感じていること、希望していることをヒアリングやアンケートで収集しましょう。

そのうえでプロジェクトを推進するための組織、人材を配置します。可能な限り、自治体DXの専任チームを組成して、プロジェクトリーダーを決めましょう。そのため、このタイミングで外部協力者の選定も進める必要があります。

2.目標設定

現状分析が完了し、推進チームの座組みを定義したら、プロジェクトの目的・目標を設定します。最終的なゴールを定義したうえで数値的な目標を設定すると管理しやすいです。

具体的な目標は以下のようになります。

項目内容
庁内の業務効率化削減した職員の作業時間削減できた人件費
住民サービスの向上デジタルツールの利用者数・利用率オフライン窓口の利用者数・利用率

数値的な目標に落とすことで、課題が明確になるためPDCAを回しやすくなります。

3.計画策定

目標を設定したら、デジタル導入の計画を策定します。主に以下の内容を定義しておきましょう。

項目内容
優先順位どの業務を最優先でデジタル化するかを決定します。住民サービスの改善が急務の場合もあれば、内部業務の効率化が先行する場合もあります。
リソースとオペレーション人材や予算の確保、外部パートナーとの協力体制の構築を定義します。
スケジュールこの後の実行、評価、改善のスケジュールを定義します。
利用するプロダクト・サービスAI、RPAなどのプロダクト、またアウトソーシングなどのサービスの利用について定義します

4.実行

策定した計画に基づいて、施策を実行します。この際にアウトソーシングする場合は、定期的なミーティングを設定したうえで、進捗を確認する必要があります。プロジェクトマネジメントが重要です。スケジュールを確認しながら進めましょう。

この際に同時進行で職員向けの説明会や研修をスタートする必要があります。住民に影響がある場合は、もちろん事前に周知しておくことが必須です。

5.評価と改善

自治体DXを実行したら、目標通りに効果が出ているかを観察しつつ、継続的に改善をしましょう。ツールやアプリを開発する場合は、機能のアップデートが必要です。

この際に、利用者(職員、住民など)にアンケートやヒアリングをしたうえで、要望を吸収しながら改善する必要があります。

自治体DXに取り組んだ県・市の事例を紹介

最後に、実際に自治体DXに取り組んだ県、市の事例を紹介します。自治体DXによって、どんな効果があったのかに焦点を絞って解説しますので、ぜひ参考にしてください。

マイナンバーカードの普及促進:高知県南国市

参考:高知県南国市

高知県南国市では、早期にほぼ全ての市民にマイナンバーカードが行き渡るよう普及啓発に取り組みました。マイナンバーカード、インターネット、テレビを利用した「南国市健康ポータル」を運用しており、利便性の高さを住民にアピールしています。

また自宅のテレビに専用機器を取り付けてマイナンバーカードを読み込むことで、健康ポータルの情報がテレビ画面に映し出される仕組みを確立し、マイナンバーカードの必要性をアピールしました。

窓口業務の抜本的な改革を実施:北海道北見市

参考:北海道北見市

北海道北見市は「書かない窓口」という業務改革を推進しました。自治体DXのなかでも好事例として取り上げられています。

一般的に役所では、申請の際に住民が書類を書いて窓口に持っていく必要があります。しかし北見市では窓口に行くだけで完結します。記帳台もありません。

北見市では、各担当課のデータベースを一カ所に統合することで住民の手続き情報を整理しています。そのため住民の情報を窓口課の職員が入力することで一括で手続きができる仕組みになっています。

これにより住民の手続きの時間が大幅に削減されました。例えば4人世帯で市内転居したときの転居届の時間は、7分が2分半に短縮されたといいます。また一つの窓口で完結するため、移動の必要もありません。

また入力したデータの処理にRPAを活用。定型的な作業はすべて自動処理され、業務効率化も同時に実現しています。

 DXを推進する県・市町が参画する「DXShipひろしま」を構築:広島県

参考:広島県

広島県では、県全体の自治体DXを効果的に進めるために「DXShipひろしま」という新しい取り組みを開始しました。県や市町が協力し合い、デジタル人材を確保・育成・活用するための枠組みです。情報システムの専門人材を採用し、DXを推進することを目的としています。

もともと広島県では自治体DXを推進するにあたって、デジタル人材の確保が大きな課題でした。単独で人材を確保することが難しい市町にとっては、地域全体での協力が不可欠だったといいます。

そこで広島県では「県・市町情報人材研究会」を基盤とし、情報システム人材をシェアすることにしました。

具体的にはデジタル人材のシェアのほか、共同研修の実施、ナレッジの共有などを進めており、人材リソースを有効に活用しています。

 DX推進アドバイザー制度に加えデジタル人材シェアリング事業を実施予定:大阪府

参考:大阪府

大阪府では、市町村のDX推進を加速するために「DX推進アドバイザー制度」と「デジタル人材シェアリング事業」を実施予定です。

もともと大阪府ではデジタル技術を活用して市町村が効果的にDXを推進できるよう、府が確保した専門家(DX推進アドバイザー)を市町村に派遣する取り組みを行っていました。

これに加えて、「大阪版 デジタル人材シェアリング事業」として、外部デジタル人材を共有する取り組みを進めます。

主な取り組みとしては以下が該当します。

項目取り組み
DX推進アドバイザー制度職員向けDX研修AI活用支援遠隔相談システムの導入支援。窓口支援システムの導入支援日常業務の相談支援
大阪版デジタル人材シェアリング事業スマート市役所構築支援(複数市町村での共同事業)外部専門家によるデジタル人材の育成・支援システムの標準化や共通化の推進

これにより、大阪府内の自治体が協力しつつデジタル人材を活用して、庁内のリテラシーを高める体制を構築しようとしています。

まとめ

今回は自治体DXについて紹介しました。自治体は民間と比べるとデジタル人材が比較的少ないといえますが、住民の生活を支えるうえでもDXを積極的に進める必要があります。

弊社・ファンリピートでは、システム開発、保守運用までを承っています。もちろん自治体からのご依頼にも対応可能です。ローコード・ノーコードツールを用いて、管理しやすいシステムを開発できますので、お気軽にご相談ください。

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