CodeWhispererとCopilotを徹底比較！機能や料金を解説

コードを書く時間を短縮したい、どのようにすれば最適なコードが書けるのかといった悩みをお持ちではありませんか。

そうしたなか、自分でコードを書かなくてよい時代が来ると言ったらいかがでしょうか。

すでに生成AIの台頭により、コードを自分で書かなくてよい時代を迎えつつあります。生成AIが、コードを書くための支援や実際にコーディングを行ってくれるようになってきています。

中でも、Amazon Code WhispererとGithub Copilotはコード支援ツールの代表的な存在です。この記事では、それぞれの機能や料金、おすすめのユースケースまで徹底比較します。

CodeWhispererとは？

CodeWhispererとは、Amazonが提供するAIベースのコード補完ツールです。リアルタイムでコードの提案や補完を行うことができ、コードの品質向上やバグの早期発見、開発速度の向上を実現します。

AIコード補完ツールは、開発者のコーディング効率を大幅に向上させることができるためおすすめです。

中でも、CodeWhispererには、複数のプログラミング言語に対応しており、コードの一部を入力するだけで、次に必要なコードや関数の提案を受けることができるという特長があります。

さらに、コードのセキュリティリスクを検出する機能も備えており、開発者が安全なコードを作成することを支援してくれるでしょう。

CodeWhispererは、クラウドベースの環境で動作しているため、開発者がどこからでも利用できるという利点があります。その他にも、AWSのエコシステムとの統合がスムーズで、他のAWSサービスと組み合わせて効果的に活用することが可能です。

Copilotとは？

Copilotとは、GitHubが提供するAIアシスタントで、こちらもコードの自動補完をサポートします。

開発者がコードを書く際に、リアルタイムで次の一行や次の数行を提案することで、コーディング作業の効率化を実現できるでしょう。主要なプログラミング言語に対応しており、コードの一部を入力すると、そのコンテキストに基づいて最適なコード補完が可能です。

Copilotは、既存のコードベースやコメント、関数名などを理解し、それに基づいて適切なコードを生成しており、テストコードやドキュメントの生成支援によってコードの品質と一貫性を向上させます。IDE（統合開発環境）に統合されており、Visual Studio Codeをはじめとする主要なIDEで利用可能です。

さらに、学習データベースとして公開リポジトリのコードを利用しており、幅広いプログラムのパターンやベストプラクティスを学習することができるでしょう。これにより、初心者から上級者まで幅広い開発者が恩恵を受けられるツールとなっています。

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CodeWhispererとCopilotの機能比較

CodeWhispererとCopilotは、どちらもコード補完ツールですが、それぞれ備わっている機能が異なります。どのような違いがあるのか、3つの観点でみていきましょう。

対応言語

ひとつ目の違いとして、対応言語の違いが挙げられます。それぞれ対応している言語は次のとおりです。

開発言語	CodeWhisperer	GitHub Copilot
Python	◯	◯
JavaScript	◯	◯
Java	◯	◯
TypeScript	◯	◯
Go	◯	◯
Ruby	◯	◯
PHP	◯	◯
C#	◯	◯
C++	◯	◯
HTML	◯	◯
CSS	◯	◯
Kotlin	◯	◯
Swift	◯	◯
Objective-C	◯	◯
Perl	◯	◯
R	◯	◯
Shell	◯	◯
SQL	◯	◯
Scala	◯	◯
Rust	◯	◯
Dart	✕	◯
Elixir	✕	◯
Haskell	✕	◯
Lua	✕	◯
Matlab	✕	◯
PowerShell	✕	◯
SAS	✕	◯
Solidity	✕	◯
VBA	✕	◯
Markdown	✕	◯
JSON	✕	◯
YAML	✕	◯

主要な開発言語においてはどちらのツールもカバーしていることが多いようですが、Copilotの方が利用可能な言語の幅が広いと言えるでしょう。

そのため、ニッチな領域の開発言語まで利用したいという場にはCopilotがおすすめです。

コード提案の精度

コード生成の精度に関してもそれぞれに特徴と違いがあります。

CodeWhispererは、関数名やコメントからコードを提案することに長けています。AWSのサービスであることから、特にAWSサービスの利用においては、迅速かつ正確なコード提案が可能です。

一方で、Copilotは公開されているコードから学習し、提案することに強みがあります。また、幅広い言語とフレームワークに対応しており、一般的なコーディングシナリオにおいて高い精度を発揮します。

セキュリティ面

CodeWhispererは、セキュリティスキャンというコードをスキャンしてセキュリティ上の問題点を見つけ、修正案を提案するという機能を持っています。Copilotもセキュリティを意識したコード生成を行ってくれますが、CodeWhispererの方が充実した機能を保有しています。

また、生成AIに読み込ませる情報の取り扱いについても対応が分かれます。Codewhispererは、無料プランにおいては機会学習に利用するとしていますが、CopilotについてはSettingsページから収集の許可/ブロックの設定が可能です。

CodeWhispererとCopilotの料金比較

CodeWhispererとCopilotの料金の違いについてもご紹介します。課金形態や個人利用の場合の費用が異なるなど、いくつかの点で違いが存在します。

CodeWhispererの料金体系

CodeWhispererは、個人利用で契約ができる無料プランと企業が契約できる有料のプロフェッショナルプランに分かれます。

それぞれのプランについて、料金と特徴は以下の通りです。

プラン	月額料金	特徴
無料プラン	無料	基本的なオートコンプリート機能、コードセキュリティスキャン1ユーザー50回/月
プロフェッショナルプラン	$19 / 月	無制限のコードサンプル、コードセキュリティスキャン1ユーザー500回/月、組織によるライセンス管理と方針管理が可能

個人利用の場合は無料プランで十分と考えられますが、コードスキャンやチャットの回数に制限があります。一方、プロフェッショナルプランの場合は、IP保証、エンタープライズ管理、分析ダッシュボードなどが備わっています。

Copilotの料金体系

CopilotはGitHubのサービスとして提供されており、サブスクリプションモデルを採用しています。月額または年額の料金が設定されており、個人利用と企業利用で異なるプランが用意されています。

プラン	月額料金	年額料金	特徴
個人プラン	$10	$100	基本的なコード補完機能、定期的なアップデート、全ての対応言語で利用可能
企業プラン	$19	$200	無制限のコード補完、コードのセキュリティ分析、組織によるライセンス管理、優先サポート

Copilotの場合、有料プランのみの設定となっていますが、30日間の無料トライアルを利用することも可能です。

また、基本的にはサブスクリクション型として毎月費用が発生する形となりますが、年額での支払いも可能であり、年間分を一度に支払うと割引をしていただけます。

CodeWhispererがおすすめのケース

ここではAmazon CodeWhispererの活用がおすすめのケースを解説します。

AWS環境での開発

CodeWhispererは、AWS環境での開発で強みを発揮します。Amazonにおける何十億行ものコードによってトレーニングされているため、AWSにおけるベストプラクティスを教えてくれます。

また、Amazon EC2やS3、AWS LambdaといったAWS関連に対応しているため、CodeWhispererを通して開発環境の垣根を超えた開発を行うことが可能です。

特定のプログラミング言語を主に使用する開発

JavaやPythonなど、特定の言語を主に使用する場合には、CodeWhispererの最適化された提案が有効です。

CodeWhispererにおいて生成可能なプログラミング言語は15ありますが、その内学習データの質が高い言語は一部に限られます。

したがって、幅広く開発言語を用いた開発ではなく、JavaやPythonなど限定された言語での開発を行う際にはCodeWhispererを検討してみるとよいでしょう。

セキュリティを重視する開発

CodeWhispererは、AWSのセキュリティベストプラクティスに基づいたコード提案により、セキュリティを重視するプロジェクトにも適しています。

また、途中でもご紹介しましたが、セキュリティの面ではコードスキャンの機能が非常に有効です。コードスキャン機能によって脆弱性のあるコードを確認し、改善策の提案を行ってくれます。

Copilotがおすすめのケース

続いて、Github Copilotがおすすめのケースを解説します。

GitHubとの連携を重視する開発

CopilotはGitHubとシームレスに連携するため、GitHubを活用する開発プロジェクトに最適です。リポジトリ管理やCI/CDパイプラインの統合がスムーズに行えます。

また、特にGitHub CodespacesやGitHub Actionsを活用する場合には、Copilotを利用すると利便性が高いでしょう。

多言語環境での開発

Copilotは多言語対応が強みであり、複数の言語を使用する開発環境に適しています。

CodeWhispererが15の言語のみを対象としている一方で、Copilotはより多くの言語間でのコード補完機能が一貫して高精度で提供されます。

したがって、多言語での開発を行う際にはCopilotがおすすめです。

テスト駆動開発(TDD)

Copilotはテスト駆動開発（TDD）にも有効です。自動補完機能により、テストケースの作成やリファクタリングが迅速に行えます。

Copilotは、テストコードを自動で生成してくれるだけでなく、コードの実装やリファクタリングなどステップごとに効果的な支援を行ってくれます。

Copilotの提案を活用することで、TDDのプロセスがスムーズになり、プロジェクト全体の成功につながります。

まとめ

CodeWhispererとCopilotについて紹介をしてきましたが、自社の状況に合わせて適切なツールを選ぶことが大切です。また、CodeWhispererには無料プランがあり、Copilotには1ヶ月のみではありますが、試用期間があるため、無料期間で検証を行うという方法もあります。

いずれにせよ、開発組織の生産性向上に向けてCodeWhispererやCopilotといったツールの導入を行うことをおすすめします。