「API」という言葉を聞いたことがあっても、詳しくはなんのことかわからないという方は多いのではないでしょうか。
本記事では、APIそのものの概要や提供方法の種類、活用事例やメリットについて詳しく紹介します。
APIとは?
APIとはApplication Programming Interfaceの頭文字をとった造語で、自社と外部のサービスが持つ機能を連携させる技術のことです。現代ではインターネットやウェブ業界で使われることが一般的になり、APIといえばWeb APIのことを指すケースが大半です。
API開発とは?
API開発とは、前章で紹介したAPIを開発する作業のことです。
サービスとサービスの機能の仲介の役割を担うシステムを開発し、それを誰もが利用できる状態にして、公開することが目的となります。
なお、グーグルやツイッターをはじめとするさまざまな大手IT企業が、Web APIをインターネット上で公開しています。そのため、一からAPI開発のための高度なプログラミングなどを行うことは不要です。
APIの種類
サービス間をつなぐ役割として便利なAPIですが、いろいろな種類があります。本章ではそれぞれの特性について解説します。
REST API
REST APIは、サービス同士のさまざまな機能の連携をサポートするツールです。汎用性が高く、シンプルな構成であることが特徴です。そのため、さまざまなサービスに幅広く対応しています。
ウェブ上で扱うAPIとして最適とされており、最も主流のWeb API といえます。
SOAP API
SOAP APIはアメリカのIT大手Microsoftが開発したAPIで、REST API同様、サービス同士の連携をサポートするツールです。
20年ほど前までは主流でしたが、自由度の低さや、特定の形式への依存による実装の上での難易度が指摘されてきました。その欠点を考慮して新たに開発されたのが、REST APIです。
そのため現代ではWeb APIといえばREST APIという認識が広まり、SOAP APIは一般的には使われなくなっています。
身近なAPI活用事例
APIはわたしたちの日常の身近なところで活用されています。この章では、その活用事例について見ていきます。
Chatwork(チャットワーク)
日本のチャットツールとして知られているChatwork(チャットワーク)ですが、APIを活用すると、より利便性を向上できます。メールの内容をChatworkへメッセージとして転送したり、カレンダーアプリに日程が加わったChatworkでタスク化する、といったものです。
LINE
日本国内で9,000万人以上のユーザーを誇る大手企業LINEも、APIを活用しています。日本発のサービスでは特に、LINEでログインできる機能も増えてきています。
またLINEはMessaging APIというサービスを公開しており、利用することで自動応答メッセージの送信が可能となります。
YouTube
世界的に有名な動画プラットフォーム、YouTubeもAPIの活用例のひとつです。
グーグルアカウントと連携することで過去の動画の視聴履歴が残り、より好みのチャンネルや動画を候補として表示してくれます。
また、独自のYoutube Data APIを提供しており、これを利用することでさまざまな動画の情報を取得できます。
Google Map
世界のマップサービスの中でも圧倒的なシェアを誇るGoogle map(グーグルマップ)。こちらも代表的なAPIの活用例として挙げられます。
APIを活用することで、以下の様なカスタマイズ性を持たせた自分だけのマップを作成することができます。
- 独自のデータをマップ上に表示させる
- マップ上にマーキングを行う
- 特定箇所の情報を、任意のデバイスに追加
Amazon
巨大IT企業Amazonも、APIを活用している企業のひとつです。Amazonはショッピングのみならず、サーバー事業・動画配信・電子書籍をはじめさまざまなサービスを展開しています。いずれもAmazonアカウントひとつあれば、スムーズな利用が可能です。
また現在は以下の2種類のAPIを提供しています。
- MWS
- Product Advertising API
MWSはショッピング事業における、出品者向けのAPIです。製品の在庫の管理、注文のレポートの取得、販売した製品の支払い情報の取得が可能となります。一方のProduct Advertising APIは、Amazonアソシエイトというアフィリエイター向けのAPIです。利用することでアフィリエイトでの売上ランキングの取得や、アフィリエイトの売上のデータ管理ができます。
API開発のメリット・デメリット
API開発を行うことでメリットを得られる一方、デメリットもあります。この章ではそれぞれご紹介します。
メリット
API開発を行うメリットは、以下のとおりです。
- 開発作業の効率化
- ユーザーの利便性の向上
開発作業の効率化
APIを利用することで、開発作業を効率化できます。APIを0から開発して実装するとなると、非常に複雑なプログラミングを行う必要が生じます。
その点、事業者側がすでに公開しているAPIを利用することで、その手間を軽減できます。したがって、開発作業の効率が高まることがメリットです。
ユーザーの利便性の向上
APIの利用は、ユーザーの利便性の向上にも役立ちます。
何らかのサービスに登録する際、すでに登録しているサービスからログインができることで、登録の時間を短縮できるためです。
セキュリティの向上
セキュリティの向上もAPIのメリットとして挙げられます。たとえばログイン認証の際、独自に開発したものより、すでにある大手企業のAPIシステムを利用したほうがセキュリティのレベルが高いことは明白です。
また、信頼や馴染みのあるサービスからログインできることで、満足度の向上にも期待できます。
デメリット
API開発を行うデメリットは、以下のとおりです。
- 仕様変更時にエラーが生じる可能性がある
- システム障害発生時は、利用ができない
仕様変更時にエラーが生じる可能性がある
サービスがAPIに依存する形となるため、仕様変更やアップデートのたびにエラーが生じる可能性は否めません。
また利用しているAPIの会社が倒産した場合、自社サービスに大きな影響を及ぼす点もデメリットです。
システム障害発生時は利用ができない
API提供元の企業にシステム障害が発生した場合、サービスを利用することができなくなるリスクもあります。よくも悪くも、APIを提供している企業に依存する形となるためです。
APIを利用する側としては防ぎようがありませんが、さまざまなケースにおける対策は、常日頃から考えておくべきでしょう。
まとめ
以上、API開発についての概要や、身近な活用事例について解説しました。
APIを活用することで開発作業の効率化や、ユーザーの満足度の向上など、さまざまなメリットが期待できます。上手に活用し、自社のサービスをより良いものにしていきましょう。
APIの活用についてわからないことがあれば、お気軽に弊社にご相談ください。無料ですし、迷惑な営業電話も一切致しませんのでご安心ください。ご興味がおありの方は以下のリンクからお気軽にお問合せください。