AIに関するサービスが続々と登場していますが、自社でAIに関するサービスを立ち上げることはAI開発の知見がない場合には非常に困難です。
したがって、外部企業に委託して開発を行いたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、生成AIに関する受託開発とはどのようなものかや受託開発ベンダーの選び方、おすすめの受託企業をご紹介します。
生成AIの受託開発をご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を3点でまとめると
- AI受託開発は、企業のAIシステム構築ニーズに応え、専門知識を持つベンダーがプロジェクトを請け負うサービス。
- AI受託開発ベンダー選びは、開発実績、専門性、開発体制、費用、提案力の5つの観点から検討することが重要。
- 日本のAI受託開発市場には、大手IT企業からAI特化型ベンダーまで、幅広い選択肢が存在する。
監修者
竹村貴也
株式会社ファンリピートCEO
著書:「ChatGPTによるPythonプログラミング入門. AI駆動開発で実現する社内業務の自動化」
AI受託開発とは
AI受託開発とは、AIに関するソフトウェアやシステムをクライアントの希望に合わせて開発することを請け負うことです。
業務効率化や新たなビジネスチャンスを追求している企業は多く、その結果AI受託開発の重要性が高まっています。
一方で、AIに関する知識を持った人材はまだ多くなく、そのためAIに関するサービスを立ち上げようとしてもなかなか自社で完結させることは難しいのが現状です。
したがって、AI技術の専門知識や開発リソースを持つベンダーにプロジェクトを委託し、自社のビジョンを実現する手段として利用されます。
AI受託開発ベンダーの選び方
自社にあったAIの受託開発ベンダーを見つけるには何に気をつければ良いのでしょうか。ここでは、5つの観点から開発ベンダーの選び方をご紹介します。
開発実績
ベンダーの過去の開発実績は、重要な判断材料のひとつです。開発実績が多い企業は、顧客の期待に応える確かな実力を持っている可能性が高いと考えられます。
開発実績については、事例として各企業のHPに掲載されていることもありますが、直接ベンダーに聞いてみるとよいでしょう。直接確認することで、表面的な内容以上の成果についても知ることができるかもしれません。
専門性・強み
開発ベンダーの専門性や強みを理解することもプロジェクトの成功に直結します。一言でAI開発といっても、実現したい内容によって必要な専門性は異なります。
業務オペレーションをどのように改善したいのか、どういったAIサービスをつくりたいかなど、実現したい内容に基づいて、専門性や強みを発揮できる企業を選定するとよいでしょう。
専門性の高いベンダーは、クライアントの期待を満たす高品質なソリューションを提供できます。
開発体制
ベンダーの開発体制は、プロジェクトの進行や品質管理に影響します。受託開発会社を選定する際には、必ず先方の開発体制について確認しましょう。
開発プロジェクトとして、エンジニアが何名か、専任ディレクターが付くのか、デザインに関してはスコープ範囲内か、といった基本的な情報について確認しましょう。
それ以外では、開発チームとしての実績などAI開発に携わった経験について確認します。チームとしての経験が浅い場合、コミュニケーションが十分にうまくいかずプロジェクトが失敗するリスクが高まりますので注意しましょう。
開発費用
開発費用は重要な検討事項の一つです。しかし、単純なコスト比較だけでなく、提供されるサービスの品質や価値を総合的に評価することが必要です。
いくら理想的な開発チームだとしても、予算をオーバーするようであれば発注を行うことはできません。予算をはじめ発注にあたっての社内の制約条件を確認し、条件をクリアできるベンダーを選定する必要があります。
したがって、ベンダー選定の際には、価格だけでなく、品質やサポート体制にも注目することが重要です。
提案力
ベンダーの提案力は、クライアント(発注主)にとって、目指す方針を実現するために重要です。
クライアントのニーズを理解し、柔軟かつ創造的な解決策を提案できるベンダーは優秀な証です。提案力の高いベンダーは、顧客との協力関係を強化し、共に成長できます。
開発力も重要ですが、どのように開発を進めるかプレゼンできるベンダーは貴重な存在といえるでしょう。
AI開発に強いシステム開発会社11選
AI開発を行いたいと考えた際に、頼りにできる会社を知っておくと困らずに済みます。ここでは、AI開発サービスを手掛けるシステム開発会社を10社ピックアップしました。
株式会社ファンリピート
出典:株式会社ファンリピート
ファンリピートは、「経営戦略×ITソリューション」を掲げ、経営戦略の観点からDX推進をパートナーとして行う会社です。
IT戦略立案といった上流の設計から、AIを活用したシステム開発の要件定義、プロジェクトマネジメントまで幅広く企業をサポートします。
また、ノーコード・ローコードを用いたDX支援事業のBOLTや人工知能を活用して効果的な英語学習をサポートするAI英会話さんといったサービスも展開しています。
企画から開発、検証まで一気通貫したAIシステム開発を依頼したい場合におすすめです。
>>サービス内容の詳細はこちら
株式会社世良
出典:株式会社世良(https://www.sera-inc.jp/ai)
株式会社世良は、自社生成AIのSaaSサービスの複数展開の経験を活かし、生成AI活用の新規事業開発から受託開発まで一貫してサポートしています。
新規事業開発専門のコンサルファーム出身チームと、ディープラーニング時代から最先端を走るエンジニアチームが、PoCを通じて段階的に開発を進めています。
豊富な経験と専門知識を持つ世良が、お客様の革新的なAIプロジェクトの実現をサポート致しています。
株式会社CREX
出典:AI総研
株式会社CREXが運営する「AI総研」は、成果につながるAI/ChatGPT導入の実現に向け、戦略・企画立案から開発まで一気通貫でのAI導入支援やコンサルティング、AI活用研修・人材育成支援を行っています。
AI総研は、幅広い業界での支援経験に基づき、各社の課題解決・目的達成にこだわった、オーダーメイドでの戦略/企画の策定と開発・導入支援を強みとしています。
AI総研では経験豊富なコンサルタントによる、AI/ChatGPT活用の個別無料相談会を実施しております。自社に合ったAIの開発方法や導入の進め方などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
⇒AI/ChatGPTの個別無料相談会の詳細はこちら
NTTデータ
出典:NTTデータ
NTTデータは、日本を代表するシステムインテグレーターです。AIやIoT、クラウドなど先端技術の活用に積極的で、金融、製造、流通、公共など幅広い業界にAIソリューションを提供しています。
また、データ収集や分析、施策実行支援、AI導入に向けたコンサルティング支援などを行っています。
その他、同社のデジタルコグニティブサイエンスセンターでは、数万人規模の性格や価値観、認知バイアスなどのデータを蓄積した「人間情報データベース」を立ち上げています。様々なデータを活かしながらAI開発の受託やコンサルティングを担うNTTデータは、この業界のリーディングカンパニーといっても差し支えないでしょう。
BIPROGY
出典:BIPROGY
BIPROGY(旧日本ユニシス)は、AI技術の開発やサービス開発、新技術研究に幅広く取り組んでいます。
顧客からのヒアリングに基づき、AIを活用したサービスの開発や業務の効率化や生産性向上に貢献しています。また、データ、AI、IoTなどの先進技術を企業活動に活用できる環境を整備し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援しています。
さらに、データとAIを組み合わせて課題解決を支援する「Rinza」というサービスを提供しており、企業の課題に合わせてカスタマイズしたAIソリューションの開発も行っています。
BIPROGYは、AI技術の研究開発から、顧客企業のニーズに合わせたAIソリューションの提供まで、幅広く取り組んでいることがわかります。
アクセンチュア
出典:Accenture
アクセンチュアは、世界有数の総合コンサルティング企業で、日本でもAI分野におけるコンサルティングも提供しています。
機械学習モデルの開発から運用までを一気通貫してサポートすることが可能です。業界・業種を問わず幅広い企業にAIソリューションを提供しています。
また、アクセンチュアはクライアントのビジネスゴールをより早期に解決するため、複数のAIエンジンから最適なエンジンを組み合わせています。それにより、人間のオペレーターとも協調可能なAI HUBプラットフォームをベースにAIサービスを提供しています。
富士通
出典:富士通
富士通は、大規模言語モデル(LLM)の開発に力を入れています。具体的には、富士通は各大学やスーパーコンピューター「富岳」の計算パワーを活用し、圧倒的な規模の日本語言語モデルの開発に取り組んでいます。
富士通が目指すAIの到達点は、「人間並み」の性能を実現することです。そのために、「富岳」の膨大な計算パワーを活用しています。
また、開発にあたっては、AIの説明可能性や倫理的な側面での透明性も重視しています。
三菱電機インフォメーションシステムズ
三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)は、三菱電機グループの情報システム事業を担う中核企業で、「お客様と事業を共創するサービスインテグレーター」として事業を展開しています。
お客様の本質的な課題や隠れたニーズを丁寧に把握し、それに基づいて魅力的なAIサービスを共創することが強みです。
また、MDISには専門家チームが在籍しており、企画から構築、保守、サービスまでITのライフサイクル全般にわたってお客様をサポートしています。このようなトータルサポート体制により、顧客のDX推進に大きく貢献しています。
日本IBM
出典:日本IBM
世界最大級のIT企業IBMの日本法人です。「Watson」を中心に、自然言語処理、機械学習などAI技術の開発から製品化、コンサルティングまでトータルでサポートしています。金融や医療業界といった複雑な業界においても高い実績があることが魅力のひとつです。
AI開発に必要な幅広いソリューションを提供しており、多様な意見と新しいテクノロジーを結集しながら、大きなインパクトを生み出すイノベーションを迅速に実現することが可能です。
DXCテクノロジー
出典:DXCテクノロジー
DXCテクノロジーは、世界的なIT企業の日本法人です。AI分野にも強みを持っており、データ解析プラットフォームの構築やAI活用のコンサルティングを得意としています。製造、金融、公共など業種を問わず対応しています。
DXCのAI受託開発の特長は、最新のテクノロジーを活用しつつ、グローバルな体制と豊富な実績を持っていることです。顧客の事業課題に合わせて、高品質かつスピーディなシステム構築を実現しています。
TISインテックグループ
出典:TISインテックグループ
TISインテックグループは、先進的なAI技術を活用し、顧客の課題解決に貢献することを目指しています。同社は日本のITリーディングカンパニーとして、顧客と共に社会の期待を超え、人々の幸せに貢献することを目標としています。
AI開発においては、TISの豊富な経験とノウハウを活かし、顧客のニーズに合わせたソリューションを提供しています。顧客のビジョンや戦略を実現し、成長をリードするためのAIシステムの企画・提案を行っています。
キカガク
出典:キカガク
キカガクは500社を超えるクライアントにAI開発サービスを提供してきた実績があり、DXコンサルタントやAIエンジニア、データサイエンティストが多数在籍しています。
単なるAIソリューションの提供だけでなく、プロジェクト全体をサポートし、内製化に向けた人材育成も行っています。
理論とコーディングを組み合わせた学習コンテンツ「KIKAGAKU」も無料公開しており、誰でも最先端のAI知識を習得できるようサポートしています。
まとめ
昨今では、AIを利用したサービスや業務効率化ツールにおける受託開発のニーズが高まっています。受託開発を行うベンダー選びでは、開発実績や専門性、開発体制、開発費用、提案力を考慮して決める必要があります。
また、国内における主要なAI受託開発会社をご紹介させていただきました。ベンダー選定の参考にしていただければと思います。